監修者：管理栄養士 秋山真敏
「水は1日2L飲む」を実践して太ってしまった経験がありませんか？
実は水は、適切に飲めば一定のダイエット効果を発揮することができますが、間違った飲み方をすると、むくみで体重が増えてしまう可能性もあります。
この記事では、おすすめの痩せる水の飲み方・選び方と、継続すると痩せやすい体質に近づく『水ダイエット』の正しいやり方について徹底解説させてもらいます。
ダイエットがなかなかうまくいかない方や、もっと効率よくダイエットを成功させたい方には、特に参考になるかと思います。
そもそもダイエットに水ってどのくらい重要なの？
突然ですが、体の中で水がどのくらい大切なのかご存知でしょうか？
水分補給は大事とはわかっているけど、具体的に何に良いのか？という人も少なくないと思います。
いつも何気なく飲んでいる水ですが、実は体の中で重要な働きを担っています。
体の中で水がどんな良い働きをしているか、まずは3つ紹介させてもらいます。
水を飲むことが重要な理由
- 内臓の働きを強化し、元気になる
- 寒さや暑さに強くなる
- 持久力を高める
内臓の働きを強化し、元気になる
水は、体の中で胃や腸などの消化器や、肝臓や膵臓などの働きを活性化します。
内臓機能と一緒に血液やリンパの流れを良くする働きがあるので、全身に栄養を届けられる上、自然治癒力を高めることができます。
体内で水が不足すると、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
・血流が低下して冷え性になりやすくなる
・消化機能が衰えやすくなり、腸内環境が悪化しやすくなる
・長時間寝ても、疲れがとれにくくなる
寒さや暑さに強くなる
水分を適切に摂ると、体温を調整する能力が活性化します。
人間は体内の水分を使って、無意識のうちに体温を一定の温度を保つように調整されています。
ダイエットや健康のためには、体温を調整する能力が正しく働いていることがとても重要です。
体内で水が不足すると、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
・体温が低下し、免疫力が低下しやすくなる
・風邪を引くと長引きやすくなる
・熱中症になりやすくなる
持久力を高める
体内の中で、水はクッションのような役割をしています。
体の中の水分は、関節・神経・内臓・筋肉をダメージから守る作用があり、体の中のダメージを蓄積されにくくするために働いています。
体内で水が不足すると、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
・運動中にケガをしやすくなる
・集中力が低下しやすくなる
・腰痛や腹痛が起こりやすくなる
このように、水を飲むことは、ダイエットを成功させるだけでなく、健康を維持するためには重要な働きを担っています。
では、１日に必要な水の摂取量はどのくらいが良いのでしょうか？
答えは、体重(kg)×30ml〜40mlが1日に必要な水分の量です。
例)
体重が40kgの人・・・1200-1600ml
体重が50kgの人・・・1500-2000ml
体重が60kgの人・・・1800-2400ml
体重が70kgの人・・・2100-2800ml
体重が80kgの人・・・2400-3200ml
どうでしょう？1日に必要な量は飲めていますか？
いつも何気なく飲んでいる水ですが、意外と不足している人も多いです。
逆に飲みすぎている人もいます。『水分は1日2L』と良く言われていますが、人によって1日2Lは多すぎる場合もあるので、注意が必要です。
中には、水分を必要量きっちりと取っただけで、「自然と痩せてダイエットの成功した」という人もいらっしゃいます。
正しい水ダイエットで期待できる効果
水ダイエットという言葉を聞いたことはありませんか？
水にダイエット効果があるの？と思うかもしれませんが、実はダイエットには水分補給がとても重要です。
なぜ、水を飲むだけでダイエット効果が得られるのか、わかりやすく徹底解説していきます。
水ダイエットの効果①代謝をよくする
水ダイエットを行うと、体内に溜まった老廃物を排尿・発汗で排出しやすくなります。
体の中で、老廃物が排出される水ダイエットをするだけで、お肌の調子を良くなったり、疲れが取れやすくなったりする方もいらっしゃいます。
水ダイエットの効果②食欲を抑制する
水ダイエットを行うと、脳の満腹中枢を刺激しやすくなり、食欲をコントロールしやすい状態になります。
水を適切に飲むと、早食い・ドカ食いを防止することができます。
どうしても我慢できなかった間食を、水を飲むだけで自然と我慢できるようになる方も少なくありません。
水ダイエットの効果③腸内環境を良くする
水ダイエットを行うと、胃腸の働きが正常に近づきやすくなり、腸内環境が整いやすくなります。
水を適切に飲むと、便秘やガスなどの不快な症状を予防する効果が期待できます。
長年悩んできた便秘が、水ダイエットだけで解消されたケースもあります。
毎日続けやすい！水ダイエットの正しいやり方
水ダイエットのやり方はとても簡単で、毎日、体重あたり30-40mlの水を飲むだけです。
え、そんな簡単方法で、本当に痩せるの？と思うかもしれませんが、続けていればじわじわと効果を実感できるはずです。
間違った方法で実践してしまうと太る可能性もあるので、正しいやり方やポイントを詳しく解説していきます。
食事は制限せず、水を飲むだけ
水ダイエットでは、食事制限は必須ではありません。
特別なことをせず、普段通りの生活で大丈夫です。
軟水や硬水はこだわらなくても良い
水ダイエットでは、水の種類にこだわる必要はありません。極論、水道水でも結構です。
ミネラルウォーターの他に、炭酸水・レモン水・アルカリイオン水など、砂糖やカフェインの入っていない水を選んでいただければ問題ありません。
強いていうなら、硬水より軟水の方が日本人には合っていると思います。
日本人は、エビアンやコントレックスなどの硬水を飲むと下痢をしてしまう人が一定数いらっしゃいます。
下痢になるのは、エビアンやコントレックスなどの硬水に多く含まれるミネラルの影響です。
エビアンやコントレックスなどの硬水には、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが多く含まれていますが、一度に多く飲みすぎると水分とミネラルの吸収率が下がり、吸収しきれなかった水分やミネラルが便を柔らかくしすぎて、下痢してしまうという仕組みがあります。
普段、便秘で悩んでいる方は硬水をあえて飲んでみるのも良いかもしれませんが、胃腸が弱く、下痢しやすい方は硬水を避けて、軟水を選んだ方が良いかもしれません。
砂糖入り、人工甘味料入りの水に注意
近年、天然水と書いているのに、水以外の成分が配合されている商品をよく見かけます。
レモン水や炭酸水を飲みやすくするために、砂糖や人工甘味料が入っているのですが、 水ダイエットを砂糖や人工甘味料が入った水で行うと、本来減るはずの食欲が増えたり、むくみが強くなって太る可能性があります。
スーパーやコンビニで水を買うときは、成分表示を必ず確認するようにしてください。
理想は30分〜1時間ごとのタイミングで水分補給
水ダイエットの効果を最大化するためには、水分補給のタイミングが重要です。
1回に飲む量の目安は、30分〜1時間ごとに体重(kg)×3-4mlが適切です。
タイミングよく水分補給することでダイエット効果を高めることも可能です。
例)
体重が40kgの人・・・120-160ml
体重が50kgの人・・・150-200ml
体重が60kgの人・・・180-240ml
体重が70kgの人・・・210-280ml
体重が80kgの人・・・240-320ml
仕事や家事が忙しくて、理想的なタイミングで水分を摂るのが難しい方は、
朝や夕方で、1日に必要な量をまとめて飲むだけでも、ある程度ダイエット効果は期待できますが、
理想的なタイミングで水を飲むより、ダイエット効果は落ちると思っておいてください。
★管理栄養士 秋山真敏 コメント
体の中の水分が0.5％減少すると、代謝が低下すると言われています。
体重50kgの人の場合、水分が150ml不足するだけで代謝が下がってしまう可能性があります。
体内の水分は、無意識のうちに汗や呼気で体の外に出ていってしまいますので、こまめに補給してないと、代謝が下がったまま日常生活を送ることになり、結果的にダイエット・健康に対する効果が下がってしまう可能性があります。
ダイエットに成功したい方は、水をこまめに取れるスケジュールを確保することが重要です。
間違った方法で実践すると太るリスクも！？水ダイエットの注意点 ーダイエット成功のための正しい水の飲み方や選び方
水ダイエットは、簡単に実践できる方法ですが、注意点もあります。1番の注意点は、水の飲み方です。
実は、質の良い水を選ぶことより、水の正しい飲み方を意識することの方が10倍大事です。
1日の規定量以上に飲み過ぎない
水は体に良いからとガブガブ飲んでも、ダイエット効果が高まることがありません。
つまり、体重(kg)×40ml以上飲んでも、意味がないということです。
水の飲み過ぎは、『むくみがひどくなり、体重が増える』『体内のミネラルが薄まり、めまいや貧血をおこやしやすくなる』というデメリットもありますので、飲みすぎないように注意も必要です。
正しい水ダイエットを実践していれば、体調が悪くなる可能性はほとんどありませんので、体調が悪くなったら、正しい水ダイエットができていない可能性を疑ってみてください。
指導経験上、注意点を無視して、水をガブガブ飲んで体調を崩してしまったり、努力してダイエットをしているのにむくみで太ってしまう方は少なくありません。
冷たい水を一気に飲み過ぎない
『常温の水より、冷たい水の方が飲みやすい』と思う方もいるかもしれませんが、冷たい水は胃腸の働きを悪くさせ、消化不良の原因になります。
焼肉を10人前余裕で食べられるくらい、胃腸が丈夫な人は、気にしなくても構いませんが、当てはまらない人は、常温の水か白湯をゆっくりと飲むのがおすすめです。
どうしても冷たい水を飲みたい人は、一気飲みはせず、ゆっくりとした正しいペースで飲むようにしましょう。
2つの注意点を守って水を飲めば、水ダイエットを安全に成功させることができます。
ダイエットで重要なのは、栄養不足にならないことです。
そのためには、栄養の消化吸収能力を維持し、ダイエットに必要な栄養をしっかり体の中に吸収することが重要です。
もともと胃腸が弱い人は、冷水を飲むだけで、胃腸にストレスがかかってしまい、食事からの栄養が吸収しにくくなってしまう方もいます。
冬の時期など、体温が下がりやすい環境では、常温の水も胃腸のストレスになってしまう場合もあります。胃腸の弱い方は、白湯が一番おすすめです。
白湯は、胃腸の働きを活発にしてくれる効果が期待できます。
水ダイエットだけで痩せられるのか！？水を飲みながら、合わせて取り組みたい方法を解説
簡単で、明日からでもできそうだけど、本当に水を飲むだけで痩せられるの？と思う方もいらっしゃると思います。
残念ですが、水ダイエットだけで、全ての方が痩せられるということはありません。
水ダイエットの指導経験上、『間食やドカ食いが多い』と悩んでいる方は水を飲むだけで、ある程度痩せられる傾向があります。
『なんだ、痩せないのか…』と思ったあなた！
実は、他のダイエットと組み合わせることによって痩せることが可能です。
水ダイエットは、『ダイエットを何から始めて良いかわからないダイエット初心者』におすすめの方法ですが、
食習慣の改善や運動を併用することで、痩せ効果を高めることができます。
歩数計を確認しながら、1日8000歩歩く
スマートフォンを持っている方なら、アプリに記録されている最近の歩数を確認してみてください。
痩せるためには、1日8000歩以上は歩く必要がありますので運動の目安にしてみましょう！
通勤・通学以外に20-30分間歩く
歩数がわからないという方は、1日20-30分間歩いて移動をしてみましょう！
スーパーでの買い物やショッピングモールをウィンドウショッピングでも構いません。
タンパク質を意識した食事をする
卵や鶏胸肉など、タンパク質を意識して食べると、余分なカロリーや間食を摂りたい欲求を制御することができます。
「食事改善を何からから始めて良いかわからない」という方は、タンパク質を意識することから始めてみてください。
水ダイエットは、健康的なダイエットとして有効な方法です。
水ダイエットだけで健康的に痩せることは難しいと思いますが、他のダイエットと組み合わせると、相乗効果が期待できます。
今やっているダイエットの効果がいまいち実感できない時に、プラスで行うと良いと思います。ただし、腎臓・心臓などに病気や不調があり、水分制限が必要な方には向かないダイエットです。
病院やクリニックの診察の際に、水分制限を指導されている方は、医師に指導されている内容を守ることを優先してください。
痩せるだけではない！ダイエット以外でもデトックスや健康に水が活躍！
「ダイエット目的なら、水ダイエットだけだと何かやる気起きない…」
と思っている方に朗報です。
実は、水ダイエットは、ダイエット効果以外に3つの効果が期待できます。
①美肌効果
水ダイエットを続けていると、体の老廃物がデトックスされやすくなり、肌の調子を整えることにつながります。
②メンタルを強くする
水ダイエットを続けていると、気持ちの高まりや不安定な感情をコントロールしやすくなります。
水ダイエットは自律神経の乱れや、イライラで悩んでいる方にもおすすめの方法です。
③疲労回復促進
水ダイエットを続けていると、疲れが溜まりにくくなります。
特に「飲み会などで飲みすぎた次の日の体調が悪くなりにくくなった」といった感想をよくいただきます。
まとめ
水ダイエットは、ダイエット初心者に特におすすめなダイエット方法です。
水の選び方や量に気をつけてながら、水ダイエットを行えば、一定の痩せ効果も期待できます。
水分を毎日摂るだけで、ダイエット効果だけでなく、美容や健康にもよい効果が期待できますので、記事を読んで試してみてくださいね。
監修者プロフィール
- 管理栄養士と食品衛生管理者の資格を持つ
- 栄養指導研究歴11年
- 栄養サポート(https://vita-pro.site/)を運営
- YouTube：https://www.youtube.com/channel/UC2FZMqjo0FkoJXsvaVDi1GQ
- ブログ：https://ameblo.jp/protein-akiyama/