監修者:ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹波 里奈
「どうやってダイエットしよう?」なんてダイエット方法を考えるとき、「ウォーキング」を思い浮かべる人は少なくないはず。
しかし「筋トレに比べると強度が弱そう」「やはり走った方がいいのかな?」と疑問に思う方も多いことでしょう。
たしかに、ウォーキングは筋トレやランニングに比べると運動強度が弱くなることはあるものの、ウォーキングならではのメリットもあります。
この記事ではウォーキングのメリットやウォーキングの効果を高める方法などを解説しますので、ウォーキングダイエットを検討中の方はぜひ参考にしてくださいね!
ウォーキングのメリット
老若男女問わず誰でもできる
ウォーキングの一番のメリットは、誰でもできるということ。
両足で立つことができれば、性別や年齢を問わず歩くことができます。
また、筋トレに比べると動作の習得が簡単で、特別なメニューが必要ないという点も大きなメリットの一つ。
様々なダイエット方法、運動方法の中で一番気軽な方法といっても過言ではないでしょう。
スキマ時間にできる
ウォーキングはちょっとしたスキマ時間に行えるというのもメリットの一つです。
朝起きてすぐ、夕飯前にちょこっとなど、思い立ったらすぐに実行できます。
また、通勤・通学中など日常生活の中で行うことも可能です。
そのためルーティン化しやすいのもメリットといえるでしょう。
強度を調整しやすい
ウォーキングは強度を調整しやすいエクササイズです。
辛いと感じたら速度を緩める、もう少し頑張れそうなら速ペースを速めるなど、自分の裁量ですぐに強度を調節することができます。
そのため無理をしにくく、怪我や体調不良を引き起こしにくいもメリットの一つです。
運動初心者の方でも安心して取り組むことができます。
コストパフォーマンスがいい
ウォーキングは運動用のシューズさえあればすぐに始めることができます。
スポーツジムに通うとなるとスポーツウェアや月会費など様々な費用が継続的に発生するため、それなりにコストがかかるもの。
仮にウォーキングに適したシューズを持っていなかったとしても、安いものであれば3000円前後で手に入れることができます。
月会費等、継続的に費用が発生するスポーツジムに比べれば断然コスパのいい運動といえるでしょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
ウォーキングは数あるエクササイズの中でもかなりポピュラーな部類。
ヨガや筋トレは「初めてでもできるかな?」「やり方がわからない」などややハードルの高さを感じることがありますが、ウォーキングであれば運動初心者の方でも気軽に取り組むことができます。
そのため、少しでも「痩せたい」「健康になりたい」と思う気持ちがあるのなら、まずはウォーキングから始めてみるのも良いでしょう。
また、ウォーキングは専門的な知識がなくても自分に合った強度で行いやすいエクササイズです。
余裕があればペースを上げる、息が上がりすぎていたらペースを下げるなどして、無理のない範囲から始めてみてくださいね。
ランニングとの違い
体への負担
ウォーキングと比較されることが多いエクササイズといえば「ランニング」ですが、ウォーキングとランニングでは体への負担が大きく異なります。
というのも、ウォーキングは動作中に両足が地面から浮くことはありません。
片足ずつ交互に地面から離れるため、その分関節への負担は少なくなります。
一方、ランニングは両足が地面から浮く瞬間があるため、その分負担も大。
膝や股関節への負担はウォーキングよりも大きいです。
心拍数
ウォーキングとランニングでは心拍数の上がり方も大きく異なります。
ウォーキングに比べるとランニングは息が上がりやすく、心拍数も向上しやすいです。
ウォーキングは速度や傾斜にもよりますが、普通の速度でただ歩くだけなら心拍数が急激に上がることはありません。
ランニングよりもウォーキングの方が心拍数を調整しやすいともいえるでしょう。
消費カロリー
ウォーキングとランニングを比較すると、ランニングの方が運動強度は高め。
そのためウォーキングとランニングを同じ時間を行うとすると、消費カロリーはランニングの方が多いです。
ウォーキングだとカロリーを消費できないというわけではありませんが、消費カロリーを高めるためには速度や傾斜の工夫をする必要があります。
ウォーキングの効果
ダイエット効果
ウォーキングには様々な効果がありますが、代表的なものといえばダイエット効果。
ウォーキングは有酸素運動であるため、脂肪を燃焼するのに非常に効果的です。
おすすめは心拍数100〜120くらいで、合計20分以上続けること。
すると、脂肪燃焼効果を高めることができます。
内臓脂肪の減少
ウォーキングは皮下脂肪の減少だけでなく内臓の周りにつく「内臓脂肪」の減少にも効果的です。
内臓脂肪が蓄積されるとパッと見は細身なのにお腹だけがぽこっと出ていたり、心臓や脳の疾患の発生率を高めたりします。
ウォーキングと合わせて食生活の改善も行うとさら、さらに効率よく内臓脂肪を減らすことができます。
心肺機能のアップ
ウォーキングは有酸素運動の一種であるため、心肺機能のアップにも効果的です。
そのため、息切れしにくくなったり疲れにくくなったりするでしょう。
ただ、ゆっくりとしたウォーキングでは心肺機能のアップはあまり期待できません。
少し息が上がるくらいのペースでウォーキングを行うことが大切です。
血流のアップ
ウォーキングを行うとふくらはぎや体幹の筋肉が使われます。
すると血行が促進されるため、全身の血流アップにも効果的。
血流が良くなれば肩こり等の不定愁訴が改善されたり、むくみや冷えなどのトラブルを改善することができます。
また、血流がスムーズになることで高血圧の予防・改善効果も期待できるでしょう。
生活習慣病の予防
「生活習慣病」とは、メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病や心筋梗塞など、日常生活の習慣が大きく関与する疾患のこと。
ウォーキングを定期的に行うと内臓脂肪が減り血行が促進されるため、生活習慣病を予防・改善することができます。
こちらもウォーキングだけでなく、食生活の改善も同時に行うとより効果を感じやすくなります。
免疫力を高める
ウォーキングは免疫力アップにも効果的。
というのも、外でウォーキングを行う際に日光を浴びると、ビタミンDの生成が促されます。
ビタミンDは免疫力アップに欠かせない栄養であるため、ウォーキングのために日光を浴びることは風邪知らずの身体をつくることができるのです。
ウォーキングの効果を高める方法
タイミングを選ぶ
ウォーキングを行うタイミングによって、効果の現れ方が多少異なります。
例えば、免疫力アップ最も効果的な時間帯は「日の当たる時間帯」です。
日光を浴びることによってビタミンDが生成されるので、夜に外を歩いても免疫力はあまり高まりません。
脂肪燃焼を狙うのであれば、時間は問わず空腹のタイミングで行うことがおすすめ。
より効率よく脂肪を燃焼させることができます。
心肺機能アップ、血流アップ、生活習慣病の予防などを狙う場合はどのタイミングでもOKです。
心拍数を確認する
目的に応じた心拍数をキープするのも、効果を高める上で大切なポイントです。
ちなみに、心拍数とは心臓が60秒間に拍動する回数のこと。
年齢によって少し異なりますが、脂肪燃焼を目指すのであれば心拍数は100〜120くらい、体感としては「少し息が上がるけど辛くはない」くらいの強度をキープしましょう。
内臓脂肪の減少や生活習慣病の予防なども同等の心拍数のキープがおすすめです。
また、心肺機能を高めたい場合はもう少し高めの心拍数を目指すのがベター。
息が上がるくらいを目安に歩いてみてください。
フォームに気をつける
ウォーキングでダイエットしたいと考えている場合、フォームも重要です。
背中が丸まり、お腹が緩みきった状態で歩いても思うように効果はでません。
歩くときは背筋をスッと伸ばし、お腹に軽く力を入れた状態をキープしましょう。
また、消費カロリーや筋肉の使用量を高めるのであれば、小股よりも大股で歩く方がおすすめです。
腕を大きく振りながら、一歩一歩大きく踏み出す意識を持ちましょう。
トータルの運動時間に注目する
脂肪燃焼を目指す場合、トータル20分以上のウォーキングが理想的。
20分はまとめてでなく、小分けにして行ってもOKです。
朝10分、夜10分などトータル20分以上行うよう心がけましょう。
また、その他の効果においても20分以上行うのが理想的です。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
心拍数はスマートウォッチやアプリなどで手軽に測定することができます。
個人的にはスマートウォッチの方がおすすめ。腕につけたまま測定できるため、ウォーキング中にこまめに確認できます。
一方、アプリは一定の時間カメラやライトに手をかざす必要があるため、ウォーキングしながら測定するのはやや難しいです。
ちなみに、脂肪燃焼を目指す時の目標心拍数は「(220−年齢)×0.6」で割り出すことができます。心肺機能アップを目的とする場合は「(220−年齢)×0.8」で割り出した数値を目標にしてみてください。
すると、効率よく目標を達成することができますよ!
ウォーキングが向いている人
歩くことが好きな人
走ることよりも歩くことが好きな人は、ウォーキングに向いています。
ランニングが好きだと、どうしても走りたくなりがちです。
ランニングよりも強度が低いウォーキングだと、物足りなさを感じてしまうことがあるでしょう。
一方、歩くことの方が好きであれば苦にならないため、楽しみながらウォーキングすることができます。
脂肪を減らしたい人
ウォーキングは筋肉量のアップよりも、脂肪燃焼効果の方が高いです。
そのため、脂肪を減らしたいという方には特に向いています。
ダイエットしたいと思っている人、医者から脂肪を減らすことで健康になれると言われている人は、ぜひウォーキングを始めましょう。
生活の中で移動が多い人
ウォーキングはこまめに取り入れることで大きな効果を生み出します。
そのため、生活の中で徒歩による移動が多い人は絶好のチャンス。
なんとなく歩くのではなく、正しいフォームや心拍数を意識すれば、仕事中の移動でもウォーキングの効果を得ることができます。
動作の繰り返しに飽きない人
ウォーキングは筋トレやダンスエクササイズに比べると動きが単調です。
速度的に考えても、景色もあまり変わりません。
そのため、何に対しても飽きっぽくない人の方がウォーキングに向いているといえます。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
ウォーキングが続かなくなる理由として意外と多いのが「飽きる」というもの。
確かに、自宅の周りを歩き続ける見慣れてしまい、飽きてしまう可能性が高いです。
ウォーキングコースは1つに絞らず、いくつか持っておくといいでしょう。
また、休日などは少し遠い場所にウォーキングに行ってみるのもおすすめです。新鮮な景色に、ウォーキングがはかどるはずですよ!
そのほか、ウォーキングを飽きずに続けるためにおすすめなのが音楽です。ウォーキング中に聴く音楽を変えるだけでも気持ちがリフレッシュされ、新鮮な気持ちでウォーキングに取り組むことができますよ。
ウォーキングが向いていない人
ウォーキングに当てる時間がない人
前述の通り、ウォーキングの効果を高めるためには最低でもトータル20分以上の運動時間が必要です。
そのため、ウォーキングwpする時間がない人はウォーキングには向いていません。
まとまった時間が取れなくてもこまめに時間が取れるようであれば問題ありませんが、小分けにして行うのも難しいようであれば他の方法を検討しましょう。
筋力アップを目指したい人
ウォーキングには、ウエイトトレーニングや自重トレーニングのような高い筋トレ効果はありません。
ふくらはぎや体幹など一部の筋肉は使われますが、筋トレを目的としているわけではないため、ウォーキングで筋肥大を狙うのはなかなか難しいものです。
脂肪が減れば筋肉のライン等が綺麗に見えることもありますが、「体を大きくしたい」「筋肉をつけたい」と思っているのであれば、ウォーキングより筋トレの方がおすすめです。
外に出るのが嫌いな人
ウォーキングは基本的に外で行います。
「日焼けしたくない」「屋内で過ごす方が好き」という人は向いていないといえるでしょう。
もちろんランニングマシンを使って運動することもできますが、実際に歩くのとランニングマシンを使うのでは筋肉の活動量が大きく異なります。
そのため、ジムでウォーキングをする場合は筋トレも合わせて行った方が良いでしょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
ウォーキングに筋トレほどの効果はありませんが、ある程度の筋力は使われています。
そのため、筋肉も体力も全くない人がウォーキングを行うと「筋肉がついたかも」と感じることがあるでしょう。
ただ、現在それなりに筋肉のある人がウォーキングを行っても、筋肉量の増加を感じるのは難しいです。
また、ランニングマシンはベルトが勝手に動くため、通常のウォーキングに比べると地面を蹴る力をあまり使いません。そのため、実際に地面を歩くウォーキングよりも筋肉の使用率は低く、筋肉の活性化効果も低めです。
よほどの事情がない限りは屋外でのウォーキングの方が効果的といえるでしょう。
ウォーキング時におすすめの服装
ウォーキング時は基本的にどんな服装でもOKです。
動きやすければTシャツでもパーカーでも問題ありません。
おすすめは体のラインに沿うようなサイズ感のもの。
ゆったりとしたサイズ感だと、足を動かすときや腕を振る時に邪魔になる可能性があるので注意しましょう。
また、夏場であればUVカット仕様のTシャツ等もおすすめ。
寒い時期は厚着をしたくなりますが、歩いているうちに暑さを感じる可能性が高いため体温調節できるようにしておきましょう。
長袖のTシャツの上にパーカー等を羽織るのがおすすめです。
シューズはウォーキングやランニング用のものであれば理想的ですが、ソールにクッション性のあるスニーカーであれば問題ありません。
ヒールがあるものやインソールは足に負担がかかるため避けましょう。
まとめ
ウォーキングは「痩せたい!」と思っている人はもちろん、健康的な体を目指している人にもおすすめです。
運動初心者の方でも気軽に取り組むことができるので、ぜひこれを機に始めてみてくださいね。
まずは10分程度から、息が上がらない程度の速度で始めてみましょう。
慣れてきたらウォーキングの時間を長くしたり、スピードを速めたりして、強度を調整しながら目標達成を目指しましょう!
監修者プロフィール
★ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈
- フィットネス指導歴12年
- RYT200、RPYT85(マタニティヨガの資格)取得。
- レイキセラピスト取得
- 学生時代、4年間インストラクターとして活動。
- 現在は、ヨガインストラクターとしての活動以外にパーソナルトレーナーとしても活動。