監修者:ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹波 里奈
ダイエットの天敵といえば、「皮下脂肪」。
名前を聞くだけでゾッとする…なんてダイエッターさんも多いかもしれませんね。
この記事ではそんな皮下脂肪の特徴や皮下脂肪がつきやすい場所、皮下脂肪の落とし方やおすすめのエクササイズについて解説します。
これからダイエットをしようと思っている方、必見です!
皮下脂肪って何?
「皮下脂肪」とは、皮膚のすぐ下にある脂肪のこと。
ダイエットをしている人にとっては悪者のイメージしかありませんが、実は次のような役割を担っています。
- 外部から加わった刺激や衝撃を和らげる
- 体温を保つ
- 体のエネルギーを蓄える
つまり、健康を維持するためには一定程度必要なものでもあるのです。
しかし皮下脂肪にはじわじわと蓄積される性質があり、放っておくといわゆる「肥満体型」になってしまいます。
そのほか、睡眠時無呼吸症候群や月経異常、体が重くなることによる関節通などを引き起こす可能性もあるため、皮下脂肪はつけすぎないようにすることが大切です。
内臓脂肪や異所性脂肪との違いは?
内臓脂肪とは
皮下脂肪とよく一緒に解説されるのが「内臓脂肪」です。
「内臓脂肪」とはその名の通り、胃や腸などお腹まわり内臓のまわりにつく脂肪のこと。
皮下脂肪に比べると体型への影響は少なく、一見痩せているように見えるのが怖いポイント。
放っておくと次のようなデメリットを招きます。
- 高血圧
- 高血糖
- 脂質異常
- 生活習慣病のリスク増
内臓脂肪は蓄積されやすいものの、皮下脂肪に比べると落としやすい存在でもあります。
有酸素運動や食事習慣の見直しで改善されることが多いです。
異所性脂肪とは
「異所性脂肪」とは、皮下脂肪や内臓脂肪以外に存在する脂肪のこと。
主に筋肉、肝臓、心臓などにつきます。
体への悪影響が大きく、放っておくと次のようなトラブルを引き起こす可能性が高いです。
- 高血糖
- 高血圧
- 脂肪肝、糖尿病など重度の疾患
こちらも運動や食事の見直しで改善することができます。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
ダイエット情報や健康診断でよく目にする「体脂肪」とは、各種脂肪の総称。
皮下脂肪も内臓脂肪も含まれています。ちなみに、体重計などで測定する「体脂肪率」は、皮下脂肪や内臓脂肪が体重を締める割合のこと。
男性は10〜19%、女性は20〜29%が目安と言われています。
より精密な体組成計では「皮下脂肪率」や「内臓脂肪レベル」などそれぞれを測定できることもあるため、自分の体について詳しく知りたい人はぜひ活用しましょう。
家庭用でも精密に測定できるものが増えているため、毎日測定したい人は購入がおすすめ。
時々測定するだけでいい人は、スポーツジム等にある体組成計を活用しましょう!
皮下脂肪はどこにつきやすい?
皮下脂肪はほぼ全身につきます。
その中でも特につきやすいのが、下腹などお腹回りやお尻、太もも、二の腕など。
人によっても異なりますが、あまり動かさないパーツにつきやすい特徴があります。
また、皮下脂肪のつきやすさを男女で比較すると、ホルモンの関係で女性の方がつきやすいといわれています。
一方、男性は内臓脂肪がつきやすいという特徴があるので、男女問わずどちらも注意しましょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
お腹や太ももなどは「太りやすくて痩せにくい」というイメージをお持ちの方も多いはず。
まさにそのイメージ通り、お腹や太ももには皮下脂肪が蓄積されやすい傾向があります。
それでいて一度蓄積されると落ちにくいため、「太りやすくて痩せにくい」のです。
ちなみに、女性に皮下脂肪がつきやすいのは、皮下脂肪が女性にとって欠かせないものであるから。
実は皮下脂肪がないと女性ホルモン「エストロゲン」が分泌されにくくなってしまい、月経や排卵がなくなってしまう可能性があるのです。
また、お腹周りの皮下脂肪には子宮を温めるという大切な役割もアリ。
“必要だからつきやすい”という点を理解した上でダイエットに取り組みましょう。
皮下脂肪がつく原因
カロリーの過剰摂取
「カロリー」とは、活動するために使われるエネルギーのことで、私たちはエネルギーを取り入れるために、食事を通してカロリーを摂取しています。
食事から取り入れたカロリーと活動のために使ったカロリーが同じであれば問題ありませんが、摂取したカロリーの方が多くなると、余ったカロリーは脂肪として蓄積されることに。
つまり食事から摂取するカロリーが多く消費しきれないと、皮下脂肪をはじめとする脂肪がついてしまうのです。
運動不足による消費カロリーの低下
カロリーは生活していればある程度消費されますが、食べたものを全て消費しきれるほど使われていないことが多いです。
そこで重要なのが、体を動かすこと。
体を動かせば動かすほどカロリーは消費され、脂肪として蓄積するのを防ぐことができます。
しかし運動習慣がなかったり、デスクワークばかりだったりするとカロリーは消費されにくく、脂肪が蓄積されてしまうのです。
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カロリーを知る者がダイエットを制する!
基礎代謝の低下
「基礎代謝」とは、生命の維持活動のために使われるエネルギーのこと。
もう少し具体的に説明すると、心臓を動かしたり呼吸をしたりなど特に意識せずに行なっている活動によってもカロリーを消費しています。
しかし、運動不足などが原因で筋肉量が減ると、この基礎代謝も低下してしまいます。
つまりエネルギーを使わない体になってしまうため、取り入れ過ぎた分だけ脂肪を蓄積してしまうのです。
皮下脂肪の落とし方
有酸素運動
皮下脂肪を落とすためにまずおすすめなのが、有酸素運動です。
「有酸素運動」とは、一定のリズムで呼吸を続けながら行う運動のこと。
具体的にはウォーキングやランニング、ダンスやエアロビクスなどを指します。
皮下脂肪には燃焼しにくいという特徴があるため、じっくりと時間をかけて行うことが大切です。
そのためハードなランニングや強度の高いエロビクスではなく、できるだけ長く続けられるような軽めの運動を選びましょう。
また、運動の時間はまとめて取らなくても問題はありません。
できるとき少しずつ、トータル30〜60分の運動を目指しましょう。
筋トレ
皮下脂肪を落とすためには、有酸素運動だけでなく筋力トレーニングを行うと良いでしょう。
というのも、筋トレをすることで筋肉が発達すると基礎代謝が高まります。
「基礎代謝」とは呼吸やまばたきなど生命の維持活動によって消費されるエネルギーのこと。
つまり、筋トレで筋肉が増えればエネルギーを勝手に消費する体になるため、皮下脂肪が燃えやすくなる&蓄積されにくくなるのです。
また、筋トレを行なった後は成長ホルモンが分泌されているため、そのタイミングで有酸素運動を行うと体脂肪の燃焼効果がさらに高まります。
筋トレと有酸素運動はセットで行うと良いでしょう。
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ダイエットおいて大切な運動とは?
マッサージ
残念ながら、マッサージのみでは皮下脂肪を減らすことはできません。
ただ、マッサージはガチガチになった筋肉をほぐすのにとても効果的です。
筋肉が固まっていると血流が悪くなって基礎代謝が下がったり、体を十分に動かせず運動効果を感じにくかったりすることがあります。
反対に、マッサージで筋肉を緩めておけば基礎代謝アップのサポートになったり、運動の効果をしっかり引き出すきっかけになったりするということ。
マッサージで皮下脂肪を落とすイメージではなく、マッサージと何かを組み合わせることで効率よく皮下脂肪が落ちると覚えておきましょう。
栄養バランスの見直し
皮下脂肪は食事による影響が特に多いです。
特に注意すべきは糖分と油分。
揚げ物が大好きな人や、毎日スイーツを食べてしまう人は注意が必要です。
脂っこいものはなるべく控える、スイーツを食べる機会を減らすなど、食事の改善を心がけましょう。
また、毎食満腹まで食べず、腹八分目を意識するのもおすすめです。
カロリー制限
皮下脂肪がついてしまう原因の一つは、カロリーオーバーにあります。
エネルギーを摂取しすぎてしまった結果、消費しきれなかった分が皮下脂肪として蓄積されてしまうのです。
とはいえ、単純に活動量をあげて消費カロリーを増やすというのはなかなか難しい話。
そのため摂取カロリーが消費カロリーを下回るように、食事のカロリーを控えることが有効です。
体格にもよりますが、基礎代謝は男性が約1500kcal、女性は約1200kcalが相場。
そこに日常生活や運動によって消費されたカロリーが加わり、1日の消費カロリーが決定されます。
基礎代謝と普段の活動量を踏まえ、摂取カロリーが上回らないように意識してみると良いでしょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
皮下脂肪を減らす有効な方法は、大きく分けて「運動」と「食事」です。
とはいえ、どちらもなかなか続かないという人は少なくないはず。
運動に関しては強度の高いものを行おうとすると辛くなってしまうため、気軽にできるものから取り組みましょう。
食事も同じです。極度な制限は挫折や体調不良を招くため、できることから少しずつ取り組みましょう。
最近は皮下脂肪の減少を助けるサプリメントや漢方なども販売されているため、頼りすぎはNGですがそれらを取り入れるのもおすすめです。
薬局やネット等で手軽に手に入るので、口コミを参考にしながら選んでみてくださいね。
皮下脂肪を落とすのおすすめのエクササイズ
ニートゥエルボー
「ニートゥーエルボー」は、その名の通り肘と膝を近づけるような動作を繰り返すエクササイズ。
脇腹や下腹などお腹回りの皮下脂肪や腹筋にアプローチできるほか、テンポよく行うことで有酸素運動にもなります。
立った状態で行うため特別なスペースを確保する必要もなく、誰でも取り組みやすい皮下脂肪の落とし方と言えるでしょう。
やり方
- 足を腰幅に開いて立つ
- 両手を頭に添え、肘を開く
- 右膝を曲げ、横から持ち上げる
- 同時に上半身を右に倒し、肘と膝をつける
- 反対側も同様に行う
- 続いて左膝を曲げ、正面から持ち上げる
- 同時に体を左下にツイストし、右肘と左膝をつける
- 反対側も同様に行う
ポイント
- 足だけ、上半身だけの動きにならないように注意する
- ウエストをギュッと潰すイメージで行う
- 好きな音楽に合わせて行うのもおすすめ
エアーなわとび
「エアーなわとび」は、なわとびを飛ぶような動作を繰り返すエクササイズ方法です。
実際になわとびは使わないため、場所を問わず行うことができます。
こちらのエクササイズは有酸素運動にあたるため脂肪燃焼効果が高く、皮下脂肪を減らすのに効果的。
同時にふくらはぎの筋肉を鍛えることもできます。
やり方
- なわとびを持つイメージで両手を腰に添える
- 手を軽く回しながら、テンポよく飛ぶ
- 軽く息が上がる程度の強度で繰り返す
ポイント
- 着地の際に音が鳴らないように膝をうまく使う
- 心拍数が上がりすぎなように加減する
- 好きな音楽に合わせて行うのもおすすめ
サイドランジ
「サイドランジ」は太ももの内側やお尻など、下半身の皮下脂肪がつきやすい部分にアプローチできるトレーニング。
体幹を安定させようとすることで上半身にもアプローチできます。
こちらもテンポよく行うことで、有酸素運動の効果が期待できますよ。
やり方
- 両脚を腰幅に開いて立つ
- 右脚を大きく右側に踏み出し、右膝を90度くらいまで曲げる
- 右脚で床を蹴り、1の姿勢に戻る
- 続いて左脚を大きく左側に踏み出し、左膝を90度くらいまで曲げる
- 左脚で床を蹴り、1の姿勢に戻る
- 上記の動作を繰り返す
ポイント
- お尻をやや後ろに突き出すように腰を落とす
- 上半身が前傾し過ぎないようにする
- 踏み出した脚のつま先はやや外側に向ける
フォワードランジ
「フォワードランジ」もサイドランジ同様、お尻や太ももなど下半身の筋肉にアプローチできるトレーニングです。
上半身へのアプローチはもちろん、テンポよく行い有酸素運動にするのもおすすめ。
サイドランジと組み合わせて行なっても良いでしょう。
やり方
- 両脚で立つ
- 右脚を大きく前に踏み出し、右膝を90度くらいまで曲げる
- 右脚で床を蹴り、1の姿勢に戻る
- 続いて左脚を大きく前に踏み出し、左膝を90度くらいまで曲げる
- 左脚で床を蹴り、1の姿勢に戻る
- 上記の動作を繰り返す
ポイント
- 上半身が前に倒れないようにする
- 後ろ脚の膝は床につけるようなイメージで自然に曲げる
- 体幹がブレないよう、全身でコントロールする
皮下脂肪はどれくらいの期間で落ちる?
残念ながら、皮下脂肪を短期間で簡単に落とすことはできません。
現在の体型や実践している方法にもよりますが、落ち始めるまでにおおよそ3ヵ月〜6ヵ月ほどは必要と思っておきましょう。
極度の食事制限やハードな運動を行えばもう少し早く落とすこともできるかもしれませんが、体への負担が大きいのでおすすめはできません。
場合によっては体を壊してしまったり、リバウンドしてしまったりする可能性があるため注意が必要です。
まとめ
以上、皮下脂肪の落とし方やおすすめのエクササイズ等を紹介しました。
皮下脂肪はなくてはならないものでもありますが、蓄積しすぎもNG。
肥満体型になるだけではなく、さまざまな不調を引き起こす可能性があります。
大事にいたる前に、こまめなケアで健康を保ちましょう。
変化をすぐに実感できなくても、続けるうちに大きな変化を感じることができますよ。
とはいえ、女性の方は皮下脂肪の落としすぎに注意が必要です。
標準的な体脂肪率内に収まるよう、意識しながらダイエットに取り組んでくださいね。
監修者プロフィール
★ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈
- フィットネス指導歴12年
- RYT200、RPYT85(マタニティヨガの資格)取得。
- レイキセラピスト取得
- 学生時代、4年間インストラクターとして活動。
- 現在は、ヨガインストラクターとしての活動以外にパーソナルトレーナーとしても活動。