監修者:ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹波 里奈
「ストレッチって痩せるの?」「簡単に痩せるストレッチってある?」なんて、疑問に思ったことはありませんか?
確かに、ハードなランニングや筋トレに比べると、ストレッチやヨガなどの体を伸ばすエクササイズは強度が低そうですよね。
そこでこの記事では、痩せるストレッチはあるのか、ストレッチで痩せることはできるのか否かについて徹底解説いたします。
おすすめのストレッチも紹介しますので、ぜひ実践してみてくださいね。
痩せるストレッチってある?
結論から言うと劇的に痩せるストレッチは存在ぜず、むしろストレッチだけで痩せることは難しいです。
「痩せる=体脂肪を減らすこと」だと仮定すると、ストレッチに脂肪燃焼効果はほぼありません。
仮に「痩せる=引き締めること」だと仮定しても、ストレッチに筋力アップの効果はほぼなく、難しいと言えるでしょう。
とはいえ、ストレッチに何のメリットもないわけではありません。
継続的に行うことで次のような効果を感じることができます。
- 柔軟性アップ
- 不定愁訴の改善
- むくみの解消
- 冷え性の改善
実は一部で「ストレッチで痩せる」と言われる理由には、これらの効果が関係しています。
次の項目で詳しく解説するので、チェックしていきましょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
「ストレッチで痩せた」という口コミやSNSの投稿をよく目にしますが、ストレッチだけがダイエット成功の理由とは言い難いです。
ストレッチはあくまで痩せる“きっかけ”的な存在。
ストレッチを行うことで体が整い、痩せスイッチが入ったことがダイエット成功の理由と考えられます。
だからといって、「ストレッチは意味がない」というわけではありません。ストレッチにはストレッチにしかないたくさんのメリットがあるので、ダイエットや体づくりに励んでいる人は欠かさず行うことをおすすめします!
おすすめのストレッチは後半で紹介しているのでチェックしてみてくださいね。
ストレッチで痩せる理由
体の歪みが解消されるから
「ストレッチで痩せる」と言われる所以は、大きくは体の歪みが解消されることにあります。
体が歪む原因は様々ですが、その中でも多いのが「筋肉の緊張」。
特に自覚はなくても、普段の何気ない行動や姿勢によって一部の筋肉が緊張し、結果的に体が歪んでしまうのです。
ストレッチで体を伸ばせばこれらの緊張をほぐすことができるため、歪みが緩和されます。
すると、次のような理由で“痩せやすい体”を作ることができるのです。
血流が良くなる
筋肉は血液を送り出すポンプの役割を担っているため、緊張すると血流が悪くなります。
すると体温が下がり、体は冷えた状態に。
体が冷えると脂肪が燃えにくくなるだけではなく、体を温めようと溜め込んでしまうことがあります。
しかし、ストレッチで血流を良くしておけばいつも体温をキープすることができるため、結果的に燃えやすい体を作ることができるのです。
体を動かしやすくなる
筋肉の緊張というのは、いわゆる「体が凝った」状態。
首や肩の凝り、腰の凝りを抱えていると思うように運動できません。
ストレッチで筋肉をほぐせば体を動かしやすくなるため、その分運動によるダイエット効果も感じやすくなるのです。
代謝が高まる
筋肉がほぐれて体温が上がり一定の運動効果で筋肉が活性化されると、代謝が高まります。
するとエネルギーを消費しやすい体になるだけでなく、不要なものを溜め込みにくくなるという効果も。
老廃物が体から出ればその分体は軽くなり、むくみがなくなることで見た目もスッキリして見えるのです。
ストレッチのタイミングは?
起床後
ストレッチを行うタイミングとしてまずおすすめなのが、起床後です。
朝一番に筋肉をほぐせば、その日1日血流が良く代謝が高まった体で生活することができます。
体が動きやすい状態であればその分動作が大きくなり、エネルギーを効率よく消費することもできるでしょう。
ただ、寝起きすぐは控えた方がベター。
水や白湯などを一杯飲み、体を起こしてから行いましょう。
就寝前
続いておすすめなのが、寝る前のタイミングです。
1日生活すると、姿勢や行動のクセから一部の筋肉が緊張してしまうもの。
それを解消してから眠りにつくことで、翌日に疲れが残りにくくなるというメリットもあります。
可能であればお風呂上がりなど、やや体がが温まっている状態で行うと良いでしょう。
運動の前後
運動をする人は、運動の前後に行うのもおすすめです。
運動前に行えば歪みの少ない状態でトレーニングをすることができるため、運動効果が高まります。
また、運動後に行えばトレーニングによる筋肉の緊張を緩和することができ、疲れや歪みが残りにくいでしょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
ストレッチは基本的にどのタイミングで行ってもOKです。
日中に行えばそれまでの活動による疲労や歪みを緩和することができますし、運動中に行えば低下したパフォーマンスを再度高めることもできます。たしかにご紹介したタイミングがおすすめではありますが、あまりとらわれすぎなくてOK。
「今朝できなかったから今日はストレッチをしない!」と考えるよりは、「今朝できなかったから夜にしよう」と、できるタイミングでこまめに行った方が効果を感じやすくなります。
また、1日に何度行ってもOKです。「決められた時間に1回」ととらわれすぎず、不調を感じたりリフレッシュしたりしたいときに行ってくださいね。
ストレッチの注意点
痛みが出ない範囲で行う
ストレッチを行う際は、痛みが出ない範囲で行いましょう。
「柔軟性が欲しい」「いっぺんにほぐしたい」と、無理に伸ばすのはNG。
かえって体を痛めてしまい、運動もストレッチもできなくなってしまう可能性があります。
ポイントは「少し痛いけど心地よい」と感じる範囲で止めること。
くれぐれも無理がないように気をつけましょう。
継続して行う
ストレッチは1回行ったからといってすべてが改善されることはありません。
その場で筋肉がほぐれた感覚を実感できますが、その後普通に生活すれば、体のクセによって元に戻ります。
継続して行うことで体の変化や高い効果を感じることができるので、少しの時間でもいいので毎日行いましょう。
体を温めてから行う
体が冷えているときは、筋肉が固くなっています。
その状態でいきなり伸ばすのと、思わぬ怪我を招く可能性が大。
自宅で行うのであればお風呂上がり、運動前であれば有酸素運動などで軽めのウォーミングアップをしたあとで行うと良いでしょう。
食後すぐは避ける
朝や夜のストレッチは非常におすすめですが、朝ごはん・夜ごはん直後のストレッチはNG。
ストレッチの内容によっては内臓に負担がかかるため、消化が阻害されてしまいます。
すると、消化不調を起こしたり気持ち悪さを感じたりしてしまう可能性も。
最低でも食後1時間は休んでから行うようにしましょう。
おすすめのストレッチ
股関節のストレッチ
「股関節」は、太い血管やリンパ管が通っている大切な部分です。
しかしデスクワーク等で曲がった状態になることが多く、巡りが滞りがちになっている人がたくさん。
ほぐすことによって全身の血行が促進されるため、しっかりとほぐしましょう。
やり方
- 両足を伸ばした状態で座る
- 膝を軽く曲げて外側に開き、足の裏を合わせる
- 足を自分の方に引き寄せる
- 背骨をまっすぐに伸ばす
- 膝を上下にパタパタと動かす
- 5を30秒方ほど繰り返す
ポイント
- 背骨を伸ばしにくい場合はクッション等にお尻を乗せて行う
- 余裕があればやや前屈してもOK
太もも内側のストレッチ
太ももの内側「内もも」は、股関節の動きに大きく関連する部分です。
股関節がほぐれていても、太ももの内側が緊張したままだと血行が悪くなってしまうことがあります。
股関節のストレッチと合わせて行い、骨盤まわりを整えましょう。
やり方
- 両足を伸ばした状態で座る
- 膝を軽く曲げて外側に開き、足の裏を合わせる
- 足を自分の方に引き寄せる
- 右足のみ外側に開き、つま先を天井に向ける
- 息を吸いながら背骨を伸ばし、吐く息に合わせて前屈する
- 30秒ほどキープする
- 3の姿勢に戻り、反対側も同様に行う
ポイント
- 体が固い場合はクッション等にお尻を乗せて行う
- つま先は伸ばしたり倒したりしない
ふくらはぎのストレッチ
「ふくらはぎ」は“第二の心臓”と呼ばれることがあるほど、スムーズな血液循環に欠かせない部分です。
そんなふくらはぎがガチガチになっている人は要注意。
ほぐすことでむくみ解消にも効くため、見た目もほっそりします。
やり方
- 両脚で立つ
- 片脚を一歩後ろに踏み出し、かかとを床につける
- 前脚の膝を少しずつ曲げる
- 後ろ脚のふくらはぎにストレッチ感を感じながら30秒キープ
- 1の姿勢に戻り、反対側も同様に行う
ポイント
- 両手は腰に添え、上半身を安定させる
- 後ろ脚の膝は曲げず、かかとは床にしっかりつける
体側のストレッチ
「体側」とは、脇腹や脇など体の側面のこと。
腕を上げて大きく伸ばすことによって、背中や胸、腕など上半身を中心に全身をバランスよく伸ばすことができます。
そのため、肩こりや腰痛の緩和、内臓機能の活性化など痩せやすい体作りに効果的。
立って行うのが辛い方は椅子に座って行ってもOKです。
やり方
- 脚を腰幅に開いて立つ
- 息を吸いながら両手を上に持ち上げ、右手で左の手首を掴む
- 息を吐きながら上体を右に倒す
- ゆっくりと呼吸をしながら30秒キープ
- 1の姿勢に戻り、反対側も同様に行う
ポイント
- 体が前に倒れないように、目線を天井へ向ける
- 安定しない場合は足幅を広くする
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
ストレッチでダイエット効果を高めたいなら、とにかく血流を意識することがおすすめです。
そのために伸ばしたいのが、血管やリンパ管が集中している部分。
具体的には股関節や膝、脇の下などの関節を伸ばしましょう。
また、体にある大きな筋肉をほぐしておくことも血流を整えるポイント。
いわゆる「大筋群」である背中、胸、お腹、太ももは意識して伸ばすことがおすすめです。
「ストレッチの方法がわからない」という方は、youtube等に伸ばしたいパーツを入れて検索すると、良い動画がたくさん出てきますよ。ジムに通っている方はトレーナーに聞くのも良いでしょう。ぜひ色々活用しながらストレッチに取り組んでくださいね!
まとめ
痩せるストレッチは存在せず、ストレッチのみで劇的に体重を落とすことも難しいです。
しかし、ストレッチは続けることで「痩せやすい体」を作ることができます。
また、ストレッチを続けると肩や腰の凝りが楽になったり、体がむくみにくくなったりとたくさんのメリットを感じることができます。
「ストレッチだけで痩せないならやらない」と毛嫌いせず、ぜひ習慣として取り入れてくださいね。
そこに運動や食事の工夫を取り入れれば、憧れの美ボディに近づくことができますよ。
監修者プロフィール
★ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈
- フィットネス指導歴12年
- RYT200、RPYT85(マタニティヨガの資格)取得。
- レイキセラピスト取得
- 学生時代、4年間インストラクターとして活動。
- 現在は、ヨガインストラクターとしての活動以外にパーソナルトレーナーとしても活動。