監修者:管理栄養士 秋山真敏
ダイエット中にお酒を控えることは、多くの人が実践しています。
しかし、我慢しすぎると、ストレスがたまってしまったり、リバウンドしやすくなったりすることがあります。
また、飲み過ぎると、肝臓の機能が低下や暴飲暴食の原因になることもあるので、自分に合った飲み方を知っておくと安心してダイエットに取り組むことができます。
この記事では、ダイエット中にお酒を飲むときに気を付けておくべきポイントをまとめています。
・お酒を飲む前に、水分をしっかりと補給する
・お酒を飲んだ後に、水分をしっかりと補給する
・お酒を飲む量を変えずに、太りやすいお酒を太りにくいお酒に変える
など、高額なサプリメントや健康食品を使わなくても、食事や水分の取り方を意識するだけでできることばかりですので、ダイエット実践の参考にしてみてください。
お酒がダイエットに与えるポジティブな影響
お酒がダイエットにプラスになることをご存知でしょうか?
ダイエット中にお酒を我慢し過ぎると、ストレスがたまりやすくなったり、食べ過ぎてしまったりすることがあります。
また、お酒を飲まないことで、飲み会やパーティーでの楽しみが減り、接待で相手に気を使わせてしまうなど、精神的なストレスが増えてしまい、ダイエットのモチベーションを保つのが難しくなってしまう方も少なくありません。
お酒を飲みながらダイエットに成功されている方はたくさんいます。
「お酒はダイエットの敵」ではなく、実は飲み方に気をつけて飲めばダイエットの継続をサポートしてくれる効果も期待できます。
いくつか代表的なサポート効果を2つ紹介させてもらいます。
お酒のダイエットの継続をサポートしてくれる効果①リラックス効果が得られる
お酒を飲むと、ダイエットで溜まったストレスを解消させるリラックス効果が得られます。
ダイエット中にストレスを感じていると、体内にコルチゾールというストレスホルモンが分泌されて、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。
お酒を飲むことでこのホルモンが抑制され、リラックス効果が得られ、お腹に脂肪をつきにくくする効果が期待できます。
ダイエット中は慣れない食事や運動で精神的なストレスがかかりやすいため、適量のお酒を飲むことでリラックスして、ストレスを軽減することがダイエットの成功につながる場合も少なくありません。
お酒を飲んでリラックスすると
「もっと効率よく楽にダイエット継続できる方法を思いついた!」
「お酒の場で新しいダイエットの情報が聞けてモチベーションが上がった!」
という効果を実感する方も少なくありません。
ダイエット成功の秘訣は、「毎日のストイックな制限」ではなく、「効率良い方法を続けること」です。
お酒のダイエットの継続をサポートしてくれる効果②会話が弾んで食べ過ぎを予防できる
お酒は、社交的な場面での会話を弾ませ、コミュニケーションを円滑にする効果があります。
実は、会話が弾んでいる場やコミュニケーションが楽しい場で食事すると、食べ過ぎを予防する効果が期待できます。
人間の満腹感は、胃に食べ物が入ってから20-30分で起こり始めますので、会話ゼロで低カロリーのものを淡々で食べるより、外食で高カロリー食事が用意されていても、「食事よりも会話が楽しい」という雰囲気さえつくることさえできれば、自然と食べすぎが予防できます。
ダイエット中は「少量の食事でいかに満足するか」がとても大事になってきます。
「ダイエットのモチベーションを維持するために、あえて仕事帰りにバーに寄って、雰囲気の良い場所で1杯だけお酒を楽しんでストレス解消してから帰ると食べ過ぎない」という方もいたりします。
以上のように、適度な量で飲むことで、お酒を飲んでもダイエットにプラスになる効果になる場合があります。
ただし、ストレスを解消するためだけに、お酒を飲み過ぎてしまっては2つの効果は実感できません。
自分の体質に合ったお酒の種類を知ることがお酒を飲みながら行うダイエットの成功につながります。
★管理栄養士 秋山真敏 コメント
お酒を飲むことは、摂取量や飲み方によって健康に悪影響を与えることがあります。
過剰な飲酒は肝臓や脳に悪影響を与えることがありますが、適量で飲む場合には、お酒に含まれるポリフェノールやビタミンB群などが健康に役立つことがあります。
特に、赤ワインに含まれるポリフェノールは、動脈硬化や心臓病の予防に効果があるとされています。
また、お酒を飲むことでダイエットで溜まりやすい精神的なストレスを解消する効果が期待できます。
ただし、摂取量や飲み方には注意が必要であり、過剰摂取は健康への悪影響をもたらすため、適量の範囲内で楽しむことが大切です。
なぜアルコールをダイエット中に控えた方が良いと言われ始めたかご存知ですか?
ダイエット中に、お酒を飲むとよくない言われ始めた理由としては、以下のようなものが挙げられます。
お酒を飲むとよくない言われ始めた理由①アルコールに含まれるカロリーが高いから太りやすい
アルコールには、糖分や脂肪分よりも1gあたりのカロリー数が高いため、飲み過ぎるとカロリー摂取量が増えてしまいます。
特にビールや甘口のワイン、リキュールなど、アルコール度数が低く、糖分の含有量が高いお酒を飲むと、摂取カロリーが多くなりがちです。
アルコールはダイエット中にも飲むことができますが、適度な量を守り、低カロリーなお酒を選ぶことが大切です。
お酒を飲むとよくない言われ始めた理由②飲酒による食欲増進により暴飲暴食しやすくなる
飲酒によって、脳内のドーパミンとセロトニンの分泌が促進され、快感や幸福感を感じることができます。
この作用によって、食欲を増進するホルモンであるグレリンの分泌が促進され、同時に満腹感を与えるホルモンであるレプチンの分泌が抑制されるため、食欲が増進してしまいます。
お酒を飲む前に「プロテインを飲む」「食事を済ませてから飲むようにする」など事前に満腹感を得る工夫をしておけば、食欲増進を予防することができます。
お酒を飲むとよくない言われ始めた理由③肝臓の働きが悪くなり、代謝が低下する
アルコールを摂取すると、肝臓で分解された後に、体の外に排出されます。
肝臓は糖質やタンパク質を筋肉や内臓で使いやすくする機能がありますが、この機能はアルコールが入ってくると上手く働かなくなってしまいます。
簡単にいうと、飲み過ぎると肝臓が疲れてしまい、本来エネルギーとして使われるはずだった栄養が代謝できずに、脂肪に変わりやすくなってしまいます。
お酒を飲みながらダイエットに成功されている方は、
「食後なるべく時間を空けてから飲む」
「お酒を飲む日は朝と昼の食事と水分の量を増やして、夜は少なめにする」など、肝臓に負担をかけないように工夫されている方がほとんどです。
つまり、カロリーの低いお酒と満腹感を得やすい食事内容を意識しながら、肝臓に負担をかけないように工夫すればお酒を飲みながらでもダイエットが成功しやすいと言えます。
ダイエットに成功している人ほど「特別なことはしていない」と言いますが、実は見えないところで科学的に理にかなった工夫や努力をしている場合がほとんどです。
ストイックな制限ではなく、ちょっとした工夫をするだけで、続けやすく体型や体重をキープしやすいダイエットにつながることをこれから紹介していきます。
体重やスタイルをキープしている人が避けている「実は、太りやすいお酒」
お酒によっては、太りにくいものとも太りやすいものもあります。
まずは、代表的な「太りやすいお酒」を紹介しておくので参考になさってくださいませ。
太りやすいお酒①糖類が多く配合されたお酒
チューハイやカクテルなどの糖類の多いお酒は、カロリーが高いだけでなく、炭水化物を食べたい欲求を高める効果があり「飲んだ後にラーメンやスイーツが食べたい」という気持ちになりやすい傾向があります。
飲む量を変えずに、お酒の種類を糖類の少ないものに変えるだけでも、食べ過ぎを予防できる方も少なくありません。
太りやすいお酒②アルコールの度数が高いお酒
ウィスキーや焼酎などの蒸留酒は糖質が入っていないから太らないというイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、実は、アルコール度数の高いお酒を飲みすぎると、肝臓が疲れてしまい、本来エネルギーとして使われるはずだった栄養を代謝できずに、脂肪に変わりやすくなってしまいます。
アルコール度数の高いウィスキーや焼酎を飲む際は、肝臓に負担にならないように
「水や炭酸で割って飲む」
「ロックやストレートで飲む時は水を多めに飲むようにする」などの工夫をすると良いでしょう。
太りやすいお酒③糖質オフの缶チューハイや缶ビール
糖質オフの缶チューハイや缶ビールは、食欲を乱れやすくする人工甘味料や香料が使われていることがほとんどです。
実は、仕事帰りなど、お腹が空いている時に糖質オフの缶チューハイや缶ビールを飲むと、いつもより食べ過ぎてしまいやすくなります。
糖質オフの缶チューハイや缶ビールはなるべく食事で満腹感を感じた後に飲むようにすると、食べ過ぎを予防しながら飲むことができます。
これらのお酒はゼロにしなくても良いので、飲み方や飲むタイミングに注意するようにしてください。
体重やスタイルをキープしている人が飲んでいる「意外と太りにくいお酒」
次に、代表的な「太りにくいお酒」を紹介しておくので参考になさってくださいませ。
お酒を選ぶ際には、太りにくいお酒を選ぶことがポイントです。
以下に、お酒の選び方や飲み方のポイントをまとめました。
太りにくいお酒①アルコール度数が低いもの
アルコール度数が低いお酒は、カロリーが少なく肝臓への負担もすくないので、太りにくいお酒です。
アルコール度数が低いので、食欲増進効果も少なめです。
缶チューハイを飲む時はストロングではなく、普通の3-5%のアルコール度数のものに変えることを続けるだけで、太りにくくなったという方もいらっしゃいます。
太りにくいお酒②糖分が少ないもの
糖分が少ないお酒は、カロリーが低く、食欲を増進させにくいため、太りにくいお酒です。
例えば、辛口の白ワインや、ハイボールなどが挙げられます。
ただし、糖分が少ないお酒でも、量が多くなると肝臓に負担がかかり、体重増加や代謝低下の原因になるので、量に注意が必要です。
甘いカクテルが好きでどうしても飲みたい方は、最初の1杯だけ甘い糖分の多いカクテルにして、2杯目以降を糖分の少ないお酒を飲むようにすると良いでしょう。
ダイエット中にお酒を飲む際は、飲む前に今日は何杯までにすると決めておきましょう。
飲みすぎると、アルコール自体がカロリーになるほか、自制心が効かなくなり、ハメを外して暴飲暴食してしまうことがあります。
また、お酒を飲む前には水分を補給し、お酒を飲みながらも水を飲むなど、十分な水分補給を心がけましょう。
★管理栄養士 秋山真敏 コメント
太りやすいチューハイやカクテルなどの糖類の多いお酒は、太りにくい辛口の白ワインや、ハイボールに比べて2〜10倍の糖分を含んでいます。
コンビニやスーパーで買える缶のチューハイやカクテルの中にも、飲み口は甘くないけど、糖類がたっぷり入っているものも少なくありません。
もともと太りやすい糖質の多いお酒を飲んでいた人が、飲む量を変えずに、太りにくい辛口の白ワインやハイボールに変えるだけで1ヶ月1-2kgの減量につながる方もいらっしゃいます。
お酒を飲むのが好きな方は、飲むお酒の種類を変えてみるとストレスを溜めずにダイエットが継続しやすいかもしれません。
飲む前と飲んだ後にやってほしいこと
一般的によく指導される
「飲み過ぎに注意する」
「おつまみは低カロリーなものを選ぶ」
「カクテルやビールなどの高カロリーなお酒は控える」
という方法は、一人の時なら実践できますが、大人数で飲むときは、仲間とワイワイ飲んで楽しむ飲み会の雰囲気を崩してしまう場合もありますし、接待や会食の場では、店員さんや幹事さんに気を使わせてしまう原因になる可能性があります。
実は、仲間との飲み会や社交の場でお酒や食事を楽しみにながら、体重やスタイルをキープしている方は、飲む前と飲んだ後に必ず、工夫しています。
かなり地味ですが、効果的な方法ですので、参考になさってくださいませ。
①飲む前に水分を摂る
実は、水分を十分とっておくと、お酒を飲む量を自然と減らすことができます。
アルコールを飲み過ぎる人やアルコールを飲むと食べ過ぎる人の多くは、飲む前にあまり水分をとっておらず、一時的な脱水症状を引き起こしてしまっている場合が多いです。
お酒を飲む前までに「体重×30ml」の水分をお茶か水で補給しておくと、自然と暴飲暴食を予防することができるだけでなく、翌日の二日酔いを予防することも可能です。
②飲む前に食事をする
空腹の状態でお酒を飲むと、アルコールが速やかに吸収されてしまい、肝臓に負担をかけてしまい、体重増加や代謝低下の原因になってしまいます。
飲む前に食事をすることで、アルコールの吸収を緩やかにすることができます。
暴飲暴食をついついしてしまう人の食事内容は、朝昼で必要なタンパク質やエネルギーをあまり取らない傾向があります。
お酒を飲む前に
「プロテインを飲む」
「飲み会や接待の前に軽く食事を済ませておく」
という工夫をしておくと、自然と暴飲暴食を予防することができます。
空腹の状態で飲み会に行ってしまうと、どんなに意思が強い人でも自然と暴飲暴食気味になってしまうものです。
お酒を飲みながら体重やスタイルをキープしている人は、見えないところで努力や工夫をして、周りに気を使わせないようにしている方がほとんどです。
③寝る前に水分を多めに摂る
「お酒を飲んだ次の日に太ってしまう」と悩む方の多くは、睡眠中に代謝が下がってしまっています。
人間の代謝を一番下げる原因は水分不足による脱水症状です。
実は、お酒を飲んだ後に寝ると、アルコールによって脱水症状が起き、いつもより代謝が悪くなりやすくなります。
お酒を飲んで寝る前に500ml程度の水分補給をするだけで、睡眠中の代謝の低下を予防することができ「お酒を飲んだ次の日に太ってしまう」という悩みを予防することができます。
寝ている時に代謝が下がっているのはダイエットの成功を妨げるのは非常に勿体無いので、必ず実践するようにしてください。
④飲んだ次の日には必ず朝ごはんを食べる
お酒を飲んだ次の日に朝食を抜くと、内臓や筋肉が栄養不足になってしまい、やる気や元気が出にくくなってしまうだけでなく、基礎代謝も低下して、太りやすい体質に近づいてしまいます。
ダイエットの成功のためには、代謝を下げないことがとても大事です。
特にお酒を飲んだ後は、アルコールを分解するためにエネルギーやタンパク質がいつもより多めに使われているので、栄養不足による代謝の低下を起こしやすくなっています。
飲んだ次の日の朝におすすめの献立は、たまご入りの味噌汁とおにぎりの組み合わせです。
調理が苦手な方は、コンビニでおにぎりとインスタントの味噌汁と温泉卵を買っておくと良いでしょう。
お酒を飲んだ次の日の朝は、食欲が湧きにくく「食べなくてもまぁいいか」となりがちですが、体重やスタイルをキープしている人は、「お腹が空いていなくても体のためには頑張って食べるようにしている」という方がほとんどです。
★管理栄養士 秋山真敏 コメント
お酒を飲みながらのダイエットする時に食事や運動以外に意識して欲しいのは、定期的に体重とボディラインを確認することです。
どのダイエットにも共通することですが、理想の体重やボディラインを維持している人は、体重とボディラインを確認して「この状態をキープするために努力しよう」と毎日意識して生活することで、モチベーションを高く保つようにしています。
「そんなことで何か、変わるの?」
と思うかもしれませんが、理想のボディラインを維持している人は必ずやっています。
最低1日1回は体重を測って、鏡の前でボディラインを確認するようにしてみてください。
体重やスタイルをキープするのためには、自分に合った飲み方を見つけることが重要
ダイエット中は、糖質の摂取量と飲み過ぎに注意することが大切です。
糖質は、摂取量が多いと血糖値が急激に上昇し、インスリンの分泌が増加して脂肪が蓄積されやすくなります。
そのため、糖質の摂取量を抑えることが、ダイエット成功のためには必要不可欠です。
また、お酒の摂取量も過剰になると、アルコールの分解によって脂肪が蓄積されやすくなります。
さらに、アルコールに含まれる糖分も高いため、摂取カロリーが増えてしまいます。
ダイエット中でもお酒を楽しみたい場合は、適度な量を守り、低カロリーなお酒を選ぶことがポイントです。
しかし、食事制限をしすぎて栄養不足になると、代謝が低下して脂肪が燃焼しづらくなってしまいます。
ダイエット中でも、栄養バランスの良い食事を心がけ、適度な運動をすることが大切です。
総合的に考えると、糖質やアルコールの過剰摂取は、ダイエットの敵となりますが、適度な摂取は健康的で、ダイエット中でも楽しむことができます。
適度な飲酒と、栄養バランスの良い食事と運動のバランスを取ることで、健康的なダイエットができます。
ダイエットは長期戦であるため、自分に合った方法で、無理なく取り組んでいくことが大切です。
監修者プロフィール
★管理栄養士 秋山真敏
- 管理栄養士と食品衛生管理者の資格を持つ
- 栄養指導研究歴11年
- 栄養サポート(https://vita-pro.site/)を運営
- YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC2FZMqjo0FkoJXsvaVDi1GQ
- ブログ:https://ameblo.jp/protein-akiyama/