監修者:管理栄養士・NSCA-CPT(パーソナルトレーナー) 吉澤 航輔
最近の食事は欧米化が進んでおり、炭水化物量や脂質量の多い高カロリーな食事が増えてきています。
そういった食生活が広まっているといった背景もあり、肥満などの生活習慣病に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
病院で肥満と診断された方は、お医者さんにダイエット(減量)を進められるかと思います。
ダイエットと一言で言っても、いろいろなやり方があります。
一つは食事の量をコントロールして、摂取カロリーを減らす方法です。
そして、もう一つは運動量を増やして、消費カロリーを増やす方法です。
今回はこの運動にフォーカスを当てていきたいと思います。
運動にもいろいろありますが、その中でも最近流行ってきている筋トレに注目します。
「ダイエットには筋トレが大切!」といった様なネットの記事をよく見かけます。
本当に筋トレはダイエットにおいて重要なのでしょうか?
また、もし重要であるならば、筋トレをすることによってどういった効果が期待できるのでしょうか?
そういった疑問を今回は明らかにしていこうと思います。
ダイエットの大原則
ダイエットをする、要するに体重を落としていくためにはカロリーの収支バランスというものがかなり大事になってきます。
ここがダイエットの大原則であり、これに則っていないとダイエットは中々上手くいかないでしょう。
まずはこの大原則をしっかりと理解していきましょう!
カロリーの収支バランスというのは、体に入ってくる摂取カロリーと、体内で消費される消費カロリーを比べたときに、”プラスなのかマイナスなのか”ということです。
摂取カロリーと消費カロリーが全く同じ場合
この場合は、体内に入ってくる分と体内で消費される分が全く同じである状態なので体重に変化はありません。
均衡が取れている状態ですね。
もし、自分の体重が変化のない状態で数日続いていれば、その時の摂取カロリーと消費カロリーが等しいということになります。
摂取したカロリーが消費したカロリーを上回っていた場合
この場合には、体内に入る分が消費される分よりも多いのでカロリーに余りが出ます。
この余りのカロリーは筋肉や体脂肪の原料となります。
つまり、体重は増加するのです。
最近体重が増えている場合は、摂取カロリーのほうが上回っている状態が続いているということになります。
要するに食べるだけ食べて、運動をあまりしていない状態です。
摂取したカロリーが体内で消費されたカロリーを下回っている場合
この場合だと、体内に入る分が消費される分よりも低いのでカロリーが不足しているということになります。
不足している分はどうやって賄うのかというと、筋肉や体脂肪を分解して体を動かすのに必要なエネルギーを産生します。
筋肉や体脂肪が減るということは、体重が減ります。
ここ数日体重が減少し続けている場合は、食事量が足りていないということになります。
ダイエットで体重を減らしていくためには、最後に説明したように摂取したカロリーが体内で消費されたカロリーを下回っている状態を維持し続けなければなりません。
なんとなく食べる量を減らしたとしても、実際に摂取カロリーが消費カロリーを下回っていないと体重が減ることはありません。
これからダイエットをしていきたい方、ダイエットに行き詰っている方はこのカロリーの収支バランスというものをまずは意識してみましょう。
これがダイエットの大原則になるのでかなり重要なことです。
運動によって消費カロリーを増やす
まず、ダイエットを始めようとしている方のなかで、食事の全体量を減らしたり糖質や脂質を減らしたりすることが多いのではないかと思います。
意外と消費カロリーを増やすということに関しては避けていたり、きちんと理解されていない方も多いように感じます。
なので今回は消費カロリーを増やすということに着目していこうと思います。
消費カロリーを増やす方法はいくつかあるかと思いますが、代表的なものが運動をすることです。
運動では筋肉を動かすので、その際にカロリーを消費します。
運動の強度が上がるにつれて消費カロリーも高まっていきます。
また、単に運動といっても、運動の中でも2種類の運動があります。
「有酸素運動」と「無酸素運動」です。
それぞれがどういった運動法でどんな特徴があるのかを説明していきます。
有酸素運動は、名前の通り酸素を使って行う運動のことを指します。
ジョギングやウォーキング、自転車など、筋肉が収縮するときにエネルギー源として酸素を使うのが特徴です。
比較的強度の低い運動が多いため、長時間運動し続けることにより効果を実感しやすいです。
有酸素運動は体脂肪をエネルギーとして利用するので体重が減りやすく、比較的短期間で効果が表れると言われています。
ただ、有酸素はやりすぎると体脂肪だけでなく、筋肉も分解されやすいので、基礎代謝の低下につながりリバウンドしやすい体になってしまうのがデメリットです。
対して、無酸素運動は名前の通り酸素を使わない運動のことを指します。
主に体内に貯蔵された糖質をエネルギー源として使っていきます。
有酸素運動と比べると、運動強度が高く、筋トレや短距離走などが具体例として挙げられます。
無酸素運動は糖質をエネルギー源として使うので、体重を短期間で減らすのは中々難しいです。
しかし長期的な目で見たときに、無酸素運動は太りにくく痩せやすい体づくりに向いていると言えます。
なぜそう言えるのかを次で説明していきたいと思います。
筋トレがもたらすダイエット効果
無酸素運動がダイエットにおいてもたらすメリットを説明していきます。
無酸素運動の中にもいろいろな運動があるかと思いますが、代表的な筋トレを例に挙げていきますね。
皆さんも筋トレを何かしら一度は体験したことがあるのではないでしょうか。
筋トレを行うと、筋肉に日常生活以上の負荷がかかり筋肉が傷つきます。
傷つくと言ってもケガしているという程の事ではありません。
筋肉が傷ついているときの症状として筋肉痛が起こります。
この時にしっかりと栄養を摂取し休養をとることで、筋肉がより強く・大きく成長します。
筋トレにより筋肉が大きくなるメカニズムはこのような流れです。
では筋肉が強く・大きくなることでダイエットにどんなメリットがあるのでしょうか。
人間には基礎代謝という機能があります。
この基礎代謝とは、一日中寝た状態でも消費されるカロリーのことです。
つまり、運動を全くしなくても人間はエネルギーを消費するのです。
基礎代謝は体内の様々な臓器・器官で代謝されるのですが、そのうちの約20%は筋肉において代謝されます。
この代謝量は筋肉量に比例して多くなるので、筋肉量が多い人ほど基礎代謝が高いと言えます。
筋トレをして強く・大きな筋肉に育てることで、基礎代謝のアップに繋がるんです。
基礎代謝が高いと普段から消費されるエネルギー量も高くなるので太りにくく、痩せやすい体に変化していきます。
ただ、筋肉というものは短期間ではなかなか増えないので、長期的に筋トレを続けていく必要があります。
長期的な目で見たときにダイエットには非常に効果的だということですね。
管理栄養士・NSCA-CPT(パーソナルトレーナー) 吉澤 航輔コメント
ダイエットを進めていく上では、運動と食事のバランスが非常に大切になってくるかなと思います。
どのくらいのバランスで進めていくのが良いのかをお伝えしていきます。
1週間で運動できる回数というのは限られるかと思いますが、食事は普通に摂っていたら21回の食事があります。
なので、食事のダイエットにおける比重はかなり重いので毎日意識するのが理想です。ただ、それだとストレスも溜まるかと思うので、週末は気にせずに好きなものを食べるというスタイルでも良いかと思います。
運動に関しては、毎日筋トレをすると疲労が溜まる一方なので、無酸素運動と有酸素運動を交互に行っていくことで疲労感を感じにくくなるかと思います。
また、体を休めることも大切なので、最低でも週に1回はオフの日を作るように心がけましょう。
始めはバランスが難しいと思いますが、慣れてくると自然と分かってくるようになります。
自分のペースで頑張りましょう!
まとめ
ダイエットを進めていく方法はいろいろあるかと思います。
すぐに痩せたい、ゆっくりと痩せていきたいなど個人それぞれの思いがあるかと思うので、それに合わせた方法を見つけて実践してみてください。
ジムに通い、筋トレを始めたといって、すぐには痩せないのが正直なところです。
ただ、長い目で見たときに健康な体でいたい、太りにくい体づくりをしたいと思う人には非常におすすめな運動法だと思います。
そういった方はぜひ初めて見ることをオススメします。
監修者一覧
吉澤 航輔
- 管理栄養士とNSCA-CPT(パーソナルトレーナー)の資格を持つ
- 営業マンとして働きながら、独学でパーソナルトレーナーの資格を取得
- トレーナー×管理栄養士のノウハウを活かし、トレーニング指導や食事指導を行う
- Instagram:https://www.instagram.com/a.kosuke0701/