監修者:ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹波 里奈
「ジムで働きたいけど、トレーナーって誰でも目指せるの?」という方、必見です!
トレーナーに憧れていても、年収や休みなど実際の働き方がわからないと不安ですよね。
そこでこの記事では、トレーナーの業務や働き方、魅力を徹底解説します。
これからトレーナーを目指す方、トレーナーへの転職を考えている方、ぜひ参考にしてくださいね。
ジムトレーナーとは?
「ジムトレーナー」とは、スポーツジムやフィットネスクラブでトレーニングを教える人のこと。
勤務方法は主に次の2種類があります。
- 正社員として1つのスポーツジムやフィットネスクラブで働く
- フリーランスとして複数のスポーツジムやフィットネスクラブで働く
どちらの働き方を選ぶかによって、年収や休日、福利厚生に至るまで大きく異なります。
業務内容にも違いがあるため、次の項目でチェックしましょう。
ジムトレーナーの仕事内容
お客さんへのトレーニング指導
トレーナーのメインの仕事となるのが、お客さんへのトレーニング指導です。
まず、「痩せたい」「筋肉をつけたい」などお客さんの目的を聞き出し、その目的を達成できるようなメニューを提供します。
続いて、メニューの内容をお客さんへ直接レクチャー。
お客さんが動作を覚えたら、その後はお客さんの近くでフォームを修正しながらトレーニングを見守ります。
また、場合によってはお客さんの食事管理をするケースも。
この業務は正社員、フリーランス問わず全てのトレーナーが行います。
営業活動
トレーニングを指導するためのお客さんを獲得するのも、トレーナーの仕事内容の一つです。
ジム内でトレーニングしているお客さんや新たに入会したお客さんに直接声をかけ、トレーニングの受講を勧めます。
この仕事も正社員、フリーランス問わず共通しますが、給料形態はやや異なる可能性があるので注意が必要です。
正社員の場合は顧客人数にかかわらず固定給、もしくはインセンティブが入るケースが多いです。
また、フリーランスの場合は顧客がいなければ収入もゼロ。
固定給の保証はありません。
ジム内の安全管理
正社員トレーナーとして働く場合、ジム内の安全管理も仕事内容に含まれます。
トレーニングが入っていない時間帯はジムを見回り、マシンの破損や汚れ、体調不良の人がいないかなどをこまかくチェック。
もし異常があれば修理をしたり、レスキューに入ったりしてジム内の安全を保ちます。
フリーランスの場合は進んで行わない限りは業務に含まれませんが、もし異常があれば店舗スタッフに伝えるなどの対応が必要とされます。
マシンのメンテナンス
安全管理の一環ですが、マシンのメンテナンスも必須の仕事。
お客さんがトレーニング中に怪我をすることがないよう、お客さんが使っていないマシンを中心に随時メンテナンスを行います。
メンテナンスの項目はジムごとに決められているケースが多く、エラーがあれば他のスタッフやお客さんに知らせて使用中止に。
その後修理依頼をするなど、付随する業務も行うことが多いです。
こちらも正社員は必須、フリーランスの場合は行いません。
ジム内の清掃
正社員であれば、ジム内を清掃することもあります。
メンテナンス同様、清掃場所や清掃項目、清掃時間が決まっているケースが多数。
それぞれのジムの決まりに沿って清掃を行います。
フリーランスは基本的に店舗の運営に関わることは行わないため、この場合も行う必要はありません。
所属する店舗の売上管理
正社員として店舗に所属している場合は、店舗の売上管理を行うことケースも。
上長と相談し売上目標を決めたり、現状の売上を分析し販促活動を行ったりします。
こちらの仕事もフリーランスはなし。
とはいえ、フリーランスは自分の売上(=給料)の管理は必須です。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
ジムトレーナーの仕事内容は、正社員として働くかフリーランスとして働くかによって大きく異なります。
フリーランスの場合は組織に縛られないため、基本的にトレーニング指導と顧客獲得のための営業以外の業務はありません。
空いている時間は、他の仕事やフィットネスに関する勉強にあてることが多いです。
正社員の場合は組織に所属することになるため、組織を運営していくための様々な業務も仕事として託されます。
また、組織に所属するとなると上司や部下、同僚など様々な人間関係が生まれるのもポイント。
フリーランスであれば上司や部下はおらず、出会えれば同僚、出会えなければ対お客さん以外の人間関係は生まれません。
ジムトレーナーの給料、勤務時間
給料相場
正社員の場合、給料の相場は20〜40万円ほど。
勤続年数や役職によって異なりますが、普通に生活する分には困らないくらいの給与であることが多いです。
フリーランスの場合は完全歩合制。
トレーニング1本あたりの料金によって異なりますが、取り分は3000〜5000円くらいが相場であるため、月にどれくらいの本数をこなしたかによって大きく異なります。
余談ですが、アルバイトの場合の時給相場は900〜1200円のケースが多いです。
勤務形態・時間
正社員の場合、勤務形態はシフト制であることが多いです。
勤務時間はトータル8時間ほど。
シフトによっては3時間勤務+2時間休憩+5時間勤務など不規則なこともあります。
フリーランスの場合、勤務形態は自由で勤務時間も様々。
トレーニングの予約が入っている時以外は出勤しません。
福利厚生
正社員の場合は福利厚生があることが多いです。
会社にもよりますが、雇用保険や健康保険のほか、異動がある場合は住宅手当などが保証されるケースもあります。
フリーランスの場合、福利厚生はほぼなし。
あったとしてもジムを無料で使える程度です。
正社員とフリーランスのメリット&デメリット
正社員のメリット&デメリット
正社員トレーナーの一番のメリットは、「安定」です。
基本的には固定給料制なので、トレーニングを希望する顧客がいなくても収入がなくなることはありません。
逆に、トレーニングを希望する顧客が多ければインセンティブがもらえる可能性もあります。
また、職場までの交通費支給、家賃手当支給、育児休暇や産前産後休暇などを取得できるケースも。
一定以上の生活は保証されるでしょう。
ただ、トレーナーのメイン業務であるトレーニング以外の仕事内容が多いのは大きなデメリット。
結果的に仕事が嫌になってしまい、辞めてしまうというケースもあります。
フリーランスのメリット&デメリット
フリーランストレーナーの一番のメリットは、「自由」です。
勤務時間も勤務場所も縛りがないため、基本的には好きな時間に好きな場所で働くことができます。
空き時間で別の仕事や勉強、家事をしたりすることもできるでしょう。
また、トレーナー業務に集中できるというも大きなメリットの一つです。
しかし、収入が安定しないというのは大きなデメリット。
働けば働くほど収入は増えますが、仕事なければ収入はありません。
全く稼げないことがある可能性を視野に入れましょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
正社員とフリーランスは、シンプルに「安定を選ぶか」「自由を選ぶか」の二択に分かれます。
ある程度の安定が欲しいと考えるなら、圧倒的に正社員がおすすめ。
体調を崩して仕事を休んだとしても、給料が保証されます。
しかし、フリーランスの場合は仕事休めば収入はなし。
その分働く時間や服装などはすべて自由です。また、最近は全く別の業種で正社員として働きつつ、空き時間や休日だけフリーランスのジムトレーナーとして活動する人も増えています。
現在副業OKという会社で働いている人は、第3の選択肢として頭の片隅に置いておくといいでしょう。
ジムトレーナーの魅力的なポイント
健康やダイエットに関する知識が増える
ジムトレーナーの魅力的なポイントとしてまず挙げられるのは、健康やダイエットに関する知識が増えるということ。
お客さんを指導する上で、筋トレやストレッチなどエクササイズに関する知識は必要不可欠です。
勉強が必要になりますが、勉強した分だけ知識が身につきます。
また、知識が身につけば仕事だけでなく、自分はもちろん、家族や友人など身近な人にも生かすことができるのも魅力的なポイント。
一生懸命取り組めば取り組むほど、自分のためになるのです。
老若男女様々な人と関わることができる
トレーナーとして働くと、老若男女問わず様々な人と関わることができます。
「トレーニング」というと20〜60代くらいの健康な人が行うイメージをお持ちかもしれませんが、場合によっては子供や年配の人のトレーニングを担当するケースもあります。
もちろん、コンビニのレジや飲食店でも様々な年齢の人と接することがありますが、体のことを話したり他愛のない世間話をしたりなど、密なコミュニケーションを取ることはありません。
様々な人と一定以上の関係を築くことができるというのは、トレーナーならではの魅力といえるでしょう。
また、様々な人と触れ合うことで自分の見識が広がるというのも魅力的なポイントです。
魅力的なスタイルをキープできる
トレーナーとして働く上で、自分自身のスタイルキープは欠かせません。
それなりに努力は必要になりますが、その分美しいスタイルをキープすることができます。
スタイルはもちろん、心身の健康を保ち続けられるのも大きな魅力といえるでしょう。
ジムトレーナーの大変なポイント
勉強し続けなければならない
ジムトレーナーの大変な点は、勉強が必須であること。
お客さんの目標達成をサポートするためには、エクササイズ方法や食事方法、筋肉の名前など様々な知識が必要です。
お客さんの目標はそれぞれ異なるため、担当するお客さんに合った情報&メニューの提供をしなければなりません。
どんなお客さんにも柔軟に対応するためには、フィットネスやダイエットに関する知識が必要不可欠。
また、これらは日々更新されるため、一度覚えたからといって安心はできません。
トレーナーは常に勉強し続けることが大切なのです。
自分自身の健康管理がマスト
不健康そうなジムトレーナーや体がたるみきったジムトレーナーに「私の体を変えて欲しい!」と思う人はほぼいません。
ジムトレーナーはみんなのお手本になるような体や健康な印象が必要です。
つまり、お客さんの健康管理の前に自分自身の健康管理が必須であるということ。
そのためには定期的にトレーニングをしたり、食事や生活習慣に気を使ったりするのがマスト。
これはなかなか大変であるといえるでしょう。
コミュニケーションが必須
ジムトレーナーはお客さんを相手にするため、コミュニケーションが必須です。
初めて会う人とでも物怖じせずに会話できる人は問題ないと思いますが、人見知りの人はやや大変でしょう。
また、自分の機嫌に左右されず、いつでも同じテンションでコミュニケーションをとることが必要です。
恋人に振られた、ペットが亡くなったなどどんな事情があったとしても、お客さんに接するときはいつものような笑顔や元気が必要とされます。
こちらも大変なポイントといえるでしょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
トレーニングやダイエットが好きな人や興味がある人でないと、いくら勉強好きでもジムトレーナーとして活動するのは大変です。
というのも、勉強そのものは嫌いでも興味がある内容であれば集中して勉強できるという人は少なくないはず。
つまり、フィットネスに関することが好きで「学びたい!」という気持ちがあるのであれば、勉強嫌いでもジムトレーナーを続けることができます。
健康管理についても同じです。
体のことを考えるのが好きであれば、自分の体を雑に扱うようなことはしないもの。
ジムトレーナーを目指すのであれば、まずはトレーニングやダイエット、体のことを考えるのが好きかどうかについてよく考えてみてくださいね。
ジムトレーナーに向いている人
スポーツやトレーニングが好きな人
スポーツやトレーニングなど、運動全般が好きな人はジムトレーナーに向いています。
筋トレ嫌いの人が筋トレを教えるのはなかなか難しいものです。
そもそも筋トレの方法を覚えられないというパターンもあるでしょう。
また、ジムに来るお客さんは基本的にスポーツ好きが多いです。
オリンピックやワールドカップなど大きなスポーツイベントがあると雑談のネタに上がることが多いため、スポーツイベントをマメにチェックするタイプの人もジムトレーナー向きです。
学ぶことが好きな人
前述の通り、ジムトレーナーとして活動するためには運動生理学や栄養学など様々な知識が必要です。
知識がなければアドバイスをすることもメニューを作ることもできません。
そのため、勉強嫌いな人より学ぶことが好きな人の方が、ジムトレーナーに向いているといえるでしょう。
また、本や講習会で勉強するだけでなく、自分自身で様々なトレーニングやダイエット方法を試して研究することも大切です。
勉強することや研究することが苦手、嫌いという人は向いていないでしょう。
情報に敏感な人
トレーニングやダイエットについての情報は、日々変化します。
これまで言われてきたことが覆ることもあれば、トレーニングのトレンドが入れ替わったり、新たなダイエット方法が生まれることもしばしば。
しかし、これらを誰かが教えてくれるわけではありません。
そのため自ら情報をキャッチできるような、情報に敏感な人の方がジムトレーナーに向いているといえます。
コミュニケーション能力が高い人
ジムトレーナーは本当に様々な人とかかわります。
年齢や性別はもちろん、職業も違えば国籍が違うこともあります。
そのため、コミュニケーション能力が低いと大変です。
人と接することが好きで、どんな人とも気軽にコミュニケーションを取れるようなコミュニケーション能力が高い人の方がジムトレーナーに向いているでしょう。
ジムトレーナーになるには?
専門学校に通う
ジムトレーナーを目指す上でまず大切なのが、お客さんを指導できるだけの知識を身につけること。
そのためにおすすめなのがジムトレーナーを養成する専門学校に通うことです。
トレーナーとして独立できるような知識を得られるカリキュラムが組み立てられているため、運動生理学、解剖学、栄養学などしっかり学ぶことができます。
専門学校によっては年齢を問わず入学できるため、何歳からでも学ぶことが可能です。
資格を取得する
専門学校へ通わずにジムトレーナーになるには、ジムトレーナーに関係する資格を取得するのもおすすめです。
といっても、ジムトレーナーに関する資格はほとんどが民間資格であるため、資格を持っていなくても活動することはできます。
ただ、資格を取るためにはある程度勉強が必須。
ジムトレーナーに関わる資格であれば、ジムトレーナーとして活動する上で必要な知識を身につけることができるのです。
また、資格があれば無資格で応募するよりは就職しやすかったり、就職後の給料がプラスになることもあります。
求人を探す
ジムトレーナーになるには、ジムトレーナーに関する求人を探すことも大切です。
転職エージェントやリクルートサイトを利用するのはもちろん、働きたいジムがあれば直接問い合わせるのも一つの手。
中には求人情報は出さずに募集をかけているスポーツジムやフィットネスクラブもあります。
施設内に求人についての掲示がある場合もあるので、チェックしてみましょう。
採用面接を受ける
求人に応募し書類選考を通過したら、採用面接を受けるケースがほとんど。
面接では志望動機や入社後やりたいことを聞かれる他、ジムによってはその場でパーソナルトレーニング指導のロールプレイングをしたり、模擬レッスンをしたりするところもあります。
こちらは採用面接の前に確認しておくといいでしょう。
知り合いに紹介してもらう
求人が見つからないときは、知り合いのつてを利用するのもジムトレーナーになる方法の一つです。
というのも、「求人をかけるほどじゃないけどいいトレーナーがいたら採用したい」と思っているジムは少なくありません。
この場合は正社員としての採用ではなくフリーランスとしての採用が多いですが、その後正社員に昇格することがあります。
求人情報が出ていなかったら、ジムトレーナーやフィットネスインストラクターとして働いている知り合いにトレーナーが不足しているジムはないか聞いてみましょう。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
本文にもあるように、ジムトレーナーに必須の資格はありません。
民間資格なので、資格を持っていなかったとしても、ジムトレーナーとして活動できる十分な知識やキャリアがあればOKです。
ただ、それを応募書類だけで伝えるのは難しいもの。
場合によっては「資格がないということは知識のない素人なのでは?」と落とされてしまうこともあります。
つまり、資格は「知識の証明」という意味でもあった方がベター。
資格は健康運動指導士、NSCA-CTP、NESTA-PFTなど様々な種類があり、それぞれ学ぶ内容や費用が微妙に異なります。
興味を持てる資格があれば、取得を目指すことをおすすめします。
まとめ
以上、ジムトレーナーの仕事内容や魅力的な点、ジムトレーナーに向いている人などについて解説しました。
ジムトレーナーになるには、まず正社員として活動するのか、フリーランスとして活動するのか決めることから始めましょう。
それにより求人内容も自分の仕事内容もやや変わるため、まずは自分自身の働き方の希望を明確にすることが大切です。
資格はあってもなくても活動することができますが、必要な知識を押さえるという点ではあった方がベター。
専門学校へ通うとなると仕事や大学との両立は難しいですが、資格であれば空き時間に取得を目指すことができます。
ぜひ素敵なジムトレーナーになれるように、頑張ってくださいね。
監修者プロフィール
★ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈
- フィットネス指導歴12年
- RYT200、RPYT85(マタニティヨガの資格)取得。
- レイキセラピスト取得
- 学生時代、4年間インストラクターとして活動。
- 現在は、ヨガインストラクターとしての活動以外にパーソナルトレーナーとしても活動。