監修者:ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹波 里奈
ここ数年話題の「hiitトレーニング」をご存知ですか?
日々トレーニングに励んでいる人や、ダイエットしたいと思っている人は興味を持っているかもしれませんね。
そこでこの記事では「hiitトレーニング」の特徴や効果を徹底解説します。
ぜひ今後のトレーニングやダイエットの参考にしてくださいね。
HIITトレーニングとは
「HIIT(ヒット/ヒート)トレーニング」とは、高強度の運動と低強度の運動を交互に行うインターバルトレーニングのこと。
「HIIT=High-Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略である通り、一般的なインターバルトレーニングよりも全体的な強度が高めなのが特徴的です。
基本的なやり方以下の通りです。
- 筋トレ(20秒)
- 休憩(10秒)
- 有酸素運動(20秒)
- 休憩(10秒)
ポイントとなるのは
- 20秒の運動と10秒の休憩を繰り返す
- 筋トレと有酸素運動を交互に行う
という2点。
繰り返し行う回数はトレーニングを行う人や目標によって異なっており、トータル5分程度で終わるケースもあれば20分ほどかけて行うケースもあります。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
「HIITトレーニング」というと、「アスリートやトレーニー向けのトレーニングなのでは?」と思う人も多いと思いますが、実はどんな方にもおすすめのエクササイズです。
というのも、強度やトレーニングにかける時間を調節しやすいため、一人ひとりに合わせたメニューを組みやすいのです。といっても、運動初心者の方が自分一人でメニューを組むのは難しいもの。
「HIITトレーニングをやってみたい、でもできるか不安…」
という運動ビギナーの方は、まずはプロのトレーナーに相談してみましょう。
すると、正しいフォームを覚えつつ自分に見合った強度でHIITトレーニングができるため、体に余分な負担をかけすぎずに取り組めますよ。
HIITトレーニングの効果・メリット
脂肪燃焼効果
HIITトレーニングは筋トレも行いますが、分類的にはウォーキングやランニングと同じ「有酸素運動」の一つ。
そのため高い脂肪燃焼効果を期待することができます。
皮下脂肪はもちろん、内臓脂肪の燃焼にも効果的です。
また、大きな筋肉を使う、ハードな動きを繰り返すということもあり、消費カロリーは一般的な有酸素運動よりも高め。
単純なウォーキングやランニングよりも、しっかりと脂肪を燃やすことができると言えるでしょう。
アフターバーン効果
HIITトレーニングの最大の特徴と言っても過言ではないのが「アフターバーン効果」です。
これは激しい運動を行った後に得られる効果であり、「After(その後)」「Burn(燃える)」という名前の通り、トレーニング後も脂肪が燃えやすくなる現象のことを指します。
ちなみに、アフターバーン効果が続くのはトレーニング後24時間から最大で72時間ほど。
体を休めたり普通に生活している間にも脂肪が燃えやすくなるため、HIITトレーニングは「効率よく痩せることができる」と言われるのです。
筋力アップ
HIITトレーニングは有酸素運動の一種ですが、メニューに筋トレも組み込まれています。
スピード重視で行うこともありますが、筋トレであることに変わりはないため、筋力アップにも効果的。
そのため、筋肉をつけたい人や体を引き締めたい人にとってもおすすめのトレーニングと言えるでしょう。
基礎代謝の向上
基礎代謝とは、無意識のうちに行なっている生命活動で必要とされるエネルギーのこと。
具体的には呼吸をしたり、心臓を動かしたりすることによって消費されるカロリーを指します。
この基礎代謝は筋肉量に比例すると言われているため、筋力アップに効果的なHIITトレーニングは基礎代謝の向上にも効果的。
HIITトレーニングは大筋群をメインで動かすことが多いこともあり、より高い基礎代謝向上効果を期待できるといえます。
体力・持久力の向上
HIITトレーニングは非常にハードなトレーニングです。
脂肪燃焼、筋力アップはもちろんのこと、続けることで体力を底上げすることができます。
また、有酸素運動の一種なので持久力の向上にも効果的。
動きやすい体、疲れにくい体を作ることができます。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
HIITトレーニングは初心者もOKとはいえ、とにかくハード。
しかし、その分短期間で高い効果を実感することができます。
・トレーニングしたいけどあまり時間を取れない
・長時間トレーニングに集中するのが難しい
・トレーニングするならとことん追い込みたい
・短期間で結果を出したいという方には特におすすめです。
反対に、時間をかけてマイペースに運動したい方やハードな運動が苦手な方にはあまりおすすめできません。
自分がどちらかわからない人は、ジムなどで一度体験してみるか、動画サイトにUPされているHIITトレーニングの動画を試してみてくださいね。
HIITトレーニングはどこでできる?
HIITトレーニングはジムなどで行うことができます。
ジムならトレーニングスペースが確保できている他、フォームを確認できる大きな鏡があったり指導してくれるトレーナーがいたりと環境が整っている点が魅力的。
有酸素運動パートを行う際に、ランニングマシンやバイクなどのマシンを使うことができるのもメリットの一つと言えるでしょう。
中にはHIITトレーニング専門のジムなどもあるため、運動初心者の方や本格的に取り組みたい人は専門的なジムに通うのがおすすめです。
また、HIITトレーニングにはやや専門的な知識が必要ですが、全体の流れや各トレーニングのやり方さえ覚えれば自分で行うこともできます。
体を動かせるスペースさえあれば自宅でも行うことができるため、ジム代や時間を節約したい人はセルフで行うのも良いでしょう。
HIITトレーニングにおすすめの筋トレ
スクワット
「スクワット」は体の中で一番大きな筋肉「大腿四頭筋」を鍛えることができるトレーニングです。
意識する点は多いものの、動作自体は単純なのでHIITトレーニングにピッタリ。
スピードを重視したくなりますが、フォームが崩れないよう意識しましょう。
やり方
- 足を腰幅に開き、つま先をやや外側に向ける
- 両手は胸の前で組むか腰に添える
- 股関節を引き込んでお尻をやや後ろに突き出す
- 3と同時に膝を曲げ、膝が90度に曲がるまで腰を落とす
- 膝を伸ばし2の姿勢に戻る
- 2-5を繰り返す
ポイント
- 膝がつま先より前に出ないようにする
- 上半身が倒れないようにする
- 膝とつま先は同じ方向に向ける
サイドスクワット
「サイドスクワット」は内腿の筋肉である「内転筋群」を鍛えることができるトレーニングです。
体がぶれないようにコントロールすることで、体幹の強化にも効果的。
歩幅はなるべく大きくとって、しっかり踏み込みましょう。
やり方
- 両足でマットに立つ
- 両手は胸の前で組むか正面に向かって伸ばす
- 右足を真横に大きく踏み出す
- 3と同時に右膝を曲げ、膝が90度に曲がるまで腰を落とす
- 右足で床を蹴り、2の姿勢に戻り
- 反対側も同様に行う
- 2-6を繰り返す
ポイント
- 踏み出した足のつま先はやや外側に向ける
- 膝がつま先より前に出ないように腰を落とす
- 上半身が倒れないように意識する
ステップランジ
「ステップランジ」は太ももやお尻など下半身を鍛えるのに効果的なトレーニングです。
こちらも体がぶれないように上半身をコントロールすることが必要なため、体幹の強化にも効果的。
辛くてもしっかり足を踏み出し、膝を深く曲げましょう。
やり方
- 両足でマットに立つ
- 両手は腰に添えるか頭の後ろで組む
- 右足を大きく前に踏み出す
- 3と同時に膝を曲げ、腰をまっすぐ下に落とす
- 右足で床を蹴り、2の姿勢に戻る
- 反対側も同様に行う
- 2-6を繰り返す
ポイント
- 3の時は両膝が90度になるよう意識する
- 上半身が倒れないようにする
- 片足ずつ行なってもOK
プッシュアップ
「プッシュアップ」はいわゆる「腕立て伏せ」のこと。
「大鋸筋」をはじめとする胸の筋肉や、腕・肩周りの筋肉を鍛えるのに効果的です。
また、姿勢を維持しようとすることで体幹やインナーマッスルにも働きかけることができます。
やり方
- 四つん這いになり、両手を肩幅よりやや広めに開く
- 両足を後ろに伸ばしてつま先を立て、膝を床から浮かす
- 頭頂からかかとまでを一直線に保つ
- 両肘を外側に曲げ、体を床に近づける
- 肘を伸ばし2の姿勢に戻る
- 2-5を繰り返す
ポイント
- 動作中は腰が反らないように気をつける
- 辛い場合は足幅を広くする、もしくは膝をついて行う
- 手幅や肘を曲げる方向はアレンジしてもOK
ダブルクランチ
「ダブルクランチ」は腹筋の一種。
上半身を起こすだけでなく、下半身も同時に動かすためより難易度が高いトレーニングです。
辛い場合は足は動かさず、上半身のみで行いましょう。
やり方
- マットに仰向けになり両膝を立てる
- 両手を頭の後ろか耳に添える
- 上半身を丸め込むように起こす
- 3と同時に両足を持ち上げ、上半身に近づける
- 2の姿勢に戻る
- 2-5を繰り返す
ポイント
- 上半身は肩甲骨が床から離れくらいを目安に起こす
- 両膝はしっかり閉じたまま行う
- 足は持ち上げたままキープし、上半身のみを動かしてもOK
HIITトレーニングにおすすめの有酸素運動
もも上げ
「もも上げ」はランニングのような動作をその場で繰り返すエクササイズ。
ダッシュをイメージして素早く動き続けることで、高い有酸素効果を生み出すことができます。
手の動き、膝の高さにも注意しながら行いましょう。
やり方
- 両足で立ち、肘を軽く曲げて脇腹に寄せる
- 片膝を胸に近づけるイメージで持ち上げる
- 2の足を戻しつつ、反対足も同様に持ち上げる
- 2-3を繰り返す
ポイント
- 膝が股関節と同じくらいの高さになると◎
- 手は動作に合わせて自然に振る
- 動作中は上半身がぶれないように意識する
アンクルホップ
「アンクルホップ」とは、いわゆる「垂直跳び」のこと。
といってもあまり膝は使わず、つま先だけで跳び続けてふくらはぎを鍛えることを目的としたトレーニングです。
なるべく同じ位置でまっすぐ跳ぶように心がけましょう。
やり方
- 足を腰幅よりやや狭めに開いて立つ
- 両手を腰に添える
- つま先で床を蹴り、まっすぐ上に跳び上がる
- つま先で着地する
- 3-4を繰り返す
ポイント
- 膝は大きく使わず、できるだけつま先で動作を行う
- 体が前後左右にぶれないように意識しながら行う
ジャンピングジャック
「ジャンピングジャック」とは、手足を開きながらジャンプを繰り返すエクササイズのこと。
心拍数が高まりやすく、HIITトレーニングの有酸素運動種目におすすめです。
お腹の力が抜けないように意識しながら行いましょう。
やり方
- 両足で立つ
- 軽く跳び上がり、両手両足を大きく開いて着地する
- 2の姿勢で跳び上がり、1の姿勢に戻る
- 2-3を繰り返す
ポイント
- 手は肩の高さで開くか、それよりやや上でもOK
- 膝を使ってジャンプ&着地を繰り返す
- 2の時お腹の力が抜けないように背骨をまっすぐ伸ばす
バーピー
「バーピー」は全身を大きく動かす有酸素運動の一種。
自宅でも行えるハードな有酸素運動として人気のトレーニングです。
こちらもお腹の力が抜けないように意識しながら行いましょう。
やり方
- 両手両足をそろえた状態でマットに立つ
- 両手を床につく
- 軽く跳びながら両足を後ろに伸ばし、つま先で着地する
- つま先で床を蹴って跳び、両足を両手に近づける
- 上体を起こし、1の姿勢に戻る
- 1-5を繰り返す
ポイント
- 3の時に腰が反らないようにお腹に力を入れておく
- 5の時は顔が正面に向くまでしっかり起き上がる
- 余裕があれば5の時に両手を上に伸ばして跳び上がってもOK
マウンテンクライマー
「マウンテンクライマー」は腹筋を鍛えるトレーニングの一つ。
ダッシュでランニングするように足を素早く動かすため、有酸素運動として行われることもあります。
全身がぶれないよう、体幹の安定を意識しながら行うのがコツです。
やり方
- マットに四つん這いになる
- 両足を後ろに伸ばしてつま先を立てる
- 片膝を曲げて胸に引き寄せる
- 2の姿勢に戻り、反対足も同様に引き寄せる
- 3-4を素早く繰り返す
ポイント
- 動作中に上半身が上下にぶれないように安定させる
- 腰が反らないように気をつける
- 動きにくければお尻をやや持ち上げてもOK
HIITトレーニングの効果を高めるには?
限界まで追い込む
HIITトレーニングの効果を高める最大のポイントは、しっかりと追い込むこと。
各種目20秒程度しか行わないため、力を抜いてしまうと効果を感じにくくなります。
正しいフォームで行うのはもちろんのこと、トレーニング中のスピードも手を抜くのはNG。
強い意志と気力が必要と言えるでしょう。
限界まで追い込むことができればアフターバーン効果も含め、高い効果を感じることができます。
コンスタントに行う
HIITトレーニングは効果の高いトレーニングですが、頻度が少なければ効果を感じることはできません。
全く運動しない、かなり体重がある場合は週に1回程度でも効果が現れることもありますが、より引き締まった体を目指すなら週に3〜4回の頻度を目安に行いましょう。
ちなみに、毎日行うのはNGです。
体力が回復しないうちに運動をすると体を思うように動かすことができない他、思わぬ怪我をしてしまう可能性もあります。
HIITトレーニングを行った後は1〜2日ほどしっかりと体を休めましょう。
必要な栄養を取り入れる
HIITトレーニングを行うだけでなく、適切な栄養素を取り入れることで効果を実感しやすくなります。
特に積極的に取り入れた欲しいのが「タンパク質」。
HIITトレーニングでは筋肉を酷使するため、筋肉の修復&成長を助けるためにもタンパク質は必須。
肉、魚、卵、大豆製品などを意識して取り入れる他、プロテイン等のサプリメントで取り入れるのがおすすめです。
プロテインであれば「ゴールデンタイム」と呼ばれるトレーニング後30分以内に取り入れることができるので、積極的に活用しましょう。
毎日の食事に気を配る
HIITトレーニングをしているからと言って、いつも以上に食べるのはNG。
カロリー過多になってしまい、HIITトレーニングの効果を感じにくくなります。
食事を控え過ぎるのも良くありませんが、食べ過ぎないように気をつけるとHIITトレーニングの効果をより感じやすくなるでしょう。
また、カロリーばかりを気にして糖質過多・脂質過多になってしまうのも防ぎたいところ。
糖質、タンパク質、脂質はバランスよく取り入れるよう心がけることが大切です。
ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈コメント
HIITトレーニングをこなすとかなりの達成感があるため、「ご褒美にいっぱい食べよ〜!」なんて思いがち。
しかし、ここが落とし穴です。
体を動かすため、ある程度のカロリーは必要になりますが、「運動したから平気!」と甘いものや脂っこいものを食べすぎるとむしろ逆効果になる可能性があります。
HIITトレーニングをしているからといって油断せず、普段の食事も少しだけ意識をしましょう。どうしても甘いものが食べたくなる人は、プロテインが豊富なおやつや低糖質のスイーツを取り入れると、ストレスなく体づくりを行うことができますよ。
まとめ
HIITトレーニングは、全身を満遍なく使うハードなトレーニングです。
決して簡単なエクササイズではありませんが、その分高いダイエット効果、体力向上効果など様々なメリットを感じることができます。
運動に慣れていない方は、まずはトレーナーの指導のもとに取り組むのがおすすめ。
動作や流れを覚えたら、自宅等で一人で取り組むのも良いでしょう。
自宅で行う場合は、近くに壊れそうなものや自身がぶつかりそうなものがないか、周囲の安全を確認しながら取り組んでくださいね。
HIITトレーニングで、憧れの美ボディを目指しましょう!
監修者プロフィール
★ヨガインストラクター・パーソナルトレーナー 丹羽里奈
- フィットネス指導歴12年
- RYT200、RPYT85(マタニティヨガの資格)取得。
- レイキセラピスト取得
- 学生時代、4年間インストラクターとして活動。
- 現在は、ヨガインストラクターとしての活動以外にパーソナルトレーナーとしても活動。