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中小企業診断士の2次試験の内容・難易度は?

中小企業診断士

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投稿日:2022年6月21日 | 更新日:2024年04月22日

中小企業診断士の1次試験を乗り越えた後に待っている2次試験。

中小企業診断士試験の合格まであと少し…ではあるものの…

「どんな内容?」

「1次試験とどう違う?」

「受かる気がしない!」

そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな方々のために、中小企業診断士2次試験の概要や各科目の出題傾向解き方のポイント難易度などについて、あらゆる観点から詳しく解説していきたいと思います。

この記事で分かること

  • 中小企業診断士 2次試験の概要
  • 各科目の出題傾向
  • 解き方のポイント
  • 難易度
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中小企業診断士2次試験の概要

まず、中小企業診断士の2次試験について、詳しく見ていきたいと思います。

2次試験は、中小企業診断士に必要な応用能力を有するかどうかを判定することが目的とされています。

筆記試験口述試験の2段階あり、筆記試験は難関であるものの、口述試験の合格率は高いと言われています。

2種類の試験の概要は、以下のようになっています。

筆記試験:15〜200文字程度の記述式問題が4問、各100点満点で出題

口述試験:10分程度の口述試験であり、筆記試験出題内容をもとに4〜5問出題

2次試験 受験料

17,200円

2次試験 受験資格

一次試験には受験資格の制限が全くありませんでしたが、二次試験には一応「受験資格」の規定があります

①「筆記試験」の受験資格

筆記試験の受験資格は「一次試験を合格していること」のみです。

二次試験であるので当然一次試験を突破した人のみが受けれる試験となっています。

一次試験の合格は2年間有効です。

一次試験の合格から2年以上経過してしまうと、一次試験の合格が無効となってしまうので気を付けるようにしましょう。

②「口述試験」の受験資格

口述試験はいうなれば「二次試験の第二段階」

そのため口述試験の受験資格は 、「筆記試験を合格していること」となります。

しかし、口述試験は合格率の高い試験と言われています。

筆記試験に合格することこそが、二次試験合格のカギとなっているのです。

2次試験 試験会場

札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7地区

例年私立大学のキャンパスや、会議室を借りて行われることが多いようです。

2次試験 試験実施時期

10月中旬または下旬の日曜日

2次試験 出願期間

8月下旬〜9月中旬

次回の中小企業診断士2次試験日程(2022年度)

令和4年度 中小企業診断士 2次試験日程
試験案内配布・申込受付期間令和4年8月26日(金)~9月22日(木)
筆記試験日令和4年10月30日(日)
筆記試験合格発表日令和5年1月12日(木)
口述試験日令和5年1月22日(日)
合格発表日令和5年2月1日(水)

参照: 一般社団法人 中小企業診断協会 HP

2次試験筆記試験の出題傾向とポイント

中小企業診断士の2次筆記試験は、以下の4科目に分かれています。

【事例1】組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

【事例2】マーケティング、流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

【事例3】生産、技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

【事例4】財務、会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

前でも述べたように、中小企業診断士2次筆記試験は、1次試験と異なり記述式となっています。

具体的には、企業の概要が記された文章に、4~5問の設問があり、それらに対して40~120字で解答を記述する形式になっています。

1次試験はマークシート形式だったため、設問における判断力のみが問われましたが、2次試験では正確な回答を自ら作り上げなければなりません。

より求められるレベルが高くなり、事例を正確に把握する能力の研鑽につとめるといった勉強をする必要があります

【事例1】組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

この科目の出題傾向

組織や人事に課題を抱えている企業について出題されます。

そのため、100名前後の社員がいる、それなりに規模が大きく歴史のある企業についての問題が多いです。

問われる内容は、過去の事業の成功要因や失敗要因の分析、現在の課題を解決するための人事施策の提案などです。

具体的な施策名と、その施策を行った場合の効果についての知識が必要になります。

1次試験の科目「企業経営論」と関連性があります。

この科目の解き方のポイント

①組織・人事の問題であることを意識する

例えば、「売上の改善」という課題があった際に、商品の品質やマーケティングの観点から解答を作成したくなる事があります。

ですが、事例1ではあくまで組織・人事の観点からの解答が求められています。

そのため、解答作成前に組織・人事の問題であることを意識して解答しなければなりません

②事例企業の過去の成功体験から、企業の強みを見つけ出す

事例1で題材になる企業は過去に成功した経験があるものの、環境が変化したことで新たな経営課題を抱えています。

過去の成功体験により生まれた強みを活かしながら、時代に合わせて組織を変化させる事によって課題解決をする提案ができると良いでしょう

【事例2】マーケティング、流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

この科目の出題傾向

規模のやや大きめな主題を扱う事例1に対して、事例2では、社員数が10名程度の小規模企業が題材になる事が多いです。

企業の強み・弱みや市場動向を分析し、市場競争の中で勝ち残るための方法を提案する内容が多く出題されます。

1次試験の科目「企業経営論」「運営管理」と関連性があります。

この科目の解き方のポイント

①ターゲット顧客を意識する

ターゲットの選び方により回答の方向性が変わります。

ターゲットは与件文の中に登場する事が多いので、ターゲットを誰にするべきかを意識しながら与件文を読み進めていくと良いでしょう。

②与件文以外の情報を使用しない

事例2では馴染みのある業種が多いため、自身の経験をもとに独自の回答を作成しがちです。

しかし、事例2の場合、与件文に記載されている内容と関係のないことを記入しても、得点には繋がりにくいです。

なるべく与件文以外の情報はを使うのは控えましょう。

③強みを生かした提案をする事

小規模企業が売上を伸ばすには大企業との競争をできる限り避けたいところです。

ですから、自社ならではの持ち味を生かした戦略で、事例企業の価値を高めていく方法を考えていくと良いでしょう。

【事例3】生産、技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

この科目の出題傾向

事例3では、生産管理上の課題を抱えている製造業に関するトピックが主に出題されます

事例企業の強み・弱みや課題を明確にする問題や、生産管理の視点から課題解決方法を提案する問題が主です。

1次試験の科目「運営管理」と関連性があります。

事例3は、製造業にあまりなじみのない場合、苦手意識を持つ方の多い科目です。

ですが、過去問の傾向から出題内容が年度によって変化する可能性は低く、十分に対策をすれば得意科目にまですることができる科目です

この科目の解き方のポイント

①課題に対して適切な改善方法の助言を意識する事

生産管理上の課題と言っても、生産計画に問題があるのか、生産工程に問題があるのか、品質やコストに問題があるのか、ものによって大きく異なります。

企業の課題に沿って、適切な改善策の提案をする必要があります。

②設問ごとの解答に一貫性を持たせる

事例3では設問1で企業の強みや弱みの分析、設問2、3で現在の課題の分析、設問4で課題解決のための新規取り組みの提案、という流れで問われるのが定番です。

設問ごとに繋がりを持たせて解答を作成することによって、読みやすく説得力のある印象を持たせられます。

【事例4】財務、会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

この科目の出題傾向

4つの事例の中で最も与件文が短い傾向にありますが、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表を読み取る必要があります。

出題される問題は、財務諸表から企業の強みや弱みを分析する問題、CVP分析の問題、投資の経済性の問題などが一般的です。

また、数字で解答を出す問題が多いのもこの科目の特徴です

明確な解答があるため、他の科目と比較して得点に差が出やすい科目です。

入念に対策をしたい科目といえるでしょう。

この科目の解き方のポイント

①解ける問題の計算ミスに気を付ける

事例4では、問1の解答を問2でも使用して計算をするような、先の解答が後の問題にに影響するものが多く出題されます。

そのため、最初の問題で計算ミスをしてしまうと、芋づる式にその後の問題の計算もズレてしまう恐れがあります。

簡単な問題こそ丁寧に解いて、ミスなく問題をこなすことが重要です。

②分からない問題でも部分点が貰えるような解答を作成する

最終的な答えが分からなくとも、途中式などを解答用紙に記入しておく事で部分点が入る事があります。

1、2点の差で合否が決まるのが2次試験ですので、そのわずかな点数を確実に稼いでいく気持ちで試験に挑みましょう。

口述試験の内容

口述試験では、約10分間の面接試験が行われますが、合格率の高い試験と言われています。

筆記試験で出題された4つの事例から質問されるので、筆記試験の事例を読み返しておけば当日は落ち着いて回答できるでしょう。

受験生は会場で筆記試験の問題などの資料を参照することができないので、事前に筆記試験の事例を読み内容を把握しておく必要があります。

試験官の質問や説明をよく聞き、丁寧に回答することが大切です。

中小企業診断士2次試験の合格基準

次は、中小企業診断士2次試験の合格基準について見ていきましょう。

筆記試験

筆記試験の配点・時間配分は以下のようになっています。

試験科目配点試験時間
事例Ⅰ(組織・人事)100点80分
事例Ⅱ(マーケティング・流通)100点80分
事例Ⅲ(生産・技術)100点80分
事例Ⅳ(財務・会計)100点80分

参照: 一般社団法人 中小企業診断協会 HP

口述試験

事例Ⅰ〜Ⅳからランダムに出題

合格基準

二次試験の合格基準は、試験を主催する一般社団法人 中小企業診断協会によると、

第2次試験の合格基準は、筆記試験における総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満がなく口述試験における評定が60%以上であることを基準とします。

参照: 一般社団法人 中小企業診断協会 HP

すなわち、中小企業診断士の2次試験では、どの科目においても6割以上の点数を獲得することができればよいということです。

2次試験の合格率・難易度

中小企業診断士 2次試験 合格率

中小企業診断士二次試験の合格率は、以下のようになっています。

参照: 一般社団法人 中小企業診断協会 HP

過去8年間の合格率の平均は、約19%です。

二次試験の合格率は、異例に高くなってしまった2014年度以外、18~19%で落ち着いています。

筆記試験が難関で、口述試験はほぼ全員が合格する試験だといわれているので、筆記試験を通過して口述試験に挑めるのが全体の約20%だということでしょう。

二次試験は5人に1人の確率で合格する試験となっています。

中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間

では次に、「合格に必要な勉強時間」というものさしから中小企業診断士の難易度を見ていきましょう。

合格までに要する勉強時間は、人によって異なりますが、中小企業診断士試験は一般的に約1000時間ほどといわれています。

中小企業診断士は「経営コンサルタントの国家資格」なので、やはり経済学・経営学・会計などの分野に親しみのある方は、人より短期間で合格できる傾向にあります。

それに対して、このような経営の分野に関してまったく触れたことのない方は、平均以上に時間がかかってしまう可能性があります。

どれも個人の能力次第ですが、余裕をもって勉強をするのが一番でしょう。

少なくとも1日2~3時間の勉強を続けるとしたら、少なくとも1年以上の勉強が必要になります。

仕事をしながら勉強をするならば、かなりの努力と忍耐力・継続力が必要となってくるでしょう。

中小企業診断士試験に合格するまでの学習期間

次に、「合格するまでの学習期間」を調査していきたいと思います。

先ほども触れたとおり、中小企業診断士の試験に合格するにはおよそ1000時間の勉強時間が必要になります。

そして、もし仮に1日2~3時間の勉強を毎日続けるとしたら、少なくとも1年以上の期間が見込まれるということが分かりました。

しかし、これは仮の見立てなので、必ずしもこの通り上手くいくとは限りません。

中小企業診断士の試験を受験する方は社会人の方も多いので、会社に勤めながら勉強を進めることになる方ばかりでしょう。

そのため今回は、予想としての学習期間ではなく、実際に合格した方がどのくらいの期間をかけたのか、詳しく見ていきたいと思います。

大手資格学校のLEC東京リーガルマインドが調査した「試験に合格するまでの学習期間」によると、合格までの学習期間は以下のようになりました。

参照: LEC「中小企業診断士試験に合格するまでの学習期間」

合格までの学習期間をみると、1年以内の合格者が27%いる一方で、2~3年の学習期間の合格者が40%以上ともなっており、多くの方が21年以上・長期間の勉強期間を要しています

なかには4年以上の勉強期間を要してる方、もしくは結局受からずに諦めてしまった方も多くいるので、決して簡単な試験だとは言えないでしょう。

長い目でみて学習する必要があるということを、念頭に置かなければならないでしょう。

働きながら取得できないこともない

これほど勉強時間・期間を要し、合格率も低い中小企業診断士の試験ですが、働きながら取得を目指すことは可能です。

一般社団法人 中小企業診断協会が公表したデータをもとに、2021年度試験の1次試験の受験者を年齢層別にみていくと、30代・40代の受験者が全体の約60%を占めていることが分かりました。

受験生の年齢層が30代・40代に多いことから、多くの人は社会人として働きながら、中小企業診断士の資格を取得しているということがわかります。

もちろん、中小企業診断士の試験は決して「簡単」なものではありません。

「経営」に関する分野とはいえ、経営コンサルティング業務をするためには、問題点を分析・発見し、解決案を考えられる多面的な視野と知識が必要になってくるため、学ぶ範囲も幅広くなります。

しかし、しっかりと長期間の計画を立て勉強すれば、きっと合格できるでしょう。

中小企業診断士は独学でも合格できる?

最後に、多くの人が抱えているだろう疑問についてお答えします。

「中小企業診断士は独学できる?」ということです。

中小企業診断士は独学できる?

結論から言うと、中小企業診断士の試験は、独学でできないこともありません。

しかしながら、科目数が多いといえる中小企業診断士の試験。

独学での勉強はかなり難しいといえるでしょう。

社会人が働きながら勉強に励むならば、スケジュール管理が大変なので挫折してしまう可能性もあるでしょう。

また試験内容も、「経営」にかかわる幅広い分野から出題されます。

この分野に馴染みのある方ならごく額も可能かもしれませんが、初学者の方はそうもうまくいきません。

中小企業診断士の資格を独学で取得することは、不可能ではないですが、極めて難しいです。

中小企業診断士の確実な合格を目指すなら?

中小企業診断士の試験合格までに1年以上の勉強が必要ならば、計画的に勉強を行わなければなりません。

一度一次試験を突破したとはいえ、一次試験の合格は2年間のみ有効です。

しっかりと2年以内に決着をつけるのが望ましいでしょう。

そのためにはどうすればよいのでしょうか?

中小企業診断士の勉強は通信講座・通学講座がおすすめ

中小企業診断士の試験は、独学で勉強し合格することも可能です。

しかし、期間を定めて勉強したいならば、計画的に勉強を進められる通信講座・通学講座の受講がおすすめです。独学より費用はかかってしましますが、通信講座・予備校の講師陣によるサポート・解説のもと試験対策をおこなう方が、より計画的に、より効率的に勉強することができます。

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そのため口コミでも授業の満足度が高く、より分かりやすい教材による、効率のよい中小企業診断士試験の勉強ができるでしょう。

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中小企業診断士 2次試験 まとめ

今回は、中小企業診断士の2次試験について詳しく解説してきました。

これまでの内容をまとめると、以下のようになります。

  • 中小企業診断士の2次試験は筆記試験と口述試験に分かれている
  • 筆記試験:15〜200文字程度の記述式問題が4問、各100点満点で出題
  • 口述試験:10分程度の口述試験であり、筆記試験出題内容をもとに4〜5問出題
  • 筆記試験は4科目

【事例1】組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

【事例2】マーケティング、流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

【事例3】生産、技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

【事例4】財務、会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

  • 各科目出題内容と問題を解く上でのポイントを踏まえて挑むのがよい
  • 口述試験は、合格率の高い試験と言われている
  • 合格基準は筆記・口述試験ともに全体の6割を得点できれば良い
  • 二次試験の合格率は約19%で、決して簡単な試験ではないが、多くの人が時間をかけつつ働きながら試験に合格している
  • 独学は簡単ではないので、2次対策としては、通学・通信講座の受講がおすすめ

以上のようになりました。

決して簡単ではないものの、取得することができれば社会人としてのキャリアアップにつながる中小企業診断士という資格。

あなたも是非、めげずに中小企業診断士資格の取得を目指してみてください!

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