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投稿日:2024年2月20日 | 更新日:2024年04月22日
同じ仕事であっても、職場や雇用形態、地域によって、毎月の給料や年収は異なってきます。
実は、管理栄養士は活躍の場が広いため、どこの職場に就職して、どのように働くかによって、給料や年収の差が大きくなる職業なのです。
そこで今回は、管理栄養士の給料事情について、いろいろな面から比較分析し、年収アップを目指すための情報提供とポイントの解説を行います。
管理栄養士としての年収アップを目指したい人は、ぜひ参考にしてください。
そもそも管理栄養士ってどんな仕事?
管理栄養士とは、厚生労働大臣が認定する国家資格で、栄養管理や食事指導を行う専門家です。
管理栄養士は、健康な人や病気の人、高齢の人に対して、一人一人の心身状態に合わせて、食事面と栄養面の専門指導をさまざまな角度から行い、給与を得ています。
例えば、病院などの医療機関での食事療法は、必ず医師と管理栄養士の指導のもとで行われます。
患者の病状に合わせて医師が栄養の摂取量を決め、それをもとに管理栄養士が献立や調理法を考え、患者に対して具体的な食事の摂り方を指導するのです。
管理栄養士が就職できる職場は、病院、介護福祉施設、企業、学校、給食センター、保健所、保健センター、自衛隊、老人ホーム、行政機関など多岐に渡ります。
管理栄養士になるには、管理栄養士養成施設(4年制)に通うなどして、管理栄養士国家試験の受験資格を得た上で、年に1回実施される管理栄養士国家試験に合格しなければなりません。
管理栄養士は日本の国家資格ですが、管理栄養士としての知識や経験を生かして、アメリカなどの海外で仕事に就き、働くこともできます。
管理栄養士の平均年収や月給は高い?安い?
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、管理栄養士の平均月給は約27万円、ボーナスや手当も含めた平均年収は350万~450万円が相場となっています。
国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は約443万円なので、管理栄養士の年収は決して高いわけではなく、平均的な年収だと言えるでしょう。
ただし、管理栄養士はさまざまな仕事に就職できるため、職場や雇用形態、地域によって、支給される給料も大きく変わるという特徴がある職業なのです。
例えば、病院に就職して管理栄養士として働く場合、大きな総合病院と小さなクリニックでは、年収にして100万円以上給与額が違ってくることもあります。
したがって、管理栄養士としての年収をアップさせたい場合には、どの場所でどうやって働くかを徹底的に考えて、希望の年収に見合う職場に就職し仕事をすることが大切になってくるのです。
職場による管理栄養士の平均年収や月給の違いは?
では、職場によって管理栄養士の平均年収や月給にどれくらい差があるのか見ていきましょう。
管理栄養士として働くに当たり、毎月の給料や年収を第一に考えているのでしたら、職場選びは重視すべきポイントになってきます。
ここでは、管理栄養士の代表的な4つの職場について、平均給与額を紹介します。
病院やクリニックで働く管理栄養士の平均年収
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、病院やクリニックなどの医療機関で働く管理栄養士の平均年収は300万〜400万円となっています。
規模の大きな総合病院に就職して仕事をすれば、管理栄養士としてもっと多くの年収が見込めますので、年収アップを目指す管理栄養士にとっては、働き甲斐のある職場だと言えるでしょう。
介護福祉施設で働く管理栄養士の平均年収
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、介護福祉施設で働く管理栄養士の平均年収は260万〜310万円となっています。
介護福祉施設で働く管理栄養士は、病院に比べると給料支給額が低いですが、20代の新卒や未経験でも就職しやすく、残業も少ないため、管理栄養士として働きやすい職場です。
また、介護福祉施設や老人ホームにおける管理栄養士の求人数は今後ますます増加すると考えられますので、人材不足解消を目的として、管理栄養士への給料支給額が上がる可能性もあります。
企業(食品メーカー)で働く管理栄養士の平均年収
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、食品メーカーや薬品メーカーなどの企業で働く管理栄養士の平均年収は250万〜330万円となっています。
ただし、この給与額は、正社員やアルバイトなど全ての雇用形態を含めた管理栄養士の平均になっていますので、実際には、正社員の管理栄養士として就職(転職)した方が給料は高いでしょう。
また、医療系専門職として、スギ薬局やトモズ、薬樹などの大手製薬メーカーなどで働く管理栄養士の場合には、一般企業で働く管理栄養士よりも給料が高く、年収が増える可能性があります。
行政(公務員)で働く管理栄養士の平均年収
総務庁の「地方公務員給与実態調査」によると、行政施設で公務員として働く管理栄養士の平均年収は250万〜650万円となっています。
公務員管理栄養士として行政施設に就職して働く利点は、勤続年数に応じて昇給し、給与支給額が増えることです。
初任給から高い給料が支給されるわけではありませんが、行政の公務員管理栄養士として長く勤めれば、給料やボーナスが昇給しながら推移するので、管理栄養士の年収アップが期待できます。
雇用形態による管理栄養士の平均年収や月給の違いは?
続いて、雇用形態による管理栄養士の平均年収や月給の違いについて見ていきましょう。
管理栄養士の毎月の給料や年収は、雇用形態によっても変わってきます。
ただし、雇用においては、大卒の方が昇給しやすく給与額が多いということはありません。
また、管理栄養士は女性が活躍できる人気の職業でもあります。
ここでは、管理栄養士の雇用形態を5つに分けて、平均給与額を紹介します。
正社員として就職した場合の年間収入
マイナビコメディカルの管理栄養士求人をもとに算出すると、正社員として働く場合の管理栄養士の平均年収は350万~390万円と推測できます。
ただし、上記給与額は1つの目安であり、先程述べた通り、管理栄養士の年収は職場によって大きく変わってきますので、規模の大きな病院や大手の企業(食品メーカー)で正社員の管理栄養士として働く方が、より多くの年収を見込むことができるでしょう。
契約社員として就職した場合の年間収入
マイナビコメディカルの管理栄養士求人に掲載されている契約社員の年収例を見ると、契約社員の管理栄養士として働く場合の年収は300万~360万円が多くなっています。
契約社員(非正規社員)の管理栄養士とは、契約した期間内で働く雇用形態ですが、勤務時間や仕事内容は正社員に近く、正社員とアルバイト・パートの中間的な管理栄養士と言えるでしょう。
派遣社員として就職した場合の年間収入
マイナビコメディカルの管理栄養士求人を参考にすると、派遣社員として働く場合の管理栄養士の平均年収は200万~300万円と推測できます。
派遣社員としての管理栄養士であっても、国家資格が必要な専門職であることには変わりないため、管理栄養士の仕事の方が、他の仕事よりも高い時給で働くことができるでしょう。
給食委託会社で働く場合の年間収入
ここでは、給食委託会社で働く場合の管理栄養士の給料について紹介します。
マイナビコメディカルの管理栄養士求人を参考にすると、給食委託会社で働く管理栄養士の平均月給は18万~21万円となっていますので、年収にすると216万~252万円と推測できます。
なお、給食センターで働く管理栄養士の給料は、人材不足を反映して高い傾向にあるようです。
アルバイト・パートとして働く場合の年間収入
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」を参考にすると、管理栄養士の平均時給の目安は1,000円~1,300円です。
この時給をもとにすると、1日5時間×月20日仕事をした場合、年収が120万~130万円。
アルバイトやパートの場合、収入が安定せず、賞与や手当がつかない場合が多いですが、時間に縛られず、管理栄養士として自由な働き方ができるというメリットがあります。
年齢による管理栄養士の平均年収や月給の違いは?
次に、年齢によって管理栄養士の平均年収や月給にどれくらい差があるのか見ていきましょう。
管理栄養士は、20代~60歳以上まで、他の職業よりも長い期間活躍できる仕事です。
女性も長く勤務できますし、大学を出ていなくても、初任給や毎月の給料に差はありません。
ここでは、管理栄養士の年代を3つに区切り、平均給与額を紹介します。
20代~30代の平均給与額
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、年齢が20代~30代の管理栄養士の平均月給は約19.8万円、平均年収は約317万円となります。
他の業種と比べると、新卒を含む20代~30代の給料支給額が少なめなのが気になりますが、管理栄養士は、20代からの経験の積み重ねが必要な専門職だということなのでしょう。
40代~50代の平均給与額
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、年齢が40代~50代の管理栄養士の平均月給は約29.8万円、平均年収は約485万円となります。
年齢が20代~30代ではまだ少なかった平均月給が、年齢が40代~50代になると約10万円も昇給しており、管理栄養士としての経験に応じた着実な給料アップが成されているようです。
60歳以上の平均給与額
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、年齢が60歳以上の管理栄養士の平均月給は約21.8万円、平均年収は約348万円となります。
管理栄養士は専門職であるため、年齢が60歳以上でも20万円以上の月給を得ることが可能であり、体が健康であれば、70代、80代でも管理栄養士として働くことができるでしょう。
地域別の管理栄養士の平均年収や月給の相場は?
続いて、地域別の管理栄養士の平均年収や月給の相場を見ていきましょう。
管理栄養士の給料は、働く地域や場所によっても大きく変わってきますので、各都道府県別の平均給料情報を掴んだ上で職場を探すことが、年収アップのポイントです。
ここでは、各地方の管理栄養士の平均年収相場について紹介しますので、参考にしてください。
北海道・東北地方の平均給料
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、北海道・東北地方における管理栄養士の平均年収は、北海道が約348万円、東北地方が約356万円です。
都道府県別の管理栄養士平均年収ベスト3は、1位が山形県で約385万円、2位が福島県で約384万円、3位が岩手県で約381万円、最下位は秋田県で約306万円。
同じ地方で管理栄養士をしていても、場所によって給料と平均年収に大きな差があるのです。
関東地方の平均給料
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、関東地方における管理栄養士の平均年収は約380万円です。
都道府県別の管理栄養士平均年収ベスト3は、1位が埼玉県で約418万円、2位が東京都で約405万円、3位が神奈川県で約395万円、最下位は群馬県で約345万円。
関東地方には場所柄、規模の大きな病院や企業(食品メーカー)が多いため、管理栄養士への給料も高くなり、中には、年収500万円前後が見込める管理栄養士の就職場所もあります。
信越・北陸地方の平均給料
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、信越・北陸地方における管理栄養士の平均年収は約359万円です。
都道府県別の管理栄養士平均年収ベスト3は、1位が福井県で約371万円、2位が長野県・石川県で約366万円、3位が山梨県で約359万円、最下位は富山県で約343万円。
東海地方の平均給料
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、東海地方における管理栄養士の平均年収は約355万円です。
都道府県別の管理栄養士平均年収ランキングは、1位が静岡県で約388万円、2位が岐阜県で約354万円、3位が三重県で約340万円、4位が愛知県で約339万円。
静岡県では、病院などの医療機関や介護福祉施設からの管理栄養士の求人が数多くあり、全国の中でも、管理栄養士の平均年収が上位に入っています。
関西地方の平均給料
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、関西地方における管理栄養士の平均年収は約364万円です。
都道府県別の管理栄養士平均年収ベスト3は、1位が京都府で約396万円、2位が滋賀県で約393万円、3位が大阪府で約380万円、最下位は和歌山県で約309万円。
京都府の管理栄養士平均年収が、全国の中でも、埼玉、東京に次いで第3位と高くなっていますが、特に、介護福祉施設からの管理栄養士の求人が多いようです。
中国・四国地方の平均給料
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、中国・四国地方における、管理栄養士の平均年収は約353万円です。
都道府県別の管理栄養士平均年収ベスト3は、1位が広島県で約380万円、2位が鳥取県で約369万円、3位が高知県で約363万円、最下位は愛媛県で約329万円。
九州・沖縄地方の平均給料
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、九州・沖縄地方における管理栄養士の平均年収は約338万円です。
都道府県別の管理栄養士平均年収ベスト3は、1位が大分県で約375万円、2位が福岡県で約353万円、3位が佐賀県で約343万円、最下位は宮崎県で約310万円。
平均年収は地域や場所によって大きく変わる
ここまで、地域別の管理栄養士平均年収相場を見てきましたが、全国1位の埼玉県と最下位の秋田県では、管理栄養士の平均年収に112万円もの差があるのです。
管理栄養士として年収アップを目指したいのであれば、管理栄養士の求人件数が多く、給与条件の良い地域や場所で職場探しをしてみてはいかがでしょうか?
管理栄養士の年収をアップさせるには?
では最後に、管理栄養士の年収をアップさせる方法について見ていきましょう。
管理栄養士の年収を上げるには、職場・雇用形態・年齢・地域・場所などを考慮の上、働き方を決めることが大切ですが、ここでは、管理栄養士の年収を上げる他の方法を紹介します。
具体的には下記の3つになりますので、ぜひ参考にしてください。
他の専門資格も取得する
管理栄養士の年収をアップさせるには、管理栄養士の資格と組み合わせて活用できる他の専門資格を取得しておくと、専門家としての市場価値が高まり、給料や年収も変わってくるでしょう。
例えば、管理栄養士と合わせて、スポーツ栄養士やケアマネージャーなどの専門資格を取得しておくことで、管理栄養士として就職できる場が広がり、年収アップにつながります。
また、臨床管理栄養士など、さらに上のレベルの資格を取得するのも良いでしょう。
スポーツ栄養士とは、スポーツ選手のパフォーマンスを最大限に向上させるために、スポーツ選手を食事面・栄養面から指導していく人気の高い仕事です。
また、医療施設でリハビリ中のスポーツ選手の食事指導なども行います。
ケアマネージャーとは、介護を必要とする老人などに適切な介護サービスの計画を考え、さまざまな角度からサポートをしていく仕事であり、管理栄養士の資格と組み合わせて活用しやすい専門資格になります。
編集部おすすめの関連記事はこちら。
大手企業(食品メーカー)へ転職する
管理栄養士の年収をアップさせるには、大手食品メーカーや大手製薬会社などに転職するのも有効な方法であり、毎月の給料が大きく変わる可能性が高くなります。
例えば、大手食品メーカーに就職した管理栄養士は、女性であっても商品の企画や開発に携わったり、広報活動を行ったりなど、いろいろな仕事を任され、毎月の給料も高くなるのです。
一般的な傾向として、大手企業(食品メーカー)に就職した管理栄養士の方が、病院や介護福祉施設に勤める管理栄養士よりも待遇が良く、給料支給額も高いため、年収もアップしやすいのです。
国家資格を生かした副業を行う
管理栄養士の年収をアップさせる方法として、管理栄養士としての資格を生かした副業を行うという選択肢もあります。
例えば、管理栄養士としての知識と経験を生かし、栄養や食事に関する専門記事を執筆したり、特定保健指導を行ったりなど、空いた時間に取り組める在宅ワークが人気です。
クラウドワークスなどのお仕事マッチングサイトを利用すれば、個人でも簡単に仕事を受注できますし、管理栄養士の専門資格を持っていれば、条件の良い仕事を見つけやすくなります。
また、有料で栄養相談や料理レシピの作成などを行うこともできます。
管理栄養士としての年収アップを目指そう!
管理栄養士の平均年収や月給は、職場や雇用形態、地域によって大きく変わってきます。
管理栄養士としての毎月の給料や年収をアップさせるには、どの場所で、どんな働き方をすれば良いのかをさまざまな角度から徹底的に考えた上で、ベストな選択をすることが大切です。
管理栄養士の仕事は今後ますます重要となり、求人ニーズも高まり、待遇も良くなってくると予想されますので、ぜひ、管理栄養士としての年収アップを目指してください!