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投稿日:2024年4月22日 | 更新日:2024年07月09日
貿易業界には多岐にわたる業務が存在しています。
貿易業界でキャリアを積むことを考えたときに、貿易業界の特定の分野でエキスパートになるのも良いかもしれません。
それでも、貿易において体系的な視点で物事を考えられたほうがより本質的な答えを出せることには間違いありません。
今回は貿易業界を体系的に学び、キャリアを積むのにおすすめな一般社団法人貿易アドバイザー協会の山本さん、森岡さん、栢野さんにご協力いただき、取材をさせていただきました。
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貿易アドバイザー協会「AIBA」はどんな組織??
山本さん、森岡さん、栢野さん、本日は宜しくお願い致します!
最初に、お3方に共通している「セカンドキャリアを踏まえたAIBAへの入会」ですが、実際AIBAへの入会はセカンドキャリアの構築という点で役に立つことはなんですか。
社外のいろんな業界の方とコネクションができることだと思います。
協会の中にはいろんな業界の人がいるので、いろんな人脈ができます。
今入会している人たちもある程度それを期待して入会していると思います。
日本の貿易関係の試験の中でも難易度が高いと言われていますので、まずは貿易について会社の中で一番詳しい存在に成れました。
また、AIBAとの繋がりをもてるので会社を退職した後も働き続けることができます。実際に現在私はAIBA会員関係の仕事も3か所くらいやっています。
AIBAに入会した後も仕事をバリバリこなしているのですね!
会員数は340名くらいいるのですが、全員がAIBAで仕事をやっているわけではないです。価値観はみんなそれぞれですし、現役の人もリタイア組の人もいます。
実際にAIBAの関係の仕事をやっている人は60~70名くらいです。
現役の人は基本的に時間がないと思いますが、協会内の交流会とか勉強会を活用していただけます。
様々な属性の方が会員にいらっしゃるのですね!
そういえば、事前に様々なエキスパートの方が会員にいらっしゃるとも聞きましたが、
いろんなエキスパートの方がいらっしゃるからこその強味はなんだと思いますか。
どんな種類の問い合わせが来てもだいたい2~3人くらいが回答を用意できます。
この前も問い合わせがあったので3人ほどが回答したら「えぇ!こんなに早く回答いただけると思っていませんでした!」と驚かれました。
感謝の言葉もよくききますね。
すぐに回答いただけたらユーザーの方も心強いですもんね。
試験科目も貿易実務、貿易英語と国際マーケティングから成り立っているように、かなり幅広い知識を学べます。
会員も貿易関係に必要な業種の人が大勢入会しています。
税金に関する業種や、国際ビジネスに関する業種ですとか。
貿易アドバイザーの試験について
栢野さんもおっしゃっていただいた通り、試験対象科目が3科目ありましたよね。
私が貿易にあまり詳しくないので、いまいち試験内容がピンとこなくて・・・
貿易アドバイザーの試験内容は全部で3科目です。
1. 貿易実務
書類を適切に税関に提出して、適切にデリバリーをして、お金の受け取り方などに関係する科目です。
国際ルールや運送ルールも勉強します。
2.国際マーケティング
MBAでやるようなものと、時事的な貿易・経済白書貿易統計について問われます。
どこで貿易ビジネスをやるかの戦略を体系的に理解して編み出していく必要があります。
例えば、マーケットの宗教(肉を食べられるかどうかなど)や政治環境などを考慮する必要があります。
3.貿易英語
ビジネス英語、契約書、ビジネスレターにおける英語を学ぶだけでなく、文化、慣習も学ぶ必要があります。
日本人同士なら「As soon as possible(できるだけ早くね)」というのは
2~3日以内と思うと思うんですよ。
でも海外の人はいつになるかわからないんです。
だから日付で示す必要があるんですね。
いろんな国に駐在していた人の話が聞けるので
その「違い」というところを聞けたりします。
「英語の科目は試験に必要なのか」という人もいるのですが、専門用語が多いので
アドバイザーやるのであれば絶対に必要なのです。
「英語の取引条件内容のレビューをしてほしい」といった依頼もありますから。
英語もできるし、契約の内容も分かるしで心強いですね・・・!
貿易アドバイザーの知識は実務のどんなシーンで活かされる?
貿易アドバイザーでは、貿易に関する知識を幅広く学ぶと思うのですが、実際にどのようなシーンで活かされるのでしょうか。
日本国内と違ってものを海外に売るというのは、「税関」というものを通らなければならない。
出国するときにパスポートを見せてチェックすると思うのですが、そのときに変なものをもっていると指摘されますよね。
税関では輸出していいかどうかのチェックや、書類を提出しなければならない。
書類の手続きの他に貿易においていろいろな取り決めをしたり、確認しなければなりません。配達手段は船なのか?飛行機なのか?
適切なデリバリーでお客様に引き渡すための確認や、一番大事なのが、ちゃんとお金をもらうことです。
日本円で払ってくれるかどうかもわからない。
ドルなどであれば為替の影響を受けるだろうし、代金引換かクレジットかって言われてもどういう風に受け取るのか?銀行を経由するのか?など。
この一連の実務が全部貿易実務です。
契約を結ぶときから物の引き渡し方には国際ルールがあります。
港で船に載せて終わりなのか、向こうで渡すものなのか。
船が沈没したら誰がどうカバーしてくれるのかとか。
売買契約書とかinvoice(送り状)等の船積書類に全てそのような記号を書くことになっているのです。
日本だったらメーカー同士で売買すると相手のお客さんの工場までもっていって
車上渡しで引き渡すからあとは自分で卸す、というのが日本の常識です。
海外の場合は海超えていかないといけないので、日本の港で渡すのか、向こうの港で渡すのか、港からさらにいった内陸部で渡さなくてはならないのか。
そういったことを一つ一つ説明するのが大変なので、国際的に取り決めた引き渡し条件が定義されたインコタームズと呼ばれる記号があるわけですよ。
それを使って取引することでお互いに簡単に理解ができるのです。
イメージがわきました・・・!
内陸まで運ばないとだめなこともあるんですね・・・!
海外のECサイトで物を買うと家に物が届きますよね。
ということはそこまで運んでくれているということですよね。
それは向こうが輸出通関をして、飛行機に乗せて輸入通関もしてくれて家まで届いているんです。
手元に届くまで実は多くの人を介しているんですよ。
当然どこで受け渡すのかによって値段もかわってくる。
運賃がかかればそれなりにかわってくるので受け渡しの場所で値段もかわってくる。だから、自分で船を出せばもう少し安くすることができるかもしれない。
こういった知識を知っていないと交渉にすらならないのですね!!
他にも、売買契約をする人というのは工場のこともある程度わかっていなければなりません。
配送の期限に関して、間に合うかどうかを判断する必要があるからです。
交渉する人は後のことまで全てわかっていなければなりません。
後先考えないでとりあえず契約だけしてしまうと、後で「それ誰がやるの・・・?」となってしまいますよね・・・
営業は売ったらなんぼですからね!(笑)
そこを、その後まで考えるというのが貿易アドバイザーの役割、ということですね!
会員の方やお客さんの声から分かるAIBAの強みとは??
会員の方やお客さんからの声を聞いていて、AIBA貿易アドバイザーの強みはなんだと思いますか?
AIBA貿易アドバイザーはしがらみのない団体なので、 臨機応変に対応することができるので、最後までお客さんに寄り添えます。
実際に税関までクライアントと一緒に行ったこともありました。
「貿易に関する専門」という観点で言えば、大学の先生のようなアカデミックな方はもっといるかもしれませんが実務はやっていないと思います。
AIBAのメンバーは現役時代からいろいろな経験をしてきています。
それに基づくアドバイスはお客様からも好評なようです。
AIBAの会員で良いな、と思うのは、会員同士が懇親会をやったりして話をする機会を持つことができて、人脈ができる。
会員は試験を受けて、二次試験の面接を受けている人が会員になっているので、素性が分からない人ではないから安心できます。
面接では人柄も見られるのですね!
中小企業にもアドバイスすることがあるので、私たちが目指している「寄り添ってアドバイスができる」ような人柄かどうかが大事なので。
他に試験で重要視されている項目はありますか。
ペーパー試験は単純に大事ですが、面接ではアドバイザーとしての適性を見ています。
自信をもって自分の言葉でちゃんと話しているかどうか。
皆さん緊張してこられますが、緊張するのはかまいません。
知識も求められるとは思いますが、中小企業に寄り添ってアドバイスができることもまた大事なのですね!!
貿易アドバイザーの活用方法
資格というのは一般的に取得することがゴールになってしまい、そのあとのことはあまり重要視されない傾向があります。
取った後のことに関してもかなり意識されているのでしょうか。
国際ビジネスというのはいろんなケースがありまして、何が正解なのかというのがない。
いろんな対応の方法があるので経験して学んでいくしかない。
勉強会などで協会内のコミュニティで自己研鑽できることは重要視していますね。
勉強会は積極的に出席しないと意味がありません。
人によってそれぞれではありますがそういったものに積極的な人が貿易アドバイザーに向いていると思います。
AIBAの方よりメッセージ
最後に受験を考えているユーザーの方に向けてメッセージをお願い致します。
アドバイザーになる為の勉強は大変だと思いますが、突破して頂き、一緒に仕事ができることをお待ちしています。
国際情勢は毎日変わっているので、そこはアップデートしていかなくてはなりませんが
一人では見られないので何人かで集まってやるのが有効です。
エキスパートが集まって議論ができるので有用ですよ。
特に若い人にもチャレンジしてほしいです。
副業を認めている会社も増えていますし、AIBAにも副業のチャンスもあります。
現役の人にも入ってもらいたいです。
貿易アドバイザーは試験だけではなく、実用的で、取得後もずっと役に立つ資格だということがわかりました!
山本さん、森岡さん、栢野さん、取材にご協力いただきありがとうございました!
貿易業界でのキャリア構築を考えている方は是非受験・入会を検討してみてくださいね!!