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投稿日:2024年5月30日 | 更新日:2024年05月30日
医療関係の仕事は景気に左右されず安定しているため、人気のある職種のひとつです。
そのなかでも「調剤薬局事務」は未経験でも働ける求人が多いうえ、働く時間や勤務地が選びやすく、働きやすい職場を求める人にとっては、うってつけの仕事といえるでしょう。
調剤薬局事務の仕事を目指したいけれど、仕事内容や給料・年収をよく知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、調剤薬局事務の給料や年収、仕事内容や仕事の魅力についてご紹介します。
調剤薬局事務の仕事に向いている人や給料や年収を上げる方法についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
調剤薬局事務の給料や年収の相場は?
調剤薬局での雇用形態は、正社員だけではなくパートやアルバイト、派遣社員と多岐にわたります。雇用形態別に給料や年収をみていきましょう。
調剤薬局事務の正社員の給料
調剤薬局で事務を担当する正社員の給料は、次のとおりです。
種別 | 金額 |
平均年収 | 約300万円 |
平均月収 | 約18万円 |
平均年収の推移は約270~300万円、月収の平均は約18万円です。
各種手当や残業代などを含めると、月収は20万円を超えるでしょう。
正社員の年齢別の給料
正社員の月給を年齢別で見ると、20~24歳の平均月収が約17万円、30~34歳で約18万円、40~44歳が約21万円です。50~54歳では約25万円と最も高くなり、年齢が上がると給料も上がる傾向があります。
調剤薬局事務のパートやアルバイト、派遣社員の給料
パートやアルバイト、派遣社員の時給を下表にまとめました。
雇用形態 | 時給 |
パート・アルバイト | 1000円程度 |
派遣社員 | 1300~1500円程度 |
パートやアルバイトと比較すると、派遣社員として働く方が時給が高いことが分かります。
地域で変わる給料
調剤薬局事務に限ったことではありませんが、働く地域により給与水準は変わります。
たとえば、東京で勤務する場合の平均年収は約420万円、大阪では約360万円、沖縄では約240万円です。東京と沖縄で比較すると、年収に約180万円の差があります。
調剤薬局事務の平均給料は相場よりも安い
雇用形態や資格の有無、年齢、勤務先のエリアなどによっても給料や年収に差がありますが、調剤薬局事務の給料は安いという印象を受けます。
政府の統計によると事務職全体の平均年収は350万円程度なので、調剤薬局事務の平均年収は相場よりも安いといえるでしょう。
調剤薬局事務の仕事は、未経験でも応募できる求人が多いため、給料や年収が安い傾向にあります。
参考:職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)|厚生労働省
参考:職種別民間給与実態調査「令和4年度職種別民間給与実態調査 2 職種別平均支給額」|人事院
調剤薬局事務とはどんな仕事?
調剤薬局事務の大まかな仕事内容は次のとおりです。
調剤薬局での受付
来局した患者から、処方せんや保険証、おくすり手帳を預かります。初めての患者にアンケート記入をお願いするのも、調剤薬局事務が担当する受付業務です。
調剤薬局では、対面の対応だけではありません。電話での問い合わせにも明るく丁寧な対応が必要です。
処方せんの情報入力
患者から預かった処方せんの内容をパソコンに入力するのも、調剤薬局事務の仕事です。
最近ではバーコードで入力ができるシステムもあり、効率的に作業ができるようになりました。
処方せんには保管義務があるため、整理整頓して適切に管理するのも調剤薬局事務の重要な仕事のひとつです。
会計
会計業務では、患者に処方される薬代の計算とレジ対応を担当します。
処方せんの内容をパソコンに入力すると、患者が加入する医療保険の種類に応じて医療費を計算できます。薬剤師が薬をお渡しした患者から窓口負担額を受け取り、領収書とおくすり手帳、健康保険証などを返却するまでが会計の主な業務です。
レセプト(調剤報酬請求)の作成
調剤薬局事務の重要な仕事として、レセプト(調剤報酬請求)作成があります。
会計で患者さんから受け取る窓口負担額は、医薬品の処方にかかった医療費の一部です。残りの医療費は、医療機関から各都道府県や健康保険組合などに請求しています。
医療機関から健康保険組合等へ請求する明細書を「レセプト」といい、「調剤報酬明細書」とも呼ばれています。
調剤薬局事務は、月に一度レセプトを作成・点検し、健康保険組合等へ請求する業務を担当します。
薬剤師の業務補助
調剤薬局事務は、薬剤師が薬の調剤業務に専念できるよう、薬剤師の業務補助をすることも求められています。
薬局内外の清掃や整理整頓、備品や店頭で販売する商品の在庫管理・発注などを任されることも少なくありません。薬剤師の指示のもとで調剤作業の補助をすることもあります。
給料は安いけれど人気がある!調剤薬局事務の仕事の魅力とは
調剤薬局事務は、一般事務よりも給料は安いですが、魅力が多くある仕事です。
調剤薬局事務の仕事の魅力を4つご紹介します。
やりがいのある仕事ができる
調剤薬局事務は、医療スタッフの一員として仕事を通して社会に貢献できます。
患者から感謝されることで「人の役に立っている」という実感を得やすく、仕事にやりがいを感じるでしょう。
また、患者の健康を守るという責任ある仕事を任されることも、仕事へのやりがいにつながります。
安定性や将来性がある
調剤薬局事務の仕事の魅力の2つ目としては、医療関連の職種であることから安定性と将来性があることが挙げられます。
医療関連の仕事は、景気に左右されず安定しています。
調剤薬局での処方せん受付枚数を、年度別に下表にまとめました。
年度 | 処方せんの受付枚数(万枚) |
令和2年度 | 76,497 |
令和3年度 | 80,205 |
令和4年度 | 83,761 |
参考:調剤医療費(電算処理分)の動向~令和4年度版~|厚生労働省
処方せんの受付枚数は、年々増加傾向で推移しています。今後高齢化が進むことから、処方せんの受付枚数は増加の流れが続くでしょう。
調剤薬局の需要はさらに増えると予想できるため、調剤薬局事務の仕事は安定性と将来性があるといえます。
働き方が選べる
調剤薬局事務は、働き方が選びやすく自分のライフスタイルに合わせて働きやすいことが大きな魅力の仕事です。
調剤薬局事務の仕事には、正社員や派遣社員、時短勤務のパートやアルバイトなど、さまざまな雇用形態があるため、ライフステージの変化に合わせて働き方を変えることができます。
たとえば、出産や育児期間は時短勤務を選んだり、収入を増やしたいときにはフルタイムで勤務するなどライフスタイルに応じて柔軟に働き方を選ぶことが可能です。
仕事をとおして調剤報酬や社会保険などの専門知識を身につけているため、ブランクがあっても再就職の際には有利になります。
また、医療機関が休みの日のは調剤薬局も休業することが多いため、仕事が休みの日が決まっていることも働きやすさにつながるでしょう。
勤務地が選びやすい
調剤薬局事務の仕事の魅力の4つ目として、勤務地が選びやすいことが挙げられます。
日本では医薬分業が定着し、全国には数多くの調剤薬局があります。
身近にあるものとして思い浮かぶコンビニエンスストアと調剤薬局の数を比較し、表にまとめました。
種類 | 店舗数 |
調剤薬局 | 61,791 |
コンビニエンスストア | 57,451 |
全国の調剤薬局の数はコンビニエンスストアよりも約4300軒上回り、生活に密着していることがわかります。
全国どこに行っても調剤薬局はあるので、配偶者の転勤などで引っ越しをしても、転居先で調剤薬局事務の求人を見つけやすいでしょう。
参考:厚生統計要覧(令和4年度)第4章 薬事|厚生労働省
参考:2022年度JFAフランチャイズチェーン統計調査報告|(一社)日本フランチャイズチェーン協会
調剤薬局事務に適性がある人とは
ここまで調剤薬局事務の仕事内容をみて、「自分は調剤薬局事務の仕事に向いているのかな」と気になる人は少なくないでしょう。
調剤薬局事務の適性やスキルを5つご紹介します。
明るく人と接することが好きな人
調剤薬局事務は受付や会計など患者と接する機会が多いため、明るく清潔感があることが大切です。
病気やけがでナーバスになっている患者に、時には寄り添って話を聞いたり、患者にわかりやすく説明したりするなど丁寧な対応が必要なこともあるでしょう。
また、医師や薬剤師、同僚たちと連携して仕事を進めるため、チームワークを大切にし、的確にコミュニケーションが取れる人は適性があるといえます。
パソコンの操作ができる人
調剤薬局事務ではレセプト作成を行うため、パソコンのスキルは必須です。
パソコンの操作に慣れていない人は、基本的な使い方や入力方法などを身につけ、スキルアップをしておくのがおすすめです。
パソコンの基本操作ができ、データ入力が苦にならない人は適性があるといえるでしょう。
整理整頓ができる人
医薬品や店頭で販売するサプリメントや健康食品などを整理整頓し、清潔に保つことも大切な仕事のひとつです。
きれい好きな人や整理整頓が得意な人は適性があるといえるでしょう。
積極的に学習できる人
薬剤や社会保険の知識はなじみがないため、覚えるのが大変だと感じる人は少なくないでしょう。社会保険の法律が改正されたり、薬剤の仕様が変わったりするので、常に知識のブラッシュアップも必要です。
新しいことを学習することが苦にならない人は、適性があるといえます。
幅広い業務内容に臨機応変な対応ができる人
調剤薬局事務の仕事は、納品された医薬品や薬剤の検品や在庫管理などもすることがあります。
幅広い仕事内容に対応できる人は、飽きることなく仕事を続けられるでしょう。
ひとつの業務に専念するだけではなく、機転が利き臨機応変な対応が得意な人は適性があるといえます。
調剤薬局事務の給料や年収を上げる方法
調剤薬局事務は将来性があり、やりがいもある仕事ですが、給料や年収が安いのが気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで、調剤薬局事務の給料を上げる方法を2つご紹介します。
調剤薬局事務に関連する資格を取る
給料をアップするための一つ目の方法は、調剤薬局事務の資格を取ることです。
調剤薬局事務の実務に役立つ資格を、下表にまとめました。
資格の種類 | 特 徴 |
調剤報酬請求事務専門士 | ・調剤報酬改定に対応し、正確な算定ができることを証明できる資格 ・1級~3級まであり、1級が一番上となる |
調剤事務管理士® | ・調剤薬局の受付や会計、レセプト業務などを担当する事務スタッフとしてのスキルを証明できる資格 ・資格取得すると、処方せんの内容から調剤報酬を正確に計算する力が身につく |
調剤事務実務士® | ・調剤薬局での実務や接遇マナー、レセプトの作成スキルなど幅広い知識を問われる資格 |
登録販売者 | ・薬剤師に次ぐ一般医薬品のスペシャリストと認められる資格 ・都道府県の実施する試験に合格後、登録が必要 |
調剤薬局事務検定試験 | ・調剤薬局での請求事務業務に必要な基礎知識と技能があることを証明できる資格 |
医療保険調剤報酬事務士 | ・正確に調剤報酬を算定できることを証明できる資格 ・調剤報酬の仕組みや医療保険制度、薬剤に関する基本的な知識が身につく |
調剤薬局事務資格 | ・薬や処方の基礎知識、医療保険制度などの専門知識やレセプト作成の技能を備えていることを証明する資格 |
薬局によっては、調剤報酬請求事務専門士・登録販売者の資格取得を、昇給や手当の対象とする場合もあり、資格取得が給料や年収アップに直結することもあります。
給料のいい薬局に転職する
一般的に薬局に長く勤務すると、昇給や昇格するため給料や年収がアップします。
長く勤務しても昇給が見込めない場合、今よりも高い給料や年収がもらえる薬局へ転職する方法があります。
個人病院に隣接している薬局よりも、大手薬局の方が年収が高い傾向です。大手薬局ではボーナスや昇給制度、福利厚生が充実していることが多いため、大手薬局へ転職することで給料や年収が上がる可能性があります。
医療事務との違いは?給料や年収に差はあるの?
調剤薬局事務のほかに、医療関係の事務としてよく聞かれるのが「医療事務」です。
両者の違いを給料や年収・働く場所・仕事内容の側面から解説します。
医療事務との給料面での違い
医療事務の平均年収は、約250~350万円で、調剤薬局事務と大きく変わりません。
両者とも一般事務よりも低い給与水準となり、相場よりも安めといえます。
働く場所と主な仕事内容の比較
調剤薬局事務と医療事務の勤務場所や仕事内容の比較し、下表にまとめました。
種類 | 勤務場所 | 主な仕事内容 |
調剤薬局事務 | 薬局やドラッグストア | 受付、会計、レセプトの作成 |
医療事務 | 病院やクリニック | 受付、会計、レセプトの作成 クラーク |
クラークとは医療分野に関する文書作成業務のことで、通院や入院などの知識が必要になります。
調剤薬局事務の資格を取って、給料や年収アップを目指そう
調剤薬局事務の給料は安めですが、ライフスタイルの変化に対応でき働きやすいため、人気のある仕事です。
調剤薬局事務は未経験でも応募できる求人も多くありますが、就職活動を有利に進めるには調剤薬局事務の実務に役立つ資格を取ることがおすすめです。
すでに調剤薬局で働いている方でも、資格を取得することで専門知識やスキルを証明できます。給料や年収のアップや昇格、今より好条件での転職などの選択肢も生まれます。
ぜひこの機会に調剤薬局事務の資格取得を前向きに検討してみましょう。