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CADにはどんな種類がある?導入メリットや選び方も解説

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投稿日:2024年8月21日 | 更新日:2024年08月21日

住宅やビル、道路、家電、パソコン、服、バック、ネックレスなどなど。

私たちの身の回りに存在するありとあらゆるものは、多くの場合、設計図をもとにして作られています。

では、その設計図はどのようにして作られているのでしょうか。

多くの場合、「CAD(キャド)」を使用して作られています。

CADとは、設計作業をパソコン上で行うためのツールのことです。

分野を問わないもの、建築物に特化したもの、機械に特化したものなど、様々な種類があります。

ここでは、CADの概要を解説した上で、CADの種類(8種類)や代表的なソフト(6種類)、ソフトを選ぶポイントなどを解説します。

CADに興味がある方、導入を検討されている方、ぜひ参考にしてください。

CADとは

CAD使用イメージ

CAD(キャド)とは、「Computer Aided Design(コンピュータ・エイデッド・デザイン)」の略称で、例えば建築物や機械など、ものづくりにおける設計作業をパソコン上で行うためのツールのことです。

後ほど詳しく解説しますが、CADは手書きの場合と比べ、「作業効率が向上する」「図面の管理が簡単になる」といったメリットがあります。

近年、ITの活用がより一般的になってきたこともあり、手書きによる設計作業から、CADを使用した設計作業にシフトするケースが増えてきています。

必ずしも、手書きによる設計作業が完全に廃れる方向に向かっているわけではありません。

ものづくりの世界では、現場や会議などで簡易的な設計図の作成を求められることもあり、その際には、手書きによる設計作業がよく行われています。

「手書きによる設計作業も、CADを使用した設計作業も、どちらも習得しておくべき」

このような考えを持つ方も少なくありません。

しかし、やはりCADも、より便利でより使いやすくなってきているため、CADを使用する例が増えてきている現状があります。

なお、CADの他に、CADソフトという言葉が使われることがあります。

厳密な定義はないですが、一般的には、CADは概念を指し、CADソフトは個々のメーカーが提供しているソフトのことを指すケースが多いです。

CADにおける2Dと3D

CADの2Dと3Dの違いを考える人イメージ

CADには、2D(2次元)と3D(3次元)があり、それぞれ次のような特徴があります。

[2Dの特徴]
導入コストが安い
操作が簡単
データ量が少ない

[3Dの特徴]
完成品をイメージしやすい
干渉検知や動作検証などができる
状況に応じて2Dに切り替えられる

現代では、3Dがスタンダードになりつつあります。

無料のCADソフトの中には3Dに対応していないものも多いですが、多くの有料のCADソフトは3Dに対応しています。

CADを使用するメリット

CAD使用メリットイメージ

先にもお伝えしましたが、CADには手書きの場合と比べ、「作業効率が向上する」「図面の管理が簡単になる」といったメリットがあります。

それぞれを詳しく解説していきます。

メリット①:作業効率が向上する

CADを使用すると、作業効率が大幅に向上します。

設計作業では、「線を消す」「文字を変える」などの書き直しがつきものですが、手書きの場合、その書き直しに手間がかかります。

「他の線・文字を消してしまわないか」「鉛筆汚れがつかないか」「紙を傷めないか」などの気配りが必要となるからです。

一方でCADの場合は、そのような気配りは必要ありません。

簡単なパソコン操作で、手軽に書き直しができます。

また、CADの場合、既にあるデータを流用することも可能です。

既にあるデータとは、例えば過去に自分が作成したデータや他社が一般公開しているデータなどを指します。

手書きの場合と比べ、比べ物にならないくらい作業効率が向上します。

メリット②:データの管理が簡単になる

CADを使用すると、設計図の管理も簡単になります。

作成した設計図をデジタルデータとして保管できるからです。

データを保管する上で、物理的なスペースを確保する必要がありません。

検索も可能となるため、すぐに目的のデータを見つけることができます。

インターネットを介せば、遠くにいる他のメンバーとのデータ共有も簡単です。

CADの主な種類

パソコンイメージ

ここまでで、CADの概要について解説してきました。

一口にCADといっても、次のようにいくつもの種類に分けることができます。

種類①:汎用
種類②:建築用
種類③:建築設備用
種類④:土木用
種類⑤:機械用
種類⑥:回路設計用
種類⑦:アパレル用
種類⑧:ジュエリー用

以下、それぞれを解説していきます。

種類①:汎用

汎用CADは、その名の通り、特定の分野に特化していない汎用的なCADのことです。

建築や機械、電気など、幅広い分野で使われています。

また、専門的な機能が備わっていない分、価格はリーズナブルです。

「まずはテスト的に汎用CADから使ってみる」という方も少なくありません。

なお、この汎用CADに対する用語が、専用CADです。

次から解説するCADは、全て専用CADになります。

種類②:建築用

建築CADは、住宅やビル、学校、病院など、建築物の設計に特化したCADです。

基本設計図や意匠図、構造図、施工図など、あらゆる図面を作成することができます。

また、CGパースやアニメーションを作成できるソフトもあります。

CGパースとは:
CGによって作成した建物の外観画像のことで、完成予想図などとして使用されることが多い

CGアニメーションとは:
CGにより作成したコマ撮り動画のことで、プレゼンなどで使用されることが多い

種類③:建築設備用

建築設備CADは、電気や空調、給排水といった建築物に付随する設備の設計に特化したCADです。

建築CADと用語としては似ていますが、用途としては明確に異なります。

種類④:土木用


土木CADは、道路やトンネル、橋、鉄道など、土木建築物の設計に特化したCADです。

機能としては建築CADと類似するところが多いですが、測量関連の機能が数多く備わっている点が大きな特徴です。

種類⑤:機械用

機械CADは、ねじや歯車、家電、パソコン、自動車など、機械部品・機械の設計に特化したCADです。

CADの3D化が早かったのが、この機械CADの分野です。

種類⑥:回路設計用

回路設計CADは、家電やパソコンなどに使われるプリント基板の設計に特化したCADです。

基板設計CADと呼ばれることもあります。

種類⑦:アパレル用

アパレルCADは、服や靴、バックなど、衣料品の設計に特化したCADです。

アパレル分野では、汎用CADが使用されるケースも多いですが、アパレルCADを使用すると、着心地や動作性などの評価ができます。

種類⑧:ジュエリー用

ジュエリーCADは、指輪やネックレス、イヤリングなど、ジュエリーの設計に特化したCADです。

非常に精巧な設計を行うことができます。

代表的なCADソフト

CADソフトを紹介する女性イメージ

CADの主な種類について解説してきました。

代表的なCADソフトとしては、主に次の6つが挙げられます。

ソフト①:AutoCAD(汎用)
ソフト②:Jw-cad(汎用)
ソフト③:VectorWorks(汎用)
ソフト④:CADWe’ll Tfas(建築設備用)
ソフト⑤:Inventor(機械用)
ソフト⑥:Quadcept(回路設計用)

以下、それぞれを解説していきます。

ソフト①:AutoCAD(汎用)

AutoCAD(オートキャド)は、アメリカのAutodesk(オートデスク)社によって開発された汎用CADソフトです。

世界でも知名度の高いソフトで、「世界標準のCADソフト」と言われることもあります。

建築や土木、機械など、各分野に特化したCADソフトも提供されています。

ソフト②:Jw-cad(汎用)

Jw_cad(ジェイダブリューキャド)は、建築家である清水治郎氏と田中善文氏によって開発された汎用CADソフトです。

無料で利用できる上、操作がとても簡単であるため、設計初心者・CAD初心者によく使われています。

汎用CADではありますが、建築家が開発したこともあり、建築業界での利用例が多いです。

ソフト③:VectorWorks(汎用)

Vectorworks(ベクターワークス)は、アメリカのVectorworks社によって開発された汎用CADソフトです。

直感的な操作が大きな特徴で、「Photoshop(フォトショップ)」や「Illustrator (イラストレーター)」などのAdobe製品との連携も可能です。

建築や造園など、各分野に特化したCADソフトも提供されています。

ソフト④:CADWe’ll Tfas(建築設備用)

CADWe’ll Tfas(キャドウィルティーファス)は、日本のダイテック社によって開発された建築設備CADソフトです。

複雑な配管・配線を簡単に作図できる点が大きな特徴です。

建築設備分野でトップシェアを誇り、建築設備業界では、このソフトありきで仕事を進めるケースが多いです。

ソフト⑤:Inventor(機械用)

Inventor(インベンター)は、前述したAutoCADと同様、Autodesk社によって開発された機械CADソフトです。

精密な図面をスピーディーに作成することが可能で、動作シミュレーションなど便利な機能も備わっています。

また、前述したAutoCADと互換性がある点も大きな特徴です。

ソフト⑥:Quadcept(回路設計用)

Quadcept(クアッドセプト)は、日本のQuadcept社によって開発された回路設計CADソフトです。

約25万点の部品データが用意されていて、このデータを利用することで作業時間を大幅に短縮することができます。

また、データコンバート機能により、他のCADソフトからの乗り換えがとても簡単です。

CADソフトを選ぶ際のポイント

CADソフトポイントイメージ

代表的なCADソフトを紹介してきました。

もちろん、紹介した以外にも数多くのCADソフトが存在します。

CADソフトを選ぶ際のポイントとしては、主に次の3つがあります。

ポイント①:CADの種類が間違っていないか
ポイント②:使い勝手に問題はないか
ポイント③:サポート体制はどうか

以下、それぞれを詳しく解説していきます。

ポイント①:CADの種類が間違っていないか

まず、CADの種類を間違えないようにしましょう。

種類を間違えるとは、例えば、「汎用CADが欲しかったのに専用CADを選んでしまう」「建築物の設計を行いたいのに建築設備CADを選んでしまう」などを指しています。

当然のことではありますが、何よりも最初に確認したい点です。

ポイント②:使い勝手に問題はないか

使い勝手についても確認しましょう。

せっかくCADソフトを導入しても、使い勝手が悪ければ、逆に生産性が低下してしまったり、ミスが頻発してしまったりもするでしょう。

ストレスも溜まってしまうかもしれません。

もちろん、どのCADソフトが合うかどうかは、人によって異なります。

「評判はよいけれど、自分には合っていない」といったケースもあるでしょう。

各メーカーから提供されている無料体験版などを利用して、使い勝手を確認することをおすすめします。

次のような点がポイントです。

UIは見やすいか
直感的に操作できるか
余計な機能がないか
マニュアルはわかりやすいか

ポイント③:サポート体制はどうか

サポート体制についても確認しましょう。

CADを使用していると、不明点が出てきたりトラブルが生じたりすることもあります。

そんなときに重要となるのがサポート体制です。

CADソフトを選ぶ際は、サポート体制を確認することをおすすめします。

次のような点がポイントです。

対応範囲
対応時間帯
コミュニケーションの手段(電話か、メールか、チャットか)
料金発生の有無

まとめ

CAD活用イメージ

ここでは、CADの概要やCADの種類、代表的なCADソフト、CADソフトを選ぶポイントなどについて解説してきました。

CADは私たちの生活と密接に関わっています。

・住宅やビルなどの建築物
・道路やトンネルなどの土木建築物
・自動車やパソコンなどの機械
・服やバックなどの衣料品

ありとあらゆるものがCADによって設計されています。

普段から設計作業を行うことがあるのであれば、ぜひCADの導入をご検討ください。

自分とマッチするCADソフトが見つかれば、設計作業の手間が大幅に削減されますし、仕事の幅も広がっていくでしょう。

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