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投稿日:2024年7月22日 | 更新日:2024年07月22日
保育士の試験は、筆記と実技があります。
筆記後に受ける実技試験は、対策をとりにくいと言われています。音楽・造形・言語の3分野に分かれて行われる試験では、保育の現場で必要な技術がチェックされます。
今回は、保育士実技試験とは何を目的としているのかをご説明します。
さらに、各分野の内容や、対策と押さえておくべきポイントをご紹介します。
各分野において、保育士に相応しい知識と技術を習得できているかがチェックされるのです。
保育士を目指す方は、ぜひ参考にして下さい。
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保育士実技試験とは
保育士試験を受ける方にとって大きな課題といわれるのが、実技試験です。
筆記試験に比べて、実技試験は対策がとりづらく、どう勉強すればいいのか悩む方も多くみられます。
実技試験は、実際に子どもたちと接する際の態度や技術を問われます。
特に、子どもたちに伝わりやすいように、豊かな表現力が重要視されるのです。
まずは、保育士実技試験とは何かをご説明します。
資格取得のための保育士実技試験の目的
保育士にとって必要な知識を問うならば、筆記試験でも十分かもしれません。
しかし、実際の保育の現場では、子どもたちに対して臨機応変な対応が求められます。
そのうえで、正しい接し方ができるかどうかが重要なのです。
さらに、保育の現場では、子どもがその感性や表現力を伸ばしていけるように支援していく必要があります。
知識に裏打ちされた技術や、子どもへの正しい接し方を習得しているかを見極めるために、実技試験は行われています。
保育士実技試験のポイント
保育の現場と違い、実技試験の会場に子どもはいません。
ですので、試験では子どもへの接し方・振る舞い方を、どれだけ表現できるかがポイントとなってきます。
のちほど紹介する音楽・造形・言語の3分野の技術だけでなく、子どもがいなくても、子どもがいるかのようにふるまえる表現力が必要なのです。
対策をとりにくい部分ではありますが、普段から子どもとの接し方を想像しながら、各分野の試験対策を行うと良いでしょう。
保育士実技試験の免除
保育士になるためには、実技試験に合格する必要があります。
しかし、幼稚園教諭の免許を持っているひとは、実技試験が免除されます。
1種・2種・専修のどの幼稚園教諭の免許であっても構いません。
合格率
保育士実技試験の合格率は毎年8割ほどです。
筆記試験に合格していなければ実技試験は受けられませんので、実技試験自体の合格率は高いものとなっています。
筆記と実技の両方を合わせた合格率は2割〜3割ほどです。
内容
保育士の実技試験では、音楽・造形・言語の3分野で行われます。
受験者は、このうち2つを選んで受験します。
どの分野にするのかは、筆記試験前の願書提出時に選択しますので、事前に決めておきましょう。
各分野はそれぞれ配点が50点で、6割(30点)をとることで合格となります。
選択した2つの分野で、それぞれ6割をとる必要があり、20点と40点で合計すると6割、というのでは不合格となってしまいます。
どちらの分野も同様に得点できるよう、偏らない対策を行ってください。
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音楽に関する技術
音楽の実技試験では、課題曲が2曲提示されます。試験では、そのうち1曲を選択し、子どもたちに歌って聞かせる場面を想定し、演奏を行います。
採点では、歌・伴奏・リズムといったそれぞれの技術が基準に達しているかどうかを見ています。
保育士といえばピアノを思い浮かべることは多いかもしれません。
実技試験で使用する楽器は、ギターとアコーディオンも許可されています。
しかし、試験会場にはピアノしか用意されていませんので、ギターやアコーディオンを希望する受験者は自分で楽器を持ち込む必要があります。
また、楽譜は持ち込み可能ですので、自分に合った楽譜を見つけておきましょう。
実技試験を受験する際にもらえる手引きには簡易の楽譜も載っていますが、歌詞・メロディー・コードしか書かれていませんので注意してください。
ピアノ、ギター、アコーディオンとどの楽器を使っても構いませんが、楽器の使用についていくつか注意事項が設けられています。
それについても、受験の手引きを確認してください。
過去、課題曲として提示された曲は、以下のようなものです。
造形に関する技術
造形の実技試験は、当日に問題とテーマが知らされます。
試験では、提示された問題とテーマに沿って、45分以内に絵を描きます。
提示されるテーマのほとんどは、保育園での活動をイメージしたものです。
採点のポイントは、情景の描写、人物の描写、色使いなどが豊かであるかどうかです。
絵を描くための道具を持ち込めるので、使い慣れた道具を用意しておきましょう。
持ち込める道具は以下のとおりです。
・鉛筆もしくはシャープペンシル(HBから2B)
・色鉛筆(12色から24色程度)
・消しゴム
・腕時計(アラームなどの音が鳴らず、時計機能のみのもの)
これ以外の道具は持ち込めません。
色を付ける道具も色鉛筆のみで、クレヨン、マーカーなどは使えません。
鉛筆削りは試験監督の了解が得られれば使えますが、鉛筆はあらかじめ削っておくことをおすすめします。
造形の実技試験は、ほか2つとは違って、受験者全員が一斉に試験を開始します。
緊張した雰囲気の中でも、おちついて絵を描けるように対策をしておくと良いでしょう。
過去に出された課題は、以下のようなものです。
言語に関する技術
言語の実技試験では、子どもへお話することを想定した試験が行われます。
具体的には、3歳児のクラスの子どもに対して、3分間のお話をすることが求められます。
あらかじめ4つの課題が提示されますので、そのうちの1つを選択して受験することになります。
あくまでも言語の技術を見るための試験ですので、道具は一切使えません。
絵本や台本、人形なども持ち込めず、言葉のみでお話をしなければなりません。
課題4つのうちから選択した1つを暗記しておく必要があります。
絵本の読み聞かせとは全く別のものですので、注意して対策をしておきましょう。
試験では、15人ほどの子どもがいることを想定し、子どもたちがお話に集中できるように、そしてお話を楽しめるようにしなければなりません。
道具は使えないので、声の抑揚を変えたり、身振り手振りや表情を使ったりして、お話を表現していく技術が求められます。
子どもたちがお話を追えるよう、話すスピードにも注意が必要です。
特に、想定している子どもが3歳児というのがポイントです。
色々なことに興味を持ち、自分で動き出すこともある年齢で、興味のないことには集中力が続きません。
いかにしてお話に興味を持ってもらえるようにするかが重要です。
言語の実技試験で、過去に出された問題は、以下のようなものがあります。
保育士試験をさらに理解を深めたい方はこちらの記事を参照してください!
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保育士実技試験の対策
ここまでご説明してきたように、保育士の実技試験は3つの分野から2つを選び受験します。
どれを選んだらいいのか迷う方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、選ぶ時のポイントをご紹介します。
そして、各分野における対策のポイントも解説します。
保育士試験の対策をさらに知りたい方はこちらの記事を参照してください!
保育士の資格を取得するには?効率良く取得できる方法も紹介します
実技試験内容を把握する
実技試験は筆記試験合格者のうち、8割が合格します。
けっして難易度の高い試験ではありませんが、音楽、造形、言語のうち得意な分野を選んだ方が良いでしょう。
保育士の資格取得を考えている方は、まず、試験の内容や過去の課題について調べることをおすすめします。
試験内容など、今回は簡単にご説明しましたが、予備校や受験講座などでは過去の試験について動画や画像で解説しています。
どの分野を選ぶかは、具体的な試験内容を知ってからの方が良いでしょう。
実際に課題に取り組んでみる
試験の内容や課題が分かったら、一度、それぞれの課題に取り組んでみて下さい。
頭の中で色々考えていても、実際に課題に取り組んでみたら苦にならなかった、楽しかった、ということもあります。
また、音楽の分野を選ぶ場合には、練習時間だけでなく練習場所も確保できるかどうかが問題になってきます。
大きな音が出ることなども考慮して、練習場所やその場所で練習時間が確保できるかを検討してみましょう。
音楽に関する技術の対策
音楽の分野では、課題曲が提示されますので、分かり次第、課題曲の練習を始めましょう。
それ以前であっても、演奏しながら歌を歌うという技術を練習しておくと、緊張せず本番に臨めます。
受験の手引きには、課題曲ごとに歌詞・メロディー・コードが書かれています。
ピアノの場合だと、左手の伴奏は自分でつけるか、自分で楽譜を用意する必要があります。
演奏しやすいようにアレンジすることは認められていますので、自分の演奏しやすい形を見つけてください。試験で歌うのは1番までです。
練習を重ねて、提示されたとおりに演奏すること、元気よく大きな声で歌えるようにしておきましょう。
試験中、緊張から間違えることもあるかもしれませんが、それでも笑顔で最後まで演奏し歌うことが得点につながります。
造形に関する技術の対策
ほかの2つと違い、造形の試験は当日まで課題が分かりません。
試験前に提示されたテーマを45分以内に描き上げます。事前にできる対策は、過去に出されたテーマをもとに絵を描いてみることです。
さきほど紹介したように、情景や人物などが指定されていますので、その条件から外れないように気を付けましょう。
絵が上手か下手かはポイントではありません。
子どもたちがいきいきとしているか、情景が分かるようになっているかなどが重要となってきます。
特に、人物の表情がすべて同じにならないよう、注意しましょう。
言語の対策
言語の試験は、4つの課題から1つを選択します。
台本の持ち込みはできないので、あらかじめお話を暗記しておく必要があります。
一言一句間違えず本の内容を暗記する必要はなく、決められた3分間で、お話をどう展開するかを考えなければなりません。
重要なのは、3歳児クラスの子どもたち15人に対して、どれだけ分かりやすくお話するか、です。
特に集中力が持続しにくい年齢の子どもたちですので、最後までお話に興味を持ってもらえるような工夫が必要です。
練習を重ねる必要がありますが、はじめのうちは読み聞かせの練習からしてみるのも良いでしょう。
少しずつ絵本を見ずに話せるように、試験と同じ条件に近づけていくことをおすすめします。
保育士試験の対策についてさらに知りたい方はこちらの記事を参照してください!
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保育士実技試験に落ちるのはどんなとき?
実技試験で不合格になってしまうポイントがいくつかあります。
このポイントを避けられるように、気を付けておきましょう。
1つ目は、ルールを守らないこと。
試験には規定された条件や課題があります。
例えば、課題にない曲を演奏しても、採点されません。
造形で許可されていない道具を使った場合は、失格になるでしょう。
2つ目は、時間を守れないこと。
試験そのものに開始時間が設定されています。
その時間に間に合わなければ試験を受けられません。
また、各分野の課題には制限時間があり、それを超えても演奏を続ける、制止されてもやめないなどの場合は、大きく評価を下げることに繋がります。
3つ目は、表現することが極端に苦手なこと。
音楽、造形、言語の各分野は、どれも豊かな表現力を求められます。
また、試験中に明るく元気よく、笑顔を絶やさないことも重要なポイントです。
表情が固まっていたり笑顔になれなかったりすると、不合格になるかもしれません。
まとめ
保育士の実技試験は、保育の現場で必要となる技術を身に着けているかが評価されます。
実際に子どもたちとの関わりの中で必要となってくる技術です。
しっかり対策をして試験に臨めば、働き出してからも役立つことでしょう。
筆記試験とは違い、自分が練習してきたことが合っているのか、実技試験で求められる基準に達しているのかは実感しにくいかもしれません。
そんなときは、周りの人に見てもらって感想を聞いたり、オンライン講座などを活用したりすることをおすすめします。
実技試験の対策で大切なのは、何度も練習することです。そうすれば身に付いたものが自然と発揮できますので、コツコツと積み重ねて合格を目指しましょう。
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