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保育士等キャリアアップ研修とは何か?内容やメリットについて

保育士等キャリアアップ研修とは何か?内容やメリットについて保育士

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投稿日:2024年7月22日 | 更新日:2024年07月22日

保育士等キャリアアップ研修とは何か?内容やメリットについて

大事なお子さんを預かる仕事として、保育士を目指す人も多いですが、給与の低さが以前から問題視されてきました。
現実的な問題で、どれだけ子供が好きで成長に関わりたいと思っていても、自分の生活ができなければ保育士として頑張ることは難しいでしょう。

そのような状況を変えるために、2017年4月1から「保育士等キャリアアップ研修制度」が新設されました。
保育士等キャリアアップ研修を受けることによって、昇進や処遇改善を見込めるため、注目されています。

今回は、保育士等キャリアアップ研修について解説していくので、参考にしてください。

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保育士等キャリアアップ研修概要

概要を話している男性

保育士等キャリアアップ研修とは、以前より曖昧だった保育士のキャリアアップの仕組みを明確にすることを目的としています。

厚生労働省が公開している「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」では、保育の現場では勤務の年数に関わらず多様な対応・指導する役割を与えられている人が多いことをから専門性の向上を目指し、研修を行うよう推奨されています。

今まで保育園によってバラバラだった保育士のキャリアアップに関して、一定の水準を設けてリーダー的職員を育成することを期待しています。

中には、一度保育士としての仕事を離れた人・実習経験の浅い有資格者を対象した研修も用意されているため、人材不足にあえぐ保育士業界の活性化が期待されているのです。

保育士等キャリアアップ研修の目的

保育士等キャリアアップ研修の目的は、これからのリーダー的役割を担う職員を育成することです。
保育の専門的知識の向上・給料の改善が大きな目的の1つで、保育士の離職率を下げようという考えもあります。

今までは、保育園独自のルールで昇格等していた部分が、しっかりと明確になることによって、働く保育士たちのモチベーションをアップしようという考えです。

さらに、これまでは一般的に保育士のキャリアはクラス担任・主任・園長のみでしたが、保育士等キャリアアップ研修の処遇改善等加算により新しい役職が以下のように追加されました。

  • 副主任保育士
  • 専門リーダー
  • 職務分野別リーダー

明確な要件が決められているため、今までなかなか昇格しなかった若手や中堅保育士がキャリアを積み上げやすくなることも目的の1つです。

研修方法は、会場で研修を受ける他にもスマホやパソコンを使用したeラーニングでの学習も可能です。

8つの分野に分かれている

保育士キャリアアップ研修は、以下の8つの分野に分かれています。

役職名内容
乳児保育(0〜3歳未満)乳児保育の役割や機能、安全な環境、保育所保育指針についての全体的な指導計画の作成を学ぶ
幼児保育(3歳以上)幼児教育の現状や課題、幼児それぞれの発達特性に応じた指導、資質や能力を育むために必要な保育内容、学校教育への接続を学ぶ
障害児保育発達・発育の理解、保育計画の作成、感染症対策ガイドラインの理解、事故防止および健康安全管理に関する組織的取り組み、災害への備えといった危険管理を学ぶ
食育・アレルギー対応食事摂取基準値・献立の作成・調理の基本、衛生管理やアレルギー疾患の理解と対応、第4次食育推進基本計画を学ぶ
保健衛生、安全対策保健衛生に関する理解・保健計画の作成、健康安全管理、感染症対策ガイドライン、病気・事故発生時のガイドラインを学ぶ
保護者、子育て支援保育所の特性を活かした支援、保護者への相談援助の方法や技術、子どもの貧困や虐待予防や対応を学ぶ
マネジメント研修組織マネジメントの理解、関係法令や制度、保育指針などへの理解、職員への助言・指導・メンタルヘルス対策を学ぶ
保育実践研修子どもの感性を養う環境構成・保育の展開、体を使った遊びに関する実践方法、言語・音楽使った遊びに関する実践方法を学ぶ

1分野の受講時間は15時間で、大体2〜3日必要だと覚えておきましょう。

1分野しか研修を受けられないということはなく、さまざまな分野の研修を受けられます。

また、8分野の中でも「保育実践研修」は、現役で働いてる保育士ではない資格だけを持っている人や現場実績の少ない人を対象にしています。
研修を受けることによって、ブランクがあり実績が少ない保育士でもしっかりと仕事に対するアプローチができるようになる点が特徴です。

なりたい役職によっても、受けるべき研修に違いがあるので自分が目指すキャリアについて改めて考えてみると良いです。

受講対象者

保育士等キャリアアップ研修の受講対象者は、初任後の人や中堅の人まで広い範囲を対象としています。

雇用形態も関係なく研修を受けることができるため、自分がこの先どのような働き方を望んでいるかによって決めましょう。

基本的に保育園側で受講者を決定するため、研修について全て自分で対応するということではありません。

そのため、きちんと研修を受けたい旨を勤務している保育園に確認しましょう。
新設された役職へのキャリアアップを目指す場合は、概ね保育経験が3年以上必要です。

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新役職になるための条件と給与の変化

厚生労働省が公開している「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」では、以下のように新役職になるための条件と処遇の改善額が設定されています。

キャリアアップ研修新役職要件
【研修分野】
乳児保育(0〜3歳未満) 幼児保育(3歳以上) 障害児保育 食育・アレルギー対応 保険衛生、安全対策 保護者、子育て支援 マネジメント研修 保育実践研修


副主任保育士
経験年数概ね7年以上 職務分野別リーダーを経験 マネジメント+3つ以上の分野の研修を修了 副主任保育士としての発令

専門リーダー
経験年数概ね7年以上 職務分野別リーダーを経験 4つ以上の分野の研修を修了 専門リーダーとしての発令

職務分野別リーダー
経験年数概ね3年以上 担当する職務分野の研修を修了 修了した研修分野に係る職務分野別リーダーとしての発令 ※同一分野について複数の職員に発令することも可能

要件を満たし、新役職に就いた場合は以下のように金額がプラスされます。

 処遇の改善額
副主任保育士月額40,000円
専門リーダー月額40,000円
職務分野別リーダー月額5,000円

副主任保育士や専門リーダーは、経験年数が7年以上と中堅に位置付けられる人が対象です。

長年勤めている保育園でのキャリアを活かすチャンスとなるので、研修を受けられるのであればチャレンジしてみましょう。

副主任保育士は、さらにマネジメント研修が必須となるため受ける研修の選定をしっかりと行ってください。

職務分野別リーダーは、経験年数も3年以上とチャレンジしやすい役職なので、勤務している保育園でクラス担任を持っている人やリーダーとしてすでに活躍している人に向いています。

保育士等キャリアアップ研修の受講方法

保育士等キャリアアップ研修の受講方法は、以下のステップをふんでください。

園によってその時々の研修参加者が決定されるので、事前に園へ研修を受けたい旨の相談を行いましょう。

  1. 実施機関への申し込み
  2. 受講後レポートを提出
  3. 修了証をもらう

保育士等キャリアアップ研修は、各都道府県が指定している研修実施機関への申し込みが必要です。

それぞれの都道府県によって、日程や定員数に差があるので必ず、地域のホームページでチェックしてください。

次に研修会場、もしくはeラーニングを受けた後に受講レポートを提出します。
レポートの内容は、主に研修で学び自身で理解したことや日頃の保育内容との関連付けなどを記載するようにしてください。

見ただけ聞いただけでは、なかなか自分でも理解しにくい点でも、レポートとして書き出すことで改めてわかることも多いので、今後の保育現場に活かせます。
研修後は申請をすると修了証をもらえ、研修実施会場地以外でも有効です。

保育士等キャリアアップ研修を受けるメリット3つ

メリットを紹介している女性

保育士等キャリアアップ研修を受けるメリットは、いくつかあります。

研修は主に保育士のモチベーションを上げ、仕事への意欲をより高めてもらうことで、保育の場を良くすることを目的としています。
以下では、メリットを解説するので、参考にしてみてください。

1.保育士の処遇改善

研修納期なメリットは、国の補助金対象の役職が増えることで園は保育士への処遇を改善できる点です。

研修が新設されたのは、保育士の処遇改善が大きなテーマとなっているため、今の自分が置かれている環境を変化させたい人には大きなメリットといえます。

しっかりと頑張ることで、自分の処遇が改善されるとなれば、保育士の仕事を長く継続したいと多くの人は思いますし、長時間の研修も受ける意味があります。
保育士のキャリアパスが明確になることは、多くの子ども達を育てる人材が居続けてくれる原動力にもなるのです。

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2.専門性が高まる

研修を行うことによって、保育に関して、教育に関しての専門性が高まります。

園でも定期的な研修を行うケースはありますが、全ての園で行っているわけではありません。
保育の質を高めるために必要なことであっても、現実的になかなかできない場合が多いです。

そこで、研修を受けると目まぐるしく変わっている子どもや子育ての環境の変化にも対応できますし、保育士1人1人の意識も変わります。
知識を深めることで、保育の専門性が高められるため、質の高い保育につながるでしょう。

園としても、専門性の高い保育士が在籍していることによって得られるメリットも多いといえます。

3.復職・転職の際に有利

一度研修を受けると、全国で効力が発揮されるので復職や転職にも有利です。

例えば、研修を受けた地域から引っ越した、研修を受講後仕事を休んでいたなどの保育士でも問題なく効力を使えます。
保育士にとって、有効なアピールポイントがあるというのは非常にメリットです。

加算条件も変わらないため、転職の際は希望する園に研修した旨を積極的にアピールしてみてください。
ただ、補助金の分配や各役職の割り振りは園へ一任されているので給与に関しては慎重に決めましょう。

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保育士の資格を取得するには?効率良く取得できる方法も紹介します

キャリアアップ研修を受けるために保育士を今から目指す方法

目指す方法を紹介している女性

新しい制度が誕生し、これから保育士の処遇が良くなる可能性が高くなっています。

そのため、もともと子どもが好きだった人や保育士に憧れを持っていた人も保育士を目指そうと考えるケースも多いです。

保育士になるためには、どんな方法があるのかを解説します。

保育士資格を取得する必要がある

保育士になりたいと考えても、すぐに保育士になれるわけではなく、まずは保育士資格を取得する必要があります。
保育士資格は国家資格のため、履歴書に書ける資格であり、転職の際も役立つでしょう。

子どもの保育、教育に携わる仕事なので、簡単になれるものではなく、専門的な知識と技術が必要です。
さらに、保護者への支援を行うことも仕事で必要だと考えられているため、しっかりと仕事へ取り組みをしなくてはいけません。

保育、とは養護と教育を一体的に行う営みのため、単純に子どもを預かればいいというわけではないのです。
一般常識や作法など、教育も含めた部分を専門的な知識を駆使して行う仕事なので、資格がない人は保育士として名乗れません。

保育士資格を取得する方法

保育士資格を取得するためには、以下の2つの方法があります。

  • 指定保育養成施設を卒業
  • 保育士試験を受験

わかりやすい方法は、厚生労働省が指定する保育養成施設を卒業することです。

2〜4年制までと幅がありますが、高卒後の進路で保育士を目指したいと考えている人は、学校に行くと良いでしょう。
保育士試験を取得するためのカリキュラムが組まれており、実際の保育現場で学ぶ機会があるので学びやすいです。

一方で、すでに高校を卒業してからしばらく期間が空いている人の場合、自分で勉強して保育士試験を受験する方法だといえます。
年に2回実施される保育士試験を受験し、合格することで資格を取得できます。

そのため、独学で勉強をするもしくは通信教育で学ぶなど自分で努力する必要があるでしょう。

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保育士資格に学歴は関係ない

保育士資格を取得するためには、最終学歴が関係するかと悩む人もいますが、学歴は全く関係ありません。

学歴よりも卒業年月日や保育の現場での実績などが考慮されるので、保育士資格を取得したい人は諦めずに保育士資格事務センターに問い合わせをしてみてください。

保育士資格に必要な条件等は「一般社団法人全国保育士養成協議会」で確認ができるので、下調べをしてから申し込みましょう。

まとめ

まとめをしている男性

保育士等キャリアアップ研修について解説しました。

給与の低さや雇用状況について悩みを抱える保育士も多くいるので、このような研修制度は保育士それぞれのモチベーションアップにもつながります。
制度を積極的に利用して、保育士としてのキャリアアップをしましょう。

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