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投稿日:2024年8月9日 | 更新日:2024年08月09日
無料のオープンソースとして知名度があるOS、Linux。
その汎用性の高さからIT分野において様々なシステム構築において活用されています。
今回はLinux Professional Institute(以下LPI)にてLPICを提供している伊藤さんにご協力いただき、取材をさせていただきました。
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世界で使用されているオープンソース「Linux 」
伊藤さん、本日はよろしくお願いします!
伊藤さんはLinux Professional Institute(以下:LPI)の日本支部をメインに、アジアパシフィックでも活動されているとのことですが、Linuxは世界共通で使われているのでしょうか?
具体的に言うとLinuxにも種類があって、主に使用されているLinuxに違いはありますが世界共通として使われています。
RedHat、Rocky Linux、AlmaLinux、Debian、Ubuntuなどですね!
はい。Linuxの特徴としてオープンソースソフトウェアであるということですが、それもあって沢山の種類ができました。
我々のミッションはLinuxを含めたオープンソースソフトウェアの利用を拡大することを目指しています。
オープンソースを使うメリットはたくさんあると思いますが「オープンソースを世の中に広げていきたい」という動機について聞かせてください。
もともと我々の団体のオフィスはカナダにあって、1999年に設立されて25周年になりました。
そこでちょうど1990年代にはLinuxがちょうど世の中に広がり始めていて、その時にあったオープンソースがLinuxだけでした。
そのあとオープンソースが様々なものが出てきて、オープンソースのメリットであるコストメリットやベンダー依存を解消できるということを実感しました。
そこで世の中に広めようと考えたのがきっかけだと思います。
オープンソースはベンダー依存になりにくいというのはどういうことでしょうか?
オープンソースを広く使うことでリスク分散されるということですね。
先日もWindowsのブルースクリーン現象が世界で発生したと思いますが、この時もWindows環境にシステムが依存していればしているほど業務に支障が出たはずです。
ベンダーさんの意向に左右されづらい、プロダクトに依存しづらいということですね。
業界によりますが、誰もが知っている大企業でもほぼオープンソースでサービスができています。
業界によってはまだまだベンダー依存ですね。
オープンソースは信頼性が低いとの認識があってベンダーがそれを理由に顧客に対しての導入の理由にしてきた節があります。
ですが最近のオープンソースは進歩が著しく、技術力さえあればいいものを作れます。
なるほど!技術力さえあればいいものが作れるのですね。
その技術力の証明というところで、LPICを活用できるのですね!
未経験のLPICの勉強時間やレベルはどのくらい?
LPICに合格するにはどのくらいの勉強期間が必要でしょうか。
未経験なら最低2か月~3か月は必要だと思います。
未経験での受験なら入門のLinux Essentialsというものも出しているのでこちらの受験がおすすめです。
主な受験者としては、やはり初学者の学生や新入社員の方が多いですね。
Linuxはとても汎用的であるが故に受験者層のイメージがつきにくいのですが、やはり学生が多いのでしょうか?
LPICに関して言うと会社の社員の方が多いです。
学生が多いのはLinux Essentialsです。
Linux Essentialsは三年前くらいにリリースして現在は多くの人に受けていただいています。
オープンソースの基礎やLinuxの基礎を学べるので、初学者向けだと思います。
展開している資格に多くの種類があるようですが、資格試験の難易度や構造はどのようになっているのでしょうか?
基本的にLPICの1,2,3は下のレベルに合格しないと、次のレベルの試験を受けることができません。LPIC3においては種類がたくさんありますが、それはより狭い範囲を深く学んでもらうためで、LPICの中でもプロフェッショナルレベルでより専門的になってきていますね。
専門性でいうとミックスエンバイロメント(混在環境)というものがあるのですが。
これはLinuxとWindowsの混在環境での様々な知識が求められます。
他には、セキュリティ、仮想環境とコンテナ、ストレージの高可用性の知識が求められるものもあります。
それはどのようなことをするのでしょうか。
障害に強いHAクラスターを作るというようなことですね。より専門的になってきています。
あとは入門者向けのLinux Essentials、Security Essentials、Web Development Essentialsというのがあります。
もうすぐOpen Source Essentialsという試験もリリース予定です。
Linuxのいいところは汎用的なことだと思うのですが、それが故に試験にも多く種類があると思います。
どのように受験する試験を選択すればよいと思いますか。
初学者や経験がない場合はLinux Essentialsを受ければいいと思います。これを受けてLinuxの基礎を学んだ後にクラウドを学ぼうとか、Web開発を学ぼう、という風に方向性を決めるといいと思います。
なるほど!Linuxそのものを知らないとどれを深めよう、という話にもならない、ということですね。
LPIC認定者のコミュニティとパートナー
現在、情報の発信はどのようにされているのでしょうか?
今、日本でのSNSの発信はXが中心ですね。
反響はいかがでしょうか?
フォロワーが4000人強くらいいるアカウントで情報を発信したり、当アカウントのフォロワーさんがLPICの勉強の仕方などの情報をどんどん発信してくれています。
そこでこれから学ぼうとする人が実際に見て参考にしていますね。
情報共有としてはすごく良いと思います。
Xが情報発信だけでなく、一種のコミュニティになっているのですね。
プログラミングの勉強はユーザーの人からしたら悩ましいと思っていると思います。
特に未経験の方はどう勉強をすれば良いのかがわからないので机上の勉強に偏りがちだと思います。
未経験の方のおすすめの勉強方法を具体的にお聞きしてもよろしいでしょうか?
Ping-tやえるすた、学易学習サイトで提供されている問題を活用したり、Udemyなどで提供されているビデオコンテンツなどを活用するのがおすすめですね。弊社のパートナーさんがトレーニングコースで提供していたりします。
また、出版社も多くの学習書籍を出版しています。
パートナーさんはどのような役割を担っているのでしょうか。
パートナーはいくつかあるのですが、トレーニングパートナーのように外部に対してトレーニングを提供したりして、LPICの学習を提供するような会社さんだったり、社員の方に積極的にLPICを取ってもらう会社さん、またはLPIC認定資格を持っていると雇用しますよといった雇用パートナーがあります。
このようなパートナー提携をしてもらうことで働ける場を提供してもらっています。
パートナーさんのお話が出てきたと思うのですが、今現在エンジニアの人材不足が深刻化していますが、LPICを学べばパートナー先を中心に雇用のチャンスがどんどんできるということですよね!
本当に素晴らしいことですね。
実際にパートナーさんの反響はどうでしょうか?
パートナーさんからの反響は良く、ここで学んだ人は技術が身についたという人もいますが、人によると思います。
専門学生でも優秀な人は学生の中でLPIC3まで取る方もいます。
実際のところ向き不向きがあるのですね。
勉強のポイントは実環境を触って構造を体系的に理解する!
実環境で触って学ぶということはどのようなことでしょうか?
例えば書籍ですね。書籍の中で実際に実環境の設定の方法などが書いていたりしますね。
Linuxをダウンロードしてセットアップしていただくと、例えばコマンドラインなどをたたくとlsのコマンドが使えたりします。
最近ではWindows SubsystemとしてLinuxが搭載されていて、利用できる場合もありますが、特定のOSを使用したい場合はダウンロードすることが必要です。
お話を聞いたところ難しいのかなと思ったのですが、どうでしょうか?
サポートが用意されていたりするので、基本的には難しくありません。
うちでウェビナーを実施していたりします。
例えば、前回のウェビナーは北海道の大学で行ってもらいました。こちらのウェビナーでは受講条件として事前に環境を作ってもらった上でウェビナー実施されました。
ですが、実際メールでサポートしていてこのウェビナー実施しました。
すごく未経験の人にもわかりやすく、サポートしていらっしゃるのですね。SE初心者の方や初学者でも、サポート体制があるから心配しないでいいということですね。
その通りです。書籍などを買っていただくと設定方法や実環境の作り方などが説明されています。
そうなのですね!Linuxはみんな使っているのでわからないことがあっても検索すれば大体答えが出てくることもメリットとしてあると思います。
おっしゃる通りですね、言語を勉強するにしてもプログラミング言語を動く環境が必要だと思いますし、Linuxを動かすにしても環境が必要だと思いますね。
環境を用意する上での挑戦のしやすさがあるのですね!
Web Development Essentialsがまさにそうなのですが、例えばJavaScriptの目的はアプリケーションを作るために学ぶのだと思いますが、Web Development Essentialsを学ぶことで、どういう原理でアプリケーションが動くのか、といった、全体の構造を理解することができますね。
HTMLとCSSは初学者でも触りやすいと思いますが、それがゆえに仕組みをわかっていない人もいると思います。
構造などを理解していなければ、解決するのが難しいと思いますが、それを理解できるということですね。
全体を理解することができるので、アプリの動かし方が一通り分かります。
例えばウェブサーバーやHTML、ブラウザ、JavaScript、それから最後にデータベースアクセスまで書いてあるので、すべてWebアプリケーションの動作原理、構造を理解することができますね。
構造の部分の理解ができるということですね。Linuxは、言語関係なく、本当に基礎の部分なのですね!
LPIの方よりメッセージ
最後にユーザーの方にメッセージがあればお伺いしてもよろしいでしょうか。
我々LPIは認定者を大事にしている団体です。認定者が就職しやすくなるとか認定者の転職がしやすくなるとか、認定者一人当たりの単価が高くなるとかをそういったことを実現させたいと思っています。
我々は認定者のコミュニティを作ったりしています。
コミュニティを作ってコロナで前回は中止になってしまいましたが、秋葉原などで集まっていただいてLPIC1を持っている人と3を持っている人でコミュニケーションをとっていただいたりしていますね。
LPICの1も2も5年間期限があります。今現在はメンバーシップ制度なども作っていて、LPIのボードメンバーへの投票権を持つことができたり、メンバーシップ会員でいる限りは認定期限を無期限にすることができたりと様々なメリットを提供しています。
ボードメンバーへの投票とはどのようなことでしょうか?
LPIのボードメンバー(役員)の総選挙があって認定者を選ぶことができますね。
メンバーシップですと割引や期限の延長というように多くの特典を受けることができます!
そうなのですね!資格を持つことで多くの利点を受けることができるということですね。
メンバーシップサイトも英語だけだったのですが日本語版を出す予定です。
多くの更新情報を知ることができるだけでなく、懇親会なども参加することができますね。
みんなで作るオープンソースという認識ということですね!
我々はいろんなレベルの資格を用意しています。
それぞれが自分のレベルにあったものを受けていただけると良いと思います。
初心者の方はIT業界で働こうと思っている方は認定を取ることだけが目的にするのではなくて、学習を習慣的に行うことを意識して、認定を取っていただき、IT業界に入っていただくのがいいと思います。
ありがとうございます。IT業界は継続的に学習することが重要ということですね。
常に変化する業界なのでどれだけ新しい情報を持つということがその人の価値につながると思います。
ありがとうございます。その人の価値につながるのがLPICということですね。