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投稿日:2022年3月15日 | 更新日:2024年06月14日
公認会計士に興味を持ち始めると「公認会計士は簿記とってからがいい?」「公認会計士には簿記が必要?」と簿記との関連性に疑問を持つ人が多いでしょう。
本記事では、簿記一級と公認会計士の違いや、簿記を取得してから公認会計士を目指すメリット・デメリットについて解説します。
受験を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
簿記一級と公認会計士の違いとは?一覧表あり
簿記一級(日商簿記検定一級)と公認会計士は、簡単に言うと技能検定か国家資格かという違いがあります。
そのため、簿記取得者と公認会計士は、資格取得後の仕事内容が異なります。
以下は、簿記一級と公認会計士の違いを比較した表です。
簿記一級 | 公認会計士 | |
仕事内容 | 会計・経理に関わる仕事で役立つ 独占業務はない | 公認会計士として仕事(士業)をする 監査業務がメインになる |
キャリア | 大企業の経理や会計事務所など(簿記一級を持っているからなれるのではなく、活かせる) | 上場企業や中央省庁、独立など、幅広いキャリアパスがある |
合格率 | 10%前後 | 10%前後 |
難易度(勉強時間) | 約500~1,000時間必要とされている(二級レベルの知識がある場合) | 約4,000時間必要とされている |
試験内容 | 1回の試験 | 短答式試験と論文式試験の2段階 |
簿記一級は経理のスキルアップに役立つ試験
簿記は三級から一級まであり、簿記一級は経理のスペシャリストとして証明できる技能資格です。
お金の動きから企業の経営状況を明白にし、経営方針をフォローする役割を担います。
簿記一級を持つと専門の仕事ができるというより、スキルアップのために受けるイメージです。
大企業だとビジネスモデルや海外支店も増えるため、複雑な会計処理スキルが求められます。
そのため、簿記一級は就職や転職活動の際に武器となるでしょう。
公認会計士は監査をおこなえる国家資格
国家資格である公認会計士は、会計と監査のスペシャリストです。
公認会計士は企業の業務や会計、経営が正しくおこなわれているか、法や社内規定に反していないかを第三者目線でチェックします。
問題があれば指導し、会計と監査の専門家として「お目付け役」とも呼ばれる立ち位置です。
監査は公認会計士の独占業務であるため、公認会計士しかおこなえません。
主な仕事は独占業務の監査であるものの、コンサルティングをおこなったり、独立して会計事務所を開業したりするキャリアもあります。
つまり、簿記一級は会計・経理を担当する仕事につき、公認会計士は独占業務である監査を中心とした専門業務につくわけです。
公認会計士になるためには簿記は必要?
公認会計士になるために、簿記資格は必要ありません。
ただし、公認会計士試験は簿記の内容と重複する部分もあり、簿記の知識が必要になります。
そのため、なかには公認会計士を目指す前に簿記一級や二級を取得する人もいます。
後述するメリットを大きく感じるのであれば、簿記資格を取得してから公認会計士を目指してもよいでしょう。
簿記一級から公認会計士を取得するメリット
- 重複する学習する内容がある
- 試験慣れできる
あえて簿記一級を取得する必要はありませんが、簿記二級、三級を勉強しておくと公認会計士試験でつまずくリスクを抑えられます。
なぜリスクを抑えられるメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
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重複する学習内容がある
公認会計士試験は簿記試験の内容と重複する部分が多く、延長線上にあります。
そのため、簿記を勉強しておくと公認会計士試験の勉強に役立つことは確かです。
簿記一級では、公認会計士試験のメインとなる「会計学」「原価計算」が出題範囲のひとつ。
簿記一級の内容を勉強していると、公認会計士試験の勉強がスムーズになるでしょう。
試験慣れができる
簿記を受験しておくと、試験慣れできるメリットがあります。
簿記一級と公認会計士試験は、どちらも合格率10%前後と難易度が高いです。
公認会計士試験は短答式試験と論文式試験の2段階でおこなわれ、短答式試験は年2回。
論文式試験は年1回のみのため、試験に触れる機会が少ないです。
試験内容は異なりますが、簿記一級を練習台として使えるでしょう。
簿記一級から公認会計士を取得するデメリット
- 費用がかさむ
- 公認会計士になるまで時間がかかる
知識習得として簿記一級を勉強するのは、公認会計士を目指すうえでメリットもあります。
ただし、簿記一級を取得してから公認会計士を目指す場合、上記のデメリットを大きく感じるでしょう。
費用がかさむ
簿記一級は、簡単に取得できる資格ではありません。
非常に難易度が高いため、基本的に予備校に通います。
予備校の費用は、10万円前後が相場です。
さらに受験料もかかるため、簿記一級を取得するまでにある程度費用がかかるでしょう。
公認会計士試験も、合格するためには予備校に通うのが一般的です。
予備校の費用は80万円程度が相場のため、簿記一級から公認会計士を目指す場合、最低でも90万円程度はかかるでしょう。
公認会計士になるまで時間がかかる
簿記一級を取得してから公認会計士を目指すと、時間がかかり、遠回りになる可能性があります。
簿記は難易度の点から、いきなり一級を受けるのではなく三級、二級と順に取得するのが一般的です。
簿記一級を合格するまでに、トータルで約1,000時間はかかるとされているため、公認会計士試験の勉強に入るまでにかなりの時間を使ってしまうでしょう。
確かに公認会計士試験は簿記と重複する試験内容もありますが、試験範囲はそれだけではありません。
「公認会計士を目指す」と決めているなら、簿記一級をあえて取得する必要はないといえるでしょう。
本来の目標を忘れることなく、公認会計士になるための最短距離を意識して学習することをおすすめします。
簿記一級と公認会計士の関連性についてよくある質問
- 簿記一級と公認会計士の難易度の違いは?
- 簿記一級を取得すると公認会計士の科目は一部免除になる?
- 簿記一級取得から公認会計士になるまで必要な勉強時間は?
- 公認会計士試験は簿記一級を取得してからがよい?
先述したとおり、簿記一級と公認会計士の試験内容は重複する部分があります。
「それなら公認会計士試験の科目が一部免除になる?」など、疑問が生まれるでしょう。
ここでは、簿記一級と公認会計士の関係性について、よくある質問に回答していきます。
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簿記一級と公認会計士の難易度の違いは?
簿記一級と公認会計士試験の難易度を合格率と勉強時間の観点から比較すると、公認会計士試験のほうが難しいといえるでしょう。
合格率はどちらも10%前後と同程度ですが、勉強時間が大きく異なります。
簿記一級は、二級レベルの知識がある場合、500~1,000時間必要とされています。
公認会計士試験は約4,000時間必要と言われており、学習範囲が広く内容も複雑です。
簿記一級を取得すると公認会計士の科目は一部免除になる?
簿記一級を取得しても、公認会計士試験の科目は免除になりません。
ただし、一部学習内容が重複しているため、簿記一級の勉強は役に立つでしょう。
なお簿記一級を取得すると、税理士試験の受験資格を得られます。
公認会計士は、税理士試験を受けなくても税理士として登録することが認められています。
簿記一級取得から公認会計士になるまで必要な勉強時間は?
簿記一級取得から公認会計士試験を合格するまでに必要な勉強時間は、単純計算すると約2,100時間になるでしょう。
簿記一級の内容は、公認会計士試験の財務会計論と管理会計論と重複するため、その勉強時間を省けると考えた場合の計算です。
公認会計士試験に必要な勉強時間は、約4,000時間とされています。
財務会計論は短答式試験で900時間、論文式試験で500時間必要とされているため、簿記一級取得から公認会計士試験までに約2,100時間必要になるでしょう。
公認会計士試験は簿記一級を取得してからがよい?
公認会計士を目指すと明確に決めているなら、簿記一級をあえて受ける必要はないでしょう。
簿記一級を取得するためにも時間がかかってしまうため、最短で公認会計士になりたいなら、はじめから公認会計士試験に絞ることをおすすめします。
公認会計士試験は簿記を持っていなくても受験可能!
簿記と公認会計士試験は一部学習内容が被りますが、おこなえる業務やキャリアがまったく異なります。
簿記はスキルアップのために取得し、就職や転職に自分の武器として活かせるでしょう。
公認会計士は弁護士や医師と同じく、士業です。公認会計士にしかおこなえない独占業務があり、企業の経営方針や資金調達などにも関わります。
簿記を持っていなくても受験できるため、公認会計士を目指すならはじめから公認会計士試験を受けるとよいでしょう。
公認会計士試験を受けようか迷っている人は、以下の記事も参考にしてみてください。
公認会計士の仕事内容や魅力がわかります。
公認会計士の資格取得を目指している方はこちらの記事も参考にしてみてください。
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