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投稿日:2023年3月1日 | 更新日:2024年04月22日
独立開業や年収1千万円が狙えると言われる税理士。
これから勉強を始める人の中には、
「試験の合格って難しいの?」「合格率は?」
このような疑問を抱えている人もいるかもしれません。
本記事では、試験の難易度を解説し、一般に「税理士試験の難易度が高い」と言われる理由をご紹介します。
税理士試験に興味がある人は、こちらの記事も併せてご覧ください!
税理士試験とは?
国税庁によれば、税理士試験は、「税理士となるのに必要な学識及びその応用能力を有するかどうか」を判定するために実施されます。
日本の税のスペシャリストである税理士は、「税務署類の作成」「税務代理」「税務相談」の3つの独占業務を行うことができます。
税理士になるには税理士試験に合格し、2年以上の実務経験を積む必要があります。
税理士試験の科目は全5科目で、会計学2科目と税法に関する科目3科目で構成されます。
- 会計学2科目(簿記論と財務諸表論)
- 税法に関する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち3科目
5科目全てに合格してはじめて、税理士試験に合格したとみなされます。
税理士試験の難易度
難易度が高く、超難関資格とも言われる税理士試験。
税理士試験は難易度の高い試験なのでしょうか。
どのくらい難しいのか気になる人もいるでしょう。
合格ラインや合格率などさまざまな観点から税理士試験の難易度を解説します。
税理士試験の合格ラインは?
合格ラインから難易度を考えます。
国税庁によれば、すべての科目において、合格基準点は満点の60%です。
60%という合格基準点は他の国家試験と比較して、難易度が高いと言えるのでしょうか。
難易度が高いことで知られる司法試験の合格ラインは少し複雑です。
行政書士試験と公認会計士試験の論文式は税理士試験同様に合格ラインは60%です。
合格ラインで比較すると、税理士試験の60%という数値だけで難易度が高いとは言えません。
しかし、「合格ラインが他の国家資格と比べて高くない」という理由だけで、「税理士試験の難易度は高くない」とは断定できないでしょう。
上記の国家資格は難易度の高い試験と言われています。
税理士試験の合格率は?
試験の合格率から難易度を考えます。
国税庁は税理士試験の合格率を発表しています。
最新の令和3年度(第71回)税理士試験(2021年度)では、合格率は18.8%でした。
- 受験申込者数…35,774人
- 受験者数…27,299人
- 受験率… 76.3%
- 合格者数合計…5,139人
- 合格率…18.8%
また、平成29年度から令和3年度までの過去5年間の税理士試験の合格率は以下のとおりです。
概ね15〜20%で推移していることが分かります。
受験者のうち合格者が2割に満たない税理士試験は「難易度が高い」という印象を受けるかもしれません。
他の国家試験との比較
18.8%という合格率は他の国家試験と比べて高いのでしょうか。
税理士試験と以下の国家試験の難易度を比べてみます。
- 司法試験
- 行政書士試験
- 公認会計士試験
法務省「令和4年司法試験の採点結果 」によれば、令和4年司法試験の受験者数は3,082人、合格者数は1,403人でした。
司法試験の合格率は45.5%ですが、「法科大学院の卒業」「予備試験合格」のいずれかが受験資格であることを考慮すると、実際の合格率以上に司法試験は難易度が高いです。
一般財団法人行政書士試験研究センター「令和4年度行政書士試験結果」によれば、令和4年度行政書士試験の受験者は47,850人、合格者は5,802人であり、合格率は12.1%です。
合格者が1割少しの行政書士試験は難易度の高い試験と言えるでしょう。
公認会計士・監査委員会「令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について」によれば、令和4年公認会計士試験の願書提出者数は18,789人、最終合格者数1,456人であり、合格率は7.7%です。
公認会計士の合格率は1割以下であり、合格率からは難易度が高いと言えそうです。
税理士試験の合格率は18.8%ですが、単純に合格率で比較した場合、税理士試験の難易度が特別高いというわけではなさそうです。
しかし、上記の国家資格は難易度の高い試験として知られています。
科目別の難易度
税理士試験では、科目によって難易度が異なります。
国税庁は税理士試験の科目別の合格率を発表しています。
税理士試験の科目は全5科目で、会計学2科目と税法に関する科目3科目で構成されます。
- 会計学2科目(簿記論と財務諸表論)
- 税法に関する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち3科目
税法に関する科目は受験者が3科目を選択できますが、所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択する必要があります。
上記の科目別の合格率から難易度を確認しましょう。
合格率【会計学】
- 簿記論…16.5%
- 財務諸表論…23.9%
合格率【税法に関する科目】
- 所得税法…12.6%
- 法人税法…12.8%
- 相続税法…12.8%
- 消費税法…11.9%
- 酒税法…12.6%
- 国税徴収法…13.7%
- 住民税…12.7%
- 事業税…12.6%
- 固定資産税…13.8%
必須科目である簿記論と財務諸表論は合格率が高いですが、税法に関する科目は合格率が低く、またそれぞれの科目の合格率が異なります。
「会計学より税法に関する科目の難易度が高い」と言えるかもしれません。
合格率は難易度を知る上で参考になる数値ですので、科目選択の際に参考にしましょう。
税理士試験の難易度が高いと言われる理由
会計学2科目と税法に関する科目3科目の合計5科目に合格すれば、税理士試験に合格できます。
これだけ聞くと、「税理士試験の難易度は高くないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、税理士試験は一般に難易度が高いと考えられ、試験に合格することは決して容易ではありません。
一般に「税理士試験の難易度が高い」と言われる理由を確認しましょう。
合格に必要な勉強時間が長いから
「合格に何年かかるのか」「どれだけの勉強時間が必要か」は難易度を考えるうえで大きな指標となります。
合格者が合格に要した勉強時間はさまざまですが、予備校や通信講座が考える勉強時間は難易度を考えるうえで参考になります。
予備校や通信講座が公表する勉強時間や学習プランを参考に難易度を考えます。
- スタディング…会計学2科目はそれぞれ450時間、税法に関する科目は150〜450時間
2年で合格を目指す場合:年間1,000時間以上×2年間=2,000時間以上
- LEC…会計学2科目はそれぞれ450時間、税法に関する科目は300〜450時間
3年プランA:年間600〜750時間×3年間=1,800〜2250時間
- TAC…会計学2科目はそれぞれ450時間、税法に関する科目は150〜600時間
3年本科生:1年目900時間、2年目600時間、3年目750時間、合計2250時間
最低でも2,000時間以上の勉強時間と2年の期間を要すると考えられているようです。
1日平均では2.7時間の勉強時間が必要ですが、仕事で忙しい社会人にこの時間を捻出することは難易度が高いかもしれません。
また、上記は予備校や通信講座で効率的に学習した場合の最短の勉強時間ですので、実際にはさらに時間を要する可能性があります。
これだけの勉強時間を要求する税理士試験は難易度の高い試験と言えるかもしれません。
合格率が低いから
合格率が低い試験は難易度が高いと考えらえる傾向にあります。
令和3年度(第71回)税理士試験では、合格率は18.8%です。
直近5年間では、概ね15〜20%で推移しています。
上記の数字は決して高い数字ではなく、難易度の高さが分かります。
また、税理士試験を受けるためには、「学識」「資格」「職歴」「認定」のカテゴリー別の要件を満たす必要があります。
「誰でも受験できる気軽な試験」ではないにもかかわらず、合格率が20%に満たない試験は難易度の高い試験と言えるかもしれません。
税法に関する科目で挫折する人が多い
必須科目である会計学2科目と比較して、税法科目は難易度が高く、挫折する人が多いようです。
税法ですので、膨大な量の条文を暗記する必要があります。
法律のみならず、法関連の施行令、施行規則を覚える必要もあるので、暗記が苦手な人には難易度が高いでしょう。
各科目に合格すれば、生涯有効ですが、1科目の合格に5年以上費やす人もいます。
会計学2科目に合格したが、税法に関する科目に合格できず、税理士試験を諦めてしまう人が少なくありません。
大学受験や大学院の受験以上に時間を費やす必要があるかもしれません。
偏差値が高い
資格に関するさまざまなサイトが資格の「偏差値」を公表しています。
例えば資格情報サイト「資格の取り方」は国家資格や民間資格の偏差値を次のように公表しています。
- 税理士…75
- 気象予報士…64
- 医師…74
- 建築士(一級)…66
- 国家公務員(総合職)…77
- 宅建…57
- 中小企業診断士…67
- 通関士…59
- 日商簿記1級…67
- 不動産鑑定士…74
- ファイナンシャルプランナー(fp1級)…58
- 労務士(社会保険労務士)…65
- 薬剤師…62
- 弁理士…75
上記はあくまで参考ですが、他の資格試験と比べて、税理士試験は難易度が高い試験と認識されていることの現れです。
オススメの通信講座3選
税理士試験を受けたいと考えている人でも、独学から予備校、通信講座等、学習方法が多すぎてどれがいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、オススメの通信講座を3社紹介します!
スタディング
スタディングの税理士講座は、仕事で忙しい人のために開発されており、スキマ時間を徹底的に活用して合格を目指すことができるのが最大の特徴です。
また、「合格に関係ない事にかかるコスト」を全て省き、高いコストパフォーマンスを実現しています。
受講料は以下の通りです。
受講料
- 簿財2科目セット[2023+2024年度合格目標]
:59,800円 - 法人税法[2023+2024年度合格目標]
:49,200円から - 消費税法[2023+2024年度合格目標]
:49,800円 - 相続税法[2023+2024年度合格目標]
:49,800円 - 国税徴収法[2023+2024年度合格目標]
:49,800円
\無料登録でお試し講義&10%OFFクーポンGET!/
資格の大原
資格の大原は、徹底した試験分析から編み出されたオリジナル教材や、税理士試験を熟知した講師陣による分かりやすい授業が特徴です。
また、従来の講義時間を3分の1に凝縮した「時間の達人シリーズ」という講義を選ぶことができます。この講義は、1チャプターが10分以内であり、講義全体は60分と非常にコンパクトです。
内容の濃い授業であるにも関わらず、スキマ時間学習も行うことができます。
以下で、映像通学の場合のコース価格を紹介しますが、他にも、教室通学やWeb通信、DVD通信を選択することもできます。
受講料
- 初学者短期合格コース 簿記論/財務諸表論/所得税法/相続税法 映像通学[2023年受験対策]
:各168,000円 - 初学者短期合格コース 消費税法/教室通学/映像通学[2023年受験対策]
:150,000円 - 初学者短期合格コース 酒税法/国税徴収法/住民税/事業税/固定資産税 映像通学[2023年受験対策]
:各106,000円
\無料で資料請求可能!/
クレアール
クレアールは、非常識合格法を採用していることで有名です。クレアールの講座では、合格に必要な学習範囲のみを取り扱うため、効率良く、合理的に学習を進めることができます。
無駄な勉強をしたくない人や、効率よく合格したい人にオススメの講座です。
受講料は以下の通りです。他の通信講座と比べると、講座料金はやや高いといえるでしょう。
受講料
- 2023年合格目標講座 簿財アドバンス レギュラーコース Web通信
:230,000円(2月割引価格:154,100円) - 2023年合格目標講座 簿記論/財務諸表論/相続税法 レギュラーコース Web通信
:180,000円(2月割引価格:124,200円) - 2023年合格目標講座 消費税法 レギュラーコース Web通信
:130,000円(2月割引価格:89,700円)
税理士試験の難易度は高い
記事では、税理士試験の難易度を解説しました。
最新の合格率が18.8%であり、膨大な勉強量を要する税理士試験は「難易度が高い国家資格である」と言えます。
しかし、難易度の高い税理士試験に合格し、税理士になれば、独立開業して自由な働き方を実現したり、高い年収を実現することも夢ではありません。
毎年2~3万人が受験する税理士試験は社労士や司法書士、弁護士など士業の中でも人気ランキング上位の国家資格です。
勉強時間を確保しやすい学生時代に資格勉強を開始したり、科目合格制を利用し、じっくり時間をかけて、難易度の高い税理士試験の合格を目指すことが必要になります。
独学が難しい場合、予備校や通信講座に通うことも選択肢の一つです。