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投稿日:2023年3月1日 | 更新日:2023年12月08日
税理士は、税に関する独占業務を行う難関資格ですが、高い年収が期待できる士業です。
これから税理士を目指す人にとって給与水準は最も重視するポイントの一つでしょう。
独立開業して働く、BIG4税理士法人で働く、といったさまざまな選択肢がある職種ですので、自分が目指す働き方の給与水準が気になる人も多いと思います。
本記事では、税理士の平均年収や働き方による年収レンジ、今後の見通しなどを解説します。
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税理士の平均年収は?
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の事務所で勤務する公認会計士と税理士の平均年収は6585.8千円(きまって支給する現金給与額448.6千円×12か月+年間賞与その他特別給与額1202.6千円)です。
「想定していたより低い」と思った人もいるかもしれません。
しかし、同調査では、職種の異なる公認会計士と税理士の年収を一括りにした調査であり、税理士の年収について、有用性は議論の余地があります。
2015年の調査になりますが、日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」によれば、社員税理士の平均年収は約890万円です。
国税庁によれば、日本人の平均年収は461万円ですので、どちらの調査結果でも税理士の年収は日本人の平均年収を上回っていることが分かります。
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」は公認会計士と税理士の年収を一括りにしているので、税理士の年収について、有用性に乏しい可能性がありますが、企業規模別の年収、年齢別の年収を公表しているので、参考程度に見ていきましょう。
企業規模別
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模別の公認会計士及び税理士の平均年収は以下のとおりです。
- 10人以上の平均年収…658.58万円(44.86万円×12か月+162.39万円)
- 1,000人以上の平均年収…785.79万円(51.95万円×12か月+162.39万円)
- 100〜999人の平均年収…835.14万円(54.91万円×12か月+176.22万円)
- 10〜99人の平均年収…589.96万円(40.98万円×12か月+98.2万円)
「100〜999人」の事務所に所属する公認会計士及び税理士の平均年収が最も高い結果となりました。
年齢別
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の事務所で勤務する公認会計士と税理士の年齢別の平均年収は以下のとおりです。
- 20〜24歳の平均年収…297.88万円(21.88千円×12か月+35.32万円)
- 25〜29歳の平均年収…507.53万円(34.99万円×12か月+87.65万円)
- 30〜34歳の平均年収…650.98万円(43.13万円×12か月+133.42万円)
- 35〜39歳の平均年収…687.05万円(46.43万円×12か月+129.89万円)
- 40〜44歳の平均年収…645.71万円(44.34万円×12か月+113.63万円)
- 45〜49歳の平均年収…801.43万円(53.79万円×12か月+155.95万円)
- 50〜54歳の平均年収…729.60万円(46.94万円×12か月+166.32万円)
- 55〜59歳の平均年収…913.07万円(63.68千円×12か月+148.91千円)
- 60〜64歳の平均年収…604.69万円(41.99万円×12か月+100.81万円)
- 65〜69歳の平均年収…434.39万円(35.89万円×12か月+3.71万円)
- 70歳〜の平均年収…325.79万円(26.7万円×12か月+5.39万円)
最も年収が高い年齢階層は「55〜59歳」であり、次いで「45〜49歳」「50〜54歳」となっています。
男女別
男性税理士と女性税理士では年収にどのような差があるのでしょうか。
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の事務所で勤務する公認会計士と税理士の男性、女性別の平均年収は以下のとおりです。
- 男性の平均年収…655.82万円(44.32万円×12か月+123.98万円)
- 女性の平均年収…544.63万円(36.12万円×12か月+111.19万円)
国税庁によれば、日本人の平均年収は男性567万円、女性280万円です。
税理士の男性は一般的な男性より約90万円、女性は約260万円多く稼いでいます。
また、平均と比べて、税理士は男性と女性の平均年収の差が小さいです。
女性税理士は十分に高い年収を稼げると言えます。
働き方による税理士の年収の違い
税理士は働き方によって年収が変動します。
税理士の働き方には主に以下の3つがあります。
- 税理士法人
- 独立開業
- 企業内税理士
独立開業して働く方法が一番稼げるというイメージがあるかもしれません。
税理士資格を取得後すぐに独立開業するのではなく、一度税理士事務所に所属し、税理士として経験を積むケースが多いです。
税理士法人とは?
税理士法人とは、複数の税理士が共同で設立する事務所です。
所属する税理士を勤務税理士といい、一般的に税理士は税理士法人でキャリアをスタートさせます。
平均年収は300〜600万円で、年功序列で昇給し、比較的安定した環境で働ける点が特徴です。
税理士法人の中でも業界トップ4を「BIG4税理士法人」と言います。
- デロイトトーマツ税理士法人
- KPMG税理士法人
- PwC税理士法人
- EY税理士法人
BIG4税理士法人は他の税理士法人よりも高い給与を提供し、所属する税理士の平均年収は600〜1200万円と言われています。
企業内税理士とは?
一般企業の財務や税務部門に所属し、業務を行う税理士です。
非金融機関では経理業務が主な業務ですが、金融機関では財産評価などの税務業務を税理士が担当することが多いようです。
企業内税理士の年収は、所属する企業の年収レンジに依存します。
企業規模が大きいほど年収が高く、小規模な企業だと低い点特徴です。
日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」によれば、社員税理士の平均年収は約890万円です。
また、企業によって税理士に求めるスキルが異なり、国際税務など特殊スキルがあれば、待遇が良くなります。
独立開業とは?
個人で独立開業して、税理士事務所を構える働き方です。
独立開業すると、個人事業主のような働き方であり、仕事量に応じて年収が変動します。
独立開業して、高い年収を稼ぐ税理士がいる一方で過当競争によって収入が安定しない税理士も珍しくありません。
日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」によれば、独立開業した開業税理士の平均年収は約744万円です。
平均年収は社内税理士より低い点が目立つので、独立開業すれば必ず高い年収を稼げるわけではありません。
年収の今後
税理士を取り巻く環境は転換期を迎えています。
他業種より平均年収が高い税理士ですが、外部環境の変化によって、年収に影響を及ぼす可能性があります。
税理士の供給過多による年収の低下
国税庁によれば、税理士登録者数の推移は以下のとおりです。
- 2000年度…65,144人
- 2005年度…69,243人
- 2010年度…72,039人
- 2015年度…75,643人
- 2016年度…76,493人
- 2017年度…77,327人
- 2018年度…78,028人
- 2019年度…78,795人
- 2020年度…79,404人
過去15年で約1万人の税理士が増えています。
このように税理士登録者数は増加傾向にあり、税理士の供給過剰になる可能性があります。
税理士の供給が多いと、税理士の間で過当競争が発生し、それが税理士の年収に反映され、年収が下がることが考えられます。
中小企業の減少による需要減退
税理士の主な取引先となる中小企業が減少しています。
中小企業庁によれば、1999年から2016年の中小企業数の推移は以下のとおりです。
- 1999年…484万社
- 2001年…469万社
- 2004年…433万社
- 2006年…420万社
- 2009年…420万社
- 2012年…385万社
- 2014年…381万社
- 2016年…358万社
税理士の経営を支える中小企業の数が減少すれば、税理士の需要が減少します。
現在、税理士の数は増えている一方で中小企業の数が減少しており、税理士間の過当競争を招いています。
このような状況では、価格の引き下げ圧力がかかり、結果として税理士の年収が下がる可能性があります。
テクノロジーの発展と省人化の流れ
AIやRPAなどテクノロジーの進化によって、税理士の需要が減少すると言われています。
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン教授が発表した論文「雇用の未来」によると、ITの発達やAIを使った自動化で10年から20年で世の中の仕事の47%が機械に代替されると話題になりました。
代替される仕事には、税務申告書の作成など税理士業務が含まれており、これを根拠に税理士不要論が台頭しています。
実際、クラウド会計ソフトの登場によって、クレジットカードやネットバンキングとの連携、また領収書のスマホ読み込みで自動で仕訳作業ができるようになりました。
AIが代替できるのは単純作業ですので、高付加価値な業務は今後も税理士が担います。
しかし、記帳代行や仕訳、固定資産の登録といった一定のルールに基づく作業を税理士に依頼する件数は減少するかもしれません。
結果として、税理士の需要は減少し、年収の低下につながる可能性があります。
オススメの通信講座3選
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受講料は以下の通りです。
受講料
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:49,200円から - 消費税法[2023+2024年度合格目標]
:49,800円 - 相続税法[2023+2024年度合格目標]
:49,800円 - 国税徴収法[2023+2024年度合格目標]
:49,800円
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資格の大原
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また、従来の講義時間を3分の1に凝縮した「時間の達人シリーズ」という講義を選ぶことができます。この講義は、1チャプターが10分以内であり、講義全体は60分と非常にコンパクトです。
内容の濃い授業であるにも関わらず、スキマ時間学習も行うことができます。
以下で、映像通学の場合のコース価格を紹介しますが、他にも、教室通学やWeb通信、DVD通信を選択することもできます。
受講料
- 初学者短期合格コース 簿記論/財務諸表論/所得税法/相続税法 映像通学[2023年受験対策]
:各168,000円 - 初学者短期合格コース 消費税法/教室通学/映像通学[2023年受験対策]
:150,000円 - 初学者短期合格コース 酒税法/国税徴収法/住民税/事業税/固定資産税 映像通学[2023年受験対策]
:各106,000円
\無料で資料請求可能!/
クレアール
クレアールは、非常識合格法を採用していることで有名です。クレアールの講座では、合格に必要な学習範囲のみを取り扱うため、効率良く、合理的に学習を進めることができます。
無駄な勉強をしたくない人や、効率よく合格したい人にオススメの講座です。
受講料は以下の通りです。他の通信講座と比べると、講座料金はやや高いといえるでしょう。
受講料
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:180,000円(2月割引価格:124,200円) - 2023年合格目標講座 消費税法 レギュラーコース Web通信
:130,000円(2月割引価格:89,700円)
スキルと経験を貯めて年収アップを目指す
この記事では、税理士の平均年収や働き方による年収レンジ、今後の見通しなどを解説しました。
税理士の平均年収は一般的な日本人の年収より多く、独立開業によって青天井で稼げる可能性があります。
また、女性税理士が高い年収を稼いでおり、男女関係なく高い年収を得ることが可能です。
ただし、約8万人の税理士の年収はさまざまであり、税理士の働き方やスキルによって年収が変動するので、平均年収はあくまで参考値であることを理解しましょう。
税理士資格の取得後すぐに独立開業することは難しいので、税理士法人で働きながら、その後の方向性を考えるのが現実的でしょう。
税理士として高い年収を目指すために、経験とスキルを積むことが大切です。