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社会福祉士とケアマネの違いと取得方法を解説

社会福祉士

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投稿日:2023年4月12日 | 更新日:2024年04月05日

社会福祉士とケアマネージャー(ケアマネ)の資格の違い、受験資格、取得方法、取得の難易度、仕事内容やダブルライセンスによるメリットなど、気になる両方の資格について解説します。

社会福祉士とケアマネは親和性のある資格ですので、どちらか片方の資格をもっている方は、比較的目指しやすいダブルライセンスといえます。

両方の資格取得を考えている方や興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

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社会福祉士とは?

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律に規定された国家資格です。

社会福祉士とは、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識やスキルで、身体上や精神上の障害がある方、環境上の理由によって日常生活を営むのに支障がある方の福祉に関する相談に応じたり、助言、指導、関係機関・関係者との連絡・連携・調整その他の援助を行ったりすることを仕事としています。

名称独占の国家資格ですので、資格をもたない方は社会福祉士の名称を使用できません。

資格がなくとも、前述した仕事は行えますが、社会福祉士の国家資格を取得することにより、専門職としての水準の高さを示すことができます。

ケアマネとは?

ケアマネは、正式には「介護支援専門員」といいます。

ケアマネージャー(略してケアマネ)は、要介護者や要支援者からの相談や心身の状況に応じて、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを受けられるように、ケアプラン(介護サービス計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設との連絡調整を行います。

「居宅介護支援事業所」「介護保険施設」には必置とされている職種です。

ケアマネは、要介護者や要支援者が自立した日常生活を営むのに必要な援助について専門的知識・技術を有するものとして、「介護支援専門員証」の交付を受けた者とされています。

要介護者や要支援者が自宅などに住んでいる場合は、ケアプランを作成し、居宅サービスを提供する事業者等との連携、連絡調整や入所施設への紹介などを行います。

ケアプラン:ケアマネが作成するもので、利用者の希望やアセスメントの結果に基づいて、最も適切なサービスの組み合わせについて検討し、利用者やその家族の意向を反映し、利用者が自立した日常生活を営めるようにサービスを提供する上での留意事項を記載した書類のことです。

また、ケアマネは利用者に代わってサービス給付費の計算や請求なども行います。

施設に入所している利用者についても、入所者のニーズに応じて施設サービスが適切に提供されるように、介護保険施設でもケアマネジメントを実施する必要があるため、ケアマネの配置が義務づけられています。

主任ケアマネとは?

ケアマネの上位資格として、主任介護支援専門員(主任ケアマネ)という資格もあります。

ケアマネの仕事に加えて、他のケアマネの助言やサポートなどを行います。

主任ケアマネになるためには、「主任介護⽀援専⾨員研修」を修了しなければなりません。

この研修には、「研修の企画やファシリテーターの経験があること」、「地域包括支援センターや職能団体が開催する研修等に年4回以上参加する」などの受講要件があります。

居宅介護支援事業所の管理者になるためには、主任ケアマネージャーの資格が必要です。

資格取得の方法

社会福祉士の資格を取得する

社会福祉士国家試験には、受験資格があります。

社会福祉士の資格を取得するには、福祉系大学等で社会福祉に関する指定科目を履修して卒業する「福祉系大学等ルート」、福祉系大学で社会福祉の基礎科目を履修して卒業した後に短期養成施設で6ヵ月以上修学する「短期養成施設ルート」、一般大学等を卒業または4年以上相談援助業務に従事した後、一般養成施設で1年以上修学する「一般養成施設ルート」など、全部で12の資格取得ルートがあります。

社会福祉士国家試験の受験要件としての相談援助業務の実務経験とは、国の通知により具体的に定められています。

児童相談所などの「児童分野」、介護保険施設などの「高齢者分野」、障害者支援施設などの「障害者分野」、保健所などの「その他の分野」に分類されています。

既にケアマネとして勤務している場合、ケアマネ業務は相談援助業務に該当しますので、所定の年数をクリアしていれば、社会福祉士の受験資格である実務経験の対象になります。

また、「児童福祉司」、「身体障害者福祉司」、「知的障害者福祉司」、「査察指導員」、「老人福祉指導主事」など、一部の職種の実務経験が4年以上ある方は、短期養成施設(6ヵ月以上)での修学を経れば受験資格を取得できることになっています。

福祉に関する相談援助の業務以外の職種を兼務していた場合は、兼務している事実が辞令によって明確であって、その主たる業務が福祉に関する相談援助の業務である方が、実務経験の対象となるとされています。

詳しくは、試験実施団体である「社会福祉振興・試験センター 」のホームページ等で確認されることをおすすめします。

社会福祉士の試験の合格率は?

社会福祉士国家試験の合格率は、例年30%前後となっています。

第34回は31.1%、第33回は29.3%、第32回は29.3%でした。

他の福祉士の合格率と比較すると、「介護福祉士」 は70%前後、「精神保健福祉士」 は65%前後ですので、社会福祉士国家試験は試験範囲が広いこともあって、難易度が高めです。

大学や養成校の新卒者と既卒者では合格率にかなりの開きがありますが、日本ソーシャルワーク教育学校連盟の発表によると、第35回社会福祉士国家試験合格者のうち、新卒者が福祉系大学ルートで65.0%短期養成施設等ルートで55.0%一般養成施設等ルートで67.4%ですが、既卒者では、それぞれ28.2%、32.8%、34.7%になっています。

年代別では、30歳までの受験者が全体の合格者数の43.3%と高い割合を占め、年代が上がるにつれ、合格率は下がる傾向にあります。

男女別の割合では、男性が30%程度、女性が70%程度を占めていますが、これは受験者の男女比が反映しているものと思われます。受験要件と合わせて考えると、難易度が高い国家資格といえます。

ケアマネの資格を取得する

ケアマネは、保健・医療・福祉の分野で支援を必要とする方への相談・援助の仕事に一定期間従事した経験のある方の中から養成するという考え方に基づいて、受験要件が定められています。

ケアマネになるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります(1から4のステップを順にクリアする必要があります)。

1 厚生労働省令で定める実務の経験(保健医療福祉分野での実務経験(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士等)が5年以上であることなど)があること。

2 介護支援専門員実務研修受講試験に合格すること

3 介護支援専門員実務研修の課程を修了すること

4 介護支援専門員として登録し、介護支援専門員証の交付を受けること

 既に社会福祉士の資格を所持している方で、相談業務に5年以上従事していれば、受験要件を満たしています。

因みに、第1回から第24回の試験合格者のうち、一番多かった職種は介護福祉士(44.5%)でした。

社会福祉士は6.4%で看護師・准看護師、相談援助業務等従事者に次いで4番目の多さです。

 試験合格後の介護支援専門員実務研修は、ケアプラン等の作成や要介護認定に関する専門知識の習得など、講義形式と演習形式を合わせて87時間以上とされています。

都道府県に登録して介護支援専門員証の交付を受けますので、ケアマネージャーの資格は、公的な資格ではありますが、国家資格ではありません。

また、介護支援専門員証は、5年ごとの更新が必要です。ケアマネの仕事を継続するためには、更新の手続きをしなければなりません。更新研修の実施先、更新手続き共に都道府県です。

介護支援専門員証の有効期限を迎える前に、更新に必要な研修受講と更新手続きを行う必要があります。研修受講だけでは介護支援専門員証が失効し、業務に就けなくなりますので注意しましょう。

主任ケアマネ資格の有効期間も、主任ケアマネ研修修了日から5年間です。

なお、主任更新研修は、主任ケアマネ資格の有効期間満了日のおおむね2年前から受講が可能とされています。

ただし、研修実施時期が変動する可能性があるため,有効期間満了日の前年度や前々年度の受講を検討した方が無難といえます。

なお、一定期間実務に就かなかった場合は、再研修(実務研修と同じ内容)の受講が必要になります。

介護支援専門員実務研修受講試験の合格率

介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の問題作成・合格基準の設定に関する事務は、都道府県から受託した「社会福祉振興・試験センター」が行っています。

「社会福祉振興・試験センター」は社会福祉士国家試験の実施機関でもあります。

ケアマネ試験は全国一斉に行われます。令和4年度は、10月9日に実施されました。

試験実施状況は、介護支援分野25問中18点以上、保健医療福祉サービス分野35問中、26点以上が合格とされました(1問1点)。正答率は70%を基準として問題の難易度で補正されています。

ケアマネ試験は都道府県単位で実施されますので、各都道府県への受験申込みとなります。

試験問題は介護支援分野25問、保健医療分野35問の合計60問、試験時間は120分です。

ケアマネ試験の合格率は、例年20%前後です。

令和3年度(第24回)は23.3%でした。これは社会福祉士の合格率30%前後を下回っています。ケアマネは社会福祉士と違い、国家資格ではありませんが、国家資格に勝るとも劣らない難易度といえそうです。

社会福祉士とケアマネは、どういう仕事に就けるか?

社会福祉士が就ける仕事

社会福祉士が活躍できる場は非常に多く、高齢者福祉分野、障害者福祉分野、児童・母子福祉分野、医療分野、地域福祉分野などで、具体的には地域包括支援センター、社会福祉協議会、児童相談所・保健所・福祉事務所などの行政機関、社会福祉施設、学校、医療機関など、仕事内容は多岐にわたっています。

また、社会福祉士を任用要件として定めている職種としては、保護観察所の「社会復帰調整官」、病院・診療所の「退院後生活環境相談員」、ひきこもり地域支援センターの「ひきこもり支援コーディネーター」地域生活定着支援センターの担当職員などがあります。

社会福祉士のなかには、独立型社会福祉士事務所として開業する方もいます。

独立型社会福祉士事務所とは、独立した立場でソーシャルワークを実践する方で、十分な研修と経験によって培われた高い専門性をもっている、日本社会福祉士会から認定された社会福祉士です。

あらかじめ利用者と契約を締結し、相談援助の対価として第三者から報酬を受ける社会福祉士で、日本社会福祉士会の独立型社会福祉士事務所の名簿に搭載されます。

また、診療報酬や障害福祉サービス等報酬では、さまざまな加算の対象になります(それぞれ所定の算定要件があります)。社会福祉士は、行政機関での募集も数多く、公務員志望の方にもおすすめできる資格です。

ケアマネージャーが就ける仕事

ケアマネは、居宅介護支援事業所、介護老人福祉施設、介護医療院、介護療養型医療施設などで働いています。

居宅介護支援事業所に勤務するケアマネは「居宅ケアマネ」、介護施設に勤務するケアマネは「施設ケアマネ」などと呼ばれます。

 多くのケアマネが所属する居宅介護支援事業所では、事業所ごとに常勤のケアマネを1人以上配置(1人のケアマネにつき、利用者35人まで)することとされています。管理者は、常勤専従の主任ケアマネでなければなりません。

ケアプランはケアマネしか作れません。この点が名称独占である社会福祉士との違いです(ただし、社会福祉士にも必置とされている職種はあります)。

厚労省の集計によると、ケアマネの男女比は、女性が83%、男性が17%で、女性が圧倒的に多い現状です。年齢構成は40代が一番多く、40.9%を占め、30代の26.7%、50代の26.1%と続きます。経験年数では、3年以上が56.4%と最も多くなっています。

社会福祉士とケアマネのダブルライセンスでスキルアップを目指そう!

ケアマネは、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを受けられるように、ケアプランの作成や市町村・サービス事業者・施設との連絡調整など、社会福祉士と同様にソーシャルワークを行います。

社会福祉士とケアマネそれぞれの資格を取得するためには、それぞれの違う受験要件を満たし、試験に合格しなければなりません。

なお、それぞれの試験に科目免除などの制度はありません(ただし、社会福祉士と精神保健福祉士の受験には、共通科目免除の制度があります。)

社会福祉士として5年以上の実務経験がある場合は、ケアマネの受験資格を満たせること、ケアマネの実務経験がある場合は、社会福祉士の相談援助業務の実務経験の対象になることから、受験資格の点においても親和性のある資格といえます。

ケアマネや社会福祉士の資格を条件にしている求人の中には、実務経験や学歴、年齢を不問にしている求人もありますので、就職や転職の機会が増えます。

また、資格を取得することにより、基本給がアップしたり、資格手当が支給されたり、給料に反映されるようになりますので、年収アップも目指せるでしょう。

独立型社会福祉士事務所を開業するにあたって、居宅介護支援事業所のケアマネ業務も行うことにより、経営を安定させることもできます。

少子高齢化が続く現状では、将来性のある資格といえるのではないでしょうか。

取得難易度の高いケアマネと社会福祉士の資格ですが、両方の資格をもつことにより、ソーシャルワーカーとしての高い実力をアピールできるようになるでしょう。

社会福祉士取得のためのおすすめ通信講座3選

最後に、社会福祉士国家資格取得のための、代表的なおすすめの通信講座を3つご紹介します。

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まとめ

この記事では社会福祉士とケアマネージャーの違いについて解説しました。

社会福祉士試験は決して簡単な試験ではないですが、時間がある人は独学で進めつつ、時には通信講座なども活用しながら、社会福祉士を目指しましょう!

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