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投稿日:2023年4月13日 | 更新日:2023年12月08日
インテリアコーディネーター資格試験には一次試験と二次試験があり、その両方に合格できると晴れてインテリアコーディネーター合格者と名乗れます。
一次試験は合格できたものの二次試験は難しくてなかなか合格できないという方も多いようです。
今回は、インテリアコーディネーター資格の二次試験とはどのような内容か、また合格するための対策方法をご紹介します。
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インテリアコーディネーター資格試験の内容
インテリアコーディネーターはどのような資格?
インテリアコーディネーター資格試験を運営する公益社団法人インテリア産業協会は、インテリアコーディネーター資格について以下のように定義しています。
「インテリアコーディネーターとは、住まい手にとって快適な住空間を作るために適切な提言・助言を行う当協会が資格認定する専門職です。」
「インテリア(内装、家具、ファブリックス、照明器具、住宅設備等)に関する幅広い商品知識を持ち、住宅・インテリアメーカー、工務店、販売店やフリーな立場で、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行います。」
つまり、インテリアコーディネーターは住まい手のために快適な住空間を作るための仕事であり、その知識を持っている者だと証明する資格です。
試験概要
インテリアコーディネーター資格の試験は年に1回行われ、一次試験と二次試験からなります。
公益社団法人インテリア産業協会が2022年度の試験概要として発表した内容は次の通りです。
試験日 | 一次試験:2022年10月9日(日) 二次試験:2022年12月4日(日) |
受験資格 | 年齢・性別・国籍・学歴・職業・経験は問いません。 (ただし、出題・解答は日本語のみ) |
受験地 | 北海道・岩手県・宮城県・群馬県 ・東京都・愛知県・石川県・大阪府 ・広島県・香川県・福岡県・沖縄県の全12地域 |
受験申込 | ①基本タイプ(一次試験+二次試験)受験料:14,850円(税込) ②一次試験のみ 受験料:11,550円(税込) ③二次試験のみ(免除制度対象者のみ)受験料:11,550円(税込) ※過去3年以内に一次試験に合格済みで、二次試験のみ受験する方 |
試験科目 | 一次試験:学科(マークシートによる択一式) 二次試験:プレゼンテーション・論文(記述式) |
試験時間 | 一次試験:160分 二次試験:180分 |
持ち込める筆記・製図用具 | 一次試験:鉛筆またはシャープペンシル(硬度BまたはHB)、消しゴム 二次試験:鉛筆またはシャープペンシル(硬度は問わない)、 色鉛筆(18色以内。色の選択は自由。)、消しゴム、字消し板、 直定規(30㎝以内)、 三角スケール、三角定規、勾配定規、 コンパス、ヘキサスケール(直定規と三角スケールの機能のみを持つもの) 、 型板(テンプレート)の円定規だけのもの、製図用ブラシ、ミニ鉛筆削り |
「受験内容」の項目にあるように、受験には①一次試験と二次試験の両方、②一次試験のみ、③二次試験のみという3パターンの受け方があります。
この中で、③二次試験のみ受験することができるのは、過去3年以内に一次試験に合格済みで、二次試験のみ受験する方だけが選択できる方法(一次試験免除制度)です。
インテリアコーディネーター資格試験は、一次試験に合格したものの二次試験は不合格だった方は、次年度から3年以内に二次試験のみを受験して合格できれば、インテリアコーディネーター資格が取得できるのです。
当日持参する筆記・製図用具
二次試験では製図問題があるため、筆記・製図用具が多数必要です。
上に書かれてあるものは「持ち込める」筆記・製図用具であり、全てを持ち込まなければならないという意味ではありません。
以下は私が考える、二次試験の製図問題に適した筆記・製図用具です。
シャープペンシル
製図用のシャープペンシルで硬度はHBで0.5mmのものを複数本。先端が細いため、定規に当てて書く時にとても便利です。
色鉛筆(18色以内。色の選択は自由。)
家具や床材の茶系の色、植物の緑系の色、ガラスなどの水色など、あらかじめ出題されるものについて自分が着彩するパターンを決めておき、それに適した色鉛筆を持っていくといいです。
消しゴム
製図では細かい線や文字を消すことがよくあるため、よく消えて消しカスが出にくいものがいいです。
字消し板
製図は細かい線が多いため、細かいところを消すのに重宝します。透明のものであれば、どこまで消す必要があるか分かりやすいです。
直定規(30㎝以内)
短すぎても長すぎても不便なので、20cm定規が良いです。また、方眼があるものは平行線が書きやすいので便利です。
三角スケール
インテリアコーディネーターの二次試験では、縮尺スケールで出題されます。使わずとも計算がすぐできるのであれば必要ありません。
型板(テンプレート)の円定規だけのもの
円形の家具や植栽を書くのに、すぐに書けるのでとても重宝します。
ミニ鉛筆削り
色鉛筆を削るために使います。すべての色鉛筆の先がとがっているか、試験当日の持ち物の準備段階で確認しておきますが、試験中に折れてしまった時のことを考えて念のために持っていきます。
このように、最低限の製図用具の内容でもたくさんの種類が必要です。そのため、インテリアコーディネーターの二次試験合格のためには、どの道具も普段から使い慣れておく必要があります。
2022年度のインテリアコーディネーター資格の合格率は?
2022年度のインテリアコーディネーター資格試験の結果は次の通りです。
一次試験 | 二次試験 |
---|---|
受験者数8,669名 | 受験者数3,795名 (内 一次免除者1,261名) |
一次合格者数2,969名 | 二次合格者数2,193名 |
一次合格率34.2% | 二次合格率57.8% |
2022年度のインテリアコーディネーター資格の一次試験は、8,669名の受験者数に対して2,969名の合格者数なので、合格率は34.2%、二次試験は3,795名の受験者数に対して2,193名の合格者数なので、合格率57.8%でした。
これを見ると、二次試験合格者は半数以上もいるため、一次試験さえ合格すれば資格取得までは簡単なのではないかと思うのではないでしょうか。
しかし、二次試験の受験者数の中に一次試験免除者が約3割もいるということは、何度も二次試験を受ける方がいるということです。
実際、私も最初に受験した時は一次試験のみ合格し、二次試験の合格までは2回の受験を要しました。
二次試験もしっかりと対策をしておかないと、インテリアコーディネーター資格取得は難しいのです。
インテリアコーディネーター資格の二次試験の内容は?
インテリアコーディネーター資格の一次試験では、仕事に関することやインテリアの歴史、建築物の構造・仕上げ、関連する法規・制度といった幅広い分野から、知識を問われる内容をマークシートで解答する必要があります。
二次試験ではインテリアを提案するためのプレゼンテーション技能(製図)や、インテリアコーディネーターとしての資質(論文)が問われます。
インテリアコーディネーター業務で必要な図面の知識や、人間工学に基づいた適切な家具のレイアウト、カーテン等のウィンドウトリートメントの選び方、照明計画など、実務で必要とされることが一通りできることを確認する試験内容です。
また、論文試験では、インテリアコーディネートの現場でよくある、顧客からの難しい要望に対処する手段や、インテリアコーディネートの手順などの出題が多いようです。
プレゼンテーション問題
インテリアの基礎知識をもとに、住まいなどのインテリアに関する与えられた課題について、条件を理解した上でインテリア計画を行い、製図と着彩により必要な情報を分かりやすく表現する力が必要です。
プレゼンテーション問題で製図を要求される図面の種類は、①平面図、②立面・断面図、③パース、④アイソメ図、⑤仕上げ表、⑥家具図と大きく分けて6種類もあります。
その年によってどの製図が出題されるか分からないため、どれも対策しておく必要があります。
2022年度は「平面図」「家具図(正面図2面)」について出題されました。
まず、平面図については、⾃然豊かな郊外に建つ⽊造2階建ての『リビングダイニング』と『ワークスペース』、『デッキスペース』のインテリアコーディネートを依頼され、その図面を書く問題でした。
問題文には、配置するもの(テーブル、ソファ、床材等)について⼨法が書かれているため正しいサイズで製図します。
この時に、条件に合ったレイアウトや配置する向きについても考えて書く必要があります。配置したら、それぞれの家具のサイズ(幅、奥⾏、⾼さのすべての⼨法)を記入します。
文字の書き込みが多いため、指定されたサイズで書けているかしっかりと確認することが必要です。
最後に色鉛筆で着彩をしますが、今回は屋内とデッキスペースのつながりを考えたインテリアを要求されていたため、床材は同じ⾊で着彩するのが最適でした。
さらに、家具との調和を考えて、床材と家具とを同じ⾊で濃淡をつけて着彩すると、まとまりのあるプレゼンテーションになったと考えられます。
次に、家具図については、リビングダイニングの両面から使用できる間仕切り家具について出題されました。条件としては、『視覚的に⼀体感がもてるような⾼さ』、『リビング側上部は飾り棚、下部は扉付き収納』、『ダイニング側は⼦ども⽤図書、⼦どもの玩具類、書類・図書などをしまう』という内容を満たすものを製図する内容でした。
ポイントとしては、『視覚的に⼀体感がもてるような⾼さ』がどれくらいなのか、立った場合あるいは座った場合など、どちらの⾼さで検討するのがよいのか。
また、⼦ども⽤図書や玩具類と指定はありますが、家族構成にある小学生の子どもが使用すると考えてどのような仕様や寸法が適しているかを考える必要がありました。
論文問題
インテリアに関する与えられた課題について理解し、判断した上で、的確な解答を⽂章で明瞭に表現します。
2022年度は、分譲マンション(RC造)の北側にある部屋の腰窓まわりの寒さ対策として以下の2つについて、アドバイスとその理由を550〜600字で記述する問題でした。
(1)カーテンの⽣地の選び⽅
(2)カーテンの吊り⽅
(1)の生地については一般的に考えられる「厚手の生地」以外で、どのようなものが寒さ対策として有効なのかを思いつくかがポイントでした。
(2)のカーテンの吊り方については、「窓からの冷気を遮断するためにはどのような吊り⽅をすれば良いか」を書けるかがポイントとなりました。
このように、論文問題ではインテリアの基本的な知識にプラスして、実際に現場で起きるような課題に対して適切な対応方法を知っているかが問われます。
インテリアコーディネーター資格の二次試験対策と勉強方法
二次試験の肝となる問題は製図問題です。
試験対策としては、とにかく製図に多くの時間を使うべきです。
最初はテキストの模範解答の図面を見て、その通りに製図する練習をします。慣れてきたら、過去問や予想されるテキストの問題をたくさん解き、自力で模範解答のように製図できるか確認します。
また、論文問題については、自分の中の知識の引き出しと、文章を速く書ける力が必要です。
試験対策としてはまず、過去問やテキストの予想される問題を多く解いてインテリアに関する知識を増やすことが必要です。自分の中で不得意な分野が見つかれば、その分野のキーワードを覚えておきます。多くの問題を解いていくうちに素早く文章を書く力を磨いていきます。
実際に問題を解いていくと分かるのですが、インテリアコーディネーター資格の二次試験はとても難しいです。
なぜなら、製図問題については様々な図面種類を覚えてそれぞれの製図技術を高め、論文問題については自分の知識をつけるのはもちろん、適切な内容を文章にして書けるかが難しいのです。
一次試験では一問一答でそれぞれに模範解答がありますが、二次試験ではそれがないので、自分の解答が正しいのか、自力で判断するのがとても困難です。
そのため、独学で二次試験合格を目指すことは可能ではあると思いますが、私は短期合格を目指すのであれば、独学よりも学校へ通うか通信講座を受けることをオススメします。
自分の解答に対して講師から添削を受けたり、アドバイスをもらったりして試験対策をした方が、より効率的に勉強ができると考えます。
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