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社労士に将来性はある?今後の展望を業務別に解説!

社労士

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投稿日:2023年4月19日 | 更新日:2023年12月08日

社労士に将来性はあるの?

社会保険労務士は合格率7%前後の難関資格ですが、就職や転職に強く独立開業も狙えるため、男女問わず人気の資格です。

とはいえ、近年はAIの進化が著しく、社労士の業務もいずれAIに代替されるのではないかと、社労士そのものの将来性に不安を抱いている方も多いかと思います。

そこで本記事では、社労士の将来性に焦点を当てて、今後の展望について解説していきます。

社労士試験への挑戦を考えている人に役立てていただけると幸いです。

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業務別に見る社労士の将来性

社労士の業務内容は多岐にわたりますが、大きく分けると以下の3つです。

1号業務
(独占業務)
行政機関に提出する書類作成や
手続き代行、および紛争があっ
た際の当事者の代理
2号業務
(独占業務)
労働社会保険関係法令に基づく
帳簿書類(就業規則や賃金台帳
など)の作成
3号業務労務管理や社会保険に関する相
談および指導(コンサルティング)

※独占業務とは、社労士の資格を有する者でなければ、携わることが禁じられている業務のことです。

結論から言うと、社労士の一部の業務は、AIに取って代わる可能性が高いですが、それ以外の業務については、むしろ需要が高まることが期待できます。

そこで本章では、業務別に見る社労士の将来性について解説します。

1号業務の将来性

1号業務とは、行政機関に提出する書類作成や手続き代行、および紛争があった際の当事者の代理業務のことを指します。

このうち、労働保険や社会保険関係の書類作成や手続き代行については、今後需要が減っていくことが予測されます。

というのも、これらの業務は単純作業であるため、AIとの相性が良く、現在もAIを活用した人事労務管理システムが続々と開発されているからです。

また、行政機関に提出する書類についても、以前は手書きがメインでしたが、現在はほとんどの書類が電子申請で提出可能となっています。

さらに、現在はマイナンバー制度との連携が進められているため、社労士に依頼するよりも、人事労務管理システムを導入した方が効率的になるケースが増えています。

このように、従来の社労士のメイン業務であった1号業務の大部分については、AIに取って代わる可能性が高く、将来性はほとんど見込めないでしょう。

ただし、助成金(国や地方公共団体から支給される、返済義務のない資金)の代理申請業務については、例外的に今後も需要が高まると予測されます。

というのも、助成金の代理申請は手続きが複雑であるため、AIによる代替が難しく、しかも社労士の独占業務となっているからです。

さらに近年は、コロナの影響で「雇用調整助成金」が注目を集めたこともあり、助成金に対する企業側のニーズはますます高まっています。

そのため、1号業務の中でも助成金の代理申請業務については、将来性が見込める業務であると言えるでしょう。

2号業務の将来性

2号業務とは、労働社会保険関係法令に基づく帳簿書類(就業規則や賃金台帳など)の作成業務のことを指します。

労働者名簿・賃金台帳・出勤簿は、従業員を雇用する企業には作成が義務付けられているものの、内容的には定型的な業務であるため、2号業務に関しても1号業務と同様、AIに取って代わる可能性が高いのが現実です。

ただし、就業規則の作成については、企業の実態に合わせて作り込んでいく必要があるため、AIによる代替が難しく、今後も需要が見込まれる業務です。

特に、近年は政府が「働き方改革」を積極的に推進していることもあり、法改正に伴って、就業規則の変更手続きが必要になるケースも増えてくるでしょう。

3号業務の将来性

3号業務とは、労務管理や社会保険に関する相談および指導(コンサルティング)業務のことを指します。

基本的にコンサルティング業務は、相手の話を丁寧にヒアリングし、解決策を提示していく必要があるため、AIが参入できる時代はまだまだ先になると予測されます。

また、雇用や労働に関する問題は、どの企業も頭を悩ませている部分であり、そういった問題に適切にアドバイスできる社労士であれば、今後も高い需要が見込まれるでしょう。

なお、コンサルティング業務に関しては、1号業務や2号業務と違い、非独占業務(社労士の資格を有していなくても行える業務)となっていますが、労務に関するコンサルティングであれば、社労士の資格を有している方が信頼性の面で有利に働くことは間違いないでしょう。

このように、社労士の3号業務に関しては、非常に将来性が見込める業務であると言えます。

社労士の現状

本章では参考として、社労士の現状について解説します。

社労士の登録者数

社労士の登録者数は、2022年8月時点で44,504人となっています(参照:厚生労働省『第54回社会保険労務士試験の合格者発表』)。

社労士の年収

厚生労働省の調査によると、2022年の社労士の平均年収は780.9万円となっています(参照:厚生労働省『職業情報提供サイトjob tag』)。

ただし、社労士の年収は、「勤務社労士」か「開業社労士」かの勤務形態の違いによって差がある点に注意が必要です。

勤務社労士は企業や事務所に在籍し、従業員として働く形態の社労士のことで、平均年収は普通の会社員と同程度の500万円前後です。

一方、開業社労士は企業から独立し、個人で働く形態の社労士のことで、年収1,000万円以上稼ぐ人もいれば、年収200万円未満の人も存在し、個人の力量によって年収に大きなバラツキがあるのが特徴です。

社労士試験の難易度・合格率

社会保険労務士試験の合格率は、年度によって多少の幅があるものの、平均7%前後となっており、難関試験の部類に入ります。

試験に合格するためには、1,000時間前後の勉強時間が必要言われており、1~2年をかけて合格を目指すのが一般的です。

◆直近5年間の社会保険労務士試験の合格率

年度受験者数合格者数合格率
2022年度40,633人2,134人 5.3%
2021年度37,306人2,937人7.9%
2020年度34,845人2,237人6.4%
2019年度38,428人2,525人6.6%
2018年度38,427人2,413人6.3%

(参照:厚生労働省『社会保険労務士試験の結果について』

また社労士の働き方による違いを知りたい方はこちらの記事を併せて読むことをおすすめします。

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社労士として今後も活躍していくためのポイント

本章では、ここまでの内容を踏まえた上で、社労士として今後も活躍していくためのポイントについて解説します。

具体的には、以下の3つです。

  • コンサルティング業務に注力する
  • 助成金関係に強くなる
  • ダブルライセンスを取得する

①コンサルティング業務に注力する

1つ目のポイントとしては、「コンサルティング業務に注力する」点が挙げられます。

前述の通り、コンサルティング業務は需要が高く、AIによる代替も難しいため、非常に将来性の見込める分野です。

また、AIは過去のデータ等を参照するのは得意ですが、新たな事象に関する対応は不得意であるため、最新の法改正や社会の変化に対応できる社労士であれば、今後も高いニーズが見込めるでしょう。

②助成金関係に強くなる

2つ目のポイントとしては、「助成金関係に強くなる」点が挙げられます。

前述の通り、助成金の代理申請は企業からのニーズが高い上に、社労士の独占業務となっているため、助成金関係に強くなれば、今後も社労士として仕事を獲得できる可能性が高くなるでしょう。

また、助成金は中小企業向けのものも多いため、大企業だけでなく、資金力に乏しい中小零細企業も顧客として見込める点がメリットと言えます。

③ダブルライセンスを取得する

3つ目のポイントとしては、「ダブルライセンスを取得する」点が挙げられます。

ダブルライセンスを取得すれば、単純に仕事の幅が広がるだけでなく、労務以外にも強みがある社労士として、他の社労士とも差別化を図れます。

AIに仕事を奪われる可能性があるのは、他の資格も同様ですが、ダブルライセンスとしてマルチに活躍できる社労士であれば、十分に将来性が見込めるでしょう。

なお、社労士のダブルライセンスとしておすすめの資格としては、以下のものが挙げられます。

  • 行政書士
  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • 中小企業診断士
  • 税理士
  • 司法書士
  • キャリアコンサルタント

行政書士と社労士のダブルライセンスに関してもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

https://www.net-marketing.co.jp/school-select/gyousei/article/1110/

社労士は今後も需要が見込める資格

ここまで、社労士の将来性について解説してきました。

冒頭でも述べた通り、社労士の一部の業務は、AIに取って代わる可能性が高いですが、コンサルティング業務や助成金の代理申請などの業務については、むしろ需要が高まっていくと予測されます。

労務は企業の重要な経営資源の1つである、「ヒト」の部分に大きく関わる分野です。

そのため、時代によって多少の需要の変化はあるにせよ、社労士の需要が0になることはないでしょう。

社労士は工夫しだいで、いくらでも活躍の場があるため、労務に興味がある方は、ぜひこの機会に社労士を目指してみてはいかがでしょうか?

皆さんの資格勉強を応援しています。

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