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投稿日:2023年5月9日 | 更新日:2024年04月05日
基本情報技術者試験は、IT業界で従事するエンジニアにとって登竜門となっており、基本的な知識や技術を身に着けていることを証明するものです。
基本情報技術者試験は、高度な技術を身に着けるための基本ステップとして、受験するケースが多くなっており、IT業界以外の社会人や学生の資格取得も進んでいます。
IT技術が一般社会に浸透してきた現代において、基本情報技術者試験は重要な国家試験になっていると言えるでしょう。
基本情報技術者試験がどのような内容か、テスト対策や勉強時間など合格に向けどうすればよいのかを見ていきましょう。
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基本情報技術者試験(FE)の概要について(2023年新方式)
IT技術者向けの知識・技能を証明できる
基本情報技術者試験はIT技術者にとっては、その知識や技術を証明することのできる基本となる国家試験です。
知識や技術を持っていることを証明するには、一定レベルの試験に合格する以外にありません。
基本情報技術者試験より簡単に合格できる資格試験としてITパスポート試験がありますが、総合的な技術スキルを求められる業界においてはITパスポート試験より基本情報技術者試験に重きが置かれます。
基本情報技術者試験の2023年度から変更になった内容は?
基本情報技術者試験は2023年度から試験内容と方式が大きく変更になりました。
もともと午前、午後という試験内容になっていましたが、それが科目A、科目Bという形になり問題数や試験時間も以下の通り変更になっています。
また、春季、秋季と年2回の試験実施でしたが、通年で受験できるようになりました。2022年度までの試験を想定すると大失敗しかねませんので注意しましょう。
なお、一回当たりの受験費用は7500円(税込)です。
科目A(旧午前)の変更点
科目Aは四肢択一式で60問の出題で試験時間は90分です。
旧午前では80問で試験時間は150分です。試験問題が20問減り、時間60分短縮されました。
出題範囲は旧午前と変わりありません。
まとめると以下の表となります。
科目名 | 問題数 | 回答数 | 試験時間 | 問題形式 |
---|---|---|---|---|
科目A(変更後) | 60問 | 60問 | 90分 | 四肢択一式 |
旧午前(変更前) | 80問 | 80問 | 150分 | 四肢択一式 |
科目B(旧午後)の変更点
科目Bは大問が11問から必須を含め5問を回答する形式から、小問題20問となり全問回答必須となりました。
また、試験時間も旧午後の150分から100分となり、時間配分の調整がより重要になっています。
更に、今までは言語による問題選択が可能でしたが、個別の言語による問題ではなく疑似言語での出題へと統一されています。
科目名 | 問題数 | 回答数 | 試験時間 | 問題形式 |
---|---|---|---|---|
科目B(変更後) | 20問(小問) | 20問(選択無し) | 100分 | 多肢択一 |
旧午後(変更前) | 11問(大問) | 5問(選択有り) | 150分 | 多肢択一 |
基本情報技術者試験の合格率は?
基本情報技術者試験の合格率は、平均すると25%程度となっています。
令和2年と3年は合格率が40%を超えていますが、これはコロナ禍により勉強時間を確保しやすかったためと考えられます。
CBT(Computer Based Testing)方式となったこともある程度は影響しているでしょうが、令和5年度からの改訂以降は25%前後に調整されていくと考えられます。
難易度は偏差値に換算すると40台後半と考えて良いでしょう。
合格ライン
科目A、科目Bともに60%以上の得点で合格となります。科目Aで60%を超えた得点が得られない場合、科目Bは受験しても採点されません。
また、採点はIRT方式を採用しており、1問何点という割り振りではありません。
IRT方式とは、項目応答理論のことで受験者の解答結果を踏まえ、難易度などを考慮して配点する仕組みです。
つまり、簡単に言えば難易度が低くなった問題は得点が低く、難易度が高くなった問題は得点が高めになります。
このことから、例えば科目Aの60%である36問に正解しても、必ず合格になるとは限りません。
受験日の日程と結果発表について
2023年4月から試験開催はそれまでの春季、秋季という単位ではなく通年化されいつでも受験できるようになりました。但し、再受験は受験から30日後からとなっており、30日に1回という間隔で受験可能となります。なお、試験結果はIPAのWebサイト上で発表され、受験月の翌月中旬ごろに発表となります。
基本情報技術者試験(FE)の科目内容は?
科目Aの内容
科目Aは基本的な知識を問う内容で、四肢択一式での出題です。
問題数が60問と多く試験時間は90分ですから、1問あたり1分半で回答すれば全問回答可能です。時間が足らない場合でも、基本的に全問回答しましょう。
分野別の出題数は、テクノロジ系が41問、マネジメント系が7問、ストラテジ系が12問で、テクノロジ系の占める割合が高くなっています。
テクノロジ系
テクノロジ系は技術的内容です。出題範囲が幅広く問題数も多いので、科目A突破の重要なポイントになります。
マネジメント系
マネジメント系はプロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査の3つが出題範囲で、問題数に比例して少な目となっています。
問題の内容としては管理的内容となっており、ある程度の経験が問われます。
ストラテジ系
ストラテジ系は業務的内容となっており、IT業界経験者であればなじみのある問題と考えられます。
科目Bの内容
科目Bはプログラミング系の問題が全体の8割で残り2割はセキュリティ系となっており、よりIT業界の実務に近く読解力が試される問題形式となっています。
基本情報技術者試験(FE)の勉強方法は?
基本情報技術者試験の想定勉強時間
勉強時間の目安は、IT技術の知識があるかどうかで変わってきます。
IT初心者の場合
IT初心者の勉強時間の目安は200時間程度です。
毎日1時間勉強したと仮定して、半年以上かかる計算になります。
普通に考えて毎日1時間勉強するのは難しく、土日などで時間を確保して勉強することになるでしょう。
いずれにしても長丁場になりますので、計画的に進めることが大事です。
IT初心者でない場合
既にITに関する一定の知識や技術を有している場合、勉強時間の目安は50時間程度です。
毎日1時間勉強して2カ月足らずなので、それほど負担ではありません。
とはいえ科目Aは出題範囲が広いので、油断できません。
また、勉強時間は多ければよいというわけではなく、どれだけ集中して取り組めるかがカギです。
独学での勉強法
独学で勉強する場合、まずは過去問題を解いてみましょう。
2023年から試験内容が変更になりましたが、基本的な出題範囲は変わっていませんので過去問を解くことが何より重要です。
独学で注意すべき点は、問題の不明点をそのままにせずしっかりと解説を理解する点にあります。
最初から参考書を購入するのではなく、過去問を解いてみて自分の実力を把握してから、どれだけ勉強時間が必要なのか等の対策を立てましょう。
IPAのWebサイトで過去問を公開していますが、より詳細で分かりやすい解説は他の攻略サイトを参考にしましょう。
それから参考書の購入を検討しても遅くはありません。なお、参考書を購入する場合は1種類ではなく解説が分かりやすいものを複数購入したほうが良いと考えます。
通信講座を受けるべき?
独学で勉強することに限界を感じたり、勉強そのものが捗らない場合は通信講座の受講も視野に入れたほうがいいでしょう。
全てを独学で乗り越えることが素晴らしいわけではありません。
通信講座は試験合格に必要なポイントを押さえて、無駄のない対策を実現できるようにカリキュラムされています。
試験の専門家の力を借りることは間違いではありません。
ではオススメの通信講座を5つ紹介しますので、参考にしてください。
オススメ通信講座①:スタディング
基本情報技術者合格コース(料金¥36,800)と、基本情報技術者初学者コース(料金¥43,800)という2つのコースがあります。
IT初学者は後者を受験することで、ITパスポート試験も対象に受講することができます。
2023年度からの新試験制度にも対応しており、スタディングアプリというスマホ用アプリを使って学習することもでき、短期合格のための徹底的な効率化が行われています。
CBT方式へも完全対応し、サポート体制としてのオンライン機能が充実しています。
オススメ通信講座②:フォーサイト
フォーサイトでの基本情報技術者向けのコースは一択で、料金は税込み¥35,800です。
フォーサイトの特徴はeラーニングだけでなく、紙テキストにも対応している点です。「ManaBun」というアプリを使うことで、スマホ、タブレットでも学習できます。
フォーサイトでは満点を目指すのではなく、合格点を目指すところにあるので、時間の確保が難しく短期集中で試験合格を目指す人に向いています。
オススメ通信講座③:資格の大原
資格の大原は難関資格を含め、多数の合格実績のある通信講座です。
基本情報技術者に対応したコースは8つあり、基本情報技術者試験に臨む方のスタンスに応じて選ぶ形となります。一番の特徴は「科目A免除制度」に対応したコースが3つあることです。
資格の大原の修了試験(2回実施、どちらかに合格すれば科目A免除)に合格することで、1年間有効な科目A免除が受けられます。
その分だけコース料金が高くなりますが、科目Aが免除されることによって科目Bの勉強に集中できる点は非常に大きなメリットと言えるでしょう。
CBT方式に対応したWeb模擬試験もありますので、試験対策は万全です。
オススメ通信講座④:資格の学校TAC
資格の専門学校であるTACは、基本情報技術者試験用のコースが多数用意されています。
TACの特徴はは半年という長い時間をかけてテスト対策する点にあります。
また、教室、ビデオブース、Web通信、DVD通信の受講方法から選択できますので、ライフスタイルに応じた勉強が可能です。
コース展開が多いので、ある程度自分の実力を把握し必要なコースを理解している人向けです。
料金が10万円を超えるものが殆んどで、相場よりかなり高くなっている点には注意しましょう。
オススメ通信講座⑤:ITEC
ITECでは基本情報技術者試験向けとしていくつかのコースがあり、自分の実力に応じて選ぶことができます。
ITECの特徴は、自社で発行している教材を用いて講座を進める点にあります。
また、料金が相場より安くなっているのは経済的な負担が少なくて済むのでメリットと言えるでしょう。
コースによっては「科目A免除制度」に対応しているので、科目Bに集中したい場合に活用できるでしょう。
基本情報技術者試験(FE)に合格するために必要なことは?
目標を定めて効率よく学習する
どのような資格試験でもそうですが、目標を定めることが重要です。
特に基本情報技術者試験のように出題範囲が広い国家試験は、闇雲に試験に臨んでも合格する可能性は低くなるからです。
どの程度の勉強をいつまでに行うか、いつ受験するかなど明確に目標を定めましょう。
一発合格を目指すのはもちろんですが、合格率25%前後となっているため簡単ではありません。
勉強のモチベーションを維持する
合格するためには、受験までのモチベーションを高く維持しなければなりません。
参考書を購入し実際に勉強しようとしても、参考書の分厚さでモチベーションが下がってしまっては意味がありません。
一夜漬けで合格できる試験ではないため、1か月程度の長期に渡って試験に向き合えるだけのモチベーションを維持しましょう。
ストイックになりすぎると、途中で挫折してしまいますので注意が必要です。
タイムマネジメントを正確に
試験当日は体調管理をしっかりし、試験中のタイムマネジメントが重要になります。
特に科目Bは小問題が20問出題され、全て回答しなければなりません。
100分で小問題を20問解くのは非常に難易度が高く、1問あたり5分の時間しか猶予がありません。
難しいと感じる問題で長考するのではなく、見切りをつけて確実に解ける問題をどんどん解いていくことで合格が見えてきます。
基本情報技術者試験(FE)の他資格との比較
各種IT関連資格との比較
基本情報技術者に似たような資格試験があり、しばしばそれらと比較されます。
ITに関わろうとする人にとって、どの資格から取得すべきなのか基本情報技術者と比較して違いを見てみましょう。
ITパスポートとの比較
基本情報技術者はITパスポートの上位に位置する国家試験で、ITパスポートに合格してから基本情報技術者を受ける人もいます。
ITパスポートは基本情報技術者試験で言うところの科目Aだけをベースにした試験で、科目Bに該当する科目はありません。その分だけ簡単だと言えるでしょう。
そのため、ITパスポートに合格できれば科目A突破が見えてくるとも言えますので、まずITパスワードの合格を目指すのも1つです。
応用情報技術者との比較
応用情報技術者は基本情報技術者の上位に位置する国家試験で、応用情報技術者は午後問題の一部が記述式となっており、難易度はけた違いと言えるでしょう。
そのため、いきなり応用情報技術者を受験するのではなく、まずは基本情報技術者に合格することから始めるべきです。
情報セキュリティマネジメントとの比較
情報セキュリティマネジメントは基本情報技術者と難易度は同程度になります。
異なる点としては、基本情報技術者は広く浅く知識や技術を必要とするのに対して、情報セキュリティマネジメントはセキュリティに特化した知識や技術を必要とします。
そのため、一般的なIT技術者としては基本情報技術者からの取得を目指すべきですが、セキュリティ部門で仕事をしたい、その予定があるという方は情報セキュリティマネジメントを優先すべきでしょう。
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