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投稿日:2023年6月22日 | 更新日:2024年04月22日
「子どもが好き」「子どもと関わる仕事をしたい」そう思い、保育士になりたい人も多いのではないでしょうか。
子どもと関わる仕事全般でも重宝する保育士資格。合格するためには、基本的な知識や能力を身につける必要があります。
本記事では現役保育士でもある筆者が、試験の難易度や合格率、試験内容などについてご紹介していきます。
ぜひ最後までチェックしてみてください。
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保育士試験ってなにをする?
保育士試験は、保育に関する知識や能力を測るための試験です。
保育士試験形式として、筆記試験や実技試験が挙げられます。
保育士試験内容や形式は試験を実施する都道府県や団体によって異なるため、受験前に試験の詳細を確認することが大切です。
内容
保育士試験では筆記問題、実技問題がありますが、出題される内容は大きく3つになります。
- 保育に関する知識
- 福祉に関する知識
- 保育における技能
この3つの保育に関する問題がそれぞれ筆記、実技問題で出題されます。
筆記
保育士試験では主に9つのジャンルから問題文が作成されます。
保育原理 |
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教育原理 |
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社会的養護 |
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子ども家庭福祉 |
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社会福祉 |
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保育の心理学 |
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子どもの保健 |
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子どもの食と栄養 |
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保育実習理論 |
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以上9つの試験問題から、筆記試験は各科目100点満点で計算されます。
うち60点以上得点すると合格です。「教育原理」「社会的養護」は各分野50点満点で設定されており、それぞれ30点以上が合格ラインとなっています。
一度合格した科目はその後3年間は再受験が免除になります。
保育士試験一年目で不合格だった場合でも、翌年は免除項目が出る場合もあるのでチェックしてみてください。
引用:厚生労働省
実技
実技試験は「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3つの分野から2分野を選択し受験します。
選択式となっているため、自分の得意な分野を選んでいきましょう。
科目 | 実施内容 |
音楽 |
|
造形表現 |
|
言語表現 | 3歳児クラスの子15名が前にいることを想定して、3分間の昔話を行う |
実技試験に関しては、1分野につき50点満点中30点以上得点し、2分野で合計60点以上で合格です。
保育士試験の合格率は?
国家資格でもある保育士試験の合格率は毎年平均20%です。
年度によっても異なるため、詳しくチェックしていきましょう。
保育士試験合格率は20%前後
保育士試験の合格率は近年20%前後です。
厚生労働省が発表している最新の保育士試験合格率は2022年開催で19.96%となっています。
過去3年と比較しても大体20%となっているため、大幅な差はないと言えるでしょう。
引用:厚生労働省
令和3年度までの受験者数・合格者数・合格率
最新の令和3年までの受験者数・合格者数・合格率を過去5年分集計してみました。
各都道府県によって合格者は異なるため、全国平均でご紹介していきます。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 83,175人 | 16,600人 | 19.96% |
2021年 | 44,914人 | 10,890人 | 24.25% |
2020年 | 77,076人 | 18,330人 | 23.90% |
2019年 | 68,388人 | 13,500人 | 19.70% |
2018年 | 62,555人 | 13,511人 | 21.60% |
保育士試験は合格率が低い理由は?
保育士試験は全国平均で合格率20%と低い水準になっています。
保育士試験の合格率が低い傾向として、大きく3つの理由が挙げられます。
- 実技と筆記の2種類
- 保育士経験不足
- 試験の過去問が少ない
一つずつ説明していきます。
実技と筆記の2種類あるから
保育士試験を受験する場合、筆記試験と実技試験の二つ受験する必要があります。
一つずつはどれもしっかり勉強をすれば理解可能な範囲ばかりです。
基準点も100点満点のうち60点のため、そこまで難しくないのが特徴的。理解を深めることが重要です。
その反面、保育に関する知識や能力を測るため、試験内容が幅広いという特徴も挙げられます。
全ての分野について十分な知識や能力を身につけるのが難しいため、保育士試験は合格率が低下していると言えるでしょう。
保育士経験不足
保育士試験は、保育士としての実務経験がない人でも受験が可能です。
経験がない状況で試験を受けるため、合格率が低い傾向があります。
求められる保育に関する知識や能力を把握し、しっかりと学んでから保育士試験受験をおすすめします。
過去問が少ない
保育士試験は過去問が少ない傾向にあります。
2018年に保育士指針が改定された影響で、2018年より前の過去問と内容が一変してしまいました。
受験者が自分自身で試験範囲を予想し、問題演習するのが難しいため試験対策がしづらいのが特徴です。
試験勉強おさえるべきポイントは?
保育士試験合格に向けて、現役保育士の筆者が実際に勉強した方法やおさえるべきポイントをご紹介していきます。
筆記試験と実技試験で注意するポイントが異なるため、ぜひ両方ともチェックしてみてください。
筆記試験でおさえるべきポイント
筆記試験は9つの領域から出題される難関部分。9つ全て学ぶことも重要ですが、今回はその中から特に出題数が多い重要な3つをご紹介していきます。
社会的養護
社会的養護は、児童福祉法に基づいて行われる、児童虐待や保護をメインとする内容です。
近年虐待などの子が増えてきたことにより出題数も多くなってきました。
社会的養護の目的は「安全で健やかな環境で育つこと」です。保育士試験の場合、社会的養護の「目的は何か」について出題されることがあります。
教育原理
教育原理とは上記で紹介した社会的養護とほぼ同じような内容になります。
異なる点は「養護」か「教育」かだけ。教育原理のポイントとして、人物名が多く出てきたり、幼児期の発達について問われたりする質問が多い傾向があります。
また、一番難解とされている法令条文も教育原理の出題部分。
保育所保育指針や条例を覚えるためにも、インプットとアウトプットを繰り返し行い、着実に学んでいけるようにしていきましょう。
社会福祉
社会福祉とは、福祉に関連するすべてのことになります。そのため、保育のことだけでなく、高齢化や社会福祉まで学ぶ必要があり、出題範囲が広いのが特徴の一つです。
出題内容として「福祉の制度」「虐待や障がい」が多くなっています。
- 福祉制度:社会福祉に関する法律や制度、保障内容についての知識が多くなっています。 介護保険制度、児童福祉法、障害者福祉法などについては保育士試験においても過去に出題されたパターンがあります。
- 障害や虐待・DV:虐待やDV、障害を抱える人々について出題された年もあります。子どもだけを対象にしているわけではなく、大人の障がいや虐待についても学んでおきましょう。
実技でおさえるべきポイント
筆記と異なり、実技は「これ!」といった正解がないのがポイントです。
大切なポイントは、大切な子どもを実際に預けることができるかどうか、です。実際に現役で保育士を行っている筆者が、保育士生活において重要だと考えること=試験管からみても重要なことと直結します。
- 笑顔
- 挨拶
- 時間を守る
この3つは保護者から見ても安心して子どもを預けられる保育士の特徴です。
ぜひ実務試験に挑戦するとき、緊張せずにこの3つを意識して挑んでみてくださいね。
保育士合格のためにおすすめな勉強法
保育士試験合格のためには勉強が必須です。
ですが保育士試験の範囲は広く、何を勉強したらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。おすすめの勉強法3選をご紹介していきます。
- 過去問を解く
- 自分なりの覚え方・語呂合わせ
- スケジュールをしっかり立てる
それぞれ詳しくご紹介していきます。
過去問題を解く
過去問を解いて、出題傾向を把握していきましょう。過去問を解くことは重要ですが、ここで注意したいのが過去問の出題時期です。
上記でもご紹介しましたが、2018年に法改正がされ、保育所保育指針が大幅変更になりました。そのため、保育士試験の過去問を解く際も2019年以降のものを中心に解いていくことをおすすめします。
自分なりの覚え方・語呂合わせ
自分なりの覚え方や語呂合わせを作成していきましょう。保育士試験には多くの用語や事実を覚える必要があるため、記憶に残りやすい語呂合わせで記憶していきましょう。
- フランス革命:初めての集団保育士施設を作ったのはフランス革命時期のイナバ(1789)くん!
- 倉橋修造:倉のはしっこへ誘導(倉橋さんは誘導保育の発案者)
など、自分なりに覚えやすい語呂合わせを考えてみてくださいね。
スケジュールを立てる
勉強する時間を確保するために、スケジュールを立てることが重要です。特に保育士試験は多くの内容が出題範囲となっているため、勉強に時間がかかる特徴が挙げられます。
以上の勉強法を用いて、保育士試験に備えましょう。
保育士試験は独学でも可能?
国家資格の一つでもある保育士資格。保育士試験合格は、独学でも可能なのでしょうか?
特学で保育士試験に受験するメリットとデメリットも合わせてご紹介していきます。
保育士試験は独学でも可能!
保育士試験は独学で合格することが可能です。
ですが独学の場合、保育士試験合格に必要な知識やスキルを学ぶのが難しい場合があります。
保育士試験は、保育に関する法律・制度・保育の理論・実践的な技術・幼児期の発達・心理学など幅広い分野から出題されます。
独学で合格するためには試験範囲を確認し、必要な書籍や資料を集めることが重要です。
また、過去問題を解いて問題の傾向や出題範囲を理解することも重要ポイントの一つ。自己学習能力が高く、計画的に勉強を進めることが求められます。
保育士試験の独学のメリットは?
保育士試験を独学で勉強するメリットは大きく4つです。
- 自分のペースで勉強可能
- 経済的負担が少ない
- 自由なスケジュール管理
それぞれご紹介していきます。
自分のペースで勉強可能
自由な時間で勉強可能な独学であれば、勉強に遅れることや、自分のペースで保育試験の勉強が可能です。忙しい場合でも、集中的に学ぶ期間を作って勉強することがで切るのは独学のメリットです。
経済的負担が少ない
保育士試験合格を目指し大学や専門学校に通う場合、年間100万円〜必要になってきます。
他にも、保育学校に通う場合は教材費や実習費用など様々な支払いをする可能性も。卒業と同時に資格取得ができない場合は、授業料+保育士試験受験代として1回12,950円の支払いもかかります。
独学の場合は、大学等の授業料は一切かからず、テキスト代+保育士試験の12,950円のみになります。
経済的負担がかからずに、安価に保育士試験を受験し、保育士になることができるのは独学はおすすめです。
自由なスケジュール管理
独学で保育士試験を受験する場合、自分で自由にスケジュールを組むことが可能です。
仕事の合間や忙しい主婦の人でも勉強すれば独学でも保育士資格取得可能なのは、独学のメリットとして挙げられます。
独学のデメリット
保育士試験を独学で学ぶ時のデメリットは大きく2つ挙げられます。
- 実務経験の不足
- 試験範囲・法令変更に気づけない
一つずつ確認していきます。
実務経験の不足
独学で勉強した場合、保育実践を行えないのがデメリットの一つです。
保育士試験には実務試験が含まれており、合格後柔軟に保育実践できないなどの不安が残る可能性があります。
大学や専門学校と異なる、実習に行きづらいのはデメリットの一つとも言えます。
子育て経験のある人や、普段から子どもの対応に慣れている人は安心ですね。
試験範囲・法令変更に気づけない
保育士試験の特徴として、試験範囲が広いというのが挙げられます。
出題の幅が広いため、どこを重点的に学べばいいのか悩んでしまう可能性も。
また、2018年に改正されたように、保育所保育指針は法令変更する可能性もあります。そういった場合俊敏に対応できなかったり、自分で調べたりする必要性があります。
理解できない点や不明な点がある場合、解決するためには自分で調べる必要があるのはデメリットの一つです。
【最新版】2023年の日程は?
保育士試験は前期と後期の2回にわけて試験を実施します。
都道府県によって細い内容や時間帯が異なる場合があるので、受験前に一度チェックすることをおすすめします。
後期は地域限定です。気になる人は各自治体に確認してみてくださいね。
前期
筆記試験:令和5年4月22日(土)23日(日)
実技試験:令和5年7月2日(日)
後期
筆記試験:令和5年10月21日(土)22日(日)
実技試験:令和5年12月10日(日)
地域限定保育士に関しては後期試験のみとなっています。
幼稚園教諭免許所有者対象
幼稚園教諭免許所有者においても保育士試験内容が免除されます。
免除される人は「幼稚園での実務経験が3年以上かつ4320時間以上」になります。
この項目を満たしている人は、筆記試験が全免除になり、試験日も異なってきます。
幼稚園教諭免許所有者対象試験:前期令和5年4月中旬頃・後期令和5年10月中旬頃
となっています。
保育士試験まとめ
保育士試験は、保育に関する知識や技術、教育原理や社会福祉に関する基礎的な問題など、幅広い内容が出題される試験です。
出題範囲は広く、国家資格でもあるため、難易度も高いのが特徴。そのため試験合格率が低く、合格するためには十分な勉強と準備が必要です。
保育士試験の勉強法としては、過去問を使って出題傾向を知ることや、自分なりの語呂合わせを作り、しっかりと理解することが重要です。また、実技試験に向けた実践的な練習も必要です。
出題範囲は広いですが知識を十分つければしっかりと合格できる保育士試験。
本記事から試験に対する対策をしっかり練って、保育士試験合格に向けて勉強を進めてみてください。
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