PR
投稿日:2023年9月21日 | 更新日:2023年12月08日
ケアマネジャー(介護支援専門員)の合格率は、20%を切ることも珍しくなく、「どうしてこんなに低いの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そして、これから受験をする方にとっては、「受からないかも」と不安につながるかもしれません。
しかし、ケアマネジャーの合格率は毎年変わり、最近は上昇傾向にあります。ここでは、ケアマネジャーの合格率や難易度、合格のために対策すべきことをご紹介します。
編集部おすすめ
ケアマネジャー 通信講座
最新のケアマネジャー(介護支援専門員)試験の合格率
ケアマネジャーの合格率は、数ある介護系の資格の中でも合格率が低いことで知られています。
「受験資格は満たしているけれど受かる自信がない」と合格率だけを見て諦めてしまったり、躊躇したりする人もいるかもしれません。
確かに、ケアマネジャーの合格率は長らく10%~20%あたりが続いており、決して簡単にパスできるとは言えません。それだけ、ケアマネジャーに求められる専門性は高いということでもあるのでしょう。
令和3年(2021年)のケアマネ試験合格率はここ数年の最高値に
ケアマネジャーの合格率は、基本的には10%~20%程度にとどまりますが、令和3年の試験においては少し上昇が見られています。
これは過去8年間の合格率では最高値です。その翌年、令和4年(2022年)はまた20%を切ることとなりましたが、それでも経過から見ると低くはない合格率です。
合格率 | |
令和4年(第25回) | 19.0% |
令和3年(第24回) | 23.3% |
令和2年(第23回) | 17.7% |
令和元年(第22回) | 19.5% |
平成30年(第21回) | 10.1% |
この表を見ると、平成30年の合格率が極端に低いように見えます。実際、これまでのケアマネジャー試験における最低値を記録しており、話題にもなりました。
ちょうどこの年は、受験資格の見直しが行われた年でもあり、受験者数自体が大幅に減少したことや、試験の難易度も少し高かったことが合格率の低下につながったと言われています。
平成30年をのぞけば、基本的には合格率は20%に近い数値であり、合格率は高くないとはいえ受かる可能性は十分にある試験です。
ケアマネ試験の合格ラインは毎年変わる
ケアマネ試験は、「これだけ正解すれば合格」と明確な基準が決まっていません。およそ7割正解すれば合格ラインといわれますが、実際のところは試験の難易度によって基準が変わる仕組みです。
ケアマネ試験は2つの分野がある
ケアマネ試験は、「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」があり、その両方で合格基準点を超えなければ合格になりません。
もし、片方の分野で満点をとっても、もう片方の分野の出来が悪くて点数が低かった場合は、不合格ということです。
介護支援分野は25問、保健医療福祉サービス分野は35問が出題され、計60問となります。1問1点としてカウントされ、基本的にはそれぞれ70%以上が合格ラインとされています。
試験の難易度で合格基準点と合格率は変わる
ただ、試験の難易度は毎年変わります。合格ラインとされる70%を超えていても、受験者みんなの正答率が高ければ自ずと合格基準点は高くなります。
ちなみに、第25回のケアマネ試験の合格基準点は、介護支援分野が18点、保健医療福祉サービス分野が26点であり、いずれも正答率70%以上となっています。
これは過去5年間で最も高い基準でもあり、問題の難易度としてはやや低かったことが想像できます。
ケアマネジャーの試験はなぜ合格率が低いの?
そもそもなぜ、ケアマネ試験の合格率はこんなにも低いのでしょうか。その理由が理解できれば、合格率の低い試験にも前向きに挑戦できるかもしれません。
以下に、その理由を3つ記します。
- ケアマネジャーの質の高さが求められているため
- 試験勉強にかける時間がない人が多い
- 試験そのものが難しい
ケアマネジャーの質の高さが求められているため
さまざまな理由が考えられますが、ケアマネジャーの仕事はその資格を持っていなければできない専門性の高い仕事です。そのため、試験で問われる内容も専門的なものが多く、難易度に関係しているのではないでしょうか。
後ほどご紹介しますが、ケアマネ試験は受験資格を得る段階からハードルの高さがうかがえます。平成30年の試験からは、従来認められていた介護経験10年以上という要件が除外となったことは大きな変化でもありました。
昨今の介護業界で、より専門的な知識と経験をもつ質の高いケアマネジャーが求められているという意味があるのだと考えられます。
試験勉強にかける時間がない人が多い
ケアマネジャーの受験資格を得るには、指定の国家資格に基づく実務経験や相談支援業務の実務経験が必須です。
そのため、受験者の多くが現役の医療や介護、福祉等の専門職として働いており、働きながら資格取得を目指す形となります。
集中的に学校に通って勉強をする方法もありますが、そのような時間がとれない受験者の方が多く、各々のペースで主体的に勉強をしなければならないという難しさが難易度を高めている可能性もあります。
試験そのものが難しい
ケアマネ試験に出る問題は、専門性が高いものばかりで、しかも複雑です。
それぞれ得意な分野と不得意な分野はあるでしょうが、全く勉強をせずに日頃の業務で得た知識だけで解けるのは、ほんのわずかの人に限られるでしょう。
五肢複択方式による難しさ
ケアマネ試験の設問数は全部で60問。これだけを聞くと、少ないように思えるかもしれません。
しかし、出題形式は五肢複択式。つまり「5つのうち正解を2つ選んでください」といった出題形式となります。これは、「5つのうち1つ正しいものを選んでください」という一択式の出題よりも難易度が高いでしょう。
1問あたりにかける時間はそう多くない
ケアマネ試験は120分です。問題数は60問のため、単純に計算をすると1問あたり2分のペースで解いていく必要があります。
1つの設問に十分に悩むような時間の余裕はないでしょう。したがって、設問に対して瞬発的に答えられるくらいの深い知識が求められるということです。
ケアマネ試験を受けるまでの道のりは長い
ケアマネ試験の受験資格を得るには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 特定の国家資格を保有し、その資格に基づく従事期間が通算5年以上(かつ業務に携わった期間が900日以上)あること
- 生活相談員や支援相談員などの従事期間が通算5年以上(かつ業務に携わった期間が通算900日以上)あること
つまり、介護の仕事について間もない人や未経験の人は受験することができず、特定の資格をとってその業務に従事したとしても5年間はケアマネ試験にのぞめないということです。
なお、相談業務に5年間ついた場合の要件なら、特定の国家資格をもっていなくてもクリアできる可能性はありますが、そもそも未経験・無資格の方が就職後すぐに相談業務につくことは難しいです。
ある程度の経験をつみ、相談業務を行うにふさわしいと判断され、さらにそのポストが空いていなければ、相談業務を行うことはできません。
ケアマネジャー受験資格における特定の国家資格とは
ケアマネジャーの受験資格を得るための特定の国家資格には、以下のものが該当します。
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 視能訓練士
- 義肢装具士
- 歯科衛生士
- 言語聴覚士
- あん摩マッサージ指圧師
- はり師
- きゅう師
- 柔道整復師
- 栄養士(管理栄養士含む)
- 精神保健福祉士
ケアマネジャーの受験者で最も多いのは介護福祉士ですが、その他にもさまざまな資格を持つ人が挑戦できる点が特徴です。
ケアマネジャー取得をキャリアアップの最終目標にしている人も多い
ケアマネジャーは、介護に関する資格の中で上級資格に位置しています。
受験資格を得るために介護福祉士などの資格や相談業務の実務経験などが必要になることもあり、キャリアアップの最終的な目標として資格を取得し、いずれケアマネジャーとして活躍したいと考える人も多いようです。
介護の仕事は、たとえ未経験・無資格であったとしても、働きながら徐々に資格を増やし、ケアマネジャーに挑戦することもできます。
道のりは長いと感じられるかもしれませんが、目標をもって仕事ができることは、やりがいにもつながるのではないでしょうか。
合格率は気にしない!ケアマネ試験突破までにやるべき対策3選
ケアマネ試験は年1回しかありません。受験資格を持っていれば何度でもチャレンジすることはできますが、合格しない限りその業務につくことはできないため、ケアマネジャーとしてできるだけ早く仕事がしたいと考えている方は、早い段階での合格を目指したいものですね。
ケアマネ試験合格に向けた勉強方法
ケアマネ試験対策は、主に以下の3つの方法があります。
- 独学で勉強をする
- 学校に通う
- 通信講座を活用する
「独学で本当に合格できるの?」と不安に思われるかもしれませんが、実際に独学で試験をパスする方は多いです。
特に、コツコツと計画を立てて勉強することが苦ではない方や、得意・不得意がはっきり分かっている方、日頃の業務の特性上ケアマネ業務についても詳しい方などは、独学のメリットを感じやすいでしょう。
一方、通学や通信講座にもメリットはあります。
いずれも費用はかかりますが、非常に分かりやすくまとめられたテキストやこちらの理解度を踏まえた添削などで、分からない部分は徹底的に教えてもらいやすい点が大きなメリットです。
通学は、ともに学ぶクラスメイトと励まし合えるため、モチベーションも保ちやすいです。
通信教育の場合は通学ほど個別的に教えてもらうことが難しいですが、添削等で講師とやりとりしながら学習を進められるよう工夫されている講座も多いです。
一度過去問に挑戦してから勉強方法を決めるのもおすすめ
日頃の業務でケアマネジャーとの接点があるなど、ある程度試験に対して自信がある方は、まず過去問を解いて勉強方法を決めるのもおすすめです。
過去問を採点して、得意分野と不得意分野が分かれば、独学でカバーできるかどうかの把握もしやすいでしょう。
もちろん、この段階で過去問をといて点数が低くても、落ち込む必要はありません。コツコツと勉強を積み重ねていけば、段々と理解できることも増えます。
ケアマネ試験に向けてやっておきたい対策3選
ケアマネジャーの勉強をどう始めたらよいのか分からない、何をすればよいのか分からないと困っていませんか?
そんなときは、以下のポイントをおさえてすすめてみましょう。
スケジュールを立てて計画的に行う
一般的に、ケアマネジャーの勉強には100時間~200時間程度かけて挑む方が多いようです。もし、1日1時間と仮定すると、およそ3ヶ月は必要になります。
もちろん、仕事の都合によって勉強が難しい日もあると考えると、半年前から準備を始めても早すぎることはないでしょう。
自分に合った方法で勉強をする
毎日短時間の積み重ねがよいのか、それとも集中できる時間をつくって一度に数時間ずつ勉強した方がよいのか、それは人それぞれです。
また、独学でマイペースに行うことが合っている人と、誰かと一緒に勉強した方がよいと考える人、さまざまでしょう。
独学で行う自信がない人は、通学や通信講座の検討もおすすめします。費用はかかりますが、勉強は効率的に悩むことなくすすめることが可能です。
早い段階で合格できればそのぶん早くキャリアアップできるかもしれません。
過去問や模試で慣れる
テキストや過去問は、たくさん用意する必要はありません。得意な部分と不得意な部分を明らかにし、不得意な部分に多くの時間を費やすと全体的な知識の底上げになります。
過去問を繰り返し解くことは、不得意な部分を洗い出して少しずつ潰していく上でとても便利です。
模試を経験すると、実力が分かるだけでなく、本番への心構えにもなります。時間をはかって本番さながらの状態で行えば、いざ試験当日を迎えたときに慌てずに済むでしょう。
合格率の低いケアマネジャー試験は計画性が大事
ケアマネ試験合格は、決して容易ではありません。まず受験資格を得るまでに時間がかかります。
そして試験の内容も幅広く豊富な知識を問われるため、一朝一夕でなんとかなるものではないことを覚えておきましょう。
確かに合格率は他の介護系資格に比べるとはるかに低いですが、勉強をすれば合格への道も見えてきます。
ケアマネジャーとして仕事をしなかったとしても、ここで勉強した内容は実務に活かせることも多いでしょう。
できるだけ確実に知識が増えるよう、自分に適した方法で学習をすすめ、ぜひケアマネ試験突破に向けて頑張りましょう。
編集部おすすめ
ケアマネジャー 通信講座