PR
投稿日:2024年4月24日 | 更新日:2024年07月26日
「GitHubって何?」「gitとGitHubって何か違うの?」「GitHubを導入するにあたってメリット・デメリットが知りたい」などと、疑問に感じている方も多いでしょう。
確かに、使用するために覚えるべき用語が多く、最初は困惑するかもしれません。
そこで、本記事ではGitHub(ギットハブ)について次の内容を解説します。
・どんなものか
・使用にあたって知っておきたい用語
・利用する上でのメリット・デメリット
について紹介します。
一度覚えてしまえば、特に大規模プロジェクトにおいて活躍すること間違いなしです。
用語やメリット・デメリットについてわかりやすく解説しますので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
編集部おすすめ
プログラミング
おすすめ講座
GitHub(ギットハブ)とは?どんな特徴があるか
GitHub(ギットハブ)とは、プログラマー向けの支援サービスです。
分散型バージョン管理システムである「git」をベースに作成されています。
GitHubを利用することで、プログラムを作る上で重要なソースコードを管理できます。
GitHubの特徴について詳しく見ていきましょう。
ソースコードの管理ができるWeb上の開発プラットフォーム
GitHubは、ソースコードやバージョン管理をWeb上で行います。
変更の履歴を常時web上で管理しているため、いつ、どこで、誰が、どのようにソースコードを編集したかなど、状況確認が容易です。
そのため、バグが発生した際に影響範囲を素早く特定できます。
さらに、ソースコードをバージョン管理できるため、バージョン間での差分をかんたんに取得できます。
差分に注力してソースコードを確認できるため、新しい機能の確認やフィードバックを素早く行えるところが魅力的なツールです。
GitHubはGitよりも具体的な修正内容を把握できる
gitとはバージョン管理を行うためのシステムであり、GitHubはgitにはないツールが追加されています。
また、GitHubではソースコードをオンライン上にアップする際に記載されるログや、ソースコード変更時に記載できるコメント機能があるため、gitよりも具体的に修正内容が登録されます。
具体的に修正内容が登録されるため、修正の経緯や背景を理解しやすいです。
GitHubの機能で自動でテストやビルドができる(CI)
GitHub ActionというGitHubに搭載されたツールを利用することで、作成したソースコードを自動でテストできます。
また、GitHub Actionでは自動ビルドも可能です。
自動ビルドとは、コードの変更が行われたときに、実行可能なソフトウェアやアプリケーションに自動で変換します。
自動ビルドが行われたタイミングでコンパイルエラーや構文エラーを検出します。
コンパイル前にエラーが見つかるので、すぐに内容を特定して修正可能です。
テストを自動化し、自動でビルドできる機能によって、開発の生産性が向上するところがGitHubの大きな魅力となります。
GitとGitHubの違いは何?
Gitとは、ソースコードのバージョン管理するツールのことです。
Gitの魅力は次の二つがあります。
・自分のPC上(ローカル)にリポジトリを持つことができ、オフラインでも作業可能である
・プロジェクトの変更前の情報をすぐに取得できる
一方「GitHub」は、Gitを利用した開発者を支援するWebサービスのことです。
Gitで作成したソースコードをオンライン上で共有し、他の開発者と共同で作業できます。GitHubはオンラインのシステムであり日々進化しており、開発者にとって便利なツールが追加されています。
GitHubは優れたツールではありますが、Webサービスのため、オンラインでのみ作業できることが特徴です。
どちらが優れているかということではなく、状況に応じてGitとGitHubをのどちらを使うか選択することが重要です。
Web上での共同作業やプロジェクトを共有するためにはGitHubが便利ですが、ローカルでの個別作業やオフライン環境でGitを利用することで、必要以上に修正履歴が増えてしまうことを防ぎます。
GitとGitHubのどちらも、開発者にとって重要なツールであり、プロジェクトや状況に応じて使う方法を調整することが大切です。
GitHubを使うにおいて知っておきたい基礎知識
GitHubは便利な機能が多く組み込まれています。
これから、GitHubを使うにあたって知っておきたい基礎知識について紹介します。
GitHub内で作成したプログラムのバージョン管理ができる「リポジトリ」
GitHubのリポジトリは、ファイルやディレクトリの状態を保存・登録する場所のことです。
ファイルやディレクトリをリポジトリに登録すると、プロジェクトの変更履歴が記録されます。
変更内容をリポジトリ内で保持しているため、ファイルやディレクトリの変更履歴をすぐに反映し共有できます。
また、何か問題が発生した場合にも、リポジトリ内の変更履歴をもとにすぐに対処可能です。
リポジトリには主に次の2つのタイプがあります。
・ローカルリポジトリ
・リモートリポジトリ
ローカルリポジトリ内で自分が編集した内容を管理し、リモートリポジトリに変更内容を登録する手順で作業を行います。
ローカルアカウントで利用できるローカルリポジトリ
ローカルリポジトリとは、ユーザー個人のアカウントに存在するリポジトリです。
自分が編集した作業の履歴をローカル環境で保存・管理するのに役立ちます。
ネットワーク上で利用できるリモートリポジトリ
リモートリポジトリとは、サーバーやネットワーク上に存在するリポジトリです。
他のユーザーも共有しているため、変更履歴を確認できます。
リモートリポジトリは複数人での開発やバージョン管理を行う際に使用することが多いです。
githubにおけるファイルの追加や登録ができる「コミット」
githubの「コミット」とは、ファイルやディレクトリの追加や編集を行った際に、変更内容をリポジトリに反映するためのコマンドです。
コミットを行うことで、リポジトリの内容が最新の状態で上書き保存されます。
通常、ファイルを編集した時は、保存を行うことでファイルの内容が変更されますが、githubのリポジトリはコミットを行うことで初めて編集内容が登録されます。
ファイルの変更をしても、GitHubではコミットを実行しなければ変更点が保存されません。
GitHubにあるファイルの変更を記録できる「プッシュ」
オンラインであるgithubのリポジトリにローカルのgitで作成した内容をアップロードすることを「プッシュ」と呼びます。
コミットした後に、GitHubにプッシュ操作を行い編集内容を反映します。
プッシュ操作を行うまでは、GitHub上のリポジトリは最新の情報に更新されません。
自分がプッシュ操作を行っているので、最後に行った変更がGitHub上の最新情報として保存されることになるのです。
githubで作成したプロジェクト対して複数のバージョン管理が可能な「ブランチ」
複数人でソフトウェアを開発する際、同時に機能追加を行ったり、バグ修正を行ったりすることがあります。
編集を効率的に行うためにgithubには「ブランチ」という機能が備わっています。
githubのブランチ機能によって複数のバージョン管理が可能です。
他の開発作業の影響を受けることなく、自身の開発に専念できるようになります。
ブランチは直訳すると「木の枝、支流、支系」です。
実際、木の枝のようなイメージをすると良いでしょう。
具体的には、以下のような階層構造を持つようになります。
プロジェクト(木の幹)
↓
メインとなるブランチ(開発の基本となるバージョン、木の幹から生えた枝)
↓
開発中の機能のブランチ(メインブランチから派生した枝)
↓
個人のブランチ(自分が編集中の内容、フィーチャーブランチからさらに分岐した枝)
GitHubのブランチ機能によって、異なる開発作業や変更を個別に管理できるようになります。
変更内容がお互いの作業に影響を与えることなく作業を進められます。
また、個人のブランチで変更した後、マージ機能によって完成した内容をメインとなるブランチに統合することも可能なため、非常に便利です。
githubの便利な機能3選
GitHubには便利な機能が数多く存在し、上手に使うことによって、更に開発効率が上がることでしょう。
これから、3つの便利な機能を紹介しますので、用語と機能を覚え、ぜひ使ってみてください。
githubを利用している他のプログラマーのリポジトリを編集できる「フォーク」
GitHubのフォークとは、他のユーザーのリポジトリをコピーし、自分のリポジトリに複製できる機能です。
GitHubのフォーク機能を使うことで、既に公開されているプロジェクトやコードのベースを自分のアカウントで利用できます。
GitHubでフォークしたリポジトリは、元のリポジトリとは独立して存在し、自分のアカウントで管理できます。
リポジトリの変更をチームに通知し共有する「プルリクエスト」
GitHubのプルリクエストは、リポジトリを変更した際、他の開発者やチームに変更を通知し共有する機能です。
機能の追加や改修、バグ修正などの変更を行った際や、GitHubに新しいコードを追加した際に使用可能です。
GitHubのプルリクエストでチームに通知し共有することで変更点が明確になり、他の開発者も確認すべき箇所をすぐ理解できるようになります。
また、GitHubのプルリクエストにはコメント機能が組み込まれており、変更されたソースコードのレビューやフィードバックを共有できます。
GitHubにおける変更内容に問題がある場合や、ソースコードが冗長で修正の必要がある場合に、コメント機能を通じて改善策を共有できるため非常に便利な機能です。
GitHub内で自分が変更したリポジトリをプロジェクトに反映する「マージ」
複数のバージョン管理が可能なブランチ機能によって、GitHub内のソースコードが分岐しますが、それぞれの変更をマージ機能によって統合する必要があります。
GitHubにおいて、既に完成されているリポジトリを利用し自分専用のプログラムを作る際にはマージ機能が不要です。
しかし、複数人での開発において、GitHub内のリポジトリの内容を変更した際、開発中のソースコードに反映させるためにはマージを行う必要があります。
GitHubのマージ機能を使用し、自分のリポジトリの変更内容をチーム全体のリポジトリに反映させ共有しましょう。
githubを使用するメリット
GitHubを使用することにはさまざまなメリットがあります。
ここでは、GitHubを使用するメリットを7点紹介します。
開発効率を高められる
GitHubを利用することで、開発効率を高められるメリットがあります。
・GitHubのブランチ機能によってソースコードの一部を取得して大元のソースコードを変えることなく変更ができる
・GitHubのプルリクエスト機能によって変更点がチームに反映されるため、チームの開発者が変更点を共有できる
・gのマージ機能によって、枝分かれした変更点が反映され共有できるため、複数人による開発が可能
など、開発効率を高められる要因はさまざまです。
開発効率を高めると検証に割ける時間が増えるため、プログラムの質を上げることにつながります。
検索ツールが便利
GitHubにはファイルやプロジェクトを検索するツールが用意されています。
たとえば、ローカルに保存されているプロジェクトはファイルが大量に生成されるため、自分の求めているファイルを見つけることにとても労力がかかります。
一方、GitHubはオンライン上に格納されているため、オンライン上で検索しスムーズに見つけられることがメリットです。
また、GitHub上に公開されている別のプログラムやプロジェクトのファイルも閲覧できるため、コーディング方法がわからない場合や、参考にしたい内容がある場合に使用できることも魅力的です。
コードの変更履歴を保存できる
GitHubのプッシュ機能によって、コードの変更履歴を保存できます。
変更履歴が保存できることにより、不具合が発生した場合や冗長な表現になっている場合、いつ、誰が、どこをどのように直したのかをすぐに判断できます。
変更履歴がさかのぼれるため、前のバージョンに戻すことも容易なうえに、問題発生したときの対処も行いやすいです。
コードファイルの管理や非公開ファイルの保存ができる
GitHubはオンライン上のシステムですが、プライベートリポジトリを使用できます。
プライベートリポジトリを使うことで、個人的なプロジェクトや非公開のコードを管理可能です。
例えば、自分で作成したコードのバックアップを取ったり、非公開にするためのプライベートなリポジトリを作成できます。
GitHubで作成したプロジェクトの性質に合わせて、公開と非公開のどちらを使うか選ぶことが大切です。
GitHub専用のプライベートリポジトリも利用可能
GitHubをgitと組み合わせることで、プライベートリポジトリ(=ローカルリポジトリ)も利用可能です。
GitHubはオンライン上にリポジトリを作成しますが、プライベートリポジトリとして自分のパソコンに取得することで、独立した作業を行えます。
プライベートリポジトリを持つことで、次のメリットがあります。
・自分の変更履歴を登録し、変更の内容を追跡できる
・バックアップを取り、安全にデータを保持できる
・自分の作業履歴を確認し、バグの特定や問題解決が容易になる
リモートリポジトリとプライベートリポジトリの両方を使用することで、より優れたプログラムコードを開発し、プログラムの安全性を高めましょう。
複数人で開発できるため、品質の高いコードを作ることが可能
GitHubはオンライン上にプログラムソースが格納するため、複数人で一つのプロジェクトを作成するのに適しています。
複数人で開発する際には、開発手順の検討、コードレビューや修正が非常に重要です。
コードをGitHubにアップロードすることで、多くの人にソースコードを共有できます。
多くの人がコードを見て、バグや改善点を見つけやすくなります。
複数人で開発するためにブランチ機能によって枝分かれしたコードは、マージ機能によって大元のソースに戻せるため、一部の機能を抽出し集中的にレビューを加えることも可能です。
また、変更した際にチームに通知を送り内容を共有するため、チームの開発者が変更箇所を見逃さず、検証に費やせる点もコードの質の上昇に貢献するでしょう。
機能や修正内容ごとに作業スペースを分けられる
GitHubの機能によって、リポジトリ(作業スペース)を分割できます。
リポジトリを分割することによって、機能ごとにプログラムの開発が可能です。
また、修正箇所のみリポジトリを分けることによって、他のソースコードに影響を及ぼさないようにしつつ作業箇所だけを抽出できます。
リポジトリを細かく分けることによって、自分のプログラムやプロジェクトを整理しやすくなります。
GitHubを使用するデメリット
GitHubは上手に使うことで非常に便利なものではありますが、使用方法によっては危険性もはらんでいます。
ここでは、GitHubを使うデメリットを紹介します。
利用には手順の暗記やスキルが必要なため、導入するまでに教育コストがかかる
GitHubは多彩なツールを搭載しているため、上手に使うことができるようになるまでに時間がかかります。
また、新人をはじめとした初学者には高度なツールが多すぎることや、覚えるべき用語が多いことなど、1回説明を受けただけでは理解に乏しい点が多いです。
そのため、教育コストがかかってしまうデメリットが挙げられます。
しかし、一回覚えてしまえば便利なツールが多様にありますので、覚えられるまで学習することをおすすめします。
プロジェクトや案件にあった運用・設計において時間がかかる場合がある
1つのプロジェクトに対してGitHubを導入する場合、どんなプロジェクトで推敲するか、チーム内の開発者は何人いるか、コードレビューを行うタイミングなど、開発手順の設計が必要となります。
手順の設計には時間がかかる場合があり、10人程度の小規模なプロジェクトや1人で開発する場合には、必要以上に手順を踏む必要があることが懸念されます。
大規模プロジェクトにおいては便利なツールですが、プロジェクトの規模に応じて利用の可否を決めておくことが大切です。
前準備無しでは時間ばかりとられてしまい、開発業務が追い付かない可能性があるので注意が必要です。
個人のITセキュリティが低いと、流出の恐れがあり問題が発生する恐れがある
GitHubはソースコードをオンライン上に公開する以上、情報漏洩の可能性を常にはらんでいるため注意が必要です。
実際に社内システムで使うためのソースコードが流出した事例もあります。
GitHubの強みはオンライン上にソースコードを公開できることですが、情報漏洩のような事例となると、弱みとなってしまいます。
GitHubを使う際は、個人のITリテラシーを高めることが非常に大切です。テキストなどを活用し、しっかりと学んでからGitHubを使いましょう。
GitHubでは動的なサイトを作成できない
GitHubでは動的なサイトを作成できません。
静的なサイトとは自己紹介のページやホームページなど、閲覧を目的に作成されたサイトのことです。
動的なサイトとはユーザーのログインページや、会員登録ページ、データを送信するページなどが搭載されたサイトを指します。
GitHubは動的サイトを直接実行することができないデメリットが挙げられます。
動的サイトを実行したい場合、外部サービスであるGithub Pagesを使うことで解決できるため、GitHub Pagesを利用すると良いでしょう。
まとめ
GitHubは、内容さえ理解してしまえば大変便利なシステムです。
・gitはローカルで使用し、GitHubはオンラインで使う
・リポジトリを分割することで、最小限の修正で済む
・変更の通知が他の開発者に行くため、安全性の高いソースコードを作成できる
はじめは覚えるべき項目が多々あります。
しかし、一度覚えてしまえば効率的に、安全なプログラムを作成できますよ。
使う上でのデメリットや注意点には気を配りつつ、ぜひGitHubを使用してみてください。
編集部おすすめ
プログラミング おすすめ講座