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投稿日:2024年1月12日 | 更新日:2024年01月31日
「統計検定2級ってどんな資格?」
「取得するメリットや取得後の活用方法も知りたい」
データサイエンスや数学など興味を持っている場合、統計検定について知りたいと考えている方も多いでしょう。
そこで本記事では、統計検定2級の試験概要や勉強法などを解説します。
後半部分では、取得するメリットや活かせる業界など、取得後の活用方法などを解説します。
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統計検定2級とは?
統計検定2級とは、一般財団法人統計質保証推進協会によって実施されている、統計に関する知識や活用力を評価する資格試験です。
日本の科学者の内外に対する代表機関である日本学術会議では、経済学や社会学、医学といった分野は設けられているものの「統計学」という分野が存在していません。
そこで、統計学を専門分野とする日本学術会議の数理統計学分科会が中心となり、それぞれの分野の研究者と協力して「統計学分野の教育課程編成上の参照基準」が設けられるようになりました。
このような働きがあったことから国内全体で統計学の教育が推進されるようになり、2011年には統計検定2級・3級・4級が開始されるようになります。
翌年の2012年には統計検定1級が発足され、さらにレベルの高い内容を学習できるようになりました。
統計検定2級の試験概要
統計検定2級の試験概要は、次の通りです。
級 | 2級 |
問題形式 | 4~5肢選択問題(35問程度出題) |
カリキュラム(テーマ) | データソース データの分布 1変数データ 2変数以上のデータ データの活用 推測のためのデータ収集法 確率モデルの導入 推測 線形モデル 活用 |
試験時間 | 90分 |
開催頻度 | 年1~3回 ※年度によって異なる |
受験資格 | なし |
受験料 | 一般価格:7,000円 学割価格:5,000円 |
合格 ライン | 60点以上(100点満点) |
合格率 | 40%前後 |
参考:統計検定2級|統計検定
試験範囲
統計検定2級の出題範囲表によると、統計検定2級の試験範囲は以下の通りです。
大項目 | 小項目 |
---|---|
データソース | 身近な統計 |
データの分布 | データの分布の記述 |
1変数データ | 中心傾向の指標 |
散らばりなどの指標 | |
中心と散らばりの活用 | |
2変数以上のデータ | 散布図と相関 |
カテゴリカルデータ | |
データの活用 | 単回帰と予測 |
時系列データの処理 | |
推測のためのデータ収集法 | 観察研究と実験研究 |
標本調査と無作為抽出 | |
実験 | |
確率モデルの導入 | 確率 |
確率変動 | |
確率分布 | |
推測 | 標本分布 |
推定 | |
仮説検証 | |
線型モデル | 回帰分析 |
実験計画の概念の理解 | |
活用 | 統計ソフトウェアの活用 |
統計検定2級の試験範囲は、10個の大項目と21の小項目によって構成されています。
上記の内容に加え3級・4級の内容も出題されるので、3級と4級を飛ばして2級を受ける場合は3・4級の範囲もテキストで学習しておく必要があります。
統計検定2級の出題範囲表には「ねらい」や「項目(学習しておくべき用語)」も記載されているので、学ぶ内容は専門的ですが対策は行いやすいでしょう。
難易度・合格率
統計検定2級の難易度は、合格率40%で必要勉強時間が50~60時間と言われていることから、決して難しくない試験と言えます。
合格率は40%と過半数が不合格となるものの学生受験者が多いため、対策を行わない受験生が多いことが予想されます。
税理士や公認会計士といった難関資格であれば必要勉強時間は1,000時間を超えるのに対し、統計検定2級は50~60時間勉強すれば合格を狙えるレベルまで到達できるので、短期間での取得も目指せるでしょう。
統計検定2級の勉強法は?
統計検定2級に合格するための勉強法はたくさんありますが、特に以下3つの方法がおすすめです。
1. 参考書・問題集を使って数学で勉強する
2.通信講座でプロの講義を受ける
3.スクールに通う
それぞれ解説していきます。
1.参考書・問題集を使って独学で勉強する
参考書・問題集を使って独学で勉強する場合、勉強計画を組んでインプット・アウトプットを両立させることが重要です。
必要勉強時間が50~60時間なので、まずは必要勉強時間内に過去問で合格点を取れるようになることを目標に勉強計画を立てます。
項目 | 勉強時間 |
---|---|
参考書(インプット) | 30時間 |
問題集(アウトプット) | 15時間 |
過去問演習 ※3年分 | 5時間 |
上記のように参考書でインプットを中心に行い、インプットした内容を引き出すために問題集でアウトプット演習を行います。
知識が定着したと実感があれば過去問を解き、本番形式で合格に届くかを確認します。
仮に合格点に到達しない場合は、どの項目が得点できていないかを洗い出し、知識が足りていない範囲をインプットするために参考書に戻ります。
このような手順で勉強をすると、独学でも合格を勝ち取れるでしょう。
なお、日本統計学会が編集している改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定2級対応 統計学基礎を活用すれば、出題ポイントを効率的にインプットできます。
インプットした内容をアウトプットしたい場合、同じく日本統計学会編集の日本統計学会公式認定 統計検定2級 公式問題集[CBT対応版]を利用しましょう。
基本的には上記2冊で合格を勝ち取れるので、参考書選びに迷った方は利用しましょう。
統計検定2級を取得するメリットって?
統計検定2級を取得するメリットは、以下の5つです。
- 就職・転職に有利になる
- 大学院の入学に有利になる
- データサイエンスの基礎を学べる
- 文系出身者でも数学力をアピールできる
- データ分析によって新たなビジネスプランを考えられるようになる
就職・転職に有利になる
統計検定2級を取得すると、転職・就職に有利になります。
統計学は近年、注目を集めている分野です。
統計学に対して注目している企業が増えている反面、統計学に基づいて市場を分析できる人は多くありません。
例えば、モノを販売するマーケティング業界では、統計学に基づいて顧客層や販売導線を分析すれば新たな事実が判明することもあります。
このように、統計検定2級を取得して統計学に対する知見を企業にアピールできれば、将来性のある人材として転職・就職が決まりやすいです。
大学の単位取得に有利になる
統計検定2級を取得すると、大学の単位取得にも有利になります。
統計学やデータサイエンスに力を入れている大学が増えており、東洋大学経済学部といった一部の大学では、統計検定2級に合格すると単位が認定される制度を開始しています。
大学の単位取得に繋がると資格取得のモチベーションにもなりやすく、単位と資格を取得できるため一石二鳥です。
データサイエンスの基礎を学べる
統計検定2級では、統計学や情報工学といったさまざまな領域の手法を活用してデータを引き出すデータサイエンスの基礎を学べます。
データサイエンスはこれまでは統計学の一分野として扱われることが多かったものの、プログラミングによる膨大なデータ処理が可能となったため独立した位置づけとなりました。
データサイエンスは、膨大なデータによって判明した発見をして、大きな利益を生み出すことを期待されている将来性のある分野です。
人材採用サイトのdoda(デューダ)では、データサイエンティストの募集は合計で1,838件あります。
このように、引く手数多のデータサイエンティストとして活躍するためのデータサイエンスの基礎を、統計検定2級では学べます。
文系出身者でも数学力をアピールできる
統計学は数式を扱うため、数学的素養が求められます。
数学的な考え方が強いため、統計学は理系のビジネスパーソンだけが学ぶべき分野と考えられやすいですが、実際は文系のビジネスパーソンにも重要なスキルです。
なぜなら、統計学によって導き出された新たな事実というのは、どの分野のビジネスにおいても大きな利益を生み出すチャンスがあるからです。
しかし、「文系は事実を導き出す数学に弱い」と考えられる場面が多いので、ビジネスシーンで損をする場面も少なくありません。
そこで、統計検定2級を取得すると、統計学で求められる数学的素養があることを証明できます。
データ分析によって新たなビジネスプランを考えられるようになる
そもそも統計学の目的とは、データの傾向を調査し、未知の事実や未来を予測することです。
統計学を学ぶと、データを基に論理的にこれから起こりうる未来を予想できるようになるので、ビジネスチャンスを掴むために重要になってくる今後を予想する力が身に付きます。
ビジネスでは早期参入できれば大きな利益を得ることができるので、「統計的に見てもこの業界はこれから伸びていく可能性が高い」といったように、データ分析によって新たなビジネスプランを考えることが可能です。
また、ビジネスは統計学では導き出すことができない感覚の要素もあります。
しかし、統計分析2級を通して統計学を学びつつビジネスに携わっていると、少しずつ感覚を掴めるようになるので、ビジネスセンスが研ぎ澄まされていくというメリットもあります。
統計検定2級は、ビジネスを勉強することにも繋がるので、これから収入を高めたい方や利益を伸ばしたい方におすすめです。
統計検定2級を活かせる業界
統計検定2級は専門的な内容を学ぶので、武器にすれば特定の業界で活躍できるようになります。
統計検定2級を活かせる業界は、以下の3つです。
- IT業界
- マーケティング業界
- コンサルタント業界
どのような業界なのか、それぞれ解説します。
IT業界
統計検定2級は、ITエンジニアやAI技術者といったIT業界で活かせる資格です。
ITエンジニアとは、コンピュータを動かすシステムを設計する技術者を指します。
AIとは人工知能の略称で、人間のような高い知能を持ったコンピュータを指し、AI技術者とはAIに関わる開発を行う技術者です。
統計検定2級を学べば、データ分析によって得た結果を反映させつつ、効果の高いシステムを構築できるようになります。
システム構築にはプログラミングを学ぶ必要があるので、さらなる勉強が必要ですが、システム構築と統計学を掛け合わせれば大きな利益を生み出せるようになるでしょう。
マーケティング業界
統計検定2級は、マーケティング業界でも活躍する資格です。
マーケティングとは消費者の求めている商品やサービスを調査し、販売方法などを決定して利益を最大化する活動を指します。
インターネットの普及とIT技術の進歩によって全世界のデータ総量は爆発的に増えているため、それらのデータを有効活用することができればマーケティングにも活かせます。
しかし、データが増えるにつれて企業が抱えるデータベースは複雑化されているため、増えすぎたデータの取り扱いが年々難しくなってきているのが事実です。
そこで統計検定2級を取得してデータベースを満足に取り扱えていない企業にアピールすると、マーケティング部門として活躍できるチャンスがあります。
また、統計学を学ぶことは、個人で稼働しているマーケターにとっても大きな利益を得るきっかけとなります。
マーケターであれば統計学を学んでおいて損はないので、企業のマーケティング部門に参加したい方や個人のマーケターとして活動したい方は統計検定2級を取得しましょう。
コンサルタント業界
商品を販売するマーケティングだけでなく、相談に乗るコンサルティング業界でも統計検定2級は活かせます。
相談内容にもよりますが、基本的にコンサルティングは相手の問題解決を目的にするため、悩みをヒアリングして事実ベースで解決策を伝え、その上で実行を支援する必要があります。
解決策の提示や実行の支援において統計学に基づいてサポートできれば、解決法を論理的に伝えることができるので、相手に伝わりやすく問題解決に繋がりやすいのが大きなメリットです。
統計検定2級を学ぶと、論理的思考力やコミュニケーション能力、現状把握力などを高めてくれるため、ビジネススキルそのものが高まります。
統計検定2級まとめ
本記事では、統計検定2級の試験概要や勉強法、取得するメリット、活かせる業界などをまとめて解説しました。
統計検定2級は資格名だけ見ると難易度が高く、自分には関連性の低そうな資格と感じやすいですが、実際はそれほど難易度は高くなく、かつ実用的な資格です。
近年注目を集めていることもあり、統計検定2級を取得すると転職・就職に有利になりやすく、力のあるビジネスパーソンとして認識されます。
また、統計検定2級から学べる内容も多く、論理的思考力や現状把握力、問題解決力の向上といったスキルを身に付けることができます。
資格としてのネームバリューがあり、さらに実用的かつ将来性の高い資格なので、「資格取得に興味はあるけど、特に勉強したいものがない」と考えている方は統計検定2級をおすすめします。
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