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投稿日:2024年2月8日 | 更新日:2024年02月08日
二級建築士は、主に戸建て住宅の設計・監理をターゲットにした建築士資格です。
一級と比べると取得の難易度が低い分できることが限られますが、働く会社によっては二級でも十分に価値のある資格といえるでしょう。
この記事では、二級建築士資格を取得するために合格しなければいけない試験の内容について詳しく解説します。
また、おすすめの就職先を紹介するので、建設業界に携わりたいと考えている方はぜひご覧になってみてください。
※この記事は2023年10月現在の情報となっております。
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二級建築士とは
さっそく、二級建築士がどのような資格かをみていきましょう。
一級建築士との違いや、独学での合格可否について解説します。
二級建築士の概要
二級建築士とは、都道府県知事の免許を受け、“二級建築士”の名称を用いて、建築物の設計・監理を行える国家資格です。
二級建築士試験に合格し、免許登録をすることで二級建築士を名乗れるようになります。
国土交通大臣の免許を受ける一級建築士とは異なり、各都道府県への免許登録になるため、引っ越しの際は留意しておきましょう。
二級建築士資格を取得後は、3年以内ごとに定期講習を受け、法改正や新技術などの最新の情報を取得しなければいけません。
常に情報をアップデートし、新しい知見をもって建築物の設計・監理に当たるのが、建築士の責務です。
戸建て住宅の設計ではクライアントがエンドユーザーであることが多いため、新しい技術の情報を提供しながら未来のイメージを膨らませてあげることで、喜ばれる設計者になれることでしょう。
一級と二級の違い
前述のとおり、規模や構造種別によらず設計・監理を行える一級建築士に対し、二級建築士にできることは制限されています。
それでは、二級建築士にできることとは、どのようなことでしょうか。
建築士の独占業務範囲は以下のとおりです。
上表をまとめると、二級建築士が扱えるのは高さ13m・軒高9mを超えない以下の建築物です。
- 平屋建ての木造一般建築物
- 延床面積が1000㎡以下の木造一般建築物
- 延床面積が500㎡以下の木造特殊建築物
- 延床面積が300㎡以下の木造以外の建築物
基本的には、3階建て程度までの“中規模木造建築物”と“小規模の鉄筋コンクリート・鉄骨造建築物”を対象としていることがわかります。
二級建築士におすすめの就職先
二級建築士には扱える建築物に制限があることを述べました。
ここでは、二級建築士が活躍できる就職先を紹介します。
ハウスメーカー
はじめに紹介するのは、ハウスメーカーです。
全国を対象に戸建て住宅を提供するハウスメーカーでは、二級建築士の活躍が期待できます。
大手ハウスメーカーでは高年収を期待できるのがメリットです。
パワービルダー
大量の住戸を提供する建売住宅業者であるパワービルダーも、二級建築士が活躍できる大きな業種のひとつ。
ハウスメーカーと比べて扱う地域が限定的ではあるものの、自分が設計した家が立ち並ぶことで大きな達成感を味わえる職種といえるでしょう。
工務店
工務店は、地域密着型でユーザーに寄り添った設計・施工を強みとしているのが一般的です。
ユーザーの声を間近で聞くことができ、マイホームの実現をともに喜べるのが工務店の魅力。
木造建築士でも仕事になることが多いですが、二級建築士を取得することで幅広く活躍できるでしょう。
受験資格
二級建築士試験の受験資格要件は以下のとおりです。
- 指定科目を修めて大学・短期大学・高等専門学校・高等学校などを卒業する
- 実務経験7年
高等専門学校・高等学校の卒業で受験資格を得る場合、免許を登録するために2年の実務経験が必要であることに留意しておきましょう。
受験資格要件のひとつである“実務経験7年”は長いですが、実務をこなしながらゆっくりと準備ができます。
はやく受験資格を得たい場合は、大学・短期大学・専門学校などに通うのがおすすめです。
二級建築士試験の内容
ここからは、二級建築士試験の内容について解説します。
扱う科目や対策のポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
二級建築士試験の概要(試験日・合格発表日・試験時間・合格率)
まずは試験の概要をみていきましょう。
社会のニーズに合わせて試験内容が変更になる可能性があるので、受験年の試験概要をチェックするようにしてみてください。
試験及び合格発表の日程
例年、下記の日程が目安です。
学科の試験 | 7月の第1日曜日 |
学科の試験の合格者発表 | 8月21日頃 |
設計製図の試験 | 9月の第2日曜日 |
設計製図の試験の合格者発表 | 12月7日頃 |
試験時間
試験時間は下記のとおりです。
学科の試験
学科Ⅰ(建築計画) 学科Ⅱ(建築法規) | 25問 25問 | 計 3時間※ |
学科Ⅲ(建築構造) 学科Ⅳ(建築施工) | 25問 25問 | 計 3時間※ |
※学科Ⅰと学科Ⅱ、学科Ⅲと学科Ⅳの時間配分は自由
設計製図の試験
設計製図 | 製図+計画の要点 | 計 5時間※ |
※製図と計画の要点の時間配分は自由
学科・設計製図の試験とも長時間に及ぶため、集中力を持続させるためのトレーニングが欠かせません。
当日の時間に合わせて過去問に取り組むなど、工夫して対策を行いましょう。
特に、設計製図は11:00~16:00の試験時間で昼休憩がないため、軽食の取り方も含めて取り組み方を決めるのが重要です。
合格率及び難易度
過去5年間の二級建築士試験の結果は以下のとおり。
総合合格率は25%程度であり、難易度は普通程度といわれています。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
学科 | 37.7% | 42.0% | 41.4% | 41.9% | 42.8% |
設計製図 | 54.9% | 46.3% | 53.1% | 48.6% | 52.5% |
総合合格率 | 25.5% | 22.2% | 26.4% | 23.6% | 25.0% |
学科の試験
ここでは、学科の試験について解説します。
学科試験では、建築の各分野に関する一般知識を問われます。
マークシートを使った五肢択一式なので、マークの仕方にも慣れておきましょう。
学科I(建築計画):25問
「建築計画」で扱うのは、計画各論・建築史・環境工学・建築設備の4分野です。
「計画各論」では、各用途の建築物を計画するときのポイントや、車いすに配慮した寸法など、建築計画に関するマクロ・ミクロの内容が問われます。
設計製図の試験でも役立つ知識が身に付くため、用語や数字を正しく覚えることを心がけてみてください。
「建築史」からは、過去の建築作品や、近年の話題作、建築家などに関する問題が出題されます。
出題範囲が広い一方で出題数が少ないため、他の分野を優先するのもひとつの方法といえます。
「環境工学」は、建築に関する光・音・熱環境などを扱います。
原理原則を理解することで応用問題にも対応できるようになるので、しっかりと対策して他の受験生と差を付けたい分野です。
「建築設備」では、空気調和・給排水衛生・電気設備などに関する知識を求められます。
近年注目を集めている省エネ技術に関する内容などの初見問題が増加傾向であるため、過去問だけでなく最新の傾向と対策をもとに学習する必要があるでしょう。
学科II(建築法規):25問
「建築法規」では、“建築基準法”のほか、“建築士法”や“バリアフリー法”といった関係法令に関する内容が出題されます。
法令集を持ち込んで試験に臨めるため、いかに法令集をはやく引けるかが勝負の分かれ目になるのが特徴です。
直感的に法令集の該当ページを開けるように、日々の鍛錬を行いましょう。
学科III(建築構造):25問
「建築構造」では、構造力学・一般構造・建築材料の3分野を扱います。
この科目に対して苦手意識を持っている受験生が多く、得点に差がつきやすい科目です。
構造力学の計算問題に取っ付きにくいのがその一因ですが、計算方法を身に付けられれば応用問題も含めてほとんどが解ける問題といえます。
試験本番では後述の「建築施工」と合わせて3時間が与えられるため、焦らずじっくりと取り組めます。
しっかりと対策して高得点を目指してみてください。
学科IV(建築施工):25問
「建築施工」は、施工計画、各工事のディテール、測量、積算、契約といった内容から幅広く出題されます。
建築の高度化に伴い初見問題が増加傾向にあるほか、施工管理に携わっている方が得点しやすいため、点差がつきやすい科目です。
まずは既出問題を取りこぼさないように過去問中心で対策を行いましょう。
設計製図の試験
学科試験に合格すると、いよいよ“設計製図の試験”です。
どんな課題でも一定の手順で解を導き出せるように、作業のルーティーン化を意識することが重要になります。
製図
二級建築士の設計製図の試験の特徴は、低層戸建て住宅が課題になることです。
その年によって、専用住宅や、歯科診療所・シェアハウスなどを併設した住宅などが課題に指定されます。
学科試験の1ヶ月程前に課題が発表されるため、先んじて課題をチェックし、役立ちそうな知識や寸法を学科試験対策をしながらおさえていきましょう。
製図の肝は、エスキス(製図前にプランを決めること)と最終チェックです。
“課題文の読み取り方”と“プランへの落とし込み方”をルーティーン化し、同じ手順でプランを7割程度まで整えられるようにするとよいでしょう。
また、製図試験は、減点方式の相対評価です。
課題文の要求に対する答えが不足していると減点されるため、漏れなく最終チェックできる手順を身に付けましょう。
計画の要点
設計製図の試験では、製図とあわせて、“計画の要点”に関する問いに対する自由記述回答が求められます。
恒例の出題内容も多いため、定型文として使える文章を増やしておきましょう。
また、エスキスをしながら計画の要点に対する回答を準備しておくのも有効な方法です。
二級建築士は過去問の問題集を使った独学での合格も可能
二級建築士は独学でも取得可能な資格といえます。
なぜならば、過去問からの出題が多く、問題集でしっかりと対策を行い、“知っている問題”を増やせば合格がぐっと近づくからです。
ただし、資格学校や通信講座では、最適な教材を享受でき、勉強の仕方を丁寧に教えてもらえるため、時間の短縮に繋がります。
資格取得に使える費用・時間に加え、独学が得意かどうかで試験に臨む体制を検討しましょう。
特に、“設計製図の試験”の試験は、向き・不向きが大きく分かれます。
不得意な方は苦戦しやすいので、設計製図の試験から資格学校や通信講座を利用するのもひとつの方法です。
参考:令和5年二級建築士試験 木造建築士試験 受験要領(公益財団法人建築技術教育普及センター)
おすすめの通信講座
建築士試験対策でネックになりやすいのが、“時間”です。
隙間時間などを有効活用しながら学習をしないと、なかなか十分な時間を取れないでしょう。
ここでは、おすすめの勉強の仕方と、時間の有効活用に役立つ通信講座を紹介します。
建築士試験の勉強の仕方
建築士試験に合格するのに平均的に必要な時間は、一級建築士で700~1,500時間、二級建築士で500~700時間といわれています。したがって、建築士資格を取得するには、「多くの時間を確保すること」と「効率よく学習すること」の2点が大切です。
多くの時間を確保するには、日々の隙間時間を無駄にしない意識が重要。通勤中や休憩の間、入浴時など、短い時間を有効に使いながら勉強に取り組みましょう。
スマートフォンなどのデバイスで受講する「e-ラーニング講座」は、隙間時間を有効活用できる手段のひとつです。
効率よく学習するには、インプット(教材を読んで学ぶ)とアウトプット(問題を解く)を繰り返すスパイラル学習が効果的。知識を着実に定着させることができます。
建築士試験では過去問が多く出題されるのが特徴。そのため、過去問に集中して取り組める時間を増やすのが大切です。
そのためには、隙間時間にインプットを行い、机に向かって過去問を解く時間を増やしましょう。さらに、間違えた問題はしっかり学び直し、過去問の内容を定着させていくのが重要です。知っている過去問が増えれば増えるほど、合格に近づけます。
おすすめの通信講座:スタディング
隙間時間を有効に活用できるe-ラーニング講座には、「スタディング」がおすすめ。一級建築士と二級建築士の講座が用意されています。
スタディングの特徴は、紙媒体を使用せず、オンライン学習で講座が完結すること。「最小限の学習を極める」ことをコンセプトに掲げており、効率的に学習できる教材とシステムがメリットです。
インプットに使う講義動画やテキスト、アウトプットに使う問題集や過去問をスマートフォンなどでオンライン視聴できます。ちょっとした時間に気軽に取り組めるのがポイント。インプットとアウトプットの繰り返し回数を増やし、効率的な知識の定着を図れます。
また、リーズナブルな価格設定も魅力です。革新的なIT活用と運営コストの削減により、他の通信講座と比べても低い価格設定を実現しています。
効率的に学習できる教材をできるだけ安く手に入れたい方におすすめなのが、「スタディング」です。
おわりに
二級建築士は、マイホームの夢を叶えてあげたい方におすすめの資格です。
独学でも取得可能ですし、資格学校や通信講座を使えば負担を減らしながら取得を目指せるでしょう。
建築士に興味がある方は、ぜひ取り組んでみてください。
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