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投稿日:2023年3月7日 | 更新日:2024年04月22日
この記事を監修した専門家
「簿記と宅建はどちらの難易度が高い?」
「ダブルライセンスを目指すのもあり?」
「簿記と宅建、先に取るべき資格は?」
就活や転職、キャリアアップに活かせる資格として人気の、簿記と宅建。
どちらも難易度が高い資格ですが、取得したいと考えている方は多いでしょう。
簿記と宅建の難易度やどちらを先に攻略すべきか知るためには、それぞれの特徴や活かせる場所についてをまずは確認する必要があります。
そこで本記事では、簿記と宅建の特徴や難易度、活かせる仕事を比較しました。ダブルライセンスについても解説しているため、資格取得を目指している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
簿記とはどんな資格?
簿記は会社や個人の取引を帳簿につけたり、決算書と呼ばれる書類を作成したりする作業のことを指します。
帳簿は会社が行う日々の取引を記入する台帳で、決算書は1年の取引をまとめて集計し、企業の財政状況や経営成績を明らかにする書類です。
帳簿や決算書の作成は、企業のお金を管理する上で欠かせない作業であり、どの会社でも必要とされます。
そして簿記の学習では、帳簿や決算書を作成するために必要な知識や作成の方法を学びます。
簿記の資格は3種類あり、それぞれ試験を開催する団体が異なります。
- 日商簿記
- 全商簿記
- 全経簿記
大学生や社会人が取得を目指すのであれば、知名度の高い「日商簿記」を選ぶのがおすすめです。
宅建士とはどんな資格?
宅建の資格は国家資格の1つで、宅建士の正式名称は「宅地建物取引士」の略称です。
宅建士には独占業務があり、宅建業者(不動産会社)への設置が義務付けられています。
そのため宅建は需要が高く、求人も多い資格の1つです。
宅建士は不動産の紹介や契約書の作成など、不動産の取引に関する業務の全般を担います。
なお宅建士になるためには、試験合格後に資格登録と宅建士証の交付を受けることが必要です。
どっちが難しい?日商簿記2級と宅建士の比較
簿記と宅建について、それぞれの特徴を把握したところで次は2つの違いを確認しましょう。
今回比較したのは、以下の4点です。
- 難易度(合格率・勉強時間)の比較
- 求人のある職種
- 就職・転職への活かしやすさ
- 試験日・問題形式
今回は簿記の中でも就活に役立つことの多い日商簿記2級と、宅建を比較。
さらに比較を踏まえて、それぞれの資格がどんな方におすすめなのかも紹介します。
難易度(合格率・勉強時間)の比較
まずは簿記2級と宅建の難易度を比較するために、それぞれの合格率と合格までに必要な勉強時間の目安を確認しましょう。
資格 | 合格率 | 勉強時間 |
日商簿記2級 | 17~25% | 250~350時間 |
宅建士 | 15~17% | 300~400時間 |
日商簿記2級と宅建はどっちも必要な勉強時間が多く、合格率も低めです。
しかし宅建の方が学習範囲が広く必要な勉強時間が多くなりがちなことから、難易度が高いと言えるでしょう。
求人のある職種
求人のある職種は、それぞれ以下のとおりです。
資格 | 求人 |
日商簿記2級 | 経理や事務 会計事務所 |
宅建士 | 不動産会社 |
どっちの資格も、通信講座やスクールの講師の募集があることも多々。
日商簿記は経理や事務のほか、記帳代行や個人事業主をする際の帳簿記帳作業などにも役立ちます。
就職・転職への活かしやすさ
就職・転職への活かしやすさは、目指す職種によってことなります。
日商簿記の知識を深めれば経営成績や財政状況を把握できるため、簿記の資格は役立てられる範囲が広いです。
経理や事務などの専門分野以外でも活躍できるでしょう。
また、就職に活かすだけでなく、個人事業主となる際にも簿記の知識は役立ちます。
一方、不動産分野への就職・転職を目指すのであれば宅建は必要不可欠。
求人の中には、資格が必須の場合もあります。
ただ、不動産以外の分野で宅建の資格を活かすのは難しい場合が多いです。
試験日・問題形式
試験日を比較すると、取得しやすいのは簿記であることがわかります。
資格 | 試験日 | 問題形式 |
日商簿記2級 | 会場の休館日・簿記のペーパー試験前後を除く通年 | 記述式 |
宅建士 | 10月の第三日曜日 | 選択式 |
簿記の中でもポピュラーな資格である「日商簿記」は、ネット試験が始まったため特定の数週間を除いて、試験は通年受けられます。
万が一、試験に落ちてしまっても簿記のネット試験なら3日後から再受験が可能です。
なお簿記一級はネット試験を開催しておらず、年に3回のペーパー試験のみを開催しています。
一方の宅建は試験が毎年1回のみ。
試験に落ちてしまうと、次の試験まで1年間待たなければなりません。
宅建の試験は選択式である分、難易度は下がりますが、油断していると試験に落ちることもあり得ます。
宅建は年に一度しかないからこそ、しっかりと試験対策を行うべきでしょう。
簿記がおすすめな人・宅建がおすすめな人
日商簿記と宅建の違いを踏まえて、それぞれの資格は下記のような方におすすめです。
資格 | おすすめな人 |
日商簿記2級 | 経理や事務の仕事をしたい人 個人事業主を目指す人 あらゆる分野の就活に活かしたい人 |
宅建士 | 不動産関連の職に就きたい人 資格を活かした専門的な業務を行いたい人 学習時間が確保しやすい人 |
目指す職によって、取得すべき資格は異なります。
不動産関連の仕事に就きたいのならば、宅建士の資格を取るべきです。
しかし宅建は知識を活かせる職種が、ある程度決まっています。
幅広い職種に活かせる日商簿記の資格は、進むべき道が決まっていない方にもおすすめです。
簿記2級と宅建はダブルライセンスを目指すのもおすすめ
仕事やキャリアアップにも役立つ簿記と宅建は、ダブルライセンスを目指すのも1つの手です。
宅建か簿記かで迷ったら、どっちの資格の学習にもチャレンジしてみましょう。
ダブルライセンスを実現できれば、将来選択できることの幅も広がるでしょう。
ここからは、ダブルライセンスを目指す方が知っておきたい、2つのポイントを紹介します。
資格の同時取得は難しい
簿記と宅建はどちらも暗記する内容が多いため、同時に取得を目指すのは難しいでしょう。
並行して学習を進めると、混乱する可能性もあります。
ダブルライセンスを目指すとしても、1つずつ着実に学習を進めるべきです。
優先して取得したい資格や、学習を始める時期を考慮して、学習する順番を考えましょう。
目指す職によって取るべき順番は変わる
ダブルライセンスを目指す場合、現在目指したいと考えている職種や仕事を考慮して学習の順番を決めましょう。
勉強に時間がかかってしまったり、学習期間中にトラブルが起こることも考えられます。
資格取得の時期が、就活や転職の時期に間に合わない可能性も存在するのです。
経理や事務を目指している方は、簿記から学習をすすめるのがおすすめ。
また不動産関連の職を目指すのならば、宅建の学習から始めましょう。
簿記2級と宅建の両方を効率よく勉強する方法とは
簿記2級と宅建は、どちらも必要な勉強時間が長いため、賢く時間を活用し計画的に学習を進めることが必要です。
そこでここからは、効率よく勉強を進める方法を3つ紹介します。
スキマ時間を利用する
時間を賢く使うことが、効率の良い勉強には必要です。
通勤通学の移動時間、寝る前、休憩時間など、まずはスキマ時間を見つけることから始めましょう。
紙のテキストや問題集を使った学習は、準備までに時間がかかるためスキマ時間学習に向いていません。
しかしスマホを使ってデジタルテキストを読み進めたり、デジタル問題集で問題演習を進めたりなどはスキマ時間の学習にぴったり。
通勤通学などの移動時間は、講義動画による耳を使った学習を取り入れてみましょう。
完全無料で簿記を学べる動画サービス「CPAラーニング」
独学の場合、無料サイトの利用も有効的です。
完全無料で使うことができるCPAラーニングは簿記の学習におすすめです。
CPAラーニングでは、下記のようなコンテンツを用意しています。
- デジタルテキスト
- デジタル問題集
- 講義動画
- ネット模擬試験
通信講座のように質問サービスは用意されていませんが、講義動画やデジタルテキストが無料で使えるのは大きな魅力。
0円ならば、学習にお金をかけたくない方も気軽に利用することができるでしょう。
通信講座を使う
簿記と宅建、両方の資格を取得するためにはたくさんの時間がかかります。
できるだけ早く2つの資格を取得したい方には、通信講座の利用がおすすめです。
通信講座を利用すれば、デジタルテキスト・問題集と講義動画を使った学習が始められます。
また通信講座のほとんどは、学習の要点を絞って教材を作成しているので、合格への近道を歩むことができるのです。
通信講座は種類が多いため、何を使うべきか悩む方も多いでしょう。
ここからはおすすめしたい簿記の通信講座を3つ厳選して、紹介します。
スタディング
講座/料金(税込) | 簿記3級合格コース:3,850円 簿記2級合格コース:19,800円 簿記3級・2級セットコース:22,000円 簿記1級合格コース:66,000円 宅建士合格コース ミニマム:14,960円 宅建士合格コース スタンダード:19,800円 |
オンライン対応 | あり |
ポイント | 合格お祝い制度を用意 |
スタディングは、コスパや使いやすさ重視の方におすすめの通信講座です。
紙のテキストや問題集は用意されておらず、スマホやパソコンを使ったデジタル教材のみを採用。
印刷コストが削減できるため、他社よりもリーズナブルな価格を実現しています。
デジタルテキストや問題集があれば、スキマ時間を活用した学習が行えるでしょう。
また、スタディングは会員登録(無料)をするだけで無料でお試し講座の視聴ができる上に、講座で利用できる10%OFFクーポンがもらえます。
10%OFFクーポンの配布はいつ終了になるか不明のため、受講を迷っている方も、まずは会員登録をしておくことをお勧めします。
クレアール
講座/料金(税込) | 3級パック Web通信:16,000円 2級パック Web通信:53,000円 1級講義パックWeb通信:132,000円 3・2級講義パック Web通信:50,000円 3・2級マスター Web通信:58,000円 完全合格パーフェクトコース:43,056円 完全合格セーフティコース:51,552円 |
オンライン対応 | あり |
ポイント | 充実したサポート体制 |
クレアールは各級の講座の他、3級と2級がセットになったコースや、3級・2級・1級とステップアップが叶うコースまで充実したラインナップ。
自分の実力や目指す級に合わせて、教材が選択できます。
質問サービスを用意している点も、クレアールのポイント。
難易度の高い学習でも「わからない」「解けない」を放置せずに済むため、より理解が深まるでしょう。
フォーサイト
講座/料金(税込) | バリューセット1 (簿記2級+過去問解き方講座):36,800円 バリューセット2 (簿記2級+3級+過去問解き方講座):40,800円 簿記2級スピード合格講座:31,800円 簿記3級スピード合格講座 :16,800円 バリューセット1(宅建士):59,800円 バリューセット2(宅建士):64,800円 バリューセット3(宅建士):69,800円 |
オンライン対応 | あり |
ポイント | 簿記2級の合格率86.5% |
テキストへのこだわりが強いフォーサイトは、フルカラーを採用。
さらに過去問を徹底的に分析し、頻出することの多い分野を重点的に学べるよう教材を作成しています。
テキストは図や表も数多く使われているため、難易度の高い箇所もスムーズに理解することができるでしょう。
教材の質が高いフォーサイトは、簿記2級の合格率が86.5%と実績がある点も魅力です。
簿記や宅建と相性の良い資格
簿記と宅建はどちらも就活やキャリアアップに利用できる資格です。
そして、ここから紹介する資格とのダブルライセンスを目指すことで、未来の選択肢を増やすことができます。
簿記や宅建と相性が良いのは、以下の2つです。
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 行政書士
どっちの資格も就活や転職で活躍するため、人気も高いです。
それぞれの難易度や特徴、簿記・宅建のとの関係性などを解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FPは個人のお金に関するプロで、税金や保険を始めとしたお金に関する知識を学びます。
簿記で学ぶ仕訳や、宅建で学習する不動産についてもFPの学習分野。
それぞれ内容がかぶっているところも多いため、簿記や宅建の学習で得た知識も活かすことができますよ。
就職や転職に役立つのはFP2級以上で、合格率は50%前後です。
行政書士
行政書士は国家資格の1つで、官公署に提出する書類の作成や相談業務を担います。
帳簿や決算書の作成業務を行うこともある行政書士の資格は、簿記と特に相性が良いと言えるでしょう。
合格率は10%程度と非常に低く、難易度は高め。
しかし取得すれば、キャリアアップに繋がったり就職や転職にも活かしやすい資格です。
簿記と宅建はどちらもおすすめの資格!難易度が高いのは宅建
簿記2級と宅建士の資格を比較すると、難易度が高く必要な学習時間が長いのは宅建士の資格です。
宅建か簿記かで迷ったら、両方取得を目指すのもおすすめです。
宅建と簿記はそれぞれの資格で活かせる場所が少しずつ変わってくるため、就職したい場所によって取得の優先順位は変わります。
- 経理や事務職を目指すなら簿記から
- 不動産関連の職を目指すなら宅建から
簿記と宅建のダブルライセンスの他、FP(ファイナンシャルプランナー)や行政書士とのダブルライセンスを目指せば、将来の選択肢を増やし仕事に活かししやすくなります。
FPと行政書士は簿記や宅建と学習範囲が被っている箇所もある、相性の良い資格です。
難易度は高めですが、挑戦する価値はあります。
並行して学習したり同時取得を目指したりするのは大変であるため、1つずつ着実に合格を目指しましょう。
就職に資格を活かしたい方はもちろん、キャリアアップを目指す方にもダブルライセンスはおすすめです。
通信講座や無料サイトも賢く活用しながら、効率良く学習を進めましょう!