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投稿日:2023年7月19日 | 更新日:2024年04月22日
高齢化社会がどんどんと進むなかで介護福祉のスペシャリストとして活躍しているケアマネージャー。
介護福祉のみならず、医療・保健分野の知識も兼ね備え、住み慣れた場所で生活し続けたいと願う人を支える仕事に憧れる人も多いのではないでしょうか。
では、このケアマネージャー資格は一体どのようにして取得することができるのでしょう。
この記事では、ケアマネージャー資格を取得するまでの流れや必要なこと、ケアマネージャー資格のキャリアアップ資格についても解説していきます。
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ケアマネージャーとは
ケアマネージャーは2000年の介護保険制度に伴い出来た資格で、正式名称は「介護支援専門員」といいます。
ケアマネージャーはどのような仕事をするのでしょうか。
ケアマネージャーは、介護を必要とする人が適切なサービスを受けたり、要介護状態が悪化しないよう支援したりします。
すみ慣れた場所で生活し続けたいと思う人の力になる仕事で、介護保険のスペシャリストとして、やりがいのある仕事といえるでしょう。
ケアマネージャーの仕事は多岐にわたります。ケアプランの作成をはじめ、給付管理を行います。それだけではありません。
モニタリングといって1カ月ごとに立案したプランが有効かどうかの判断を行います。他にも他職種との連携、利用者や家族からの相談業務にも対応しなければなりません。
資格を取得するために必要なこと
ケアマネージャー資格を取得するには、まず資格取得のための試験に合格しなければなりません。
試験は介護だけではなく幅広い分野から問題が出題されます。
また、試験は誰でも受験できるわけではありません。
定められた要件を満たす人だけが受験を認められるため事前に確認しましょう。
資格取得のために必要な受験
ケアマネージャーになるためにはまず資格を得るために介護支援専門員実務研修受講試験を受験しなければなりません。
試験出題分野は大きくわけて、介護支援分野・保健医療サービス分野・福祉サービス分野です。
ケアマネージャーになるためには、介護分野だけではなく、保健医療や福祉の分野まで幅広い知識が必要であることがわかります。
受験資格
ケアマネージャー試験を受けるには要件を満たす必要があり、2018年の受験資格変更に伴い以下のどちらかに該当する者が受験対象と定められました。
特定の国家資格の保有者
対象の国家資格は以下のとおりです。
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 視能訓練士
- 義肢装具士
- 歯科衛生士
- 言語聴覚士
- あん摩マッサージ指圧師
- はり師
- きゅう師
- 柔道整復師
- 栄養士(管理栄養士を含む。)又は精神
- 保健福祉士
上記の資格を保有しており、業務期間が通算5年以上且つその業務に従事した日数が900日以上の実績を持っている必要があります。
相談援助業務の期間が通算5年以上であり、かつその業務に従事した日数が900日以上
「相談援助業務」とは以下のとおりです。
- 生活相談員(特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、指定介護老人福祉施設、介護予防特定施設入居者生活介護)
- 支援相談員(介護老人保健施設)
- 相談支援専門員(計画相談支援、障害児相談支援)
- 主任相談支援員(生活困窮者自立相談支援事業)
ケアマネージャーの資格を取得するための試験を受験するには、介護や福祉、保健医療分野の国家資格と実務経験が必要となります。
ケアマネージャーは幅広い知識と経験を求められているといえるでしょう。
試験内容と難易度
ケアマネージャー試験の出題範囲は大きく2つにわけられます。
「介護支援分野」と「保健医療・福祉サービス分野」です。
介護支援分野は問題数25問で介護保険制度の基礎知識、要介護認定等の基礎知識、居宅・施設サービス計画の基礎知識等が出題されます。
保健医療・福祉サービス分野は問題数が計35問で、そのうち保健医療サービスの知識などが20問、福祉サービスの知識等が15問出題されます。
試験問題は合計60問です。2018年介護保険制度改正によって試験の出題範囲が変更になっているため注意しましょう。
試験の難易度としては、比較的高いといえます。受験すれば誰でも合格できる試験ではありません。
過去5年間の受験者数、合格者数、合格率の推移をみてみましょう。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第25回令和4年度 | 54406人 | 10328人 | 19.0% |
第24回令和3年度 | 54290人 | 12662人 | 23.3% |
第23回令和2年度 | 46415人 | 8200人 | 17.7% |
第22回令和元年 | 41049人 | 8018人 | 19.5% |
第21回平成30年度 | 49332人 | 4990人 | 10.1% |
過去5年間のデータを見るかぎり、ケアマネージャー試験の合格率は10~20%で推移しています。
第21回の試験に関しては合格率が10.1%となっています。試験の難易度を上げることで質の高い人材に絞るのが目的なのかもしれません。
引用元:第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
試験に合格するための学習方法
ケアマネージャー試験の学習方法としては、参考書などを購入して独学する場合や通信講座を利用する場合があります。
その他に、スクールへ通学する人もいるようです。
仕事をしながら勉強する場合は、限られた時間内で勉強に取り組むことになるため、試験に向けて計画的に学習を進めるのが良いでしょう。
模擬試験に挑戦するのもひとつではないでしょうか、自分の学習達成進度や苦手分野の確認ができるでしょう。
今後の学習計画を見直すためにも有効です。
気になる費用について、独学であれば出費は少なくて済みそうですが、通信講座やスクールに通学する場合は費用が必要となるため、資金準備も必要となります。
前もって試験準備に取りかかりましょう。
ケアマネージャー資格を取得するための道のり
ケアマネージャー資格を取得するには資格試験を受験し、その後実務研修を受ける必要があります。
必要な手続きがいくつかあるので十分に事前確認をしましょう。
資格試験受験
介護支援専門員実務研修受講試験の実施主体は都道府県とされています。
この試験は各都道府県で申込期間などが異なるため注意しましょう。
資格試験の受験申し込みをするときに、実務経験証明書が必要です。
では試験を申し込む時点で実務経験を満たしていないと受験ができないのでしょうか。
試験申し込み時点で実務経験が不足していたとしても試験日の前日までに実務経験を満たすことができる場合は、実務経験見込証明書を発行してもらい提出することができます。
勤務先に発行を依頼しましょう。
また、受験申し込みのときに、受験資格の業務に該当しているかどうかで勤務地が受験地になるか、住所地が受験地になるか異なるため十分確認しましょう。
試験合格後の実務研修
介護支援専門員実務研修受講試験に合格すれば、いよいよ介護支援専門員実務研修を受けることができます。
研修内容としては、講義・演習形式の研修を合計87時間と居宅介護支援事業所での実習があります。
これらの研修や実習を通してケアマネージャーとしての基本的な知識や技能を身につけていくことになります。
実務研修受講・修了と名簿登録
介護支援専門員実務研修を修了後、決められた期限内に介護支援専門員資格登録簿に登録しなければなりません。
介護支援専門員証交付
介護支援専門員資格登録簿に登録後5年以内に申請をし、介護支援専門員証の交付を受けます。
介護支援専門員証の交付を受けてはじめてケアマネージャーの業務に従事することができます。
登録後申請をせず5年が過ぎてしまうと、再度研修を受け直さなくてはならないため注意しましょう。
ケアマネージャーの資格取得にかかる期間
ケアマネージャー資格を取得するためには半年以上の準備を要します。
まず、6月頃に資格試験の受験申し込みを行います。
受験日は全国共通ですが、申込期間は各都道府県によって異なるため注意しましょう。
10月に介護支援専門員実務研修受講試験が実施され、12月に合格発表があります。
合格者はその後、介護支援専門員実務研修を数カ月受講し、修了すればようやく介護支援専門員資格登録簿に登録されます。
登録後3カ月の間に申請をしなければなりません、そしてようやく介護支援専門員証が交付されます。
これだけをみても半年以上の時間を要することがわかるでしょう。
ケアマネージャー資格の更新期限の確認
ケアマネージャー資格には有効期限があります。
資格取得後、定期的な更新が必要です。
資格取得後ケアマネージャーとして勤務している人は有効期限を把握しているかもしれません。
しかし、ケアマネージャーの資格は取得したもののケアマネージャーとして働いていないと、ついうっかり有効期限を忘れてしまい、気づいたときには期限が間近に迫っていたということもあるかもしれません。
有効期限が切れてしまうとケアマネージャーの業務に従事できなくなるため注意しましょう。
実務の経験がない人と実務経験がある人では更新研修の内容や受講する研修の時間数も異なります。
それぞれ研修内容を確認しましょう。
実務経験がない人の更新研修
ケアマネージャー資格の有効期限内に実務経験がない人は、54時間以上の更新研修を受けることで資格を更新することができます。
実務経験がある人の更新研修
はじめて更新研修を受ける場合、専門研修課程Ⅰと専門研修課程Ⅱと同内容であり研修時間は合計88時間と決められています。
更新研修が2回目以降の人は、専門研修課程Ⅱのみで研修時間は32時間となっています。
自分がどれに該当するのか前もって確認しましょう。
有効期限がおおむね1年以内に満了する人が更新研修を受ける対象となっているので注意が必要です。
ケアマネージャーのキャリアアップ
今後、ますます高齢化が進むなかでケアマネージャーの存在はより必要とされるでしょう。
ケアマネージャーとしてさらに専門的知識や経験を積み活躍したい人に向けて、キャリアアップを目指す資格を紹介しましょう。
主任ケアマネージャー
2005年の介護保険法改正に伴い地域包括支援センターが創設され、それとともに「主任ケアマネージャー」という資格ができました。
主任ケアマネージャーは、ケアマネージャーの指導をしたり、相談に乗ったりする役割があります。
ほかにも、介護保険制度や福祉サービスの把握、他職種との連携も重要な役割です。
主任ケアマネージャーは主に地域包括支援センターに配置されますが、ほかにも活躍の場はあります。
主任ケアマネージャー資格は、ケアマネージャーとして5年以上の実務経験を積み、介護支援専門員研修を修了すれば取得することができます。
ケアマネージャーとしてステップアップしたい人におすすめの資格といえるでしょう。
認定ケアマネージャー
認定ケアマネージャーはより質の高い人材を育成するために2003年に創設された資格です。
これは民間の資格で、一般社団法人日本ケアマネジメント学会によって創設されました。
認定ケアマネージャーはケアマネージャーのワンランク上の位置づけであり、資格を取得するためには下記の定められた資格要件を満たさなくてはなりません。
主任ケアマネージャーの資格取得の際、ケアマネージャーとして5年以上の実務経験が必要ですが、認定ケアマネージャーの資格を有しているとケアマネージャーの実務経験は3年に短縮されます。
ケアマネージャーへの転身が多い職種
厚生労働省によれば、第25回職種別合格者数は介護福祉士が6096人、看護師・准看護師は1849人です。
それぞれ現場で培った経験をもとにケアマネージャーの業務につくメリットも大きいようです。
ここでは、介護福祉士と看護師に絞ってケアマネージャーへ転身するメリットをお話ししましょう。
介護福祉士
介護福祉士は国家資格であり、幅広い介護の知識を持っているといえるでしょう。
介護現場で積み上げてきた知識や経験がケアマネージャー業務に役に立つのではないでしょうか。
また介護福祉士からケアマネージャーへ転職した場合給料アップも望めるかもしれません。
キャリアアップを目指し介護福祉士からケアマネージャーを目指す人は多いようです。
看護師
看護師は疾患や病態に関する医療的知識を持っています。
病態が予測できることや現場で培ってきたマネジメント力が役に立つのではないでしょうか。
また医師との連携経験も豊富で、専門的知識を持っているので医師とのコミュニケーションもスムーズにとれるでしょう。
他職種へ問題提起するときも看護師としての経験は大いに役立ちます。
今後さらなる入院期間の短縮化がすすみ、在宅医療や在宅看護が推進される中で、活躍の場を広げていけるでしょう。
看護師の給料に比べるとケアマネージャーの給料は少し低いかもしれませんが、看護師の知識や経験を活かしたやりがいのある仕事といえるでしょう。
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