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調剤薬局事務の向き不向きは?医療事務との違いや資格についても解説

調剤薬局事務

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投稿日:2024年5月29日 | 更新日:2024年05月29日

「薬局で働いてみたいけど、向き不向きはあるのかな?」

「未経験で薬局事務の仕事に就いて1ヶ月経つけど、私には不向きな仕事かも…」

このようなことでお悩みではないですか?

この記事では調剤事務の仕事内容を紹介し、向き不向きの特徴をそれぞれ解説します。調剤薬局事務に活かせる資格も紹介するので、この職業に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

調剤薬局事務ってどんな仕事?向き不向きはあるか

調剤薬局事務に向いている人イメージ

調剤薬局事務の仕事内容は、一言でいうと「薬剤師免許がなくてもできること」をやります。そのため仕事内容は幅広いです。医療事務と共通している業務とわけて解説するので、向き不向きを考えながら読んでみてください。

調剤薬局事務の仕事内容

調剤薬局事務と医療事務の仕事の大きな違いは、医薬品を扱ったり、薬剤師と関わるというところです。調剤薬局事務ならではの仕事内容を詳しく解説します。

医薬品の発注・検品・納品

調剤薬局事務の仕事の一つとして、医薬品の発注・検品・納品があります。

発注は基本的に使用した分だけ注文しますが、医薬品の出荷状況やシーズンに合わせて在庫を調節します。薬の箱にあるバーコードを読み取って必要な数を入力するので、難しい作業はありません。

検品は納品するときに同時に行い、発注した内容と合っているかをチェックする作業です。以下の内容を卸さんが読み上げてくれるので、こちらは書面でチェックします。

・医薬品名

・規格(㎎)

・剤形

・メーカー(ジェネリックの場合)

・有効期限

・個数

一見、確認することが多くて大変そうに見えますが、やってみるとシンプルな作業です。医薬品の発注・検品・納品は簡単な作業なので、向き不向きを問われることはないでしょう。

現在、医療の現場では医薬品の出荷調整に悩まされています。2020年に一部の製薬会社の不適切な製造・品質管理が問題となったこと、コロナ流行で原材料の入手が困難になったことが原因です。

そのため、出荷調整の情報が入るたびによく使われる医薬品は急いで発注し、在庫の確保に努めます。在庫が足りなくなったときは、同じ効果を示す薬や類似薬に変更を依頼をしたり、近くの薬局から借りて対応しています。

薬剤師のサポート

薬剤師のサポートは厚生労働省により、調剤薬局事務などのスタッフが行ってよい業務内容が定められています。これは、薬剤師が対人業務に専念できるように、対物業務の負担を軽くするためです。

イメージしやすいように薬剤師の対人業務、対物業務の例を記載します。

【対人業務の例】

・処方箋内容のチェック、処方提案

・服薬指導

・調剤後の継続的なフォローアップ、服薬状況の把握

・在宅訪問による薬学的管理

【対物業務の例】

・処方箋の受け取り、保管

・調製(秤量、混合、一包化)

・薬袋の作成

・監査

・在庫管理

調剤薬局事務は対物業務の中で、薬剤師資格がなくてもできることを行います。

技能が必要になる散剤・水剤・軟膏の秤量・混合は薬剤師の仕事です。これらを薬剤師でない者が行うと違反になるので注意してください。

ここで向き不向きを感じる人もいると思うので、あとで紹介する向き不向きの特徴を読んで、自分はこの仕事に向いているか不向きなのか考えてみてください。

以上が薬剤師のサポートの内容です。

参考文献:厚生労働省 調剤業務のあり方について

 医療事務と共通している仕事内容

調剤薬局事務と医療事務、どちらも医療に携わる職種として共通している仕事を解説します。

 受付、電話対応

事務は窓口となる受付や電話対応を担当します。受付や電話対応はコミュニケーション力が必要になってくるので、向き不向きがあるでしょう。

調剤薬局では保険証の確認と処方箋の内容に不備がないかを確認します。処方箋の有効期限は4日間と短く、処方箋の不備といえば期限が切れていることが多いので注意が必要です。

医療事務は病院やクリニックで働くので、保険証の確認と患者さんが新規の場合、カルテの作成も行います。

処方箋やカルテの扱いの有無が異なりますが、受付としての業務はほぼ同じです。

受付や電話対応は、患者さんや外部の人と接する場面なので、丁寧なコミュニケーションとマナーが求められます。

レセプト業務

レセプト業務は事務仕事の中でとくに難しいと言われている業務です。この業務では向き不向きがでてくるでしょう。

レセプトとは調剤報酬明細書のことで、毎月月末に保険者に患者負担分以外の調剤費を請求するために必要な書類です。

レセプト業務が難しいと言われる理由には、正確な作業が必要であること、専門の知識・経験が必要になってくることが挙げられます。

レセプトは患者ごとに作成し、審査機関に提出します。そこで審査が通らなければ、保険者から調剤費が支払われないため、調剤薬局の経営に影響する恐れがあります。

そのため、レセプトの作成にはとくに正確な作業が求められるのです。

また、レセプトの作成には、処方箋の見方や算定条件など専門的な知識が必要になってきます。必要な知識は経験とともに身についてきますが、未経験の場、覚えるまでがとても大変です。

調剤薬局事務の中でとくに難しい業務ではありますが、経験がものを言う作業です。毎月月末は忙しくなりますが、丁寧に取り組みましょう。

調剤薬局事務の向き不向きの特徴

調剤薬局事務の向き不向きイメージ

調剤薬局事務の仕事内容を把握したところで、仕事をするうえで大切だと感じるポイントをもとに、向き不向きの特徴を説明します。

向いてる人の特徴4つ

調剤薬局事務に向いている人の特徴を解説します。

適切なコミュニケーションが取れる人

調剤薬局は接客業なので、適切なコミュニケーションが取れる人向きです。

調剤薬局では、患者さんを相手にします。患者さんはどこか体調が悪くて来ているので、不機嫌だったり、高齢で理解が乏しかったりするので、一般的な接客業とはちがった難しさがあります。

そのため、コミュニケーション能力をさらに磨きたい人、表情や態度からも相手の状態を汲み取れる人向きの仕事です。

ミスなく正確に仕事できる人

医療現場はミスをしないことが当たり前の世界なので、正確な作業ができる人向きの仕事です。

取り揃える医薬品のまちがいや数のまちがいは患者さんに害を被りますし、お薬手帳を他の患者さんに渡してしまった場合、個人情報の漏洩となる可能性があります。

調剤責任は薬剤師が負うため、最後に薬剤師が監査業務を行いますが、薬剤師も人間なのでミスを見逃してしまうこともあります。

「最後に薬剤師が確認してくれるから…」と人を当てにしないことが大切です。

普段からミスが少ない人、失敗を教訓に変えられる人向きの仕事であるといえます。

柔軟に対応できる人

調剤薬局では患者さんからさまざまな要望がくるので、柔軟な対応ができる人向きの仕事です。

例えば、

「薬の種類が増えて管理が大変だから一包化してほしい。」

「便秘の薬は調節して飲んでるから、たくさん余ってて要らない。」

などです。

実際にこれらの対応をするのは薬剤師になってしまいますが、声をかけられるのは窓口を担当する調剤薬局事務です。患者さんの要望に応えるために時間が必要になるときは、患者さんにその旨を伝え理解を得られるような対応が望まれます。

また在庫を切らしてしまった場合は、近隣の薬局に借りに行ったり、入荷次第、患者宅に届けに行ったりします。

何か作業をしているときに頼まれるかもしれないので、優先順位を考え、柔軟に対応できる人向きでしょう。

細かい作業が苦でない人

調剤薬局事務は細かい作業が苦にならない人向きの仕事です。

調剤薬局は、薬剤師のサポート業務など手先を使う作業が多いです。例えば、医薬品を取り揃える時に、1枚のシートから必要な分を切り取る作業がありますが、不器用な人は苦痛に感じると思います。

レセプト業務は多くの情報をパソコンに正確に入力する作業で、患者さんごとに作成するので、細かい作業なうえに量も多いです。他にも、患者さんが分かりやすいよう朝・昼・夕で色分けをする作業など、手先の器用さが求められることがたくさんあります。

そのため、調剤薬局事務は細かい作業に黙々と取り組める人向きの仕事といえます。

 不向きな人の特徴4つ

調剤薬局事務に不向きな人の特徴を解説します。

 オシャレを楽しみたい人(髪型・ネイル・ピアス)

髪色を派手にしたい人やネイルを楽しみたい人は調剤薬局は不向きな職場です。

患者さんには、小さいお子さんから高齢者までいるので、見た目が派手すぎると年齢層によっては印象が悪く見えたり、信頼関係が得られなくなったりする可能性があります。医療従事者にとって、信頼関係はとても大切になってくるので、身だしなみはとても重要です。

ネイルやピアスは異物混入にもつながるので禁止です。

身だしなみに関するルールは、調剤薬局によって異なるので一概には言えませんが、基本的には明るすぎない茶髪はOK、ネイル・長い爪はNGです。

身だしなみの規則にも理由があるので、どうしてもオシャレがしたい人には不向きです。

連休がほしい人

調剤薬局で働いている人は、休日が隔日のことが多いので、連続で休みたい人には不向きです。

調剤薬局は近隣の医療機関の勤務時間に合わせて営業しているためです。

また、大手薬局と中小薬局でも違いますし、同じ薬局でも店舗によって異なります。土日休みが当たり前だった人には、1日ずつの休みだと休んだ気がしないかもしれません。

ゴールデンウィークやお盆なども近隣の医療機関に合わせて休むので、大型連休は連続で休める可能性は高いです。

普段から休日は2連休がいいという人には不向きです。

少人数の環境が苦手な人

ほとんどの調剤薬局は小規模で、調剤薬局事務の方は少人数で働くことになります。調剤薬局は働くスペースが限られており、働いている間はずっと調剤室にいます。そのため人間関係も狭くなるので、コミュニケーションをとるのが苦手な人には不向きな環境です。

例えば、人間関係が悪化した時に、少人数であるために気まずい空気に巻き込まれることがあるかもしれません。そういった状況を気にせずに仕事ができる人なら問題ありませんが、その雰囲気にストレスを感じる人は仕事がしにくく感じます。

調剤薬局は狭い人間関係になるので、人との関わりが苦手な人、ストレスを感じやすい人には不向きな職場になるでしょう。

覚えることが苦手な人

調剤薬局事務の仕事は覚えることが多いため、覚えることが苦手な人には不向きです。

仕事内容に加え、医療保険制度や調剤報酬の仕組み、医薬品の名前も覚えなければなりません。

医薬品に関しては、よく使われるものはどこの調剤薬局でもあるので、はじめによく出る医薬品を覚えてしまえば問題ありません。

しかし、医療保険制度や調剤報酬の知識は、レセプト作成にも関わってきます。レセプトの作成は知識がないと難しいですし、間違いにも気づけないでしょう。そのため、覚えることが苦手な人には厳しい業務となります。

医療に関する知識や医薬品の知識は経験とともに身についてきますが、物事を覚えるのが苦手で、何か覚えると他のことを忘れてしまうレベルの人には厳しいです。調剤薬局事務は不向きと言えます。

調剤薬局で働きたい人におすすめの資格

調剤薬局事務におすすめの資格イメージ

調剤薬局事務に資格は必須ではありません。そのため資格よりも経験値が優遇されます。

未経験の場合は、資格を取って基礎知識を身につけたほうが働きはじめの負担が軽くなるのは間違いありません。

そこで、調剤薬局事務に活かせるおすすめの資格を簡単に紹介します。

【登録販売者】

医薬品の基礎知識から作用、適正使用、法規など医薬品のこと全般を学べます。厚生労働省が認める公的資格であり、合格率も40~50%と低いので、取得していれば就職活動でもアピールポイントになります。

また、一般用医薬品の第2類、第3類の医薬品を販売できるので、就職の幅が広がるのでおすすめです。この資格は薬学の知識を蓄えたい人向きです。

【調剤事務管理士】

法規(医療保険制度、公費負担医療制度など)、保険請求事務、薬学に関して学べます。筆記試験とレセプト作成の実技試験があり、合格率は60%です。

この資格は、調剤薬局事務に必要な基礎知識とレセプトの技能を身につけたい人向きの資格です。

【調剤事務実務士】

医療保険制度や薬学の知識に加え、算定や接遇についても学べます。調剤事務管理士の試験と同様に、筆記試験とレセプト作成の実技試験があり、合格率は60%です。

調剤事務管理士の試験内容との違いは、実務に関する接遇や算定の内容が含まれることです。実務の知識も身につけたい人向きの資格です。

ここでは紹介していませんが、資格によっては講座を受講し、受験資格を得なければならないものもあります。そういった条件にも注意し、自分が学びたい内容に合わせて資格を選んで、勉強してみてください。

 調剤薬局事務の向き不向きの特徴から自分の適性を知り、未経験でもチャレンジしてみよう!

未経験からのチャレンジイメージ

この記事では

・調剤薬局事務の仕事内容

・向き不向きの特徴

・調剤薬局で働きたい人におすすめの資格

について解説しました。

調剤薬局事務は、事務仕事の他に、薬剤師のサポートも行うので仕事の幅が広く、覚えることが多いです。未経験の場合、慣れるまでが大変ですが、保険制度や調剤報酬、医薬品の知識は仕事をしているうちに身についてきます。

向き不向きの特徴を見て、調剤薬局向きかもと思った方、不向きではなさそうで、スキルアップしたいという方は、ぜひ調剤薬局事務の仕事に挑戦してみてください。

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