投稿日：2024年5月30日 | 更新日：2024年05月30日

「調剤薬局事務の資格にはどのようなものがあるの？」
「試験の内容について、独学でも取れるのか分からないから難易度を知りたい！」
「どの試験が難しいのか分からないから、ランキングで教えてほしい！」

などの悩みや疑問があるのではないでしょうか？

調剤薬局事務の資格を取得しようとすると、種類や難易度が様々ですので、どの試験を受けるべきか迷いますよね。

ですので、本記事では

• 調剤薬局事務の資格の種類と取り方
• 調剤薬局事務の資格の難易度
• 調剤薬局事務の資格は独学でも取れるのか

などについて紹介します。

本記事を見れば、調剤薬局事務に向いている資格や難易度について分かるようになりますので、ぜひ参考にしてください。

それでは見ていきましょう。

調剤薬局事務資格の内容について紹介

調剤薬局事務資格の内容について以下の4点を紹介します。

• 調剤薬局事務の資格は必要か？
• 調剤薬局事務の資格は独学でも取れるのか？
• 調剤薬局事務の資格は難しいのか？
• 調剤薬局事務の資格を取得するメリット

調剤薬局事務の資格は必要か？

調剤薬局事務で働くために資格は必ずしも必要ではありません。

調剤薬局事務は未経験でも働ける仕事であり、経験や資格がなくても応募できる求人があります。

また、薬局全体の数も右肩上がりとなっており、2022年には約61,000施設となっていることからも、調剤薬局事務は就きやすい仕事といえます。
（出典：薬局薬剤師に関する基礎資料（概要）|　厚生労働省）

しかし、未経験から調剤薬局事務で働く場合、何かしらの調剤薬局事務に関する資格を持っている方が有利になります。

資格の中には毎月開催されているものもありますので、余裕があるなら取っておいた方が良いでしょう。

調剤薬局事務の資格は独学でも取れるのか？

調剤薬局事務の資格は独学でも取ることができますが、特定の講座を受講しなければ受験できない資格もあります。

以下の資格は独学での取得が可能です。

• 調剤薬局事務検定
• 調剤事務管理士
• 調剤報酬請求事務専門士

独学での受験は可能ですが、好みに合わせて講座の受講やeラーニングなどで学べることもあります。

一方、以下の資格は独学では取得できず、特定の講座を受講しなければいけません。

• 調剤報酬請求事務技能認定
• 調剤薬局事務資格
• 調剤事務実務士
• 医療保険調剤報酬事務士

講座の種類は複数ありますが、講座受講料が別途必要ですので費用が高くなりがちです。

おおよそですが、2～3万ほどは考えておいた方が無難です。

調剤薬局事務の資格は難しいのか？

調剤薬局事務の資格は決して難しくありません。

民間の資格でありますので、資格の種類によって難易度は上下しますが、全体的に合格率は50％を超えるようになっています。

特に、講座を受講する資格は合格率が9割に近いですので、ほぼ合格できると考えて良いでしょう。

しかし、容易な資格よりは、難易度が高い資格を頑張って取得した方が、就職や転職の際に活きるのでおすすめです。

調剤薬局事務の資格を取得するメリット

調剤薬局事務の資格を取得する1番のメリットは就職や転職の際に有利になることですが、他には以下のようなメリットもあります。

• 即戦力として働くことができる
• 自信をもって就職や転職活動に臨むことができる
• 収入アップにつながる可能性がある

即戦力として働くことができる

調剤薬局事務に未経験でなりますと、なかなか本格的な仕事に携われないことがあります。

調剤薬局事務の仕事の中には、レセプト作成やデータ入力のような専門的な作業も含まれます。

知識がないとすぐにはできるようになりませんので、最初は清掃や他の人のサポートなど、雑務がメインとなるかもしれません。

しかし、資格試験にはレセプト作成のような実践的な問題も含まれますので、資格を取得することで早い段階で一人前の仕事ができるようになります。

自信をもって就職や転職活動に臨むことができる

資格が就職や転職に活きるのは、スキルや能力の証明だけではありません。

資格を取得することで自信につながりますので、面接で堂々した自己アピールができます。

実務に入ってからも、何も知らない状態ですと不安な気持ちで仕事をすることになりますが、ある程度の前提知識があれば違う対応ができるでしょう。

資格取得を目指すことで身に付いた知識は、スムーズな仕事に結びつきます。

収入アップにつながる可能性がある

就職先によっては、特定の資格を保有していることが昇進や昇給の条件にしていることもあります。

資格手当などもありますので、就職先を調べたうえで役に立ちそうな資格を取得することは大いに役立ちます。

また、同僚や上司からの評価につながる可能性もありますので、資格を持っていることは給料アップに十分貢献します。

調剤薬局事務資格7つの難易度ランキングと合格率

調剤薬局事務資格の難易度ランキングと合格率は以下のようになります。

調剤薬局事務資格の合格率は高めとなっており、おおよそ合格率70％以上が基本となっています。

合格率が90％以上のものもありますので、金銭面・時間的に問題がなければ独学でもスムーズに資格は取得できます。

ただし、「開催時期」「費用」「受験方法」などで、人によっては難しいことも考えられますので、しっかりと試験の詳細を把握したうえで受験すると良いでしょう。

調剤報酬請求事務専門士

調剤報酬請求事務専門士は、調剤薬局事務の中では難しい資格となっています。

試験も年に2回しか行われておらず、1級に関しては合格率が約20％と低いです。

しかし、併願も可能ですし、級が変わっても内容が似ているのが特徴となっています。

3級から順番にスキルアップを目指すような人におすすめの資格です。

調剤事務管理士

調剤事務管理士の合格率は約60％となっており、試験も毎月開催されていますので、万が一の場合も再受験しやすいです。

独学での自宅受験も可能ですので、受験しやすい資格といえます。

試験はマークシート形式で実施され、学科試験が10問とレセプト作成に関する実技試験が2問出題されます。

調剤薬局事務資格の中では難しめですが、しっかりと勉強すれば独学でも十分に合格可能です。

調剤事務実務士

調剤事務実務士は調剤報酬請求の知識に加え、薬学や医療保険制度、待遇マナーなど幅広く学べる資格となっています。

合格率は約60％となっており、難易度は決して低くはないものの、勉強すれば十分に取得することは可能でしょう。

しかし、調剤事務実務士の資格を受験するためには「教育指定校および団体受験」が条件となっています。

そのため、受験するためには教育指定校に通うことがほぼ必須となりますが、その分資格の信頼性も高くなります。

調剤報酬請求事務技能認定

調剤報酬請求事務技能認定は、三肢択一式による学科試験と、明細書の作成に関する実技試験によって構成されています。

合格ラインは正答率90％以上と、一見難易度が高く感じますが、合格率は約70％と受かりやすいです。

ただし、試験を受験するためには指定の講座を受講しなければいけませんので、ある程度まとまった時間が必要です。

医療保険調剤報酬事務士

医療保険調剤報酬事務士は合格率が約80～90％であり、難易度が低く感じますが注意が必要です。

医療保険調剤報酬事務士を受験するためには、「医療保険学院」の講座を受講し、中間試験に3回合格しなければいけません。

そのため、修了検定試験に至らなかった人を考慮すると、資格取得の難易度はやや難しい可能性があります。

通信講座を2～3ヶ月受講すること、講座費が33,000円必要なことなどから、受験するのが難しい人もいるでしょう。

しかし、受講期間が長い分、しっかりとした調剤薬局事務に関する知識を蓄えることができます。

調剤薬局事務資格

調剤薬局事務資格は特定の講座を受講することで受けられる資格です。

調剤報酬の算定に関する基礎知識・算定方法、明細書作成などの学科と実技が試験内容となり、マークシートで実施されます。

得点率が約70％以上で合格かつ、会場受験・自宅受験ともにテキストや問題集の持ち込みが可能となっています。

そのため、試験合格率が約90％と、難易度は低めの試験です。

調剤薬局事務検定

調剤薬局事務検定は2018年に始まった新しい資格です。

学科試験がマークシート方式、実技試験は調剤報酬明細書の作成を行います。

調剤薬局事務資格同様に、合格率は90％ほどと取得難易度は低いです。

また、独学での受験も可能となっていますので、初めての調剤薬局事務に関する資格としても良いでしょう。

調剤薬局事務資格の選び方3選

調剤薬局事務資格のランキングを紹介しましたが、どれがいいか分からないこともあるでしょう。

資格取得を検討されている人なら、1つの資格に頼らず複数受験することも選択肢に入れておくと良いです。

そのうえで、下記のことを参考にしてください。

• 就職や転職に活かせるか
• 受験条件を満たすことはできるか
• 試験日に問題はないか

就職や転職に活かせるか

調剤薬局事務の資格を受験する際、就職や転職に活かせるかを考えることが重要です。

資格は取得しただけでは意味がありませんので、所持することの価値も考えておくようにしましょう。

この時、以下の方法で選ぶことをおすすめします。

• 調剤薬局事務の募集要項を見てみる
• 取得難易度の高い資格にする
• 知名度のある資格にする

一般的に、取得難易度が高く知名度があるのは「調剤報酬請求事務専門士」や「調剤事務管理士」などですが、募集要項もチェックしましょう。

特定の資格を優遇していることもありますので、臨機応変に対応できると良いです。

受験資格を満たすことはできるか

• 調剤薬局事務検定試験
• 調剤事務管理士
• 調剤報酬請求事務専門士

上記の資格は独学での受験が認められていますが、中には講座の受講や通学が強制されるものもあります。

特に、通学となりますと、住んでいる地域によっては大きな負担となることも考えられます。

資格取得に要する時間や費用などから、無理のない範囲での受験が理想です。

試験日に問題はないか

試験日についても考えるようにしましょう。

たとえば「調剤事務管理士」は毎月試験が実施されていますが、「調剤報酬請求事務専門士」は年に2回しか試験がありません。

また、「調剤報酬請求事務専門士」は土曜日にしか試験が実施されませんので、曜日のことも考えておくべきです。

せっかく試験の勉強や講座の受講をしたのに、試験当日に都合が合わないと意味がありませんので、試験日のチェックは必ずしておくと良いでしょう。

調剤薬局事務資格の取り方3選

次に、調剤薬局事務資格の取り方3選について、メリット・デメリットを紹介します。

独学のメリット・デメリットについて

独学には以下のような人が向いています。

• できるだけ負担を少なく資格を取得したい人
• 自分のペースで勉強したい人
• 隙間時間や移動時間を有効的に活用したい人

独学のメリットとしては、費用が安く済むところです。

必要な費用は教材費と受験料くらいですので、1万円もせずに資格を取得できます。

また、隙間時間を使った試験勉強がしやすいのも利点でしょう。

しかし、スケジュール管理や自己管理が難しいのはデメリットとなります。

通信講座のメリット・デメリットについて

通信講座に向いている人は以下のようになります。

• 効率良く学習したい人
• カリキュラムやスケジュール管理があったほうが良い人
• 必要最低限のサポートは欲しい人

通信講座のメリットしては、学習のサポートや道筋が決まっていることです。

学び方をすべて自分で決める必要はありませんので、不必要に悩むこともありません。

また、講座によっては質問対応をしているところもありますので、悩みも解決しやすくなります。

しかし、独学よりは費用が高くなることや、ある程度学び方が制限されるのはデメリットとなるでしょう。

通学のメリット・デメリットについて

通学に向いてる人は以下のようになります。

• 対面で講義を聞いたり質問したい人
• 他の受講生と一緒に頑張りたい人

通学の場合、同じような目標に向かって頑張っている他の受講生と勉強することができるため、高いモチベーションを維持しやすいのが特徴です。

また、講師に質問することや、分からないことを相談しやすいのも対面ならではのメリットでしょう。

しかし、他の学習方法よりも費用が高額であり、通学の時間も取る必要があります。

学校や仕事と同じように、通学するためにスケジュールを合わせる必要がデメリットとなります。

調剤薬局事務と一緒に取りたい資格について

ここまで調剤薬局事務の資格について紹介してきましたが、他にも検討すべき資格があります。

優先順位は低くなりますが、活躍の場やキャリアの幅を広げることにつながりますので、余裕があれば以下の2つを検討してみてください。

• 登録販売者
• 医療事務

登録販売者の資格について

調剤薬局で働くためには、薬剤師・登録販売者・調剤薬局事務のいずれかになる必要があります。

登録販売者は公的な資格であり、取得することで一般医薬品の2類と3類を取り扱えるようになります。

また、登録販売者は調剤薬局だけに限らず、コンビニエンスストアやドラックストア、大型スーパーマーケットなどで働けるのもポイントです。

登録販売者の資格を取ることで、就職や待遇面で有利になります。

医療事務の資格について

もう1つは医療事務の資格です。

同じ事務系の資格ではありますが、就職先に以下のような違いがあります。

• 調剤薬局事務：薬局や調剤薬局など
• 医療事務：病院やクリニックなど

調剤薬局事務は薬局や調剤薬局で働くのが基本ですが、医療事務は病院やクリニックで働きます。

つまり、両方の資格を持っていたら、どちらでも働けるということです。

また、医療事務の資格は調剤薬局事務よりもやや難しいですが、資格の中では容易に取得することができます。

関連法規やレセプト作成など、関連する仕事も多いので、医療事務の資格を取得するメリットは十分にあります。

調剤薬局事務資格の難易度とランキングについてのまとめ

本記事では、調剤薬局事務の7つの資格について難易度や合格率をランキング形式で紹介しました。

結論、調剤薬局事務の資格は種類がたくさんありますが、受験条件や試験の内容を調べて、自分の目的に応じた資格を取るのが1番です。

特に、調剤薬局事務の資格を検討される場合は以下のことに気を付けましょう。

• 独学や通信講座などの勉強方法
• 年間を通して試験日はどれだけあるか
• 試験で勉強したことが仕事や就職、転職に活かせるのか

また、1つの資格にこだわる必要はありませんので、取れそうな資格からどんどん取っていくのも自信につながります。

調剤薬局事務は未経験でも就職することができますが、資格を持っていた方が確実に有利ですので、余裕があれば取得を目指しましょう。

仕事に携わってからもスムーズに対応できるようになりますよ。