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投稿日:2023年9月14日 | 更新日:2024年03月14日
この記事を監修した専門家
「aws」に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
今回はAWSの代表的なサービスやメリットなどを初心者向けにわかりやすく解説します。
おすすめの認定資格なども紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
AWSとは?初心者向けにわかりやすく解説
AWSとは「Amazon Web Services」の略称であり、クラウドサービスの1つです。
このサービスは、Amazon.com社の子会社であるAmazon Web Services(AWS)社が運営しています。
クラウドサービスとは、様々な機能をインターネット上で提供するサービスを指します。
つまりAWSを利用すれば、コンピュータ(Windows、linux など)はもちろん、データベース(MySQL、Oracleなど)といった機能を、インターネット経由で必要な分だけ利用可能です。
クラウドサービスを提供している代表的な会社は次のとおりです。
- AWS社 Amazon Web Services
- Microsoft社 Azure
- Google社 Google Cloud Platform(GCP)
- Alibaba社 Alibaba Cloud
- Oracle社 Oracle Cloud Infrastructure(OCI)
このような会社の中でも、Amazon Web Servicesは突出したシェアを有しています。
AWSができること
AWSが提供している代表的なサービスは次のとおりです。
- 仮想コンピューティング (EC2など)
- ネットワーク(VPN・route53など)
- データベース (Aurora・DynamoDB・RDSなど)
- データストレージ (S3など)
- プログラム実行環境 (Lambdaなど)
- AI(Amazon A2I・Amazon SageMakerなど)
- その他 (AIやIoT関連のサービスなど)
仮想コンピューティング(EC2など)
できることの1つ目は仮想コンピューティングです。
仮想コンピューティングとは、1台の物理的なコンピュータを仮想的に複数のコンピュータとして実行するサービスを指します。
AWSでは主に「Amazon EC2」というサービスが該当します。
EC2は、WindowsやlinuxなどのOSから必要なものを自由に選択可能です。
さらに地理的に複数の異なる場所(リージョン)に配置可能となっているため、ある地域で障害が発生しても、その影響を受けず継続的に動作可能です。
ネットワーク(VPN・Route53など)
できることの2つ目はネットワーク関連です。
AWSはネットワーク関連のサービスも充実しています。主な提供サービスは次のとおりです。
サービス名 | 概要 |
Amazon Virtual Private Cloud(VPC) | リソースの配置、接続性、セキュリティなど、仮想ネットワーク環境を制御する |
Elastic Load Balancing | ネットワークトラフィックを配信して、アプリケーションのスケーラビリティを向上するロードバランサー |
Amazon Route 53 | ユーザーリクエストをAWSまたはオンプレミスで実行されているインターネットアプリケーションに接続する |
AWS VPN | AWS上とオンプレミスネットワーク内の両方のリソースに安全にアクセスする |
AWSは世界でも厳しいセキュリティ要件を実現できるように設計されています。
そのため、信頼性が高く安全なネットワーク環境を構築できます。
データベース(Aurora・DynamoDB・RDSなど)
できることの3つ目はデータベース関連です。
データベースとは、アプリケーションで使用するデータなどを管理するソフトウェアです。
主なサービスは次のとおりです。
サービス名 | 概要 |
Amazon Aurora | MySQL および PostgreSQL との完全な互換性をもつ |
Amazon DynamoDB | 1桁ミリ秒単位のパフォーマンスを実現可能なNoSQL型のデータベースサービス |
Amazon RDS | MySQLやOracleなど7つの人気エンジンから選択可能なマネージド型データベースサービス |
その他にもJSONドキュメントデータベースサービスである「Amazon DocumentDB」や、Webサイト高速化に有用な「Amazon ElastiCache」というキャッシュサービスなど、幅広い目的や用途に合わせて、柔軟にサービスを選択できるようになっています。
データストレージ(Amazon S3・AWS Backupなど)
できることの4つ目はデータストレージ関連です。
データストレージとは、ファイルやデータなどを保存できるサービスです。
AWSが提供する主なストレージサービスは次のとおりです。
サービス名 | 概要 |
Amazon S3 | 99.999999999%のデータ耐久性と高いコストパフォーマンスが特徴 |
Amazon Elastic File System | 管理や運用を必要とせずに自動的にサイズアップ・ダウンが可能。EC2などと合わせて利用する |
AWS Backup | AWSサービスで利用する主要データに対して一元的なバックアップおよびリストアが可能 |
なお、AWSはWindows Server上の共有ストレージである「Amazon FSx for Windows File Server」や高速キャッシュサービスである「Amazon File Cache」なども提供しています。
プログラム実行環境(Lambdaなど)
できることの5つ目はプログラム実行環境の提供です。
プログラム実行環境とは、主にサーバーレス(サーバーを必要としないアプリケーション基盤)関連のサービスを指します。
具体的には「AWS Lambda」などが該当します。
これらのサービスを活用すれば、サーバーなどを含むインフラ面の運用を行う必要がありません。
AI(Amazon A2I・Amazon SageMakerなど)
できることの6つ目はAI関連機能です。
AWSが提供するAI関連のサービスを活用すれば、低コストでAI実装を実現可能です。
主なサービスは次のとおりです。
サービス名 | 概要 |
Amazon SageMaker | AIの1種である機械学習に関するモデルを構築・トレーニング・デプロイする |
Amazon Augmented AI (Amazon A2I) | 人によるレビューに必要なワークフローを簡単に構築できる機械学習サービス |
その他(AWS RoboMakerなど)
AWSはその他にもユニークなサービスを豊富に提供しています。
例えば次のとおりです。
サービス名 | 概要 |
AWS RoboMaker | ロボットの開発会社がシミュレーションの実行やスケール(性能調整)および自動化を可能とする |
AWS Ground Station | 衛星通信のコントロールやデータ処理に加えて、衛星運営のスケーリングも可能 |
AWSのメリット
ここではAWSのメリットとして次の4点をわかりやすく解説します。
- すぐに使える
- 使った分だけAWS費用を支払えばよい
- 性能アップ・ダウンが簡単
- インフラ設定をコード化できる
すぐに使える
AWSはWebブラウザのコンソール上で設定するだけで、すぐに利用をスタートできます。
オンプレミスの場合、サーバーの購入やネットワークの敷設などに時間を要してしまいますが、AWSであればビジネスチャンスを逃さずにサービスをリリース可能です。
使った分だけAWS費用を支払えばよい
AWSは初期費用は不要で、自身が利用した分だけ費用を支払います。
そのため、コストダウンが可能です。
代表的なサービスの料金体系は次のとおりです。
サービス名 | 主な料金体系 |
Amazon EC2 | ・時間単位で料金が発生 ※コンピュータ自体の性能なども影響 |
Amazon DynamoDB | ・DynamoDBへの書き込みあるいは読み込み単位で料金が発生 |
Amazon S3 | ・保存したファイルサイズやリクエストごとに料金が発生 |
無駄な費用を支払う必要がない点は、AWSがもつメリットの1つといえます。
性能アップ・ダウンが簡単
AWSはWebブラウザのコンソール上から設定すれば、自由に性能アップやダウンが行えます。
サーバーなど機器の場所へ行く必要がないため、運用に関する負担も軽減できます。
インフラ設定をコード化できる
AWS CloudFormationを利用すれば、EC2やS3サーバーやネットワークなどのインフラ設定をコード化できます。
これにより、手作業によるミスを削減できます。また、環境の再構築やコピーなどが容易に実現可能です。
AWSのデメリット
ここではAWSのデメリットとして、次の2点を解説します。
- 利用量などが多いとAWS料金が高額になることがある
- AWSの設定を誤るとセキュリティ事故につながる
利用量などが多いとAWS料金が高額になることがある
AWSは主に従量課金制を採用しています。
そのため利用量によって高額な料金が発生する恐れがあります。
コストダウンを狙ってAWSへ移行しても、結果的に以前より高い費用を支払わなければならないケースもあります。
実際に個人レベルでも無料利用枠を意図せず超えてしまい、数十~数百万円の請求が発生してしまったという事例も発生しています。
AWSの設定を誤るとセキュリティ事故につながる
AWSは「責任共有モデル」という考え方を採用しています。
わかりやすくいえば、サービスのインフラ部分はAWS社が責任を持ち、各サービスに関する設定はユーザーが責任をもつという考え方です。
そのため、万が一設定を誤ってしまうと機密情報漏えいや個人情報流出など、セキュリティ事故のリスクが伴う点はデメリットといえるでしょう。
AWS関連の認定資格
AWS認定試験の概要は次のとおりです。
認定資格名 | 概要 |
AWS Certified Cloud Practitioner | AWSクラウド、サービス、用語の基礎的かつ高度な理解を持っていることを認定する資格 |
AWS Certified Solutions Architect – Associate | 幅広いAWSのサービスに関する知識とスキルを認定する資格 |
AWS Certified Developer – Associate | AWS のコアサービス、使用、基本的な AWSアーキテクチャのベストプラクティスに関する知識と理解などを認定する資格 |
AWS Certified SysOps Administrator – Associate | AWSでのワークロードのデプロイ、管理、運用の経験を認定する資格 |
AWS Certified Solutions Architect – Professional | 複雑な問題に対する複雑なソリューションの提供、セキュリティ、コスト、パフォーマンスの最適化などを認定する資格 |
AWS Certified DevOps Engineer – Professional | AWSプラットフォーム上の分散アプリケーションシステムのプロビジョニング、運用、管理に関する技術的専門知識を認定する資格 |
AWS Certified Advanced Networking – Specialty | 幅広いAWSのサービスに対応するネットワークアーキテクチャの設計と維持に関する専門知識を認定する資格 |
AWS Certified Data Analytics – Specialty | AWSデータレイクと分析サービスを利用して、データからインサイトを得るための専門知識を認定する資格 |
AWS Certified Database – Specialty | 最適なAWSデータベースソリューションを推奨、設計、維持するための専門知識を認定する資格 |
AWS Certified Machine Learning – Specialty | AIの1種である機械学習 (ML) モデルの構築、トレーニング、チューニングおよびデプロイに関する専門知識を認定する資格 |
AWS Certified Security – Specialty | AWSクラウドにおけるセキュリティソリューションの作成と実装に関する知識を認定する資格 |
AWS Certified: SAP on AWS – Specialty | AWSでのSAPワークロードの設計、実装、移行、および運用に関する専門知識を認定する資格 |
まとめ
今回はAWSの概要やメリット・デメリットなどを初心者に向けてわかりやすく解説しました。
AWSはすでに様々な会社や組織が活用しています。
また、開発現場においてもAWSを用いた案件が増加しているのです。
そのためITエンジニアにとっては習得しておくべきスキルの1つになりつつあるといえるでしょう。
興味がある人はAWS認定資格の取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。