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投稿日:2024年7月30日 | 更新日:2024年07月30日
衛生管理者の試験対策では、基本的に過去問を繰り返し解くことが推奨されています。
しかし、それだけでは衛生管理者試験本番になって「問題が難しい」「問題が過去問と違う」と感じる人も多いとのこと。
なぜ問題が過去問と違うと感じるのか、そして過去問だけでは合格が難しい場合があるのか、今回はその理由と、確実に合格するにあたり、よりよい学習方法についてご紹介します。
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衛生管理者について
衛生管理者とは
衛生管理者とは、いわば労働者の安全を守る専門家です。
常時50名以上雇用している事業所では、最低1人以上の衛生管理者の選任が、労働安全衛生法で義務付けられています。
すなわち、企業にとっては必要不可欠な存在であり、資格の保有者は重宝される傾向にあります。
衛生管理者の選任対象
衛生管理者は「第一種衛生管理者」、もしくは「第二種衛生管理者」の試験に合格した人から選任されます。
衛生管理者は国家資格ですが、全国都道府県で年間100回以上実施されており、問題形式も五肢択一のマークシートのみとなっています。
そのため合格率はおよそ40~50%であり、他の国家資格と比べると、合格が容易と言われています。
【第一種】と【第二種の違い】
また、「第一種」と「第二種」では、選任を受けることができる業種が異なります。
詳細としては、「第一種は有害な業務を含むすべての業種」、「第二種は有害業務とは関係のない業種」が対応可能です。
そのため、「第一種」に合格していれば、すべての業種の衛生管理者として活躍することができます。
ただし、難易度や問題数、そして出題科目範囲などが異なるため、注意が必要です。
衛生管理者を取得するメリットは?
衛生管理者は、多くの企業が資格保有者を求めているため、人気の資格の一つです。
また、有効期限などもありませんので、一度取得すれば永久的に履歴書に記載することが可能です。
こちらでは衛生管理者の資格を取得するメリットを3点紹介します。
【衛生管理者を取得するメリット】
①転職が有利になる
常時50名以上雇用している事業所では、必ず衛生管理者を選任しなければいけません。
また、一事業所あたり1名以上の選任であるため、他の事業所との兼任も不可です。
そのため、一定の規模の事業所を多く持っている大企業には、資格の保有者が貴重な存在であり、特に人事・総務周りの業務で活躍したい人にとって転職が有利となります。
②昇格・昇進につながる
人事・総務関係内でキャリアアップを目指すのであれば、取得を推奨したい資格の一つです。
労働環境の整備や健康・安全管理の責任者を務めることができるため、仕事の幅を広げるためにも必要不可欠です。
また、受験にあたり性別や雇用形態などの制限もないため、新たなフィールドでチャレンジしたい人にもオススメです。
③資格手当が貰える
これは会社の就業規則により異なるかもしれませんが、一定の規模の会社であれば、取得を求められる資格のため、何らかの奨励金が出る可能性があります。
また、業務指示で受験が必要な場合は、テキスト代や講習代を会社で負担してもらえる場合もあります。
衛生管理者試験の合格基準は?
第一種・第二種試験とも、合格定員数はありません。
そのため以下の合格基準を満たした人は全員、資格取得ができます。
衛生管理者試験の合格条件
衛生管理者試験の合格条件は、試験全体の正答率が60%を超えており、なおかつ出題科目すべての正答率が各科目40%以上であることです。
第一種は全問題数が44問の400点満点、第二種は全問題数が30問の300点満点で採点されます。
合格するには最低でも60%以上正解しなければならないため、第一種は240点以上、第二種は180点以上を取得する必要があります。
また、出題科目いずれか一つでも正答率が40%を切っていれば、たとえ全合計の正答率が60%を越えていたとしても不合格になってしまいます。
具体的には下記の表が、対象科目と合格必要点です。
第一種(全44問) | ||||
出題科目 | 問題数 | 配点 | 合格必要点 | |
関係法令(有害業務に係る範囲) | 10問 | 80点 | 32点以上 | |
関係法令(有害業務以外) | 7問 | 70点 | 28点以上 | |
労働衛生(有害業務に係る範囲) | 10問 | 80点 | 32点以上 | |
労働衛生(有害業務以外) | 7問 | 70点 | 28点以上 | |
労働生理 | 10問 | 100点 | 40点以上 |
第二種(全30問) | ||||
出題科目 | 問題数 | 配点 | 合格必要点 | |
関係法令(有害業務以外) | 10問 | 100点 | 40点以上 | |
労働衛生(有害業務以外) | 10問 | 100点 | 40点以上 | |
労働生理 | 10問 | 100点 | 40点以上 |
衛生管理者試験の合格率の推移
試験の問題が過去問と違うと感じやすい理由の一つに、年々衛生管理者試験の難易度が上がっているということが挙げられます。
以下が、過去8年分の第一種・第二種の合格率をまとめた表です。
※実施団体の安全衛生技術試験協会では2022年時点まで公開されています。
【第一種衛生管理者の合格率推移】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 68,066人 | 31,207人 | 45.8% |
2021年 | 68,210人 | 29,113人 | 42.7% |
2020年 | 43,157人 | 18,916人 | 43.8% |
2019年 | 68,498人 | 32,026人 | 46.8% |
2018年 | 67,080人 | 29,631人 | 44.2% |
2017年 | 65,821人 | 29,636人 | 45.0% |
2016年 | 61,500人 | 28,003人 | 45.5% |
2015年 | 55,129人 | 30,587人 | 55.5% |
2015年までは合格率が55%だったのに対し、2016年には10%も合格率が減少しています。
以降、合格率はずっと40%台に留まっています。
【第二種衛生管理者の合格率推移】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 35,199人 | 18,089人 | 51.4% |
2021年 | 36,057人 | 17,922人 | 49.7% |
2020年 | 22,220人 | 11,729人 | 52.8% |
2019年 | 33,559人 | 18,511人 | 55.2% |
2018年 | 32,985人 | 17,271人 | 52.4% |
2017年 | 31,537人 | 17,302人 | 54.9% |
2016年 | 29,186人 | 16,189人 | 55.5% |
2015年 | 25,716人 | 16,983人 | 66.0% |
第二種衛生管理者の合格推移も第一種と同様、減少傾向にあります。
9年前は60%以上の合格率が、2021年では50%を切る事態になっています。
これは2016年以降から、今まで出題されていなかった「メンタルヘルス」や「ストレスチェック」の問題も出題されるようになったことが関係しており、過去問だけではカバーしきれない問題が多くなっているからであると予想されています。
このような問題はテキストの解説に目を通しておくなどして、対策を練っておきましょう。
試験合格の難易度を下げる方法
「第一種」の資格を取りたい人向けですが、試験合格の難易度を下げる方法があります。それは、「第二種」の試験を先に合格することです。
先に「第二種」の試験に合格すると、「第一種」の受験の際、一部科目が免除となります。
これを「特例第一種衛生管理者免許試験」といい、受験科目は「労働衛生(有害業務に係るものに限る)」と「関係法令(有害業務に係るものに限る)」の2科目のみとなります。
まずは勉強科目を絞って「第二種」に合格し、その後に「第一種」の有害業務関係の科目のみを勉強すれば、一回の試験にあたり、少ない時間で合格が可能となります。
ただし、以下の費用・時間がすべて倍近くかかってきますので、注意が必要です。
・衛生管理者試験の受験料6,800円に加えて、書類の送料・手数料など
・同じ勉強時間でも、試験前に集中して勉強する期間
・試験を受けに行く時間、交通費
・第二種、第一種それぞれのテキスト購入費
衛生管理者の試験対策
基本的には、過去問中心に取り組んでいただくだけで問題ありません。
衛生管理者試験は出題範囲が広く、専門用語も膨大なため、市販のテキストを最初から最後まで読んでいると、なかなか取り組むのが大変な試験となっています。
しかし幸いなことに、衛生管理者試験は過去に出た問題の出題傾向が安定しているため、過去問を繰り返し行うことで、出題傾向が把握しやすくなります。
ただし、ここで注意していただきたいのが、「ただ漠然と過去問を解くだけでは合格するのは難しい」ということです。
過去問の丸暗記だけでは、試験本番に「内容が過去問と違う」と感じてしまいやすくなるためです。
あくまで、「問題を解きながら、解説を読んで内容をきちんと理解する」ということを意識して、過去問に取り組んでいきましょう。
衛生管理者試験の効率的な勉強方法は?
衛生管理者試験には足切り点が存在するため、出題範囲すべての科目を勉強する必要があります。
資格取得に必要な勉強時間は、第一種が約100時間、第二種が約60時間と言われています。
少なくとも一日1時間の勉強時間を確保し、2~3ヵ月で試験合格を目指しましょう。
ここでは、おすすめの衛生管理者試験対策を3つ紹介します。
【衛生管理者の主な試験対策】
①薄い最新版のテキストを使い、科目ごとの概略を把握する
いきなり過去問から入っても、問題の内容を理解していなければ、試験本番で戸惑ってしまいます。
また、法改正などがあり、正答が過去問と違う場合があります。
このようなことを避けるためにも、まずは薄い最新版のテキストを使って、最新の大まかな内容を把握しておきましょう。
②一科目ごとに概要把握→問題集に取り組む
第一種、第二種ともに、学ぶべき科目が複数あります。
そのため、一科目ごとに知識が新しいうちに問題を解き、間違ったところは再度解説を読んで、知識を定着させましょう。
③直近5年分の過去問を繰り返し解く
概要と試験問題傾向を把握したら、あとは徹底的に過去問を解きましょう。
直近から5年分を少なくとも3回は解いていただき、間違いやすい個所を重点的に復習しましょう。
過去問と違う問題が出た場合
出題傾向が安定している衛生管理者試験ですが、やはり社会情勢なども考慮されつつ、一定の変形問題は出題されます。
しかし、過去問と違う傾向の問題が出ても、一度飛ばして先に進みましょう。
衛生管理者の試験時間は3時間あるため、後でじっくり考える時間があります。
焦らず最後に解いてください。
合格するための注意点
衛生管理者試験に一発で合格するためには、いくつかの注意点があります。
試験の際は、以下のことに気を付けておきましょう。
①マークミスをしないこと
不合格理由で意外と多いのが、マークミスです。
五肢択一の試験のため、正しくチェックされているか確認が必要です。
②足切り点を取らないこと
各科目の最低正答率は、40%以上と決まっています。
足切りになる可能性を下げるために、頻出する問題の傾向をつかんで、苦手な科目をなくしましょう。
最新の衛生管理者試験対策には通信講座がおすすめ
近年の衛生管理者試験には、時事問題や法改正にまつわる問題も出題傾向にあります。
そのため独学だけでは対応が不安な場合も確かにあります。
そこで、重要なのが教材選びです。
衛生管理者は覚えることが膨大にあるため、市販テキストだと400ページ近くの分厚さになっています。
これでは初めて勉強をする人にとって、問題の頻出ポイントを掴むのに時間がかかってしまう恐れがあります。
そこで今回は、短期間での試験合格に適したおすすめの通信講座をご紹介します。
【おすすめの講座】
①ユーキャン
まずはCMでもなじみ深いユーキャンです。一日30~60分で学習できる内容にまとまっており、忙しい人でもスキマ時間に効率的に勉強が可能です。
試験によく出るポイントをまとめたテキストがあるのも嬉しいところです。
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②アガルート
アガルートは、通信教材の中でも安価で、非常に良いコストパフォーマンスを誇っています。
また、無料で講座を体験できるため、納得して申し込むことができます。
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まとめ:過去問を解きながら試験問題背景を理解すればOK
衛生管理者試験は、年々合格率が低下しております。
特に試験一発合格者は、第一種衛生管理者で20%ほど、第二種衛生管理者で25%ほどと言われています。
しかし、きちんと対策さえしておけば、決して難しい試験ではないのでご安心ください。
まずは大まかでいいので、科目ごとの概要をつかみ、その後、過去問を繰り返し解いて、頻出される問題の傾向を掴みましょう。
頻出問題の傾向を早くつかむこと、そしていかに失点をしないかが、合格への鍵なのです。
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