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投稿日:2024年2月21日 | 更新日:2024年04月22日
フードコーディネーターは、食に関する幅広い知識を活かして食の開発や演出、運営などを担う近年人気がある仕事です。
食に関する知識はもちろん、企画の提案力や関係者とのチームワークも求められます。
しかし、フードコーディネーターの名前は知っていても。
具体的なコーディネートなどの仕事内容までは分からない方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フードコーディネーターの仕事内容と資格の取得方法について解説します。
フードコーディネーターとは?
フードコーディネーターは、食に関する知識を有効活用し、様々な業務を遂行する専門家です。
具体的な業務内容には、企業や飲食店のレシピ作成、料理番組への出演、雑誌などでの料理コーナーでのコラム執筆、食品関連企業のアドバイザー、料理教室の講師、自治体や教育機関と連携しての食育などが含まれ、多岐にわたります。
特別な資格は必須ではありませんが、一般的には調理の専門学校で学ぶか、現場で経験豊富なフードコーディネーターの指導を受けることが一般的です。
近年、フードコーディネーターは注目を集めており、食に関する知識や技術を活かして多岐にわたる分野で活躍することが可能です。
フードコーディネーター と調理師・ 栄養士との 違い
フードコーディネーターは、幅広い食に関する知識を備え、人々に食の楽しみ方やより良い食環境を提供する専門家です。
一方で、調理師は料理の技術と味に焦点を当て、栄養士は食品の栄養学的価値や人体への影響についての専門知識を有しています。
フードコーディネーターは、食品業界で広範な役割を果たし、料理やメニューの開発、食品の調達、イベントやレストランの運営などに従事します。
一方で、栄養士は個別や特定の集団の健康管理や栄養アドバイスを通じて食を提供します。
要するに、フードコーディネーターは「食」を通して商業的な目的で開発や演出、運営を行い、調理師や栄養士は料理の味や栄養、調理そのものに焦点を置いています。
フードコーディネーターの仕事とは?
フードコーディネーターの仕事は、大きく3つに分かれています。
- 食の開発
- 食の演出
- 食の運営
詳しく見ていきましょう。
食の開発
フードコーディネーターは、幅広い食に関する知識を駆使し、さまざまな分野で食品の開発に従事します。
具体的な仕事内容は以下のようなものがあります。
- 食品メーカーの商品開発
- 飲食店や給食サービスのメニュー開発
- 地元産品を活用した自治体や農林水産豪快団体の商品・メニュー開発
- 卸・小売業のPB商品開発
- 家庭向け弁当の開発
- 新しい食のサービスや食べ方の開発
- 食品の販路・顧客の開拓
- 店舗・厨房デザイン
- 観光業の食プログラム
- 新しい教育プログラム・カリキュラム
- 文化的なプログラム
これらの開発活動は、食の魅力を最大限に引き出し、人々が食をより楽しむことができるように促進することを目指しているのです。
食の演出
フードコーディネーターは、食に関する演出を専門的に手がけるプロフェッショナルであり、食品や飲食店に関するパブリシティ制作(メディアの選定・コーディネート、写真撮影に関わるスタイリング・空間コーディネートなど)、食に関する記事の執筆、飲食店の空間コーディネート、イベントの運営、食品の販売方法や陳列手法の提案などを担当します。
フードコーディネーターは、食の演出を通じて、人々に食の楽しさや豊かさを伝える使命を果たします。
食の演出のスキルを磨くことで、より多くの人に喜びを提供できるでしょう。
近年では、テクノロジーを駆使して食の演出を進化させる試みも増加しています。
例えば、ARやVRなどの技術を利用して料理の視覚的な表現を向上させ、料理の解説やストーリーテリングを強化する試みが行われています。
テクノロジーの導入により、食の演出の可能性は一層広がっていくことでしょう。
食の運営
フードコーディネーターは、食に関する運営を専門的に担当するプロフェッショナルであり、レストランや飲食小売業の運営、新しい食のビジネスモデルの開発、料理教室の運営、フードコーディネーター教育・育成スクールの運営、食育プログラムの運営、地産地消プログラムの運営、道の駅や農産物直売所の運営などほぼすべての運営を担当するのです。
食事会においては、料理の提供や食事の進行管理を含みます。
料理の用意や調理、配膳、片付けなど、食事会を円滑に進めるために必要な業務全般を一手に引き受けます。
これらの運営活動は、食の魅力を最大限に引き出し、人々が食をより楽しむことができるようにすることを目指しています。
フードコーディネーターの就職先・活躍の場
フードコーディネーターはどのような活躍の場があるのでしょうか?ここでは2つのシチュエーションについて見ていきます。
・会社に就職した場合
・フリーランスの場合
会社に就職した場合
フードコーディネーターが企業に就職した場合、その活動範囲は幅広いです。
主な就職先は、食品メーカーや飲食店、商社などの食品業界です。
フードコーディネーターは、食に関する知識と技術を生かし、さまざまな分野で活躍することが可能です。
したがって、企業に就職した場合でも、自身のスキルや経験を活かし、さまざまな業務に携わることができるでしょう。
具体的な業務内容には、新しいメニューやレシピの開発、料理番組への出演、食品関連企業のアドバイザー、料理教室の講師などがあります。
また、食に関する知識だけでなく、経営やマーケティング、販売促進など、ビジネス分野の知識も求められます。
フードコーディネーターは、食に携わるさまざまな企業から需要があり、その活躍の場は今後も広がると予想されています。
フリーランスの場合
フードコーディネーターがフリーランスとして活動する場合も、仕事内容は多岐にわたります。
具体的には、料理教室の運営、レシピ本の執筆、テレビ番組への出演、企業や飲食店向けのレシピ考案などがあります。
フリーランスとして働く場合は、自ら仕事を獲得する「交渉力と営業力」が必要です。
食の知識だけでなく、人としての魅力やコミュニケーション能力も身につけることが重要です。
人気のフードコーディネーターは、食に関する知識と技術を活かして、さまざまな分野で活躍することができます。
そのため、フリーランスになった場合でも、自分のスキルや経験を活かして、さまざまな業務を担当する可能性があるでしょう。
フリーランスになると、経営者としての側面も求められます。
経理やマーケティングなどの経営の知識を身につけて、ビジネスを成功させましょう。
フードコーディネーターに資格は必須?
フードコーディネーターになるためには、特別な資格が必須というわけではありません。
ただし、現場でのスキルや知識が不可欠です。
このため、調理の専門学校で学ぶか、実務経験豊富なフードコーディネーターのもとで修行することが一般的です。
こうした学びのプロセスを通じて、必要な知識とスキルを身につけることが期待されます。
また、民間資格の「フードコーディネーター資格」を取得していると、その分野において自身の知識とスキルが証明され、仕事の機会が増えることがあります。
この資格には3級から1級までの段階があり、各段階でのスキルや知識の習熟度を評価します。
フードコーディネーター資格の概要
フードコーディネーター資格は、特定非営利活動法人日本フードコーディネーター協会が認定する民間資格で、食に関する幅広い知識と技術を証明します。
この資格は、食の開発、演出、運営の各分野で活躍することを目指しています。
資格試験は1級から3級まであり、それぞれのスキルの習熟度を測るものです。
3級では「食」に関する基本的な知識、2級では専門的な知識と実践的な企画力、1級ではプロとして活躍するための知識・技術が求められます。
フードコーディネーター資格を取得することで、以下のメリットがあります。
- 食に関する知識や技術を証明することができる
- 就職や転職の際に有利になる
- 独立や企業に役立つ
フードコーディネーター資格は、食に関する仕事に就きたい人や、食に関する知識や技術を身につけたい人にとって、有益な資格といえるでしょう。
フードコーディネーターの資格取得の方法
既述のようにフードコーディネーターには1級から3級まであります。
ここからは、各級に応じた資格取得の方法を解説します。
フードコーディネーター3級
フードコーディネーター3級の資格取得は、特定非営利活動法人日本フードコーディネーター協会が実施する試験に合格することで取得できます。
試験は「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」の4分野に関する知識を問うもので、試験時間は120分、出題数は各分野25問の計100問です。
試験の受験資格は、中学卒業以上です。試験は、コンピューターを利用したCBT方式で行われ、出題範囲は、食材や栄養学、料理の基礎知識などです。
試験対策としては、テキストや問題集を活用して、出題範囲をしっかりと理解しておきましょう。
また、通信講座や過去問を解くことで、実践的な力を身につけることができます。
また、協会が認定する養成施設を修了すると、3級資格認定試験を免除され、認定登録を申請すれば3級資格を付与されます。
フードコーディネーター2級
フードコーディネーター2級の資格を取得するには、以下の手順があります。
① 2級1次試験(6月)
この試験は、フードビジネスに関連する専門知識をテストします。
120分の試験時間内で、「新・フードコーディネーター教本 2級資格認定試験対応テキスト」の範囲から出題されます。
テキストに関して詳しく知りたい方は↓のリンクから移動できます
② 2級2次資格認定講座(8月)
この講座はオンラインで提供され、企画書の基礎と作成のポイントを学びます。
これらの試験と講座を受け、課題を提出した後、2級の知識を習得し、認められた方には、フードコーディネーター2級の資格が認定されます。
なお、受験資格は3級資格認定登録者です。
フードコーディネーター1級
フードコーディネーター1級の資格取得には以下のステップがあります。
① 1次試験(企画書審査)
「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」の分野から1つ選択し、企画書を提出します。締切は毎年9月末です。
② 2次試験(プレゼンテーション・面接)
1次試験で合格した企画書を使ってプレゼンテーションを行い、面接を受けます。
これは2〜3月に行われます。
これらの試験を通過し、課題を提出した後、1級レベルの知識を習得したと認められた方には、資格が認定されます。
なお、受験資格はフードコーディネーター2級資格認定登録者(取得分野に限る)です。
フードコーディネーター試験の難易度・合格率
フードコーディネーター試験の難易度と合格率は次の通りです。
3級
初級レベルで、最近の合格率は約80%前後。
基本的な食に関する知識が求められるため、一定の学習時間で合格を目指すことが可能です。
2級
アシスタントレベルで、合格率は82%から86%。
実務的な食に関する知識やスキルが必要であり、実務経験があれば有利です。
1級
プロフェッショナルレベルで、合格率は22%から48%。
幅広い食に関する知識とスキル、フードコーディネーターとしての倫理観が問われ、しっかりとした学習と実務経験が求められます。
このように、3級から1級へ進むにつれて試験の難易度が上がり、合格率が低下する傾向があります。
試験合格に向けた勉強方法
フードコーディネーター試験の学習方法は以下の通りです。
方法 | 内容 |
公式テキストの利用 | 試験範囲を網羅した公式テキストを日本フード コーディネーター協会が提供しています。テキ ストを使用すれば、基本的な知識を身につける ことが可能です。 |
試験対策講座の受講 | 日本フードコーディネーター協会が提供する試 験対策講座を受講します。この講座では、企画 の組み立てや企画書の基本的な作成方法を学べ ます。 |
企画書の作成 | 企画書の作成に関する書籍を購入し、複数の企 画書を実際に作成してみましょう。企画書の作 成方法に慣れることができます。 |
情報収集 | 日本経済新聞や料理雑誌(『エル・グルメ (EL LE gourmet)』や『料理王国』など)、食の情 報サイトを積極的にチェックしましょう。これ により、自身の知識やセンスを最新のものにア ップデートできます。 |
これらの学習方法を組み合わせ、効果的に勉強を進めることがおすすめです。
資格取得にかかる費用と期間
フードコーディネーターの資格取得にかかる費用と期間は以下の通りです。
3級
試験日は11月頃。一般の受験料は12,000円。
期間は3ヶ月〜6ヶ月程度でしょう。
2級
1次試験は6月頃、2次資格認定講座は8月頃。
費用は専門スクールによりますが、入会金3万円程度と一年間の授業料として42万円程度。
期間は半年から1年程度でしょう。
1級
1次試験(書類審査)は9月末締切、2次試験は2〜3月。費用は専門スクールによりますが、入会金3万円程度と一年間の授業料として42万円程度。
1級の期間は1年以上かかると言われています。
独学でも取得可能?
フードコーディネーターの資格は、独学でも取得可能です。
具体的には、3級に関しては市販のテキストを利用して学習し、合格することができます。
ただし、2級以上に進むと難易度が上がり、独学だけでは合格が難しくなります。
そのため、日本フードコーディネーター協会が提供する対策講座を受講することが合格への近道です。
独学で資格を取得するには、十分な学習意欲と計画性が必要です。3級においては効率的な学習計画により、合格を目指すことが可能です。
なお、フードコーディネーターとしての活動には広範な知識が求められます。
そのため、資格取得は客観的な能力の証明となり、将来の活動において有益です。
フードコーディネーターに求められる人物・向いている人
フードコーディネーターに求められる人物や向いている人は以下のとおりです。
詳しく見ていきましょう。
料理や調理、飲食が好きなことは必須
フードコーディネーターは、広範な食に関する知識とスキルが要求される仕事であり、その核には料理や調理、飲食に対する深い興味と愛情が欠かせません。
まず、料理や調理が好きであることは、新しいレシピの創出や既存のレシピの向上につながります。
同様に、飲食に対する愛好は、食のトレンドを追い求め、消費者の要望に応える斬新なアイデアを生み出すうえでの鍵となります。
加えて、食にかける情熱は、フードコーディネーターが提供するサービスや商品の品質を向上させ、顧客満足度を高めるためにも不可欠です。
そのため、料理や調理、飲食に対する強い好奇心と愛情は、フードコーディネーターにとって必須の資質と言えるでしょう。
食や食材の知識を活かして仕事にしたい人
フードコーディネーターは、広範な「食」にまつわる知識や経験が不可欠な職業であり、その中核には食材の特性や調理法、栄養学に関する深い知識が求められます。
食のトレンドが絶えず変化する中、常に新たな知識を学び続ける必要があります。
さらに、フードコーディネーターは常に最新のトレンドに敏感であり、それを料理や食事会の企画に巧みに取り入れることが期待されるでしょう。
このため、食や食材に関する知識だけでなく、トレンド感覚が欠かせません。
もちろん、料理への愛情やコミュニケーション能力、企画・実行力、プレゼンテーション能力も必要です。
しかし、食や食材に関する豊富な知識とスキルを備えていれば、フードコーディネーターとしての基礎を築くことができます。
従って、食や食材の知識を仕事に活かしたいという熱意を持つ人にとって、フードコーディネーターとしての適性が高いと言えるでしょう。
フードコーディネーターの収入
フードコーディネーターの収入は、その人のスキルレベルや仕事内容により大きく変わります。
平均年収 | 全国で約365万円、地域別では、東京都で約379万円、大阪府で約360万円、北海道で約265万円となっています。 |
企業勤め | 他の職種の社員と同程度の給料となり、経験や実力に応じて昇格すれば給料は徐々に上がっていくでしょう。 |
フリーランス | フリーランスの給料は固定給ではなく、企業から請け負う仕事に対して「報酬」をもらいますが、仕事の量や質によって大きく異なります。 |
平均年収は、200万円〜500万円程度とされています。
これらの情報はあくまで目安であり、具体的な収入は個々の能力や経験、仕事の内容によります。
フードコーディネーターの将来性
フードコーディネーターのキャリアは極めて有望と見込まれています。
フードコーディネーターは食に関する専門家であり、人の生活において「食」が不可欠な要素である限り、その存在価値は続くでしょう。
健康志向や特定のダイエット、食物アレルギーなどのトレンドが拡大する中、個別のニーズに合致した食事提供がますます重要視されています。
ただし、フードコーディネーター志望者が増加している中で、成功するためには独自の強みが不可欠です。
「なぜ自分がこの仕事に向いているのか」という強みを持つことが肝要です。
食に関連する様々な職種が存在し、独立の可能性もあるため、個性的なアプローチや専門性を活かした働き方が求められています。
まとめ
フードコーディネーターは新メニューの開発をはじめ、料理教室の運営、食を紹介するためのパブリシティ製作など幅広い分野に携われる仕事です。
知識を学んでしっかりと経験を積んでいけば、自分のアイデアを活かして自由な活動ができる仕事です。
そのためにも資格を取得しておいた方が選択肢は広がります。
フードコーディネーターに興味を持たれたら、今回の記事を参考にして、働き方や勉強方法などを見つけてください。
\日本フードコーディネーター協会のテキストを見てみる/