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投稿日:2024年2月20日 | 更新日:2024年04月22日
栄養士と管理栄養士の違いについて、疑問をお持ちではありませんか?
実は、同じ職種であっても、「管理」がつくかつかないかで、任される仕事の専門性や内容、範囲、収入、待遇などに大きな違いが生じてしまうのです。
ですから、キャリアアップを目指すためには、それぞれについて詳しく知っておくことが大切。
そこで今回は、栄養士と管理栄養士の違いについて、仕事内容や給料、資格取得方法など、さまざまな角度から比較して徹底解説しますので、ぜひ参考にしてください。
栄養士と管理栄養士はどっちが上?
栄養士と管理栄養士は、どちらも栄養や食に関する専門的な仕事をするための国家資格です。
ただし、それぞれの仕事内容を比較した場合、管理栄養士の仕事の方が、より専門性の高いスキルが必要となります。
栄養士は、健康な人々に対して栄養指導や食生活のサポートなどを行うのが主な仕事です。
それに対して管理栄養士は、健康な人々だけではなく、食事をとるのが困難な傷病者などへの栄養指導や食生活のサポートも行います。
つまり、管理栄養士の方が、より専門性の高いスキルを必要とする仕事内容であり、資格のランクが上になるのです。
栄養士と管理栄養士の仕事にはどんな違いがあるの?
栄養士と管理栄養士の違いを、「就職先」と「仕事内容」の面から解説します。
栄養士よりも管理栄養士の方が、専門性の高いスキルを有しているため、活躍できる場所や仕事内容が多岐にわたります。
では、仕事の違いを具体的に見ていきましょう。
就職先の違いは?
栄養士の主な就職先としては、介護福祉施設・給食施設・保育園・児童養護施設・小学校・一般企業などが多いです。
病院などの医療機関へも就職できますが、患者への指導は管理栄養士が行うため、栄養士の仕事としては、献立作成や調理師としての仕事になります。
管理栄養士の主な就職先としては、栄養士の就職先に加えて、病院などの医療機関や食品メーカーなどの企業、各種研究施設なども多くなってきます。
管理栄養士は、より高度な栄養指導を行う職場や、商品の研究開発を行う職場など、専門的なスキルを必要とする職場への就職が可能なのです。
ただし、仕事内容が多岐にわたるため、働く場所によって求められるスキルが違ってきます。
同じ管理栄養士でも、病院内での仕事と企業での仕事では違いますので、自分が就職したい職場で必要なスキルは何かを知り、徹底的に学びスキルアップさせることが大切です。
仕事内容の違いは?
栄養士と管理栄養士では、仕事でサポートする対象者の範囲が違います。
栄養士が、一般の健康な人のみを対象としているのに対して、管理栄養士は、傷病者など特別な事情がある個人への指導も含まれてきます。
つまり、栄養士と管理栄養士が同じ職場で勤務していたとしても、サポートする対象者が違い、仕事の専門性と範囲に違いが出てくるのです。
例えば、同じ病院内に、管理栄養士と栄養士が在籍している場合、管理栄養士は、医師や看護師と連携して、臨床面から患者の病状に合わせた献立作成や栄養指導などを行うことができます。
しかし、栄養士資格で可能な仕事は、管理栄養士の指示に基づく献立作成や調理になるのです。
また、患者から料金を取り提供する有料サービスの場合は、管理栄養士のみの仕事になります。
栄養士と管理栄養士の給料はどれくらい違いがある?
続いて、栄養士と管理栄養士の違いについて、「給料」の面から解説します。
栄養士よりも管理栄養士の方が、専門性の高いスキルを有しているため、難度の高い仕事に携わることが多くなり、それだけ給料も高くなる傾向があります。
では、給料の違いを具体的に見ていきましょう。
平均月給はどれくらい違いがある?
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、栄養士の月給総支給額は、平均で約26万円(手取り額は20万円前後)と推測されます。
それに対して、管理栄養士の月給総支給額は、平均で約30万円(手取り額は24万円前後)と推測されますので、約4万円程度の違いがあると思われます。
ただし、月給は就職した職場の規模や仕事内容、地域によって違いがありますので、上記の平均月給は、あくまでも一つの目安としてお考えください。
ボーナスはどれくらい違う?
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、栄養士のボーナス支給額は、年間平均で約60万円と推測されます。
それに対して、管理栄養士のボーナス支給額は、年間平均で約80万円と推測されますので、約20万円程度の違いがあると思われます。
栄養士と管理栄養士では、月給に比べてボーナスの方が、違いが大きくなる傾向があるようです。
平均年収はどれくらい違いがある?
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、栄養士の年収(手取り額)は、平均で約300万円と推測されます。
それに対して、管理栄養士の年収(手取り額)は、平均で370万円前後と推測されますので、約70万円程度の違いがあると思われます。
ただし、年収は就職した職場の規模や仕事内容、地域によって違いがありますので、上記の平均年収は、あくまでも一つの目安としてお考えください。
管理栄養士の方が、月給にして約4万円、ボーナスでは年間で約20万円ほど高いと推測されますが、管理栄養士の方が、資格手当の金額が高くなるためです。
職場ごとの給料はどれくらい違うの?
では、職場ごとの給料の違いについても見ておきましょう。
希望する職場が決まっている場合には、ぜひ参考にしてください。
病院で働く場合
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、病院などの医療機関で働く「栄養士」の平均月給は18万~21万円、平均年収は270万~310万円と推測されます。
また、病院などの医療機関で働く「管理栄養士」の平均月給は22万~25万円、平均年収は340万~380万円と推測されます。
病院で働く場合には、規模の大きな総合病院や東京23区など都市部の医療機関に就職した方が、栄養士・管理栄養士とも、平均月給や平均年収が高くなるのか特長です。
また、公認スポーツ管理栄養士や臨床栄養士などの専門資格を有している場合には、仕事の幅がさらに広がるため、その分給料アップが期待できます。
介護福祉施設で働く場合
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、介護福祉施設で働く「栄養士」の平均月給は16万~19万円、平均年収は250万~290万円と推測されます。
また、介護福祉施設で働く「管理栄養士」の平均月給は20万~23万円、平均年収は300万~340万円と推測されます。
介護福祉施設で働く栄養士・管理栄養士の給料は、病院に比べると低いですが、介護福祉施設の求人数は今後さらに増加すると思われますので、給料アップが期待できる職場です。
企業で働く場合
厚生労働省の「令和4年度賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、企業で働く「栄養士」の平均月給は18万~21万円、平均年収は270万~310万円と推測されます。
また、外食や薬品メーカーなどの企業で働く「管理栄養士」の平均月給は22万~25万円、平均年収は340万~380万円と推測されます。
企業で働く場合の給料は、病院とほぼ同じと推測できますが、正社員として就職して実務経験を積むことで、勤続年数に応じた給料アップが期待できるでしょう。
行政機関で働く場合
総務庁の「地方公務員給与実態調査」によると、行政機関で公務員として働く「栄養士」の平均月給は18万~24万円、平均年収は270万~350万円と推測されます。
また、行政機関で公務員として働く「管理栄養士」の平均月給は20万~27万円、平均年収は300万~400万円と推測されます。
公務員として就職するメリットは、勤続年数に応じて昇給されることです。
栄養士と管理栄養士になる資格取得方法の違いは?
次に、栄養士と管理栄養士の資格取得方法の違いについて解説します。
栄養士と管理栄養士は、どちらも栄養や食に関する専門資格であることには変わりないのですが、それぞれ資格を取得するための方法に違いがあるのです。
では、資格取得方法の違いを具体的に見ていきましょう。
栄養士は管理栄養士よりも簡単になれる?
まず初めに、栄養士の資格取得方法についてです。
栄養士になるには、大学や短大、専門学校に通ってキャンパスで勉強しなければなりません。
そして、「栄養士養成課程」を修了することで、資格免許を取得することができます。
栄養士養成課程がある学校(2~4年制)は全国に144校あり、最短2年間で修了可能です。
勉強する科目としては、「栄養指導論」「臨床栄養学」「食品加工学」「献立作成法」「調理実習」など、資格取得のための多くの専門学科があります。
栄養士の資格を取得するのに国家試験はありませんが、必ず「栄養士養成課程」が設置された学校に通う必要があるため、調理師のように独学で資格を取得することはできません。
また、通信制学校や夜間学校には「栄養士養成課程」はないため、資格取得はできません。
したがって、社会人が栄養士の資格取得を目指す場合には、会社を退職して昼間の学校に通うか、夜間の就職先を見つけて、昼間は学校に通う必要があるのです。
最短ルートで管理栄養士になるには?
続いて、管理栄養士の資格取得方法についてです。
管理栄養士になるには、まず、国家試験の受験資格を取得しなければなりません。
国家試験の受験資格を得るには、下記の2通りの取得法があります。
・管理栄養士養成施設(4年制)を卒業する取得法
・栄養士養成施設(2~4年制)を卒業した後、1~3年間の実務経験を積む取得法
受験資格取得のための「管理栄養士養成施設(4年制)」は全国に145校あります。
「栄養士養成施設(2~4年制)」を卒業した後の実務経験については、施設で学んだ年数によって、実務経験を積む年数が決められています。
受験資格を得るには、「養成施設で学んだ年数+実務経験年数=5年」が必要であるため、例えば、養成施設を2年で卒業したとしたら、現場での実務経験を3年積む必要があるのです。
したがって、管理栄養士養成施設を卒業するルートの方が、1年早く国家試験の受験資格を取得しスタンバイすることができます。
どちらにしても、国家試験の受験資格を得るまでには4~5年かかりますし、学費も必要です。
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栄養士と管理栄養士のどっちを取得しておくべき?
栄養士も管理栄養士も、栄養と食の専門家であり、勤務する場所も共通してきますが、より専門性の高いスキルを有する「管理栄養士資格」の方が、仕事の選択肢が広がり、より高い給料も望めるのでおすすめです。
近年、高齢社会の進行に伴う健康志向の高まりを受けて、栄養士の中でも、より高度な専門スキルを有する「管理栄養士」の方が求められるようになってきました。
実際、病院やクリニックなどの医療機関や、食品メーカーや薬品メーカーなどの大手企業、商品開発を行う研究施設などの求人内容を見ると、管理栄養士の方を募集する求人案内が増えています。
特に、医療機関で臨床に関わる仕事を希望する場合には、管理栄養士の資格が役立つでしょう。
ただし、栄養士の資格でも十分活躍できる職場も多くありますので、それぞれの資格のメリット、デメリットを良く考えて、自分が希望する仕事に合う方を目指してください。
まとめ
栄養士と管理栄養士の違いについてまとめておきますと、ポイントは、「仕事でサポートする対象者」と「担当する仕事の専門性」に違いがあることです。
栄養士が、主に一般の健康な人を対象としているのに対して、管理栄養士の方は、傷病者など特別な事情がある個人への指導も含まれてくるため、仕事の専門性と範囲に違いが出てくるのです。
ですから、栄養士と管理栄養士では、同じ職場であっても仕事内容に違いが生じます。
医師と連携して、一人一人に寄り添いながら栄養指導や食事管理をしたいのであれば「管理栄養士」の資格が必要ですし、健康な人を対象にサポートしたいのなら「栄養士」でOKです。
どちらの資格を目指すにしても、今回の記事でお伝えした関連情報をぜひ参考にし、自分にベストな資格を取得できるコースへとお進みください。