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投稿日:2024年2月2日 | 更新日:2024年02月02日
「パティシエになるには製菓衛生師の資格が必要?」
「製菓衛生師の資格を取得するメリットはあるの?」
などの悩みがあるのではないでしょうか?
パティシエを目指したり、スイーツを作れるようになろうとしたりすると、製菓衛生師のことが気になりますよね。
結論、パティシエになるために資格は必要ないです。
しかし、取得するメリットが大きいのも事実です。
そのため、本記事では
- 製菓衛生師の資格について
- 資格を取得する方法
- 資格を取得するメリット
などについて解説します。
本記事を読めば、製菓衛生師の資格について分かるようになりますので、ぜひ最後まで目を通してください。
それでは見ていきましょう。
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製菓衛生師とは?
製菓衛生師とは、製菓衛生師法によって定められた国家資格であり、厚生労働省にも認められています。
和菓子、洋菓子、パンなど、ジャンルを問わず、製菓に関する様々な知識があることを証明することができます。
製菓衛生師は一度取得すると生涯使える資格です。
パティシエやパン職人を目指すなら、製菓衛生師の資格は持っておいて損はないでしょう。
製菓衛生師とパティシエの違いは?
パティシエは職業の一種であり、製菓衛生師は資格の一種です。
製菓衛生師の資格を取ったからパティシエとして働かなければいけないわけではなく、和菓子やパン職人など、働き方は様々です。
製菓衛生師の仕事内容は?
製菓衛生師の仕事は、洋菓子店やパン屋など勤め先によって変わりますが、菓子の製造が主な仕事です。
知識と技術を活かした菓子作りはもちろん、徹底した衛生管理も大切な仕事となります。
また、菓子作りのための下準備や材料選定、新商品の提案開発など、多岐にわたる仕事に携われるのが、製菓衛生師の魅力です。
給与相場は?
製菓衛生師の給与は業種や働く場所によって大きく変わります。
仮にパティシエの場合、厚生労働省の「洋菓子製造、パティシエ_職業紹介」によると、平均給与は344.8万円となっています。
年齢 | 平均給与 |
~19歳 | 256.95万円 |
20~24歳 | 292.17万円 |
25~29歳 | 322.25万円 |
30~34歳 | 361.74万円 |
35~39歳 | 384.4万円 |
40~44歳 | 391.61万円 |
45~49歳 | 389.28万円 |
50~54歳 | 384.25万円 |
55~59歳 | 363.75万円 |
60~64歳 | 291.05万円 |
65~69歳 | 246.41万円 |
70歳~ | 233.15万円 |
年齢別に平均給与を見ると、40~44歳で最も多く、約390万円となります。
全業種での平均給与は461万円となっていますので、パティシエの給与は平均よりも少ないことが分かります。
製菓衛生師の資格を取得することで、キャリアアップを目指すのも良いでしょう。
製菓衛生師になるための方法とは?
受験資格は?
製菓衛生師は誰でも受けられる資格ではなく、下記のいずれかの受験資格を満たす必要があります。
- 都道府県知事が指定する養成施設で1年以上学んだ人※
- 製菓、製パンの現場で実務経験を2年以上積んだ人
※養成施設とは、お菓子作りについて学べる専門学校などを指します。
どちらにもメリット・デメリットがありますので、自分の目的や優先順位に合わせて選ぶと良いでしょう。
専門学校などの養成施設で1年以上学ぶ
メリット
養成施設で学ぶ場合、以下のようなメリットが考えられます。
- 未経験でも、洋菓子・和菓子・パン作りなどの技術を基礎から丁寧に学べる
- お菓子作りの実習だけでなく、製菓理論や販売実習も学べる
- 就職・転職のサポートを受けられる
- 同じ目標を持った仲間と一緒に頑張ることができる
- 昼間・夜間など、学び方に選択肢がある
養成施設で学ぶことで、業界未経験の初心者であっても、基礎から丁寧にお菓子の作り方を学ぶことができます。
養成施設では、製菓衛生師に合格するために必要な教科が網羅されていますので、安心して試験に臨むことができます。
また、学校によっては手厚く試験のサポートをしてもらえたり、模試などの対策も実施してもらえたりしますので、確実に製菓衛生師の資格を取得したい人に向いています。
独学だと一人でつらくなることもありますが、養成施設なら友達や仲間と切磋琢磨できますので、モチベーションも保ちやすいです。
デメリット
養成施設で学ぶには、以下のようなデメリットもあります。
- まとまったお金が必要
- 遠方の学校に通う場合は、一人暮らしをする可能性がある
- 製菓衛生師の資格が確実に取れるか分からない
特に問題になるのが、金銭面です。
養成施設には1~2年間通学することになりますので、負担が増えることは致し方ありません。
また、養成施設は数が限られているため、自宅の近くにない可能性もあります。
その場合は、学校の近辺で一人暮らしをする必要も出てきますので、より負担は大きくなるでしょう。
しかし、養成施設によって、通信や働きながら通えるところもありますし、奨学金を借りるのも一つの方法となります。
製菓衛生師の資格を取得するためには、養成施設で学んだ方が確実です。
お金がないからとあきらめるのではなく、できる限りの選択肢を探すようにしましょう。
きっと、あなたに合った施設が見つかるはずです。
2年以上の実務経験を積む
メリット
実務経験を積むことで、製菓衛生師の受験資格を得ることには、以下のようなメリットがあります。
- 自分でお金を稼ぎながら、同時に学ぶことができる
- 現場経験を積んでいるので、資格を取得すれば即戦力になれる
給料をもらいながら、現場経験を積むことができるのが大きなメリットです。
初心者であっても必ず給料は発生しますので、お金の心配はありません。
現場だからこそ体感できる緊張感のもと、集中して作業をすることができますので、製菓のスキル向上にもつながりやすいです。
また、養成施設に通うことで資格を取得しても、実務経験は一切ない状態ですが、働きながら製菓衛生師となれば、経験も資格も短期間で得ることできますので、即戦力になりやすいというメリットもあります。
デメリット
実務経験を積みながら製菓衛生師の資格取得を目指す場合、以下のようなデメリットがあります。
- 今の現場で扱う分野しか学ぶことができない
- 製菓衛生師の受験資格を得るのに時間がかかることがある
- 仕事と勉強の両立が負担になる
- 自分で就職先を探す必要がある
学校ではありませんので、就業先の店が扱っている分野しか学ぶことができません。
製菓衛生師の資格を取得するためには、幅広いたくさんの知識が必要になりますので、その他の分野は独学で習得するしかありません。
また、パートやアルバイトで働いていた期間が実務経験に含まれないのもデメリットです。
製菓衛生師の資格を受験するためには、原則として週4日以上、1日6時間以上の菓子製造に勤務することが条件となります。
営業や事務などの製菓に直接関係のない仕事も実務経験に含まれませんので、注意が必要です。
その他にも、仕事と製菓衛生師の勉強を両立する必要がありますし、就職先も自分で見つけなければいけません。
学校とは異なり、受験勉強から就転職まで孤独になる可能性があり、ダラダラと時間だけが過ぎていくことも考えられます。
自分で計画を立てて、努力しなければ、いつまで経っても製菓衛生師の資格を取得することができませんので注意が必要です。
製菓衛生師の試験について
試験場所 | 各都道府県 |
受験頻度 | 年に1回 |
受験料 | 試験場所によって異なる ※東京都の場合9,500円 |
試験内容 | 1.衛生法規 2.公衆衛生学 3.栄養学 4.食品学 5.食品衛生学 6.製菓理論 7.製菓実技 |
出題数・出題形式 | 全60問、マークシートによる四肢択一方式 |
合格基準 | 1問10点、6科目で600満点とし、全科目の合計得点が6割以上あること。 ※1科目でも平均得点を大きく下回る場合は不合格なので注意 |
情報引用元:厚生労働省
製菓衛生師の試験は毎年1回、各都道府県で指定された会場で実施されます。
受験料や開催月は都道府県によって異なり、受験料は1万円前後となります。
合格した場合には、受験料のほかに、製菓衛生師免許の登録手数料として5,600円前後が必要になります。
都道府県 | 受験料 | 試験の時期 |
東京都 | 9,500円 | 6月 |
神奈川県 | 9,430円 | 8月 |
大阪府(関西広域連合)※ | 9,400円 | 7月 |
※関西広域連合は滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県で構成されたグループです。
製菓衛生師の試験詳細は年度によって異なりますので、受験を決めたら日程を確認するようにしましょう。
試験内容は全60問のマークシートで実施され、毎年の合格率は60~80%ほどです。
都道府県 | 実施年 | 実受験者数 | 合格率 |
東京都 | 2023年 | 948人 | 67.2% |
2022年 | 774人 | 73.0% | |
神奈川県 | 2022年 | 226人 | 42.0% |
2019年 | 354人 | 60.5% | |
2018年 | 357人 | 87.4% | |
関西広域連合(※) | 2022年 | 1,539人 | 81.3% |
2019年 | 1,429人 | 79.7% | |
2018年 | 1,629人 | 87.3% |
決して合格率が低いわけではありませんが、製菓衛生師の試験は年に1回しか受けることができませんので、確実に合格できる状態で挑むのが理想です。
製菓衛生師の資格を取得するメリットは?
信頼や自信の獲得
製菓衛生師は国家資格ですので、パティシエやパン職人として働く際の信頼につながります。
そのため、職場でも商品開発を任されるなど、活躍の幅が広がる可能性が高いでしょう。
また、製菓衛生師の資格を取得することで自信をもって働けるようになります。
資格がない初心者ですと、どうしてもプロとしての意識を持つことが難しいということもあります。
製菓衛生師となることでプロとして自覚し、ケーキ作りやパン作りに対し、より責任をもって接することができるようになるでしょう。
就職や転職で有利になる
パティシエとして就職や転職をする際に、製菓衛生師の資格を持っていると採用されやすくなります。
お店によっては製菓衛生師の資格所有者に手当を支給しているところもあり、給与や賞与のアップが期待できます。
また、食文化や栄養学、食品学といった様々な知識が身に着きますので、職場の同僚や先輩からも一目置かれる存在になれます。
自分のお店を開業する際に役立つ
自分のお店を開業するためには、「食品衛生責任者」という資格が必要になります。
本来は講習を受けて「食品衛生責任者」の資格を取得しますが、製菓衛生師の資格があれば講習を受けることなく、資格を得ることができます。
そのため、スムーズにお店を開業することができますので、スケジュールを管理しやすくなるメリットも考えられます。
海外でパティシエとして働きやすくなる
海外でパティシエとして働くためには、「就労ビザ」を取る必要があります。
就労ビザを取得する条件は国によって差があるものの、専門性や技術力が問われます。
つまり、「この人が自国で働くことで価値は生まれるのか?」「この人の専門知識が自国の利益につながるのか?」などが重視されます。
このとき、製菓衛生師のような専門性が高い国家資格を持っていると、非常に有利になります。
就労ビザを持っていないまま海外で働くと違法となり、最悪の場合、国外追放される可能性もあります。
せっかく海外で働きたいと思っても就労ビザが取れなければ意味がありませんので、製菓衛生師の資格は十分に役立ちます。
指導者として働きやすくなる
パティシエとして経験を積んだ後、専門学校で講師として働きたくなることも考えられます。
学校によっては応募要件に製菓衛生師の資格を求めているところもあります。
将来的な選択肢を広げるためにも、製菓衛生師の資格を持っておいて損はないでしょう。
製菓衛生師の資格を取得しよう
本記事では、製菓衛生師について、資格を取得するメリットや試験内容について紹介しました。
結論、パティシエやパン職人として働くために製菓衛生師の資格は必ず必要というわけではありません。
しかし、製菓衛生師の資格を所有することで、海外で働きやすくなったり、開業しやすくなったりするなど、将来の選択肢を広げることにつながります。
また、養成施設を卒業したばかりの新卒者にとっても、製菓衛生師となることで就職を有利に進められるなど、メリットは多いです。
養成施設なら短くて1年、現場での経験でも2年で製菓衛生師を受験することができ、生涯にわたって所有できますので、取っておいて損はありません。
特に、これからパティシエやパン職人としてスタートを切る若い人たちなら、時間もやる気も大いにあるはずです。
自分の将来をより良いものにするためにも、製菓衛生師の資格に挑んでみてはどうでしょうか?
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