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投稿日:2024年7月24日 | 更新日:2024年07月24日
この記事を監修した専門家
本記事ではFP(ファイナンシャルプランナー)1級をメインにFP実技試験の内容や合格ライン、合格率、そしてよくある質問について詳しく解説します。
試験の内容は金融の基礎知識、ライフプランの作成技術など、幅広い分野が網羅されています。
また、合格ラインは年度により異なりますが、一定の基準は存在します。
さらに、実技試験の難易度や合格率についても触れています。
最後に、よくある質問セクションでは、試験に向けての具体的な対策方法などについても紹介しています。
この情報が、FP実技試験に挑むあなたの一助となれば幸いです。
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FP実技試験の内容や合格ライン、学科試験との違い(1級)を解説
FP実技試験は、実際にファイナンシャルプランナーとして業務を行う上での知識や技能が問われる試験です。
本セクションでは1級、2級、3級それぞれの実技試験の内容と合格ラインについて解説します。
実技試験は金融財政事情研究会(以下、きんざい)と日本FP協会(以下、FP協会)の2団体でそれぞれ運営されています。
①FP1級
(1)きんざい
相続・事業承継分野と不動産分野についての面接試験です。
設例が印刷されたペーパーを15分読み込んだ後、設例について面接官2人から質問されます。
面接試験は1日に2回行われ、1回あたりの面接時間は約12分です。合格ラインは120点以上(各100満点の200点満点)となっています。
(2)FP協会
下記4科目についての筆記試験で、内容は択一・語群選択・空欄記入・論述問題です。
A.関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャルプランニング
B.顧客データの収集と目標の明確化
C.顧客のファイナンス状況の分析と評価
D.プランの検討・作成と提示
試験時間は120分(13時30分から15時30分)で合格ラインは60点以上(100点満点)です。
ファイナンシャル・プランニング技能検定1級実技試験(資産相談業務)の実施要領
*1級学科試験は基礎編(マークシート方式50問)と応用編(記述式15問)に分かれており、ともに筆記試験です。
②FP2級
(1)きんざい
実技試験は、下記の4分野別での記述式試験であり、事例形式の問題が5題出題されます。合格ラインは50点満点で30点以上です。
A.個人資産相談業務
B.中小事業主資産相談業務
C.生保顧客資産相談業務
D.損保顧客資産相談業務
(2)FP協会
実技試験は「資産設計提案業務」での筆記試験(三答択一、語群選択、正誤、計算)で40問出題されます。合格ラインは100点満点で60点以上です。
*きんざいとFP協会の2級学科試験はともにマークシート方式60問の筆記試験です。
③FP3級
(1)きんざい
CBT方式でのみ実施され、休止期間を除き任意の日に受験できます。CBT方式とはコンピュータを利用して実施する試験方式で、受験者はコンピュータに表示された問題をマウスやキーボードで解答します。
下記の2分野から事例形式問題が5題出題され、合格ラインは50点満点で30点以上です。
A.個人資産相談業務
B.保険顧客資産相談業務
(2)FP協会
CBT方式で実施され「資産設計提案業務」で三答択一問題が20問出題され、合格ラインは100点満点60点以上です。
*きんざいとFP協会のFP3級学科試験はマークシート方式ですが、きんざいの問題数は60問、FP協会は30問です。
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ファイナンシャルプランナー技能検定実技試験の合格率
FP実技試験の合格率は全体の約60%とされ、これは年間を通して一定の合格率を維持しています。
この数字は、FP実技試験が一般的な資格試験と比較して難易度が高いことを示しています。
しかし、適切な学習と準備があれば、試験に合格することは十分可能です。試験の内容は多岐に渡り、税法、保険、資産運用など、広範な知識が求められます。
そのため、試験対策としては、これらの領域についての深い理解を身につけることが重要です。
また、模擬試験を受けることで、実際の試験の雰囲気を事前に体験できます。
実技試験の特性を理解し、適切に対策を立てることで、合格率を上げることが可能です。
本セクションではFP実技試験の合格率を級ごとに見ていきます。
①FP1級
(1)きんざい
実施時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2024年2月 | 698 | 614 | 87.97 |
2023年9月 | 196 | 157 | 80.10 |
2023年6月 | 737 | 625 | 84.80 |
2023年2月 | 754 | 649 | 86.07 |
2022年9月 | 474 | 401 | 84.59 |
(2)FP協会
実施時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年9月 | 967 | 1005 | 96.22 |
2022年9月 | 1186 | 1198 | 99.00 |
2021年9月 | 1126 | 1201 | 93.76 |
2020年9月 | 511 | 523 | 97.71 |
2019年9月 | 938 | 1009 | 92.96 |
「FP1級実技試験は、きんざいとFP協会のどちらを受ければいい?」と迷う人も多いでしょう。合格率を比較するとFP協会のほうが高いです。
しかしFP協会の実技試験は年1回に対し、きんざいの実技試験は年3回あり受験のチャンスはきんざいの方が多いです。
また受験料をみるとFP協会は20,000円に対し、きんざいは28,000円です。
これらを勘案すると、FP1級を早く取得したい人にはきんざいの実技試験受験をおすすめします。
年に3回受験のチャンスがあり1回目が不合格でも3カ月後か5カ月後に再受験できるからです。
FP1級取得を急がない人はFP協会の実技試験受験でもいいでしょう。こちらの方がきんざいより合格率が高く受験料も安くなります。
②FP2級
(1)きんざい
実施時期 | *受験者数 | *合格者数 | 合格率 |
2024年1月 | 19,377 | 8,047 | 41.52% |
2023年9月 | 18,690 | 7,627 | 40.80% |
2023年5月 | 18,939 | 7,480 | 39.49% |
*表の受験者数、合格者数は下記の4分野の受験者数、合格者数を合計したものです。「個人資産相談業務」「中小事業主資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」「損保顧客資産相談業務」
(2)FP協会
実施時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2024年1月 | 24,632 | 15,055 | 61.12% |
2023年9月 | 20,892 | 10,867 | 52.02% |
2023年5月 | 22,167 | 12,991 | 58.61% |
きんざいの「個人資産相談業務」とFP協会「資産設計提案業務」は広範囲の内容で出題されるのに対し、「中小事業主資産相談業務」は中小事業主向け相談に特化、「生保顧客資産相談業務」は生命保険に特化、「損保顧客資産相談業務」は損保に特化している点が特徴です。
FP2級実技試験の出題分野は5分野あるため、どれを選択すべきか迷う人も多いと思います。
メインの顧客が個人である場合は「個人資産相談業務」を、中小事業のオーナーや経営者であれば「中小事業主資産相談業務」を選択するといいでしょう。
また生命保険に関する相談業務を専門にしたい人は「生保顧客資産相談業務」を、損害保険に関する相談業務を専門にしたい人は「損保顧客資産相談業務」を選択することをおすすめします。
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よくある質問(FP試験過去問題対策)
よくある質問では、FP実技試験に関する具体的な疑問にお答えします。
Q.FP実技試験は何度でも受験できますか?
A.FP実技試験は何度でも受験することが可能です。一度不合格になったからといって挫けず、次回に向けての改善点を見つけることが大切です。
Q.学科試験と実技試験を受験し、学科試験だけ合格したときは、次回、再度、学科試験と実技試験を併せて受験する必要がありますか?
A.学科試験に合格していれば、次回、学科試験を受ける必要はなく、実技試験だけの受験で問題ありません。
Q.きんざいのFP1級実技試験ではどのようなことを過去問で出題されましたか?
A.きんざいのFP1級実技試験では主に①相続・事業承継分野と②不動産分野について質問されます。
①相続・事業承継分野では不動産を所有する資産家や非上場企業のオーナー経営者などが相談者に設定されています。そして多くの場合、設例のテーマは遺産分割です。
遺産分割がテーマであれば、問われることは「遺言と遺留分」であり、中小企業のオーナーが被相続人であれば「遺留分の民法特例」が質問される可能性が高いでしょう。
また、ほとんどの設例では相談相手の金融資産は少なく相続税の納税資金が不足しているため面接官から納税資金対策を尋ねられます。
納税資金対策では保有資産の資金化が必要なので「不動産譲渡の課税関係」や「生命保険の活用」、中小企業のオーナーが相談者であれば「金庫株」や「非上場株式の納税猶予」、「役員退職金の活用」などについて説明を求められるでしょう。
さらに相続税対策として「小規模宅地等の特例」「自社株評価の引き下げ」「自社株の譲渡」なども聞かれる可能性が高いです。
私が受験したときは、「金庫株」「小規模宅地等の特例」について質問されました。
そして必ずといっていいほど聞かれることは、ファイナンシャルプランナーの職業倫理です。
この職業倫理とは次の4つを指します。
A.顧客利益の優先
B.守秘義務の順守
C.顧客に対する説明義務
D.インフォームドコンセント
実技試験では「あなたが最も重要だと考える職業倫理はどれですか?なぜそう考えますか?」と聞かれます。
私の面接試験のときも最後の質問で聞かれました。
②不動産分野では多くの場合、不動産オーナーが相談者に設定されています。設例の内容は、保有している賃貸マンションの建て替え、土地の有効活用などを検討しているが良いアドバイスを求めているというものです。
質問されることは、「相談者に対し最適なアドバイスをするためには設例に記載された情報の他に必要な情報は何か?」ということです。
そして多くの場合に聞かれることは「本設例に関係する専門職業家にはどのような人がいるか?」です。
相続税や贈与税に関する税務相談であれば税理士、相続登記や所有権保存登記であれば司法書士、定期借家契約への切替え交渉などであれば弁護士などが挙げられます。
Q.きんざいFP実技試験の受験対策について、どのように準備すればいいですか?
A.きんざいFP実技試験の具体的内容は下記のとおりです。
・関連業法との関係や職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
・顧客のニーズ・問題点の把握
・問題解決策の検討・分析
・顧客の立場に立った対応
FP協会のFP1級実技試験ではどのようなことが出題されますか?
A.下記の6科目について出題されます。
金融資産運用設計
不動産運用設計
ライフプランニング・ リタイアメントプランニング
リスクと保険
タックスプランニング
相続・事業承継設計
また「テーマについて300字程度で書きなさい」という問題があります。
主に、FPに関わる法律の説明や、FPとして活動する上での注意点が問われます。
きんざいとFP協会では、どちらのFP1級実技試験が受かりやすいですか?
A.きんざいの実技試験は面接試験なので、口頭での説明が得意な人はきんざいを選択するといいでしょう。
逆にあがり症の人はFP協会の実技試験受験をおすすめします。
面接試験では緊張のあまり何も答えられなくなる可能性があるからです。
私はきんざい実技試験を受けましたが、私の先の受験者は面接試験終了後、緊張のあまりか面接室から足どりがフラフラの状態で出てきました。
Q.FP1級の実技試験対策はどのように勉強すればいいですか?
A.FP協会の実技試験対策として独学での勉強もありますが、合格をより確実にする方法として大手資格予備校であるLECの通信講座利用があります。
LECの通信講座では過去に行なわれた本試験問題の詳細な分析と確実に合格するための学習対策を解説しています。
また、あわせて本試験と同形式の問題演習により1級実技試験頻出問題の解法テクニックを習得できます。
受講料(税込)は、受講形態がWeb動画+音声ダウンロード+スマホであれば3,850円、DVDであれば5,500円と価格もリーズナブルです。
終わりに、FP実技試験は、適切な対策と努力を持続すればいつかは合格できる試験です。この記事があなたの試験対策の一助となれば幸いです。
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