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投稿日:2023年3月31日 | 更新日:2024年01月24日
この記事を監修した専門家
行政書士は、官公署に対して提出する書類の作成や提出の代行を行うのが主な仕事で、取り扱うことができる書類の数は10,000種類を超えます。
「街の法律家」と呼ばれることもあり、身近な生活の中で困っている多くの人に役立つ仕事と言えるでしょう。
また、行政書士資格を取得することで独立開業をはじめ、様々な働き方を選択できるようになります。働き方の選択を増やしたい方と好相性と言えるでしょう。
こちらの記事では、行政書士の仕事内容やの魅力、年収などを詳しく解説していきます。
行政書士の仕事に興味がある方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
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行政書士の仕事内容とは?
行政書士の仕事内容は主に下記の4種類で、いずれも行政書士法に定められている「独占業務」です。
- 「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務
- 「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務
- 「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務
- その他特定業務
行政書士は、官公署に提出する書類の作成や申請代行、相談やコンサルティングが主な業務となります。
「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務
行政書士の代表的な仕事は、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署など)に提出する書類の作成や申請代行です。
不動産業や飲食業の営業許可などが挙げられますが、行政書士が取り扱う事のできる書類の数は10,000種類以上にものぼります。
官公署に提出するための書類作成に不慣れな人や、提出する時間が無い人をサポートしており、行政書士のニーズは高いと言えるでしょう。
「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務
行政書士は、「権利義務に関する書類」の作成や相談を行うこともあり、街の法律家として頼られる存在です。
具体的には、遺産分割協議書などの相続関係書類や各種契約書などが挙げられます。
また、定款の作成を行うことも可能なので、行政書士は法人の設立に関与することがあります。
「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務
行政書士は「事実証明に関する書類」について、作成と相談を行うこともあります。
「事実証明に関する書類」として挙げられる代表的なものは、下記のとおりです。
- 議事録
- 会計帳簿
- 貸借対照表
- 損益計算書等の財務諸表
いずれも専門性が求められる書類で、行政書士が頼られる場面は多いと言えるでしょう。
その他特定業務
その他特定業務とは、
- 地方入国管理局長に届出を行った申請取次行政書士が行う出入国管理及び難民認定法に規定する申請に関し、申請書、資料及び書類の提出並びに書類の提示を行う業務
- 日本行政書士会連合会会則に定める研修を修了した特定行政書士が行う許認可等に関する審査請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成する業務
が該当します。
行政書士の業務内容は非常に幅広く、個人法人問わず多くの人から頼られる存在であると言えるでしょう。
行政書士ができる他資格業務
行政書士の独占業務ではないものの、他資格にまたがる分野の業務も行政書士が行うことができます。
他資格の独占業務を行わないように注意する必要がありますが、他資格にまたがる分野の実務を通じて専門性を高めることができます。
具体的には、下記の業務であれば行政書士でも行うことが可能です。
- 紛争性のない契約書の作成や相談(弁護士法に抵触しないように注意)
- 紛争性のない協議書の作成や相談(弁護士法に抵触しないように注意)
- 補助金の申請書の作成や相談(税理士法に抵触しないように注意)
- 融資事業計画書の作成や相談(税理士法に抵触しないように注意)
もし「これは行政書士でも行って問題ないか」判断に迷う場合は、法令を遵守するためにも事前に確認しておきましょう。
行政書士の具体的な仕事シーン
続いて、行政書士の仕事を具体的なシーンで落とし込んで紹介していきます。
具体的なシーンを知ることで、行政書士のリアルな仕事内容をイメージできるでしょう。
個人の生活や暮らしに役立つ相談
個人の生活や暮らしに役立つ相談として挙げられるのは、下記のような分野です。
- 遺言・相続(遺言書作成の支援、相続の相談、成年後見人関係の相談)
- 契約書(交通事故に関する手続、自賠責等の手続、建物等の賃貸借や金銭の消費貸借等の契約書類の作成)
- 自動車登録(自動車のナンバー変更、車庫証明)
- 日本国籍取得(日本の国籍取得を希望する人の帰化申請の手続き)
- 土地活用(農業への参入、農地転用など)
- 内容証明(内容証明郵便・公正証書等の書類の作成、債権・債務に関する手続き)
- 市民法務(クーリングオフ、示談書・協議書の作成)
生活の中で生じる様々な手続きの場面において、行政書士は活躍できます。
「役所で手続きしなくちゃ」というシーンのほぼ全てをカバーしている点が、行政書士の強みと言えるでしょう。
ビジネスで役立つ相談
行政書士はビジネスで役立つ相談を通じて事業主支援を行うこともあります。
具体的には、下記のような場面で行政書士が活躍しています。
- 外国人雇用関係(外国人を雇用する際に必要となる入国管理局への申請手続き、在留資格や永住許可申請など)
- 法人関連手続(株式会社やNPO法人、医療法人、学校法人、組合等、法人の設立手続き、定款の作成)
- 許認可申請(建設業や運送業、産業廃棄物処理業、飲食店を営業するための許可申請手続き)
- 中小企業支援(起業・創業支援や知的資産経営導入と知的資産経営報告書の作成のサポート)
- 知的資産・知的財産(著作権の文化庁への登録申請、特許権・商標権等の移転登録、実施権の登録申請など)
- 電子申請・電子調達(行政手続に関する各種オンライン申請、電子調達の手続き)
中小企業や個人事業主を中心に、多くの場面で事業を効率化するための支援を行っています。
煩雑な手続きを代行し、必要に応じて専門家として相談に乗ることも多く、ビジネスの場面においても行政書士が頼られ場面は多いです。
行政書士の仕事場所は?
行政書士の働き方は様々です。
会社に雇用されて法務で強みを発揮する方法や、行政書士法人や事務所に勤務する方法が挙げられます。
また、独立開業することも可能で、自身の希望に添った働き方を実現できる点も行政書士の強みと言えるでしょう。
主に以下の4つが挙げられます。それぞれ順に解説をしていきましょう。
1 会社の法務
2 行政書士法人・事務所勤務
3 行政窓口の相談
4 行政書士事務所を独立開業
1 会社の法務
近年は会社のコンプライアンス意識が高まっており、会社の法務部で活躍する行政書士が増えています。
行政書士は商法や会社法に精通している強みがあるため、企業法務の分野において専門性を発揮できます。
会社に雇われることで安定した給料や雇用を得られるため、資格を活かして安定的に働きたい方におすすめです。
2 行政書士法人・事務所勤務
行政書士法人や行政書士事務所に勤務することで、行政書士としての実務経験を多く積むことができます。
行政書士法人などは応募条件として「行政書士保有者」に限定していることも多く、有資格者は採用されやすいでしょう。
将来的に行政書士としての独立を検討している方や、とにかく多くの実務経験を積みたいと考えている方におすすめです。
3 行政窓口の相談
市役所や消費生活センターなどでは、行政書士の相談員を募集しているところがあります。
常勤で募集しているケースや臨時で募集しているケースなど様々ですが、多くの市民の方とコミュニケーションを取りたいと考えている方におすすめです。
4 行政書士事務所を独立開業
行政書士資格を活かして独立開業することもきます。
副業からスタートするのか、いきなり本格的に独立開業するかは価値観次第です。
独立開業すれば、会社に縛られずに仕事に関する事項を全て自分の裁量で決められるため、自由な働き方を求めている方におすすめできます。
- 働く時間
- 働く場所
- 働く相手
- 働く服装
などを自分でコントロールできれば、長く快適に働けるでしょう。
行政書士の仕事の魅力
行政書士の仕事には多くの魅力があります。
自分の仕事を通じてクライアントから感謝されるため、自分の仕事に価値を感じることができるでしょう。以下で、具体的な行政書士の仕事の魅力を解説していきます。
スペシャリストになれる
行政書士が活躍できる場面は幅広いですが、特定の分野を極めてスペシャリストになることもできます。
- 遺言サポート専門の行政書士
- 相続専門の行政書士
- 中小企業支援専門の行政書士
- 外国人支援専門の行政書士
など、様々な分野を選択できるメリットがあります。
これにより、行政書士以外の自分の強みをリンクさせて、より高いサービスを提供できるようになるでしょう。
例えば、FPや相続アドバイザー資格を保有している場合は遺言サポート専門の行政書士や相続専門の行政書を目指すのがおすすめです。
日本では少子高齢化が進んでいるため、今後相続相談のニーズが高まることが予想できます。
英語が堪能で外国人とスムーズにコミュニケーションが取れる方であれば、在留資格など外国人支援専門の行政書士を目指す選択肢が生まれます。
スペシャリストになれれば質の高いサービスを提供でき、自身の人材価値を高めることが期待できます。
特定の分野で強みを発揮できれば安定して案件を受注できるため、行政書士は将来性も高い仕事と言えるでしょう。
副業スタートも可能
行政書士は、副業スタートも可能です
「いきなり本格的な独立開業は怖い」という場合、本業をこなしつつ休日だけ行政書士業務を行うスタイルがおすすめです。
副業は本業収入という保険を得つつ、着実に行政書士としての実務を積める魅力があります。
副業を通じて、副収入を得られる事に加えて人脈が広がり、働き方の選択肢を増やせるメリットが期待できるでしょう。
生活でも役立つ法律知識を得られる
行政書士の仕事内容は、民法や行政法などをはじめとした生活に関連した法律に則って行います。
実務を通じて、自然と生活でも役立つ法律知識を得ることができる点は行政書士の魅力です。
これにより、身近なところでトラブルが起きたときに火種が小さい内から対処できるメリットがあります。
トラブルはいつ起こるかわからない以上、自分や家族、知人を守るためにも法律知識を得ることは重要です。
人の役に立っている実感を得られる
行政書士の仕事内容の中でも、以下の様にやりがいを強く感じる場面があります。
- 手続きの仕方がわからなくて困っている
- 役所で手続きに行く時間がなくて困っている
- 法務に関する専門的な知識がなくて困っている
- 身近な法的手続きが難しくて理解できない
上記のような人たちを助けることです。
感謝される場面も多くあることから、実務を通じて人の役に立っている実感を得られるでしょう。
クライアントから直接感謝されると、働くモチベーションが高まる好循環も生み出せます。
やればやるほどモチベーションと収入が高まる点も、行政書士の仕事の魅力と言えるでしょう。
人脈が広がる
行政書士の仕事は経営者とコミュニケーションを取る機会が多くあります。
サラリーマンとしてのキャリアしか無いと、経営者としての視点で物事を考えることなく職業人生を終えてしまうことは少なくありません。
しかし、行政書士として独立開業すると自分自身が経営者になるのはもちろん、経営者とのコミュニケーションを通じて人脈を広げられるメリットが期待できるでしょう。
人脈が広がれば新しい案件の受注にもつながり、自身の職業人生を豊かにできることから、新たな可能性を生む点が行政書士の魅力です。
行政書士の仕事内容はきつい?
行政書士の仕事は、以下の理由から「きつい」と言われることがあります。
- 最初はなかなか案件が受注できない
- クライアントからいいように使われる
- 競合が多いと価格競争に巻き込まれる
- 知識のアップデートが大変できつい
- 仕事がが単調な為、事務仕事でつまらない
行政書士として独立開業しても、なかなか案件を受注できないと報酬がもらえません。
無報酬期間が想像以上に長引くと「きつい」と感じてしまうでしょう。
また、行政書士はクライアントワークなので、クライアントから無茶な要求を受けることも少なくありません。
スケジュールが忙しい割には価格競争に巻き込まれてしまうと、思うように稼げずに悩んでしまうこともあり得ます。
行政書士は非常にやりがいの大きい仕事ではありますが、場合によっては「きつい」と感じてしまう点には留意しましょう。
しかし、行政書士は業務の幅が広い上に、将来性も高い魅力があります。
きつい時期を乗り越えれば、やりがいを感じながら働けるため、過度に心配する必要はありません。
行政書士の年収
行政書士の年収に関する統計調査などはありませんが、「求人ボックス」の調査によると行政書士の年収は「約400万円以下」となっています。
行政書士事務所に勤務している人や独立開業している人を含めた数字となっているため、個人差が大きいことが想定されます。
行政書士として独立開業すれば受け取れる報酬はすべて自分のものとなるため、年収が伸びやすいです。
しかし、営業をかけて仕事を受注できないと報酬を受け取ることはできないため、思うように年収は伸びません
行政書士の年収は「営業力」に大きく左右されることから、独立開業する際には営業方法や人脈の構築を意識することが重要と言えるでしょう。
行政書士の仕事内容まとめ
行政書士の仕事内容は、官公署へ提出書類の作成や申請代行です。
取り扱うことができる書類の数は10,000種類を超えるなど、業務の幅が非常に広いことに加えて、相続に関する相談など今後の日本でニーズが高まるであろう分野でも活躍できるでしょう。
- 法人
- 個人
- 外国人
など、何らかの手続きや申請で困っている人のサポートが主な仕事なので、需要がなくなることはありません。
また、行政書士として独立開業すれば、自分のペースで自由に働けるメリットを享受できます。
行政書士は将来性も高い魅力があるため、興味がある方は行政書士試験の受験を検討してみてください。
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