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投稿日:2023年4月4日 | 更新日:2024年09月25日
この記事を監修した専門家
「行政書士と社労士、どっちの資格がおすすめなの?」という疑問を持ち、自分がどっちの資格に向いているか知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
行政書士と社労士は同じ士業系の資格として人気ですが、仕事内容や試験の難易度には違いがあります。
また、ダブルライセンスを実現できれば仕事内容の幅が広がり自身の人材価値が大きく高まるため、興味がある方はダブルライセンスを目指すのもおすすめです。
こちらの記事では、行政書士と社労士の違いや難易度の比較、同時受験の可否などを解説していきます。
行政書士と社労士の資格に興味を持っている方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください!
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行政書士と社労士の違いは?
行政書士と社労士は士業という点が共通しており、親和性が高い特徴があります。
行政書士と社労士のダブルライセンスを活かして活躍している人も多いですが、まずは行政書士と社労士の違いについて見ていきましょう。
行政書士の仕事内容
行政書士の主な仕事内容は下記のとおりです。
- 「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務
- 「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務
- 「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務
官公署に提出する書類の作成や提出代行を行い、必要に応じて相談やコンサルティングを請け負うこともあります。
民法や行政法、商法などに精通した街の法律家として活躍しています。
社労士の仕事内容
社労士は労働保険や社会保険のプロです。
会社が行うべき労働保険関係・社会保険関係の事務手続きの代行や、人事労務管理のコンサルティングを行います。
日本の労働保険制度や社会保険制度は複雑で、完璧に理解できている事業主は多くありません。
社労士は労働保険や社会保険のプロとして、安心して暮らせる就労環境作りや社会保険に関する相談を通じて多くの悩みや問題を解決しています。
行政書士と社労士の難易度比較
行政書士試験と社労士試験は、難易度も異なります。
「どっちの試験の方が難しいの?」という疑問を持っている方へ向けて、行政書士試験と社労士試験の内容や違いについて詳しく解説していきます。
受験資格の違い
行政書士試験には、特に受験資格は設けられていません。
しかし、社労士試験には受験資格が設けられており、下記のいずれか1つをクリアする必要があります。
- 学歴
- 実務経験
- 厚生労働大臣の認めた国家試験合格
詳細は社会保険労務士試験オフィシャルサイトにて確認できます。
社労士試験の受験を検討している方は、事前に自身が受験資格をクリアできているか確認しましょう。
出題範囲の違い
行政書士試験の出題範囲は下記のとおりです。
法令科目 | ・基礎法学 ・憲法 ・行政法 ・民法 ・商法 |
一般知識 | ・政治/経済/社会 ・情報通信/個人情報保護 ・文章理解 |
・労働基準法 ・労働安全衛生法 ・労働者災害補償保険法 ・雇用保険法 ・労働保険の保険料の徴収等に関する法律 ・労務管理その他の労働に関する一般常識 ・社会保険に関する一般常識 ・健康保険法 ・厚生年金保険法 ・国民年金法 |
いずれの試験も出題範囲が広く、合格するためには相応の勉強が必要となります。
法律の勉強がベースとなることから、条文理解や判例の読み込みをこなすことが大切です。
難易度・合格率の違いは?
行政書士試験と社労士試験の難易後を比較すると、社労士試験の方が難易度は上です。
年度 | 行政書士試験の合格率 | 社労士試験の合格率 |
令和3年度 | 11.2% | 7.9% |
令和2年度 | 10.7% | 6.4% |
令和元年度 | 11.5% | 6.5% |
平成30年度 | 12.7% | 6.3% |
平成29年度 | 15.7% | 6.8% |
平成28年度 | 9.9% | 4.4% |
平成27年度 | 13.1% | 2.6% |
行政書士試験の合格率は10~16%程度で推移しているのに対して、社労士試験は4~8%程度です。
また、社労士は受験資格が設けられていることを考えると、難易度は社労士試験の方が上と言えるでしょう。
合格に必要な勉強時間は?
試験に合格するための勉強時間は、
- 行政書士試験:800~1,000時間程度
- 社労士試験:1,000~1,200時間程度
と言われています。
やはり、社労士試験の方が必要な勉強時間も多いです。
当然、上記の勉強時間はあくまでも目安で、生活スタイルや事前知識の有無によって異なります。
- 平日に何時間勉強できるか
- 休日に何時間勉強できる
をしっかりと鑑みた上で、余裕のある勉強スケジュールを組むことが重要です。
1年で行政書士と社労士の同時受験は可能?
1年で行政書士試験と社労士試験の同時受験は可能ですが、1年で同時合格を目指すのは現実的ではありません。
いずれも難易度が高い上に、重複する出題範囲もほとんど無いことから、一気にまとめて取得するのは非常に難しいでしょう。
- 社労士試験は毎年8月の第日曜日
- 行政書士試験は毎年11月第2日曜日
となっています。
もし1年で行政書士と社労士の取得を目指すとしたら、社労士試験が終了した後に約2ヶ月で行政書士の勉強に集中するのがおすすめです。
約2ヶ月の勉強期間で行政書士試験に合格することは、かなり厳しいのは否めません。
- 元々法律に関する知識を有している方
- 法律の勉強に慣れている方
- 行政書士としての実務経験がある
という方を除いて、1年で同時に取得するのは難しいでしょう。
行政書士と社労士の就職先
続いて、行政書士と社労士の就職先を紹介していきます。
それぞれ得意としている分野や専門分野が異なるため、自身の適性やキャリアビジョンを踏まえて、最適な就職先を探していきましょう。
行政書士の就職先
行政書士の就職先として挙げられるのは、下記のとおりです。
- 行政書士法人・行政書士事務所
- 一般企業の法務
- 法律事務所・弁護士事務所
- 独立開業して自分の事務所を設ける
最も代表的なのは、行政書士法人・行政書士事務所です。
行政書士としての仕事に専念できるため、将来的な独立開業を目指している方や行政書士としてスキルアップしたい方におすすめです。
一般企業の法務においても、行政書士資格は活かすことができます。
近年はコンプライアンス意識が高まっており、第三者の立場から法的なアドバイスができる行政書士の需要は高まっています。
法律事務所や弁護士事務所に就職した場合、パラリーガルとして法律知識を活かすことが可能です。
関係法令や判例の調査を行うことになりますが、行政書士を取得していれば「法律を扱う能力」を習得していることをアピールできるため、就職で有利になるでしょう。
また、行政書士は士業なので、独立開業して自分の事務所を構えることも可能です。
仕事量や働く時間などを自分でコントロールしたいと考えている方は、独立開業を目指すと良いでしょう。
社労士の就職先
社労士の就職先として挙げられるのは、下記のとおりです。
- 社会保険労務士法人・社会保険労務士事務所
- 一般企業の人事・労務管理
- コンサルティング会社
- 独立開業して自分の事務所を設ける
社労士としての専門性を高目対場合は、社労士としての業務に集中できる社会保険労務士法人・社会保険労務士事務所がおすすめです。
既に多くの請負先を抱えている社会保険労務士法人・社会保険労務士事務所に就職すれば、いきなり多くの実務経験を積むことができるでしょう。
社労士は労務管理のエキスパートなので、一般企業の人事・労務管理の部門でも活躍できます。
給与計算や労務管理のエキスパートは会社として非常に頼りになる存在で、重宝されるでしょう。
また、専門的な知見を生かして、人事関係や労務関係についての相談やアドバイスを行うコンサルティング会社に就職する方法もあります。
コンサルティング会社では、第三者の立場から企業の職場環境の改善などをサポートできるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。
自ら社労士事務所を開業して独立することも可能です。
自身のスキルを活かしつつ営業力に自信がある方であれば、独立開業することも有力な選択肢になります。
就職先の選び方
行政書士としても社労士として就職先を探すにあたり、注意するべきポイントがあります。
以下で、就職先の選び方のポイントなどを解説していきます。
就業環境
給料や勤務時間だけでなく、雰囲気なども含めて就業環境を確認しましょう。
自分がやりたい仕事でも、会社や事務所就業環境が悪いと心地よく働くことができず、ストレスだけ溜まってしまいます。
仕事内容も重要ですが、自分が快適に働けるかどうかをしっかりチェックしましょう。
キャリア形成を考える
自身の将来の展望を鑑みて、キャリア形成を意識することも大切です。
- 社員として長く安定して勤務するのか
- 将来的に独立開業するのか
- すぐに独立開業するのか
など、自身のキャリア形成や希望を踏まえて就職先を探しましょう。
例えば、人数が少ない小規模な事務所の場合、一人あたりの業務負担は重くなりますが多くの実務経験を積むことができます。
将来的に独立を目指している場合は、小規模な事務所に勤務して多くの経験を積む方が将来的なメリットは大きいのでおすすめです。
自分の強みを活かせそうか
行政書士事務所や社労士事務所の中には、特定の分野に特化しているところがあります。
自分の得意分野やこれまでの経験を活かしやすい分野に特化していれば、モチベーションを高く持って心地よく働けるでしょう。
そのため、就職先を探す際には、得意としている分野や自分の強みを活かせそうか確認することが大切です。
自分の強みを活かせる職場であれば専門性を磨けるため、より自分の市場価値を高めることができるでしょう。
行政書士と社労士のダブルライセンスを実現するメリット
行政書士と社労士のダブルライセンスを取得している人は多いです。
親和性が高く、ダブルライセンスを取得することで多くのメリットが期待できます。
以下で、行政書士と社労士のダブルライセンスを実現するメリットを詳しく解説していきます。
業務の幅が広がる
行政書士と社労士のダブルライセンスを実現できれば、業務の幅が大きく広がります。
- 行政書士:法人の定款作成や営業許可など、書類作成と申請代行の専門家
- 社労士:労務管理や社会保険手続きの専門家
ダブルライセンスを取得できれば、事業主の悩みを事業開始の段階からワンストップで解決することができます。
社労士の勉強を通じて必要な社会保険手続きも請け負うことができるため、ダブルライセンスを取得するメリットは大きいです。
専門分野が広がれば頼られる場面も増えるため、よりやりがいを感じられるでしょう。
顧客を獲得しやすくなる
業務の幅が広がることで、顧客を獲得しやすくなるメリットも期待できます。
独立開業すると、顧客を獲得できるかどうかが収入を得られるかどうかのカギになります。
行政書士と社労士のダブルライセンスを実現すると、専門分野が広がり多くのニーズに対応できることから、自然と顧客を獲得しやすくなるでしょう。
民法や会社法だけでなく、労働基準法や社会保険各法に精通している人材は貴重です。
行政書士と社労士のダブルライセンスは、収入を安定させるメリットも期待できるでしょう。
業務に必要な知識を補完できる
行政書士と社労士は補完性が高く、非常に相性が良いです。
どちらか片方しか持っていないと、
- 社会保険関係の手続きがまったくわからない行政書士
- 人事労務の相談は専門外の行政書士
- 会社法についてまったく知らない社労士
- 営業許可などの手続きがまったくわからない社労士
という中途半端なスキルで開業することになります。
しかし、ダブルライセンスを実現できれば役所関係の手続きや社会保険関係の手続きを網羅的に把握できるメリットがあります。
業務に必要な知識を補完できれば知識の幅が広がるため、細かいクライアントからの要望にも応えられるでしょう。
行政書士と社労士まとめ
行政書士試験と社労士試験の仕事内容、試験の難易度などの違いを解説してきました。
行政書士よりも社労士の方がやや難易度は高いですが、ダブルライセンスを実現できれば自身の人材価値が高まります。
また、仕事の幅が広がり働き方の選択肢が増えるメリットもあるため、それぞれの資格に興味がある方はダブルライセンスを目指すのがおすすめです。
それぞれ価値のある資格なので、興味がある方は地道に勉強を重ねて、それぞれの取得を目指してみてください。
行政書士について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
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