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投稿日:2023年4月20日 | 更新日:2024年09月25日
看護師が社会福祉士の資格を取得すると、さまざまなメリットがあります。
社会福祉士の受験資格や働きながら資格を取得する方法、ダブルライセンスを活かせる仕事など、現在、看護師として勤務しながら資格取得を考えている方に向けて、詳しく解説します。
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看護師の仕事内容は?
看護師は看護職のひとつです。
看護職とは、保健師、助産師、看護師、准看護師のことで、保健、医療、福祉の幅広い分野で活躍する専門職です。
看護師になるためには、「保健師助産師看護師法」という法律の規定により、看護師国家試験に合格しなければなりません。
看護師の仕事は、病気の方、怪我をした方、妊産婦などの療養上の世話をしたり、診療の補助をしたりすることです。
看護師は、病院や診療所だけでなく、利用者宅に出向いて医師の指示書に基づいて医療処理や健康管理などを行う「訪問看護」、バイタルチェックや口腔ケア、呼吸器ケアなどを行う高齢者向け・障害者向けなどの福祉施設、視力・聴力・尿検査、採血などを行う健診センターや献血ルームなど、さまざまな分野でその役割が求められています。
社会福祉士の仕事内容は?
社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律に規定されています。
社会福祉士とは、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識やスキルで、身体上や精神上の障害がある方、環境上の理由によって日常生活を営むのに支障がある方の福祉に関する相談に応じたり、助言、指導、関係機関・関係者との連絡・調整その他の援助を行ったりすることを業務とする福祉の専門職です。
名称独占の資格ですので資格がなくとも前述の業務は行えますが、社会福祉士の国家資格を取得することによって、専門職としての水準の高さを示すことができます。
看護師が社会福祉士を取得するメリットは?
医療と福祉両方に通じたソーシャルワーカー(看護師)として、医療の必要な方へ適切なアドバイスをしたり、医療機関にかかっていない方を医療機関や訪問看護につなげたり、看護師の知見を活かしたソーシャルワークができます。
社会福祉士が活躍できる場は非常に多く、医療機関だけでなく、地域包括支援センター、社会福祉協議会、児童相談所・保健所・福祉事務所などの行政機関、社会福祉施設、学校など、数多くあります。
また、社会福祉士を任用要件として定めている職種も多くあります。
保護観察所の「社会復帰調整官」、病院・診療所の「退院後生活環境相談員」、ひきこもり地域支援センターの「ひきこもり支援コーディネーター」、地域生活定着支援センターの担当職員などです。
独立型社会福祉士事務所として開業する方もいます。
独立型社会福祉士事務所とは、独立した立場でソーシャルワークを実践する方で、十分な研修と経験によって培われた、高い専門性をもっている、日本社会福祉士会から認定された社会福祉士です。
あらかじめ利用者と契約を締結し、提供する相談援助の対価として直接的に、または第三者から報酬を受ける社会福祉士です。日本社会福祉士会の独立型社会福祉士事務所の名簿に搭載されます。
また、診療医報酬では「措置入院後継続支援加算」、「療養生活環境整備指導加算」、「療養生活継続支援加算」などにより評価されるほか、障害福祉サービス等報酬では「福祉専門職員配置等加算」の対象になります(それぞれ所定の算定要件があります)。
看護師と社会福祉士のダブルライセンスを活かせる仕事は?
現在、医療機関にお勤めの方は、日々の業務のなかで、ソーシャルワークも意識した看護師としてスキルアップできます。
退院後の支援に向け、院内の相談室や医療連携室とも円滑な連携や情報共有が図れるようになります。福祉にも通じた看護師として、頼りにされる存在になれるでしょう。
また、院内の相談室や医療連携室でソーシャルワーカーとして配属されれば、その力量を発揮することができます。
現在、小さな診療所へお勤めの方でも、相談室や医療連携室のある大きな病院への転職にあたっても大きな強みになるでしょう。
前述した社会福祉士を募集している、幅広い職種への応募も可能になりますので、就職や転職に有利になります。
看護師として働きながら社会福祉士取得を目指す
社会福祉士の国家資格
社会福祉士国家試験には、受験資格があります。
福祉系大学等で社会福祉に関する指定科目を履修して卒業する「福祉系大学等ルート」、福祉系大学で社会福祉の基礎科目を履修して卒業した後に短期養成施設で6ヵ月以上修学する「短期養成施設ルート」、一般大学等を卒業または4年以上相談援助業務に従事した後、一般養成施設で1年以上修学する「一般養成施設ルート」など、全部で12の資格取得ルートがあります。
看護師の資格を所持しているということは、4年制の大学、2年制または3年制の短大、看護師養成所などを卒業しているわけですが、4年生大学卒業以外は、相談援助などの実務経験が必要になります。
なお、相談援助の実務経験とは、国の通知により具体的に定められています。
児童相談所などの「児童分野」、介護保険施設などの「高齢者分野」、障害者支援施設などの「障害者分野」、保健所などの「その他の分野」に分類されています。
このなかで看護師が勤務する医療機関に関しては、医療ソーシャルワーカー等の相談員や退院後生活環境相談員など、具体的に示されています。
また、「児童福祉司」、「身体障害者福祉司」、「知的障害者福祉司」、「査察指導員」、「老人福祉指導主事」など、一部の職種の実務経験が4年以上ある方は、短期養成施設(6ヵ月以上)での修学を経れば実務経験が取得できることになっています。
福祉に関する相談援助の業務以外の職種を兼務していた場合は、兼務している事実が辞令によって明確であって、その主たる業務が福祉に関する相談援助の業務である方が、実務経験の対象となるとされています。
看護師と相談業務を兼務していたとしても、主たる業務が看護業務の場合には、相談援助業務(実務経験)にはなりません。
詳しくは、試験実施団体である「社会福祉振興・試験センター 」のホームページ等で確認されることをおすすめします。
看護師が独学で社会福祉士を取得する方法
受験資格を満たしていることが前提になりますが、独学での資格取得は少ない費用で済ませられることが一番の魅力です。
参考書や問題集、模擬試験など、数万円の費用で済みます。
社会福祉士国家試験受験用の参考書・問題集は、毎年最新のものが豊富に出回っています。
基礎からしっかり学び直したい方は、はじめは平易なものから始めるとよいでしょう。ご自身の学習レベルに合わせた参考書類を選択することをおすすめします。
また、ご自身の生活スタイルに合わせて勉強できるのも独学のよいところです。
電車での通勤時間に、家事の合間に、仕事や家事・育児が終わった後の就寝前になど、場所と時間にとらわれず、ご自身に合ったやり方で勉強できるのでおすすめです。
独学での勉強法とスケジュール
試験は一度不合格になっても、何度でも受験できますが、働きながら長期間にわたる勉強は負担になりますので、なるべく早く合格したいものです。
受験には少なからず時間も費用もかかりますし、モチベーションを維持していくのも難しくなります。
まずは、いつ試験を受けるかを決め、それに応じて受験勉強のスケジュールを組んでいきます。
科目数が多いので、十分な時間を確保するようにしましょう。
参考書や問題集など、試験前に品薄になって手に入らないということがないように、学習教材は早めに購入し、スケジュールを意識して、学習の進み具合も把握しながら合格を目指しましょう。
過去問題集に取り組もう
過去問題集を使用した学習はとても効果があります。
「問題形式に慣れることができる」「似た問題が出題されることが多い」ためです。
3年から5年分くらいの過去問題集を、試験時間を意識しながら解くとより効果が上がるでしょう。
一度だけでなく、何回も繰り返すことで自信が付いてきます。
過去問は、単に答えを暗記するだけではあまり効果がありません。「なぜその答えが導き出されるのか」、「なぜ他の選択肢が間違っているのか」、解説を理解することで応用がきくようになります。なるべく早い段階で過去問に取り組み、試験問題形式や試験時間などに慣れておきましょう。
社会福祉士国家試験の問題数は150問、午前・午後の合計試験時間は240分ですので、1問あたり平均1分30秒程度で解かなければなりません。時間配分も意識する必要があります。
模擬試験の受験も検討しよう
働きながらですので、難しいかもしれませんが、可能であれば模擬試験を受験してみましょう。
問題や場の雰囲気に慣れておくと落ち着いて受験できるからです。
受験結果により、得点の少なかった科目を集中的に学習することもできます。
自宅で受験する在宅模試と会場で受ける模擬試験がありますが、本試験のシミュレーションになりますので、会場での受験もおすすめします。
模擬試験によって、これまでの学習での習熟度を客観的に判断できるうえ、どの科目が苦手科目なのか客観的に把握できます。成績によっては勉強方法の見直しなどを考えるきっかけになりますので、受験を検討してみましょう。
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