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投稿日:2023年9月8日 | 更新日:2023年12月08日
この記事を監修した専門家
近年インテリアに興味を持つ人が増えており、職業としてインテリアコーディネーターに興味を持つ人も多いです。
「インテリアコーディネーターってどんな仕事をしているの?」
「インテリアコーディネーター資格を取っても将来性はあるの?」
と考えている人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、インテリアコーディネーターとはどんな仕事をするのか、また
需要があり将来性はあるのかを解説します。
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インテリアコーディネーターの仕事とは?
①どんな資格か
インテリアコーディネーター資格試験を運営する公益社団法人インテリア産業協会は、インテリアコーディネーター資格について以下のように定義しています。
「インテリアコーディネーターとは、住まい手にとって快適な住空間を作るために適切な提言・助言を行う当協会が資格認定する専門職です。インテリア(内装、家具、ファブリックス、照明器具、住宅設備等)に関する幅広い商品知識を持ち、住宅・インテリアメーカー、工務店、販売店やフリーな立場で、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行います。」つまり、インテリアコーディネーターは住まい手のために快適な住空間を作るための仕事であり、その知識を持っている者だと証明する資格です。
②活躍する場所
インテリアコーディネーターの活躍する場所は多岐に渡りますが、主に以下のようなところがあります。
- 建築会社
ハウスメーカーや不動産会社、リフォーム会社、設計デザイン事務所などです。主に個人のお客様相手の仕事であり、展示場やショールーム、お客様の自宅で商談します。また、ハウスメーカーや不動産会社などではモデルルームを手掛けることもあるため、部屋全体をコーディネートする力が求められます。
- 家具やカーテン販売業
家具やカーテン類を扱う会社などで販売業を行います。主にショールームでお客様のご要望を聞き取りながら、最適な商品を案内します。特に幅広く商品を取り扱う店舗では、各メーカーの商品について正しくお客様に説明する必要があるため、常に新しい商品や情報についてアンテナを張っておく必要があります。また、個人のお客様は個人宅の新築やリフォームをきっかけとして来店することが多いため、部屋全体をトータルコーディネートできる力が必要になります。
- 住宅設備に関わるメーカー
キッチン周りや照明器具などの販売に関わる仕事です。主にショールームで個人のお客様に対して商品の案内と販売をします。自社商品について常に正しい知識を身に着けておき、お客様に最適な商品を案内できるようにする必要があります。
- 空間プロデュース業
空間プロデュースを行うこともインテリアコーディネーターの仕事の一つです。その活躍の場は数多くありますが、デパートやホームセンター、テレビの撮影現場、イベント会場、美術館、ホテルなどです。限られたスペースや時間の中で商品をいかに魅力的に見せ、伝えたい世界観を作り上げるかが大切です。商品が魅力的に見えるように工夫することが重要ですが、そのためには商品に関する知識が必要です。例えばデパートのディスプレイでは、ファッションに関係する展示が多いため、常に最新の流行に敏感である必要があります。
③仕事の流れ
インテリアコーディネーターの一日の仕事の流れを紹介します。
(1)ハウスメーカーで働くインテリアコーディネーターの一日
8:30出社
デスクでメールチェックをして急ぎの仕事はないか確認します。
9:00ミーティング
部署内で業務連絡やスケジュール確認などを行います。
10:00お客様と打ち合わせ
モデルハウスで新規のお客様と住宅のインテリアについて打ち合わせをします。
間取りやお客様のイメージを聞きながら一緒にインテリアを考えていきます。
12:00休憩
13:00建築現場へ
自社がインテリアを手掛ける新規店舗の施工現場に出向いて、作業の進捗状況を確認します。
16:00資料作成
お客様に提案するためのプランボード・見積書を作ります。
より分かりやすく喜んでいただけるよう、お客様のイメージや要望に合ったものをピックアップしていきます。
18:00残務処理
書類整理などデスクワークをします。
19:00退社
日によっては夕方以降に商談が入ることもあります。
(2)カーテン販売店で働くインテリアコーディネーターの一日
8:30出社
デスクでメールチェックをします。
メーカーから注文したものが納期に、間に合うか確認します。
また、お客様からの来店予約がないか確認します。
8:45ミーティング・開店準備
先輩スタッフと今日一日のスケジュール確認をします。
その後ショールームの掃除をして開店準備をします。
9:00開店
来店されたお客様の対応をします。
お客様からご要望を聞き取り、ショールームで商品を案内します。
ご希望に叶う商品が見つかれば見積書を作成しお渡しします。
12:00休憩
13:00現場採寸
以前ご注文を頂いたお客様の新居へ行き、窓周りの採寸作業をします。
16:00取引先へ営業活動
取引先の住宅メーカーの事務所へ行き、ご挨拶と開催中のキャンペーンのご案内をします。
18:00閉店・事務処理
ショールームの商談スペースを整えて閉店作業をします。
前日に打ち合わせをしたお客様へ見積書を作成し送付します。
19:00退社
このように、職場によって仕事内容は少しずつ異なりますが、共通することは“人と接することが多い”ということです。特にハウスメーカーやショールームで活躍するインテリアコーディネーターは、依頼主となるお客様との打ち合わせに多くの時間を費やします。お客様から商品について専門的なことを質問されることも多く、正しく説明しなければなりません。また、営業担当者や商品施工に関わる現場スタッフとも調整をしながら、どうしたらお客様のニーズに応えられるか、考えていく必要があります。例えば、お客様がある窓に装飾性の高いカーテンレール取り付けたいと考えていても、実際は隣に付ける予定のエアコンが干渉して取り付けられなかったり、そもそもその窓の周りの壁は、穴が開けられない材質であったりということが起きます。それらの問題を回避していくには、営業担当者や施工担当者との密な連携が必要です。また、事務所でのデスクワークも少なくありません。お客様との打ち合わせの前には提案用のプランボードを作成し、見積書を用意しておく必要があります。設計まで任されるような職場では、CADを使った作業をすることもあります。
④やりがい
建築会社や家具・カーテン類の販売業、住宅設備に関わるメーカーでの仕事は、個人のお客様と直接打ち合わせをすることが多く、商品が無事納品できてお客様が満足された時にはとても喜びを感じます。また、空間プロデュース業では多くの人の目につく大がかりな空間を作ることもあるため、完成して反響があればやりがいも大きいです。いずれも関わった人からの反応を直接感じられるため、喜ぶ声を聞くことがこの仕事の醍醐味です。
インテリアコーディネーターの求人と給料は?
Yahooで「インテリアコーディネーター 求人」と検索するとたくさんの求人サイトがヒットします。正社員やアルバイト・パートの雇用形態で全国の企業が求人情報を掲載しています。
また、インテリアコーディネーターの給料についても気になるところです。これまでインテリアコーディネーターに限った大がかりな給与調査が行われていないため、厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、ある民間機関が試算したところでは、企業に勤めるインテリアコーディネーターの平均年収は約380万円とのことです。ハウスメーカーや住宅設備メーカーなど企業に勤める場合は固定給となり、インテリアコーディネーターの資格を持っていると専門職手当などが付く場合もあります。また、独立してフリーランスとして働く人の収入はその人ごとの実力次第で、年収3000万円ほど稼ぐ人から独立前よりも収入減になってしまっている人まで、その差は天と地ほどあります。平均では年収400万~700万円ほどといわれています。
インテリアコーディネーターの仕事に需要・将来性はあるか?
①存在意義
ここまでインテリアコーディネーターの仕事内容について書きましたが、これからの時代、インテリアコーディネーターの仕事は需要や将来性はあるでしょうか。近年は科学技術の発展により、好みのインテリアを自分でインターネット検索して、気に入った商品を購入すれば、誰でも簡単に住空間を作ることができるようになりました。しかし、世の中に出回る数多くの商品の中から本当に自分に合うものを見つけ出して、快適な住空間を作るのは素人ではなかなか難しいことです。その点、商品について専門的な知識を持ち、その人に合ったものを適切に提案することができるインテリアコーディネーターに依頼することでそれが叶います。
また、近年は国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の2030年の達成を目指す中で、インテリアコーディネーターにも持続可能な社会を作るための取り組みが求められています。そのために、インテリアコーディネーターは取り扱う商品の背景も知っていなければなりません。具体的には“どこで”“誰が”“何から”“どうやって”作られたかを把握する必要があります。例えば、お客様が木製の家具を求めた時に、ただ予算に見合って良さそうなものを提案してはいけません。インテリアコーディネーターの提案商品をお客様が信頼して買うことになるため、持続可能な社会を作るためには重要な存在です。そのような仕事ができるインテリアコーディネーターは今後も社会的に需要があります。
②将来性
現在、日本は世界でもトップクラスの長寿国であり、今後も少子高齢化問題は最優先の社会的問題として取り組まなければなりません。内閣府の調べでは、2065年には国民の約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上となる社会が到来すると推計しています。そのため、住宅にバリアフリー化を検討する人は絶えません。そのような時にインテリアコーディネーターが活躍できます。利用する人の考えや好み、予算を聞き取り、一緒に住む家族の考えや施工者の意見を聞きながら、第三者的な視点で最適なプランを提案することができるインテリアコーディネーターに需要があります。
また、高齢化が進むことにより全国で空き家が増加していることも大きな問題です。2018年の総務省の調べによると、1988年から2018年の20年で空き家の総数は約1.5倍(576万戸→849万戸)に増えました。空き家は景観を悪化させるだけでなく、放っておくと倒壊や火災が起き、ごみの不法投棄の増加にもつながります。これに対して、インテリアコーディネーターが空き家をリフォームして新しい場所として活用することにも貢献できます。いずれも専門知識を身に着け、経験を積むことが必要になりますが、なおも深刻化するこれらの社会問題を解決するためには必要な存在であり、とても将来性があります。これからも社会のニーズは多様化していきますが、それに対応できるインテリアコーディネーターは今後も多くの企業で求人があるでしょう。
インテリアコーディネーターは現在、その大半が企業に所属して活躍していますが、経験を積めば独立することが可能な職業です。近年では、SNSやメディア、書籍などを活用して独自の感性を発信する人も現れています。そのように世の中にうまく自分を発信できれば、全国から需要のある有名なインテリアコーディネーターになれるかもしれません。
インテリアコーディネーターと似ている資格の解説
- キッチンスペシャリスト
キッチンスペシャリストとは、家の中でも重要なキッチンまわりを中心に、各種設備機器について生活者の相談に応じてニーズに対応できる者です。キッチン空間の構成・使用・維持などに関する専門知識を総合的に提供して、見栄えだけでなく快適で使いやすいキッチン空間を提案するアドバイスを行います。キッチンスペシャリストの活躍する場所は、建築会社やリフォーム会社、住宅設備メーカー、内装施工業者、インテリア関係会社などです。
- 福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種の専門職と連携をとりながらお客様に適切な住宅改修プランを提示します。また、福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスします。お客様により要望は千差万別ですが、その人に合う住環境を提案・実現するために、様々な分野の専門家とわたり合い調整を行うことが必要です。福祉住環境コーディネーターの資格が活かせる場所は、ケアマネジャーや介護・福祉用品をレンタル・販売する企業、住宅改修事業に関わる企業などです。
インテリアコーディネーターの資格試験はどのようなもの?
①内容
試験は一時試験(マークシートによる学科試験)と二次試験(論文・プレゼンテーション)があります。受験資格は年齢・性別・国籍・学歴・職業・経験は問われません。また、出身大学の条件などもありません。2022年度の受験概要によると出題範囲は以下の通りです。
一次試験の範囲
・インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
・インテリアコーディネーターの仕事に関すること
・インテリアの歴史に関すること
・インテリアコーディネーションの計画に関すること
・インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
・インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
・環境と設備に関すること
・インテリアコーディネーションの表現に関すること
・インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
二次試験の範囲
・インテリア計画の提案に関すること
②難易度
2020年度の一次試験の合格率は34.1%、二次試験の合格率は58.0%でした。ただし、二次試験の合格率は一次試験の合格者のみを対象としています。全受験者数に対して最終的に二次試験まで合格した人の割合は23.8%とかなり低く、難易度が高い資格だと言えます。しかしその点、取得できればインテリア業界では重宝される資格です。
おすすめの勉強方法
インテリアコーディネーター資格試験の合格を目指す上で、どのように勉強を進めていくべきか迷う人がいるでしょう。以下に主な勉強方法として2つの方法を解説します。
①学校に通う
メリット
・現役で活躍している、もしくは過去に活躍していた先生から教わるためやる気が出る。
・実績のある学校であれば効率の良い学習ができ、資格試験に関する最新情報が分かるため万全な試験対策ができる。
・一緒に合格を目指す仲間やライバルがいるためモチベーションが維持できる。
デメリット
・授業料や教材費、交通費がかかる
・通学や授業に時間を取られ、普段学校や仕事があると自由に勉強できない。
②通信講座で学ぶ
メリット
・学校に通うより費用が安く済む。
・自分の空いた時間で勉強が進められる。
デメリット
・講師や仲間がいない環境で、モチベーションの維持をする必要がある。
実際に独学でも地道な努力を続ければ合格する可能性は高いです。しかし、インテリアコーディネーター資格試験は勉強範囲が広く、難易度が高い試験です。合格するのに必要な勉強時間は約200~300時間と言われ、特に一次試験は出題される範囲が広いため、コツコツと勉強してしっかり知識を定着させることが大切です。そのため、独学でのメンタルの管理や時間管理を難しく感じて途中で挫折する人も少なくありません。そうした人は通学で勉強することをおすすめします。
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まとめ
インテリアコーディネーター資格試験は難易度が高いですが、これからの社会でも活躍する素晴らしい仕事の一つです。そして努力次第で誰でも合格することが可能な資格です。自分に合った勉強方法で、計画を立てて資格取得を目指しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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