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投稿日:2023年2月6日 | 更新日:2024年04月05日
この記事を監修した専門家
公認会計士になるには、国家試験である公認会計士試験に合格したあと、2年間にわたって公認会計士としての実務経験を積みながら、原則3年間実務補習所という教育機関に通って必要な単位を取得したうえで、最終試験(修了考査)に合格しなければなりません。
公認会計士試験の合格率は9.6%(令和3年度実績)ですが、合格者に占める年齢は20代が8割、合格者の平均年齢は24.5歳となっているなど、大学生でも在学中に合格を目指せる試験となっています。
大学別公認会計士合格者数をみると、特定の大学の合格率が高くなってはいるものの、公認会計士試験に現役で合格するために偏差値、大学、学歴は関係ありません。
この記事では、公認会計士試験の現役合格を目指す人に向けて、公認会計士試験に強い大学はどこかについて説明します。
この記事を読むことで、どうしたら公認会計士試験に現役合格できるかがわかるようになります。
公認会計士になるには偏差値の高い大学のほうが有利?
大学や学歴は関係ない!
まず、公認会計士は、医師・弁護士とならぶ三大国家資格の1つとされておりますが、他2つと違って公認会計士の試験の受験資格に大学や学歴の制限はありません。
誰もが受験できる資格試験ですから、大学や学歴で公認会計士になれるかなれないかが決まることはないのです。
公認会計士試験は、基本的に、大学の授業を受けただけで合格することはできません。
したがって、大学の講義やゼミ次第で、公認会計士になれるかどうかは決まりません。
さらに、学歴という意味でも、公認会計士試験の合格者のなかには、大卒ではない人も多く含まれています。
したがって、公認会計士試験の合格を勝ち取るために、大学や学歴は関係ありません。
2021年度公認会計士合格者数大学別ランキング
慶應義塾大学の三田会が、公認会計士合格者数大学別ランキングを公表しています。
令和3年(2021年)の大学別合格者数ランキングをみると以下のようになっています。
第1位 | 慶應義塾大学 | 178名 |
第2位 | 早稲田大学 | 126名 |
第3位 | 明治大学 | 72名 |
第4位 | 中央大学 | 65名 |
第5位 | 東京大学 | 58名 |
第6位 | 立命館大学 | 49名 |
第7位 | 京都大学 | 41名 |
第8位 | 神戸大学 | 38名 |
第9位 | 大阪大学 | 36名 |
第10位 | 一橋大学 | 35名 |
この大学ランキングをみても、必ずしも偏差値が高い大学順に、公認会計士試験の合格者数が多いわけではないことがわかります。
したがって、公認会計士となるにあたっては、偏差値、大学、学歴は関係ありません。
大学の学部によって受かりやすさは変わる?合格の決め手は専門性に有り?
公認会計士試験に受かりやすい学部としては、経済学部、商学部、経営学部が多くなっています。
これは、公認会計士試験に出題される財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法、経営学、経済学、民法、統計学といった分野を大学で勉強できるためです。
日本公認会計士協会の「公認会計士よくある質問Q&A」というページにおいても、経済学部、商学部、経営学部出身者の合格割合が比較的高いと回答されています。
ただ、近年では、法学部や理数系学部といった様々な学部の出身者が公認会計士試験に合格しています。
大学の講義は必ずしも公認会計士試験合格のためにカリキュラムが組まれているわけではないため、公認会計士に受かりやすい学部があるとしても、それは学部によって公認会計士試験と関連した講義を受けられるだけで、専門性を高めることができるからではありません。
公認会計士試験を突破するために重要なことは、公認会計士試験で出題される範囲を踏まえたうえで、出題範囲をもれなく勉強して、試験で得点できるようにすることです。
公認会計士試験のサポートが手厚い大学は?
公認会計士試験の合格者が多い大学には、在学生が公認会計士試験に合格しやすくする環境や制度が整備されています。つまり、手厚いサポートがあるのです。
予備校(専門学校)でダブルスクールをせずとも、大学内で合格を目指せる大学もあるなど、それぞれの大学が特色ある取り組みを行っています。
ここでは、それぞれの大学の公認会計士試験サポート制度について詳しく解説します。
1.慶應義塾大学
すでにみたように、慶應義塾大学は公認会計士合格者数ダントツ1位の大学です。
多くの公認会計士を輩出し続けています。
1年だけでなく、近年の合格者累計実績をみても、慶應義塾大学の公認会計士合格者数はトップとなっています。
47年連続して慶應義塾大学は大学別合格者数トップです。
慶應義塾大学商学部では、公認会計士や税理士を目指す学生をサポートしています。
この手厚いサポート体制は1980年から続くものです。
公認会計士や税理士の資格取得を目指す学生のために、慶應義塾大学商学部内には会計研究室が設置されています。
この研究室では、公認会計士試験突破のためのガイダンス、講演会、監査法人見学会など、様々なイベントが実施されています。
商学部に限らず、学部・学年を問わず、会計研究室が広く門戸を開いたサポートをしてくれていることもあって、慶應義塾大学は47年連続で大学別合格者数トップを走り続けているのです。
2.早稲田大学
慶應義塾大学と同様に、早稲田大学にも、稲門会という早稲田大学出身の公認会計士の会があり、公認会計士合格に向けた交流が盛んに行われています。
これに加えて、早稲田大学には、大学院会計研究科があり、就職支援やOB・OG訪問などを通じたサポートが行われています。
早稲田大学のなかでも、商学部には、公認会計士試験と直接関連の深い講義が設置されており、公認会計士試験の試験科目について理解を深めてくれます。さらに、会計に隣接する経営学や経済学などの講義も数多く実施されていることから、大学の講義を通じて、学習を深めることができます。
3.中央大学
中央大学も公認会計士試験合格者が多い大学です。中央大学には、経理研究所が設置されており、公認会計士試験突破の力強いサポートをしてくれます。
関東では3番目に公認会計士の合格者が多い大学です。
特に特徴的なのが、学内で公認会計士試験対策ができるということです。
通常、多くの大学生が多額の受講料を払って外部の予備校にダブルスクールをして公認会計士試験合格を目指します。
しかし、中央大学では、大学からの補助により予備校の半分程度の受講料で、経理研究所内の試験対策講座を受講できます。全員中央大学OB・経理研究所OBの公認会計士が懇切丁寧に教えてくれるので、大学外部の予備校に頼っている他大学に比べても、高い合格実績を誇っています。
中央大学は、長年にわたって公認会計士の合格者を多数輩出しており、他の大学と比較しても、学内におけるサポートが手厚いことで有名です。
4.明治大学
明治大学にも、中央大学と同様に、経理研究所が設置されています。明治大学国家試験指導センター経理研究所は、1948年に設置された日本初の公認会計士養成機関です。
明治大学の経理研究所には、公認会計士試験合格をサポートする「特別会計研究室」と「会計士講座」、そして、大学での学習や将来の就職に役立つ「簿記講座」が設けられています。
大学の講義と資格取得とが無理なく両立できるようなプログラムとなっていることが特徴です。
また、奨学金なども充実しており、公認会計士を目指す学生の力強いサポートとなっています。
5.立命館大学
関西ではトップの公認会計士試験合格者を誇るのが立命館大学です。2018年度以降、立命館大学は、関西でトップを走り続けています。そのため、関西では立命館大学が公認会計士試験突破者が多いです。
立命館大学には、エクステンション・センターという学習サポートやその後のキャリアを見据えた進路・就職支援を行う機関があります。
エクステンションセンターの公認会計士講座は、大原学園・TAC・CPA会計学院の公認会計士講座を一般受講料の「25%の割引価格」で受講できるようになっており、公認会計士を目指しやすい環境が整備されています。
合格者の年齢層について〜大学生の現役合格者は多い?〜
合格者の年齢分布
公認会計士試験は、若年層ほど合格率が高い傾向にあります。
合格者の年齢層 | 合格者の割合 |
20歳以上25歳未満 | 59.9 |
25歳以上30歳未満 | 22.4 |
30歳以上35歳未満 | 9.6 |
この表は、全体の合格割合の一部を切り取ったものですが、公認会計士の合格者の平均年齢は24.5歳となっており、公認会計士試験の受験生の91.8%が、学生などのまだ職についていない層です。働いていない層です。
若年層は、受験者数も多いものの、合格率も高いということがわかります。
税理士試験は公認会計士とは異なり合格者の年齢層が高いものの、公認会計士試験は実は若年層の方が受験者が多く、合格者も多くなっています。
その理由は試験制度の違いにあります。税理士試験は科目合格制を採用しているため、数年かけて合格を目指すのが普通です。しかし、公認会計士試験は、年に1回ある試験を突破すれば、それで合格です。
また、公認会計士の合格者に若年層、特に大学生に多いのには理由があります。
その理由は、卒業までに勉強時間(演習時間)を十分に確保できるからです。
以下では、合格者に占める大学生の割合について説明したのち、大学生が合格するためにどのように勉強したらよいかを説明していきます。
合格者に占める大学生の割合
大学生が在学中に公認会計士試験に合格するのは不可能ではありません。
むしろ、膨大な勉強時間を確保できる大学在学中のほうが、公認会計士試験に合格する可能性は高いです。実際、合格者構成比の半分(50%)以上が20歳以上25歳未満となっているのが公認会計士試験です。
公認会計士試験の合格実態がこのようになっている理由は、社会人となると、勉強時間を十分に確保できないからです。大学生であれば、就業しているわけではないため、自分の時間を自由に使えます。その意味で、大学生の方が、勉強時間を確保できるという意味で、試験合格のうえで有利なのです。
それでは、大学生はどのように勉強をすれば良いでしょうか。また、在学中の合格を目指すのであれば、何年生から勉強を始めるのが良いでしょうか。ここでは、大学生が在学中に合格を目指すポイントを説明していきます。
公認会計士試験の難易度について知りたい人はこちら記事もチェックしてみてくださいね。
大学生はどのように勉強すればいい?
大学生が現役合格を目指すのであれば専門学校にダブルスクールをするのがおすすめです。
大学や大学院の講義だけで公認会計士試験を突破することはできません。
その理由は圧倒的に演習量が足りないからです。計算問題の演習量が足りないことが公認会計士試験では致命的です。偏差値や大学名で決まるわけではなく、演習量がすべてなのです。
大学の講義だけでは、計算問題を十分に取り扱わないため、合格が難しくなります。
大学の教員が、手厚いサポートをしてくれるわけではありません。大学の教員はあくまでも研究者であるため、公認会計士試験合格のためのノウハウを持っているわけではないのです。
大学における講義のスケジュールを考えると、大学生であれば、講義時間以外に十分な時間を確保できます。
何年生から始めるのがベスト?
公認会計士試験の勉強は3年生からスタートするのがベストです。
多くの予備校において、公認会計士試験合格までのスタンダードなコースは1.5年となっています。
最短で1年というコースもあり、最長で2年というコースもあります。
公認会計士試験は短答式試験、論文式試験ともに年に1回しかありませんから、このことを考えると大学3年生からスタートするのがベストです。
公認会計士試験のスケジュールを考えると、できるだけ長く勉強時間を確保したほうが良いため、大学1年生、あるいは2年生から開始した方が良いと考える人もいるかも知れません。
公認会計士試験は勉強しなければならない範囲も多いため、毎日何時間も勉強しなければなりませんが、それを2年以上継続することは困難です。
1年では勉強時間が足りず、2年ではモチベーションが続かないので、1.5年がベストです。
難易度の高い公認会計士試験では、大学在学中の短期集中での勉強がおすすめとなります。
その意味で、在学中の現役合格を目指すのであれば、大学3年生になったらすぐにダブルスクールで専門学校に通うことがカギです。
大学の勉強と両立させながら、資格予備校に通う必要があるので、絶対に合格するという強い気持ちと覚悟が必要となることを忘れてはなりません。
大学生でも通いやすい!〜通信講座を利用できる予備校5選〜
ここからは、大学生でも通いやすい、通信講座が利用できる予備校を5つ紹介していきます。
いずれも、公認会計士試験の合格実績の高い予備校ばかりなので参考にしてください。
1.資格の大原
大原は、質の高い講師陣が魅力の予備校です。
毎年の本試験傾向などを分析し、短期合格に必要なものは何かを常に追求した教材は、短期間でも高い合格を可能にします。
多種多様なスタイルの講座が開講されており、通信講座の利用も可能です。
通信講座のスタイルとしては、Webライブ・Web通信・DVD通信があり、自分の好みのスタイルで講座を受講することができます。
2024年合格目標 2年初学者合格コースのお値段は、760,000円~850,000円です。
2.CPA会計学院
CPA(CPA会計学院)は、快適な通信講座環境が整っている予備校で、高い公認会計士試験合格率を誇っています。
公認会計士試験合格の常駐専任講師が完全サポートしてくれるのがポイントです。
個別の学習カリキュラム、学習方法、進捗状況、試験情報など、会計士試験に関することなら、何でも相談することができるので、通信講座でも孤独感を感じることなく安心して勉強できる環境が整っています。
すべてのテキスト、個別問題集、短答対策問題集、答案練習、論証集がウェブ上で閲覧可能なので、重いテキストを持ち運ぶ必要もなく、空き時間を有効に活用して勉強ができるのも魅力です。
【通学・通信併用】2年速習コース(短答3回対応)のお値段は、810,000円です。
3.資格の学校 TAC
TACは全国展開している最大級規模の受験指導予備校です。
TACの教材は、試験の出題傾向や試験委員の専門分野などを徹底分析されており、試験制度の変更に合わせて毎年改訂が行われているなど、質の高さが魅力となっています。
TACの教材だけで合格できるだけの力をつけられるので、通信講座でも追加で教材を用意する必要はありません。
TACが提供する答練(回答練習)は、その精度の高さや的中率に定評があります。
実際の回答練習で出題された問題と同様の問題が本試験で出題されるというのも珍しくありません。
大変人気のある予備校なので、公認会計士試験合格を目指すすべての受験生におすすめです。
2年コースのお値段は、780,000円~870,000円です。
4.クレアール
クレアールは、Web学習に最適化された講義動画(1講義:30分)を中心としたWeb通信講座と万全なサポート体制(担任制度や毎日実施の質問会等)が魅力の専門学校です。
クレアールは通信講座に特化しているため、教室運営に必要な設備関連費用や講師料、人件費がかからず、リーズナブルな価格で講座を受講できるのが魅力です。
講義動画のダウンロード、pdf化した答練、 講義DVDの送付(追加オプション) などにも対応しているので、クレアールの講義なら、オフライン環境での受講も問題ありません。
2025年合格目標 2年スタンダード合格コースのお値段は、540,000円~です。
クレアールの公認会計士講座について、もっと知りたい方はこちらをご覧ください!
5.LEC東京リーガルマインド
レック(LEC東京リーガルマインド)は、徹底的に効率化された試験合格までのスケジューリングが強みの専門学校です。
ほかの専門学校とは違い、短答式・論文式試験の学習を併行して行うのではなく、それぞれのphaseに分けて、学習を進めるスタイルを採用しています。
短答式試験と論文式試験をそれぞれのphaseに分けることで受講生の短答式、論文式各々の学習の負担を軽くしています。
そのため、それぞれのphaseに応じて合理的にお金をかけられるのが魅力です。
レックなら、無駄なく講義を受講することができ、必要に応じて必要な講座を選択できるのが最大のポイントです。
短答合格コースのお値段は、278,000円~です。一発合格した場合には、論文式の対策講座を、受講形態問わず50,000円で受講することができます。
公認会計士試験に強い大学まとめ
公認会計士試験を大学生が在学中に突破するためには、勉強の仕方を工夫しなければなりません。
通常、公認会計士試験の突破には1.5年程度の時間がかかりますから、それだけ長期間モチベーションを高く保たなければなりません。
そんなときに、サポートが手厚い大学であれば、1人でも安心して勉強を続けることができます。
ただし、大学の講義だけで公認会計士試験を突破することは難しいのも事実です。
通常、公認会計士になるためには、専門学校と大学をダブルスクールして、両立させなければなりません。
公認会計士試験に合格する人は、大学生がほとんどを占めています。その理由は、大学在学中の方が勉強時間を確保できるからです。
専門学校に通い、効率的に勉強を進めていくことが、公認会計士合格の近道です。