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投稿日:2023年12月27日 | 更新日:2023年12月27日
登録日本語教員という国家資格が制度化されるという情報を聞いた日本語教師の方も多いのではないでしょうか?
ですが、どのような内容かについては情報がなく情報を知りたい方も多いはずです。
当記事では、国家資格「登録日本語教員」の詳細・メリットを解説します。今後の流れや資格取得の仕方、経過措置などについても深掘りします。
今回の記事を参考にしていただければ、登録日本語教員に対する理解が深まります。
登録日本語教員制度法案成立!国家資格化はいつから?
国会において2023年5月26日、日本語教育機関認定法が成立し、日本語教師が国家資格となることが決定しました。では、国家資格になるのは「いつから」なのかについて、詳しく解説します。
国家資格化が決定!登録日本語教員制度はいつから?
登録日本語教員に関する法案が成立したことにより、2024年4月から日本語教師の方は資格を取得する必要があります。
現役で日本語教師として従事している方も対象となりますが、変更に伴い経過措置が設けられます。(経過措置については、後述します。)
日本語教師の概要
日本語教師は、日本国内や海外で日本語を教えるための資格を持つ教員のことです。主に海外の日本語学校、大学、留学センター、文化交流機関、または日本語を学ぶ外国人を対象に日本語教育を行う機関で活躍しています。
彼らは、日本語教育能力検定試験(Japanese Language Teaching Competency Test)や他の日本語教育に関する資格を取得しています。その他にも、大学などでの教育学の学位を持っている場合もあります。
日本語教師は、日本語能力試験(JLPT)や日本留学試験(EJU)の対策指導、文法、会話、読解、書き言葉など、さまざまなレベルやスキルに合わせた日本語教育を提供しています。その役割は、日本語を第二言語として学ぶ生徒や留学生が、日本語を適切に理解し、習得できるようサポートすることにあります。
日本語教師の仕事内容
日本語教師の仕事内容は多岐にわたりますが、基本的には次のようなことを行います。
- 日本語教育の指導と計画立案
- 授業の実施
- 学生の評価と進捗管理
- 生徒や学生へのサポート
日本語教育の指導と計画立案
学生や生徒に対して、日本語の読み書きや会話などのスキルを教えます。カリキュラムやレッスンプランを立て、教材を準備します。
授業の実施
教材や教授法に基づいて授業を進め、生徒の学習をサポートします。日本語の文法や語彙を教えるだけでなく、文化や社会背景なども伝えます。
学生の評価と進捗管理
生徒の進歩を評価し、必要に応じて個々の学習計画を調整します。テストやクイズを実施し、学習の進捗状況を把握します。
生徒や学生へのサポート
学習上の問題や質問に対応し、生徒が学びやすい環境を整えるためのサポートを提供します。授業の準備や教材作成、学校や教育機関との連絡、保護者や関係者とのコミュニケーションをおこないます。
日本語教師は、生徒のニーズや学習スタイルに合わせて教育カリキュラムを提供するため、柔軟性やコミュニケーション能力が求められます。また、教育制度や教育法に関する知識が重要な役割を果たします。
日本語教師になるタイミングは登録日本語教員制度化の前?それか後?
日本語教師を目指す方にとって資格取得は、どのタイミングが良いかについて疑問に思っている方も多いはずです。想定されるケースを2つ紹介しますので、ご自身の状況を考え資格取得を検討するのはいかがでしょうか?
<登録日本語教員 資格取得のタイミング>
- ①国家資格化する前に取得する
- ②国家資格化した後に取得する
①国家資格化する前に取得する
資格取得のタイミングとして国家資格化取得する前に、資格を取得することが望ましいといわれています。
理由としては国家資格化後になると、筆記試験合格と教育実習修了が必須となり取得のハードルが一気に上がる可能性があります。したがって、早めに現行制度で資格を取得することを検討しても良いかもしれません。
②国家資格化した後に取得する
国家資格化前に資格取得することを躊躇する方は、国家資格化した後の状況を見ながら行動するというのもよき選択肢といえます。
現在の制度で資格取得をしても再度、取得が必要になる可能性もありますので様子を見るのは無難かもしれません。
登録日本語教員になるタイミングを選ぶポイント(文化庁の資料参照)
文化庁の資料によれば、現行制度で資格を取得した場合でも、国家資格化後は登録日本語教師の資格を改めて取得する必要があります(一部試験免除の経過措置あり)。煩雑な手続きを避けたい場合は、国家資格化後に行動を起こすことを検討するとよいでしょう。
登録日本語教員資格になるには
文化庁による資料によれば、登録日本語教師になるには、「試験合格」と「教育実習」が必須であり詳細は以下の通りです。
登録日本語教員試験
登録日本語教師になるには、「筆記試験の合格」が必要です。筆記試験には2種類あります。
試験 | 内容 |
---|---|
筆記試験① | 基本的な知識・技能 |
筆記試験② | 複合問題および聴解試験 |
試験内容についての詳細は、公開されていませんので最新情報を日頃から得られるようにアンテナを張っておく必要があります。
教育実習について
教育実習に関しては、指定の日本語教育機関でおこなわれる実習が必要です。これに関連して、教育実習の内容や担当教員の資格など、具体的な内容が今後検討されます。教育実習に関しても最新情報が随時更新されますので、日ごろからアンテナを張っておく必要性があります。
登録日本語教師制度は2024年4月から施行予定
登録日本語教師に関しては、2024年4月施行予定です。資格取得の難易度の増加や、教育の品質向上と人材確保のバランスが課題となる見通しです。
登録日本語教員が日本語教師へ与える影響と経過措置について!免除項目がある?
2024年4月、登録日本語教員制度が施行されることで経過措置が設けられます。現行の教師や資格所有者にも経過措置が適用されますが、詳細な指針は現在検討中です。
筆記試験の一部が指定養成機関修了者に免除されます。教育実習に関しては、指定養成機関での養成課程を修了した方は免除されます。
対象者ごとに経過措置が異なりますので、いくつかのケースについて解説します。
無資格の方
無資格で日本語教師をしている場合、教育実習が免除されますが筆記試験を受験し合格する必要があります。
- 教育実習が免除
- 筆記試験①・②の合格が必要
- 講習受講が不要
民間試験合格者
一定要件を満たす民間試験合格者は、教育実習が免除され、筆記試験が免除され、講習を受講し修了認定試験に合格する必要があります。
- 教育実習が免除
- 筆記試験①・②の受験免除
- 講習修了認定試験の受験が必要
養成課程修了者
養成課程を修了した方は、対応内容により教育実習が免除される場合があります。筆記試験の免除や講習の有無は養成内容により異なります。
<対応している場合>
- 教育実習免除
- 筆記試験①免除、筆記試験②の合格が必要
- 講習不要
<対応していない場合>
- 教育実習免除
- 筆記試験免除、筆記試験合格のみ必要
- 講習修了認定試験必要
以上が対象者ごとの経過措置の要点です。現行制度の資格所有者や現職の日本語教師は、自身の状況に合わせて情報を把握することが重要です。
現役日本語教師は登録日本語教員制度は対象?
現役日本語教師は、登録日本語教員の資格取得が必要か否かについて、現状分かっている情報をもとに解説します。
認定日本語教育機関で働く場合
日本語教育機関で日本語を教える場合、登録日本語教師資格が必要と考えられています。
文化庁の文書によると、「認定日本語教育機関での日本語教育担当者は全員、登録日本語教師である」とされています。
認定日本語教育機関とは、文部科学大臣から認定を受けた日本語教育機関のことです。これらの機関は、適切で確実な日本語教育課程を提供することができると認められ、多言語インターネットなどで情報が公開されます。
登録日本語教師の必要性
認定日本語教育機関で勤務する場合、登録日本語教師の資格が必要となる可能性が高いです。しかし、例えばオンラインで日本語を教えたり、海外の日本語学校で勤務する場合は、現行の資格制度で就業が可能です。
以上の情報が、現役の日本語教師に関する新制度の要点です。認定日本語教育機関での就業に関心がある場合は、自身の勤務先がどうなるかを把握することが重要です。
登録日本語教員取得のメリット
登録日本語教員資格取得のメリットについて紹介し、今後の展望なども含めて現在わかっている範囲で解説します。
登録日本語教員資格の必要性について
上記でも記載しましたが国内の認定日本語教育機関で働くためには、登録日本語教員の資格が必須になります。留学生を受け入れる日本語学校や専門学校で教師として働くためも同様にこの資格が求められます。
メリット
- 国家資格となることで、従来の資格よりも専門性や法的効果を証明しやすくなる。
- 社会的地位・認知度向上が期待される。
将来の展望について
登録日本語教員の増加により、資格保持者が他の教育機関でも優遇される可能性があります。また、資格保有者と非保有者との差別化が起こる可能性もあります。
日本語教師のキャリアパス
日本語教師のキャリアパスについても詳しく解説します。詳しい解説は、以下の通りです。
教師として基礎からスタート
日本語教師のキャリアは、基本的な教育スキルを身につけることから始まり、生徒のニーズに合わせた教材を使いながら教育実践を行います。
そして、教育経験を積み重ね、自身の教育スタイルや指導力を向上させながら、中級教師としてのステップアップを目指します。異なるレベルの生徒や異なる教育環境での経験を重ねることで、専門性を深めます。
教育管理職や専門家としての道
教育機関や学校での管理的な役職や、教育政策立案、教材開発、または日本語教育の研究者としてのキャリアパスも考えられます。これには高度な専門知識や経験が求められます。
更に、海外での日本語教育や国際的な教育プログラムに関わる機会もあります。異なる文化での教育経験を積むことで、国際的な視野を広げ、キャリアを構築することができます。
日本語教師のキャリアパスは多岐に渡り、経験や専門知識の蓄積によって、教育現場や専門家としての地位を築くことが可能です。
日本語教師からのキャリアアップ方法
日本語教師からのキャリアアップ方法はいくつかの道があります。
教育経験を積み重ね指導力アップ
教育現場での経験を積むことで、自身の教育スキルや指導力を向上させます。異なるレベルやニーズを持つ生徒に対応したり、新しい教材や教授法を習得することでキャリアを発展させます。
また、教育学や言語学などの分野での学習を継続することで、教育理論や新しい教育手法を取り入れることができます。修士号や教育学の資格を取得することもキャリアアップの一環です。
管理職への進展
教育機関や学校での管理職や教育プログラムの立案など、管理的な役割に進むこともあります。これにはリーダーシップスキルや組織能力が求められます。または、教材やカリキュラムの開発に参加したり、日本語教育に関する研究活動を行ったりすることで、業界内での専門知識を高め、専門家としての地位を築くことができます。
国際的な教育環境での経験
海外での日本語教育や国際的なプログラムでの経験を積むこともキャリアアップにつながります。異なる文化や教育環境での経験は、多様な教育スタイルや視点を身につける機会となります。
これらの方法を組み合わせることで、日本語教師は自身の教育キャリアをより広げ、高度な専門知識を身につけることが可能です。
まとめ
国家資格化が予定されている登録日本語教員の詳細を解説しましたが、まだまだ不確かなことも多く、これから日本語教師を目指す方にとっては判断が難しい時期といえます。
今回、資格取得のタイミングについても触れましたが、今後のご自身のキャリアなどを考え、適切なタイミングで動く必要があります。現行の制度のうちに動くのもよいですが、制度が変更になって様子を見るというのも一つの選択肢として考えておく必要もあります。
経過措置などは、随時更新されますので常にアンテナを張り、最新情報を得られるようにしておくことが重要といえます。
今回の記事を参考にしていただき、柔軟に対応していただければ幸いです。
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