PR
投稿日:2024年7月11日 | 更新日:2024年07月11日
近年ではグローバル化された世界観が当たり前となり、海外の作品に触れる機会も増えました。
そのような日常だと、誰しもが「この作品を原語で観てみたい!」「この言い回しは原語でどうなっているんだろう?」といったことを思ったことがあると思います。
今回は翻訳の資格の中でもより詳細な試験の「翻訳専門職資格」を展開している一般社団法人 日本翻訳協会代表理事と小池さんにご協力いただき、取材をさせていただきました。
スクールセレクトでは、様々な資格に関する役立つ情報を、有資格者の監修のもとご紹介しています。そのほかの資格や監修者一覧はこちらへどうぞ。
翻訳専門職資格とは?
代表理事、小池さん、本日はよろしくお願いいたします! 始めに資格を立ち上げた経緯について教えてください。
世界の文化交流及び産業経済の発展に寄与することを目的とするために1986年に当時の日本国政府労働省(現・厚生労働省)による認可の下で設立された協会です。
翻訳に対する社会の認識を高めること及び翻訳に関する技術及び知識を増進することによって翻訳の水準を高めること並びに翻訳者を支援・促進する活動をしています。内容を入力してください。
ありがとうございます。
「翻訳の水準を高めること並びに翻訳者を支援・促進」する資格とのことですが、あらためて、翻訳専門職資格試験はどんな資格ですか?
プロフェッショナルの能力を包括的に評価し、認定するための資格試験です。
認定された方は「JTA 公認翻訳専門職(Certified Professional Translator)」といいます。
試験では、
- 言語運用能力と翻訳表現技術
- 文化背景知識と異文化理解力
- 専門知識と実務能力
- IT 運用力とサーチ力
- マネジメント能力と職業倫理
の5 つの能力を図ります。
また、Certified Professional Translatorの認定条件としては、下記の全科目試験で2級以上を取得していただきます。
- 第1科目 翻訳文法技能試験
- 第2科目 翻訳IT 技能試験 (英・中共通)
- 第3科目 翻訳マネジメント技能試験 (英・中共通)
- 第4科目 翻訳専門技能試験 (ビジネス翻訳試験、出版翻訳試験、中国語翻訳試験の1分野)
それに加えて2次審査として翻訳経験2年以上の実績審査を経て認定されます。
では、4科目すべてで2級以上を取ることで合格か不合格かを判断される試験だという認識で良いですか?
若干違います。
各科目でのスコアはグレーディングがあり、合否の判断はしていません。
2級以上が翻訳のプロとして働ける最低限の要件を満たしているものとして証明できます。
合格・不合格という概念ではなく、グレード付けをされているということですね?
2級以上取得した方は便宜上「合格」と呼んでいますが、だからと言って、それ以外の方を「不合格」とは呼んでいません。
つまり、1次試験と2次試験で、2級以上の点数を取れた方は、便宜上「合格」ということですね!
そうですね。
なので皆様、試験を受けようとしている方は2級以上を目指しています。
翻訳専門職資格はどのような人におすすめ?
翻訳専門職資格はどのような方に向いている、またはおすすめの資格でしょうか
翻訳専門職資格は、どちらかというと本当のプロフェッショナル、翻訳の経験があるということを前提にした人がもっと自分のスキルを証明したい、というような方や、認定をとって、本当に翻訳者になりたいという方がほとんどです。
または、言語に対する高い理解力、高度な読解力と表現力、文化的な知識、コミュニケーションスキル、また、複雑な文や専門用語を処理する能力をお持ちの方にもおすすめです。
なるほど。
では、英語初心者向け、というよりかは、ある程度英語スキルを持っていてさらにスキルを伸ばしたい方向けということでしょうか。
そういうことです。
翻訳未経験の方も受けることはできますが、2級以上修めるのは難しいと思います。
最初は頑張っても3級や4級になってしまうでしょう。
ただこの試験は特に翻訳者でなければいけなかったり、経験者でなければいけなかったりということでは全くありません。
むしろ学生の方も受けるんですよ。
自分の実力を知るために受けてくださる方が見受けられます。
元々は実務経験をベースにした試験だったのですが、英語の実力を見るような試験になってきました。
試験としてはそのレベルの方でもうけることはできますが、資格として活用するのであれば英語スキルが高い方におすすめ、ということですね!
勉強時間や対策方法について解説
資格試験のコンセプトとして言語運用能力、翻訳表現技術、文化背景知識、専門知識と実務能力、IT運用とサーチ力、マネジメント能力を測るということを掲げていらっしゃいますね。
そうですね。
多くの能力を測っています。
各科目2000時間以上の想定した試験を行っています。
もちろん2000時間の経験がなくても受けることは可能です。
また、総合的な能力がなければいけません。
また補足になりますが、試験は文法、IT、マネジメント、分野別翻訳力このような試験の合格は5年間有効です。
その通りです。5年のうちに実務経験を行ってもらって、総合合格の認定を
もらうことは可能です。
自分のスキルを知りたいという方、特に翻訳IT能力はどのくらいなのか
だったり、そもそも翻訳マネジメントとは何かと考えていらっしゃる方も人もいると思い
ます。
そのような方向けに受験対策テキストが出版されていますので、そこで理解することも可能です。
そのように試験を受けながら学ぶことも可能です。
あわせての受験がおすすめ!プロジェクト・マネージャー試験とは?
翻訳専門職資格試験はたくさんの試験科目があると思いますが、中でもどれを受けるのがおすすめでしょうか。
多くの種類の科目があるのですが、英語を得意としている方は分野別出版ビジネスがいいと思います。
翻訳専門職資格試験の他に資格試験でおすすめな「翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験」という試験は翻訳の中でも大事です。
実はこの試験は語学の試験ではなく、翻訳プロジェクトをマネジメントする際に大事なことを学びます。
この翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験単体で受けることができて、語学の試験とは関係がありません。
この試験はある程度翻訳の実務経験がある方が多く受けている試験ですが、受験条件に実務経験の条件などはありません。
これは点数制で、合否で出てきます。
翻訳家の方をマネジメントする能力も一緒に測れたらプロジェクトへ参画する際のアピールになりそうですね。
本当にたくさんの資格を取り扱っているのですね!
そうですね。
どの資格試験もある程度興味を持っていて、勉強を行っていれば試験を受けることは可能です。
ですが高い級を狙うにはある程度の学習が必要です。
そうですよね。
今後の資格試験の展開はどのようにお考えですか。
より分解し、高度に受験してもらうために今現在多くの試験を行っており、かなりいい反響があると感じています。
資格を細分化することで細かいところまでを理解できるので!
AIと翻訳専門資格の関係は今後どうなる?
最近AIが話題になっており、今後も益々発展していくと思われています。
AIによる翻訳ツールもたくさんでてきていて、精度も高くなっていますが、協会では人が翻訳をする意義をどのようにお考えでいらっしゃいますか。
AIが翻訳の可能性を高めていますが、あくまでも可能性であって、人間が見ないと間違いが生まれる可能性があります。
翻訳者が安易に機械を使うことはミスを生み出すことがあります。
能率を上げるために機械を使うことはいいと思います。
ですが、人間が最終判断を行うことで、より精度が高まる翻訳ができると思います。
その人間が翻訳の精度をさらに高めるということでこのような試験があります。
たしかに、AIが発達していてもまだ課題は0ではないですよね。
そう考えると人間のほうが精度の高い翻訳ができるということは納得です。
本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました!