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投稿日:2022年3月15日 | 更新日:2024年02月14日
この記事を監修した専門家
近年ビジネスパーソンのなかで急激に人気になってきている「中小企業診断士」。
そんな人気資格ゆえに、中小企業診断士の試験を受けようと考えている方も多いでしょう。
とはいえ、中小企業診断士はいわゆる「経営コンサルティングの国家資格」。
日本版MBAともいわれている資格です。
「受験資格ってあるの?」
「きっと受験資格も厳しいんじゃ…?」
「自分は受けられる…?」
みなさんそのように思っているのではないでしょうか?
そんな方々のために、今回は中小企業診断士の「受験資格」について、
そして科目免除制度が利用できる対象者についても、詳しく解説していきたいと思います!
これであなたも中小企業診断士の受験資格に関するモヤモヤがすっきりするはず!
この記事で分かること
- 中小企業診断士の試験は誰でも受けられる!
- 条件に該当する一部の人は、受験科目の免除もできる!
中小企業診断士とは?
まずはじめに、中小企業診断士についてざっくりまとめていきたいと思います。
中小企業診断士とは?
中小企業診断士とは、組織経営の専門家。
経営コンサルタントとしての唯一の国家資格だとされており、経営の専門家として多面的な観点から企業の経営を分析・診断し、企業にアドバイスをします。
弁護士や公認会計士のように「独占業務」が定められている訳ではないので、中小企業診断士「しか」行えない業務は存在しません。
しかし、中小企業診断士は「名称独占資格」と呼ばれており、試験に合格した人だけが「中小企業診断士」だと名乗ることができます。
こちらの記事では中小企業診断士に関して詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
中小企業診断士の試験はどんな?
中小企業診断士は経営分野における「ゼネラリスト」。
組織経営に関する幅広い知識が問われます。
試験は1次試験と2次試験があり、その後の実務実習・登録を終えて、晴れて中小企業診断士になれます。
一次試験
1次試験は、中小企業診断士に必要な知識を有するかどうかを判定することが目的とされています。
全7科目マークシート形式で、他の国家資格の合格者などに対しては、申請により試験科目の一部免除が認められています。
また、仕事をしながら受験する社会人の受験者層のために科目合格制度も設けられており、一度合格点に達した科目は合格扱いとして3年間有効になります。
1次試験の科目は、①経済学・経済政策、②財務・会計、③企業経営理論、④運営管理、⑤経営法務、⑥経営情報システム、⑦中小企業経営・中小企業政策の7科目で経営に関する幅広い知識が問われます。
二次試験
2次試験は、中小企業診断士に必要な応用能力を有するかどうかを判定することが目的とされています。
筆記試験と口述試験の2段階あり、筆記試験が難関で、口述試験はほぼ全員が合格する、といわれています。
筆記試験は、15〜200文字程度の記述式問題が4問、各100点満点で出題され、
口述試験は、10分程度の面接試験であり、筆記試験出題内容をもとに4〜5問出題されます。
2次試験の筆記試験では、以下4つの事例問題が出題されます。
事例Ⅰ 組織を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
事例Ⅱ マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
事例Ⅲ 生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
事例Ⅳ 財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
口述試験では筆記試験の事例をもとにした質問に対し、受験生は資料なしで答える必要があります。
中小企業診断士試験の合格率
(参照: 一般社団法人 中小企業診断協会 HP)
中小企業診断士の合格率は過去10年間で平均「約5%」と極めて低い値となっています。
ただ、中小企業診断士の試験は一次試験と二次試験があるので、この値はどちらも一発で合格した受験者の合格率となっています。
一次試験と二次試験の合格率は各20%前後です。
中小企業診断士の試験は比較的難易度の高い試験だといえるでしょう。
独学で合格するのはやや難しい資格かもしれません。
2次試験合格後の3回の実務補修で監修者が参加した際に、独学(専門学校を利用せずに勉強すること)で合格された方は、13人中1人(約7.7%)でした。
中小企業診断士試験合格までに必要な勉強時間
中小企業診断士試験合格までに要する勉強時間は、人によって異なりますが、一般的に約1000時間~1500時間ほどといわれています。
1日2~3時間の勉強を続けるとしたら、1年以上の勉強が必要になります。
社会人の方が働きながら、1日2~3時間の勉強時間を1年以上確保し続けるのは、なかなか根気のいることでしょう。
1次試験の受験資格
結論から申し上げますと、中小企業診断士の一次試験に受験資格はありません!
中小企業診断士の一次試験は学歴・年齢による制限なし
いわゆる「難関試験」と呼ばれている試験のなかには、受験資格が設けられているものもたくさんあります。
例えば社会保険労務士の試験は、学歴、実務経験、厚生労働大臣の認めた国家試験合格のいずれか1つを満たしている必要があるなど、受験することにも一定の資格が必要です。。
しかしながら、中小企業診断士の一次試験には受験資格の制限がありません!
一般社団法人 中小企業診断協会が公表している「令和3年度中小企業診断士 第1次試験案内・申込書」に
「第1次試験の受験資格は、年齢、学歴等に制限はありません。」
と明記してあるように、
中小企業診断士の試験は、どんな立場・年齢の人でも受けられる、門戸の広い試験なのです。
人によって試験科目の免除はある
中小企業診断士の一次試験に受験資格による制限はありません。
しかしながら、特定の資格を持っている場合など、中小企業診断士試験の一次試験の科目を一部免除できる制度が適応されます。
試験科目の一部免除をする方法は以下の2通りです。
- 科目合格による免除
- 他資格等保有による免除
① 科目合格による免除
中小企業診断士の一次試験には「科目合格制度」が設けられており、これは一次試験不合格の人を対象に、各科目で基準点以上の得点を取った人に対して、合格した科目の受験を免除している制度です。
科目合格の場合は、翌年度と翌々年度の第1次試験を受験する際、申請により科目合格した科目が免除されます。
3年間ですべての科目に合格すれば、第1次試験合格となります。
つまり、科目合格の有効期限は3年間だということです。
科目合格の基準は、
「満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率」
とされています。
全ての科目が100点満点となっているため、60点以上を取れば科目合格となります。
この制度は、出願の際に受験申込書から「免除申請」をすることで利用できます。
ただし、一度1次試験に合格すると、それまでの科目合格による科目免除の申請資格がなくなってしまうので注意しましょう。
② 他資格等保有による免除
科目合格のほかに、特定の資格を持っている人も一部試験科目の受験を免除することができます。
具体的には以下の資格を持っている人々です。
免除科目 | 他資格等保有による科目免除対象者 |
経済学・経済政策 | 大学等の経済学の教授、准教授・旧助教授(通算3年以上) |
経済学博士 | |
公認会計士試験または旧公認会計士試験第2次試験において経済学を受験して合格した者 | |
不動産鑑定士、不動産鑑定士試験合格者、不動産鑑定士補、旧不動産鑑定士試験第2次試験合格者 | |
財務・会計 | 公認会計士、公認会計士試験合格者、会計士補、会計士補となる有資格者 |
税理士、税理士試験合格者、税理士試験免除者、弁護士または弁護士となる資格を有する者 | |
経営法務 | 弁護士、司法試験合格者、旧司法試験第2次試験合格者 |
経営情報システム | 技術士(情報工学部門登録者に限る)、情報工学部門に係る技術士となる資格を有する者 |
次の区分の情報処理技術者試験合格者 (IT ストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報技術者、システムアナリスト、アプリケーションエンジニア、システム監査、プロジェクトマネージャ、ソフトウェア開発、第1種、情報処理システム監査、特種) |
以上の資格を持っている人は一部の科目の受験が免除されるので、受験がよりやりやすくなるでしょう。
一次試験は合計得点が総点数の60%以上で1科目も40%未満がないことが合格要件になります。そのため、特定資格保有者の中には免除可能科目が得意科目の場合、科目免除せずに合計得点を稼ぐ方もいます。
中小企業診断士の試験科目など詳しく内容はこちらを参考にしてみてください。
中小企業診断士の試験科目は?どんな内容?
二次試験に受験資格はある?
一次試験には受験資格の制限が全くない一方、二次試験には一応「受験資格」の規定があります。
中小企業診断士の二次試験には2段階あるため、分けて説明していきましょう。
筆記試験の受験資格
筆記試験の受験資格は「一次試験を合格していること」のみです。
二次試験であるので、当然一次試験を突破した人のみが受けられる試験となっています。
ただ、受験資格があるのはその年度に一次試験を通過した人だけではなく、
- 前年度に一次試験を通過した人
- 前々年度とその前年に一次試験を合格し、期間延長申請が承認された人
も含まれます。
例えば、令和5年度に二次試験を受験する場合は、令和4、5年度の一次試験に合格しているか、令和2、3年の一次試験合格者で期間延長申請が承認されている必要があります。
すなわち、一次試験の合格自体は原則2年間有効だということです。
(※「科目合格」は3年間有効)
一次試験の合格から2年以上経過してしまうと、一次試験の合格が無効となってしまうので気を付けるようにしましょう。
口述試験の受験資格
口述試験は、いうなれば「二次試験の第二段階」。
そのため口述試験の受験資格は 「筆記試験を合格していること」となります。
しかし、口述試験の合格率は毎年ほぼ100%だといわれており、落ちる可能性は例年ほぼありません。
筆記試験に合格することこそが、二次試験合格のカギとなっているのです。
二次試験の受験資格もほぼないといえる
以上のことから、中小企業診断士の試験は、二次試験においても受験資格がほぼないといえるでしょう。
中小企業診断士の試験は、学歴・年齢を問わず、どんな人でも取ることができる資格となっています。
中小企業診断士 試験概要
これまでの項目ではまとめきれなかった中小企業診断士の試験に関する概要について、最後に触れていきたいと思います。
中小企業診断士 受験料
中小企業診断士試験の受験にかかる費用は一次試験と二次試験で異なります。
【1次試験】
13,000円
【2次試験】
17,200円
中小企業診断士試験 出願期間
【1次試験】
4月上旬~5月末
【2次試験】
8月下旬〜9月中旬
中小企業診断士試験 試験日程
【1次試験】
8月上旬の2日間
【2次試験】
(筆記)10月中旬~下旬、(口述)12月中旬
中小企業診断士の試験日に関してはこちらの記事も参考にどうぞ。
中小企業診断士試験 実施場所
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇の8都市
詳しくは一般社団法人 中小企業診断協会HPまで!
中小企業診断士試験 受験資格まとめ
中小企業診断士試験の受験資格について、詳しくお分かりいただけたでしょうか?
今回の内容をまとめると
- 中小企業診断士の一次試験に受験資格はない
- ただし、なかには受験科目を免除できる人もいる
- 二次試験の受験資格も、ほぼないといえる
以上のようになります。
中小企業診断士の試験は受験資格がなく、非常に門戸の広い資格。
ぜひあなたも中小企業診断士の取得を考えてみてはいかがですか?
こちらの記事も参考にしてみてください。