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投稿日:2023年12月13日 | 更新日:2024年04月22日
「色彩検定ってどんな試験?」
「難易度や合格率も知っておきたい」
色彩検定は、ファッションやクリエイティブ業界などの仕事で役に立つ資格です。
色彩検定を取得すると、色に関する基本的な知識やデザインセンスなどをアピールできる強みがあります。
就職や転職にも役立つ資格なので、取得するメリットは大きいです。
本記事では、色彩検定の試験概要や難易度、合格率などを中心に解説します。
記事後半では取得するメリットや勉強法も解説するので、ファッションやクリエイティブ業界に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
色彩検定とは?
色彩検定とは、色の組み合わせやデザインなど、色彩に関する幅広い知識を学べる試験です。
公益社団法人色彩検定協会が主催している資格で、ファッションやプレゼン、インテリア、デザインなどの色に関する美的感覚を養うことを目的に作られています。
色彩検定は4つの級に分かれており、3級・2級・1級に加え、UC(色のユニバーサルデザイン)級が2018年に新設されました。
3級は初めて色を学ぶ方向けで、2級は実務に応用したい方向け、1級はプロフェッショナル向けの試験です。
受験者層は10代・20代が大半で、合格者は広告、インテリア、コスメといった分野で活躍しています。
色彩検定の試験概要・難易度【2022年度の合格率・問題例も紹介】
まずは各級別に、色彩検定の試験概要・難易度について解説していきます。
級 | UC級 | 3級 | 2級 | 1級 |
---|---|---|---|---|
試験方式 | マークシート方式 ※一部記述 | マークシート方式 | マークシート方式 ※一部記述 | 1次試験:マークシート方式 2次試験:記述方式(一部実技) |
試験時間 | 60分 | 60分 | 70分 | 1次試験:80分 2次試験:90分 |
出題内容 | 色が見えるしくみ、色覚のタイプによる見え方など、配色における注意点や改善方法が出題される | 光と色、色の表示、配色イメージ、ファッション、インテリアなどの基本的な事項が出題される | 3級の内容に加え、色のUD、景観色彩などの基本的な事項が出題される | 3級・2級の内容に加え、色彩と文化、色彩調和論、測色などの幅広い知識が問われる |
合格ライン | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 |
検定料 | 7,000円 | 10,000円 | 15,000円 | 6,000円 |
参考:受検案内 合格への道 | 色彩検定協会/カラーコーディネーター
色彩検定の試験は夏季検定と冬季検定の年2回あり、2024年度の試験は以下のスケジュールで行われます。
検定期間 | 夏季検定 | 冬季検定 |
---|---|---|
日程 | 6月23日(日) | 11月10日(日) ※1級の2次試験は12月15日(日) |
級 | UC級・3級・2級 | 全級 |
UC級
色彩検定UC級とは、「色覚の多様性に関する知識を深める、UC(色のユニバーサルデザイン)級が新設。」というテーマのもと、2018年の冬季に新設されました。
UCとは「色覚の多様性に配慮した、誰もが見やすい色使い」という意味で、UC級に合格すると特定の色の組み合わせを判別しづらい人への理解を進めることができます。
色彩検定UC級の合格ラインは満点の70%前後で、2022年度の合格率は85.8%です。
ここで一度、UC級の例題をひとつ取り上げてみます。
色のユニバーサルデザインを考慮した設計方法として、色覚の特性によって区別しにくい色の組みあわせを避けることがあげられる。たとえば、図1のピンクと水色は人によっては区別がしにくい組みあわせであるが、色系統を大きく変えないで修正するとしたら、このピンクを[ A ]ピンクにすると水色と区別がつきやすくなる。同様に[ B ]、[ C ]なども区別しにくい色の組みあわせなので、ほかの色に変更できないか、色の三属性を少し調整することによって区別しやすくならないかを検討する。 引用:検定出題例 UC級 | 色彩検定とは | 色彩検定協会/カラーコーディネーター |
上記のように、色のユニバーサルデザインや色覚の特性について問われる問題が中心に出題されます。
Aの答えは「2」、Bの答えは「1」、Cの答えは「2」です。
このように、色のユニバーサルデザインや特性に関する知識を深めれば、UC級に合格できます。
3級
色彩検定3級は、「色の世界への入り口~色彩の理論や法則を基礎から学ぶ~」というテーマで作成された級です。
色の表し方や基礎知識、色の心理的効果など、配色を考えるときに便利な色彩体系の「PCCS」について学習します。
色を見分ける力が付き、日常生活や趣味で使えるレベルの色彩感覚が身に付きます。
合格ラインは満点の70%前後で、2022年度の合格率は76.9%です。
色彩検定3級の問題は、以下の通りです。
引用元:検定出題例3級 | 色彩検定とは | 色彩検定協会/カラーコーディネーター
上記のように、色のトーンについての問題や配色の特徴や効果などが出題されます。
Aの答えは「1」、Bの答えは「2」です。
色彩検定3級は基礎的な内容なので、色について知識がない方は3級の取得から目指しましょう。
2級
色彩検定2級は「色を仕事に生かす~仕事に応用できる各種技法まで学ぶ~」というテーマで、実務に応用できるレベルの色彩調和について学べます。
3級で学習する配色やイメージについてさらにレベルアップし、ファッションやインテリアといった各分野のカラーコーディネートの基礎を学習します。
色彩検定協会公式によると、合格ラインは満点の70%前後で、2022年度の色彩検定2級の合格率は77.4%と高めです。
色彩検定2級では、以下のような問題が出題されます。
検定出題例2級 | 色彩検定とは | 色彩検定協会/カラーコーディネーター
上記のように、PCCSを使った配色として正しいものを選択したり、空欄に当てはまる語句を選択したりする問題を中心に出題されます。
Aの答えは「4」、Bの答えは「1」です。
1級
色彩検定1級は、「色彩のスペシャリストへ~色彩を提案する力を身につける~」というテーマをもとに作られた、色彩検定の中で最も難しい級です。
色彩実務担当者として色彩設計に携われるレベルの内容を学習し、自ら課題を解決・アドバイスできるレベルとなります。
2次試験では各種色票やソフトなどをカラーカードを使った配色を行うため、より実践的な内容を学べるでしょう。
なお、1級に合格すると、色彩検定協会が主催する「講師養成講座」を受講できるようになります。
講師養成講座では、「講師としてどのように教えるか」を中心に学べるため、自分自身が色彩検定1級保持者の講師として教えるノウハウを学習できます。
1級の合格ラインは満点の70%前後で、2022年度の合格率は39.6%です。
合格率から見て分かる通り、1級は2級に比べレベルがグッと高まるため、これまで以上に対策を行う必要があります。
なお、色彩検定1級では、以下のような問題が出題されます。
シュヴルールの色彩調和論では「一つの主調色による調和」を取り上げているが、これには[ A ]のような配色も該当する。これは3種類ある[ B ]の調和の一つとして取り上げられているが、この調和の中には図1の例のような「[ C ]色相による色調類似の調和」も含まれている。この図1の配色は[ D ]であるということもできるが、[ D ]のような配色は、ジャッドの色彩調和では[ E ]の原理で説明できる。 引用:検定出題例1級1次 | 色彩検定とは | 色彩検定協会/カラーコーディネーター |
色彩検定を取得するメリットは?
色彩検定を取得するメリットは、以下の3つです。
- 就職や転職に有利になる
- デザインに関する感覚が養われる
- スキルアップに繋がる
それぞれ確認していきましょう。
色彩検定の資格で就職や転職に有利になる
色彩検定を取得すると、就職や転職に有利になります。
色彩検定で学ぶ内容は、デザインやコーディネートなど幅広い業界で役立ち、取得するとセンスが問われる業界でセンスをアピールできるようになります。
また、色について知識を深めると、取引といった重要な機会で色の影響力を有効に活用できるようになるのもメリットです。
例えば、蛍光色や原色といった濃い目の色は相手に攻撃的な印象を与える反面、パステルカラーといった薄めの色は相手に落ち着いた印象を与えます。
色彩検定を取得すると、資格の専門性をアピールできるだけでなく、相手からの印象を良くするコーディネートを組めるようになるので、就職や転職に有利になります。
デザインに関する感覚が養われる
色彩検定を取得すると、デザインに関する感覚が養われます。
色に関する知識がない状態であれば、色のイメージや配色、測色といった相手に与える重要な指標を意識できません。
一方で、色彩検定を取得すると、色のバランスや配色の注意点などに目を向けられるようになるので、完成度の高いプレゼンテーション資料を作成できるようになったり、相手に好印象を与えるコーディネートを組めるようになったりします。
「デザインはセンス」と考えている方も多いですが、色彩検定協会は「色を学べば、センスは必ず身につく!」と考えているので、センスを磨くことができます。
色にはさまざまな特徴があり、理論や法則が明確に存在しているため、このようなルールに則って色を選べるようになればデザイン力が向上します。
「自分にはセンスがないから、デザイン系の仕事は厳しい」と悩んでいる方は、色彩検定で色を学び、資格取得に励みましょう。
スキルアップに繋がる
色彩検定を取得すると、ビジネスのスキルアップに繋がります。
例えば、事務作業でプレゼンテーション資料を作成する際は、画像やグラフ、表などを用います。
プレゼンテーション資料作成の際に用いる画像やグラフでは、相手にサービス内容やメリット・デメリットなどを伝え、契約に繋げるよう作成することが基本です。
この資料作成の際に色を上手く使うことができれば、成約率の改善といった効果が見込めます。
色彩検定を通して色が人に与える影響も学習するため、部分的ではありますが人間心理を学ぶこともできます。
色は日常生活レベルで触れる機会があるので、色について知識があればビジネスシーンに限らず、人生を上手に生きるためのスキルアップに繋がるでしょう。
色彩検定のおすすめ勉強法は?
他の資格と同じように色彩検定でも、勉強を始める際は勉強計画を立てる必要があります。
勉強計画を立てる際は、出題範囲や必要勉強時間なども把握しておく必要があるので、色彩検定の概要は前提として把握しておきましょう。
試験問題は基本的にテキストに沿って出題され、それぞれの分野から均等に出題されるケースが多いので、まんべんなく勉強することが重要です。
勉強方法はこのようなものがあげられます。
・独学
・通信講座
・スクール
以下の見出しでは、勉強法を3つに分けて解説するので、自分に合った勉強法を見つけましょう。
独学
受ける級のテキストや過去問集を購入し、独学で勉強する方法です。
独学は教材費が安く、自分で勉強のスピードを調整できるというメリットがありますが、勉強に慣れていない人であれば勉強効率が落ちやすいのがデメリットです。
勉強に慣れていない人の場合、勉強計画の立て方や勉強の進め方などが分からず、ペースが乱れたり質の低い勉強をしてしまったりするリスクがあります。
特に、これまでの人生で色彩検定以外の資格取得に独学で挑戦したことのない方や、学生時代に受験勉強に力を入れてこなかった方は勉強法が分からず、質の低い勉強をしてしまうケースが多いです。
そのため、今回初めて資格に挑戦するという方にとって独学の難易度は高いので、次に紹介する通信講座やスクールでの勉強をおすすめします。
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通信講座
通信講座とは、スクールに通わずオンライン上でプロの講師から講義を受ける勉強法です。
通信講座は自分のペースを守りながら自宅でカリキュラムをこなせるので、スクールに通う時間がないという方におすすめします。
また、スクールに比べて費用は安いので、費用を抑えながら勉強を進めていきたい方にもおすすめです。
一方で、スクールに比べて孤独感を覚えやすく、強制力が働かないという点はデメリットと言えます。
通信講座は講座によってカリキュラムや費用が異なるため、自分に合った講座を見つけることが合格への近道です。
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スクール
色彩検定を勉強する場合、スクールで学ぶのもおすすめです。
スクールで学ぶと、独学や通信講座に比べて勉強できる環境が整っているので、集中して勉強できます。
しかし、通信講座に比べて費用が高く、10万円を超える学費がかかる場合もあるので、金銭的に余裕のない方には利用するのが難しいでしょう。
高い費用を払ってでも合格を勝ち取りたいと考えている方は、スクールの利用をおすすめします。
色彩検定まとめ
本記事では、色彩検定の試験概要・難易度、色彩検定を取得するメリット、色彩検定の勉強法などを中心に解説しました。
色彩検定は、色の組み合わせやデザインなど、色彩に関する知識をまるっと学べる資格です。
ファッションやデザイン職では、カラーに関する知識は大事なので、これらの職種に興味のある方は資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。