PR
投稿日:2024年2月2日 | 更新日:2024年02月02日
トリマーとは、簡単に言うと「ペット専門の美容師」です。
動物の美容や健康をケアするプロのトリマーを目指すのであれば、資格を取得した方が就職には有利です。
トリマーの資格にはさまざまな種類があり、取得するには大きく分けて2つの方法があります。
今回は資格の種類とその取得方法と費用、取得後の職場などについて解説します。
トリマーとは?
トリマーとは、ペットサロンやペットショップなどでペットの毛や爪のカット、マッサージおよびブラッシングを行う仕事で、海外ではグルーマーとも呼ばれています。
このトリマーの語源は「整える」の意味を持つ「トリミング」からきています。
トリミングは、シャンプーやブラッシング、毛および爪のカットなどをはじめとする「グルーミング」の技法の一つです。
また、見た目をきれいに整えるだけではなく、ケアを行いながらペットの健康状態に気を配り、気になることがあれば飼い主に伝えます。
1日中ペットと過ごせますので、動物が好きな方にはピッタリの仕事です。
トリマーにおすすめの資格の種類
トリマーの資格にはさまざまな種類があります。
ここではおすすめの資格を紹介し、取得方法や費用合格基準などについて解説します。
ペットトリミングアドバイザー
「ペットトリミングアドバイザー」は日本生活環境支援協会(JLESA)が認定している資格です。
トリマーについての基礎的な知識やトリミングの手順を理解している方が取得可能です。
取得者は、犬・猫種別のトリミングスキルやはさみ・バリカン・シャンプーなど道具の使い方に関する知識を保有していることが証明され、ペットトリミングアドバイザーとして自宅やカルチャースクールなどで活躍可能です。(開業時には第一種動物取扱業登録が必要)
受験資格 | なし |
受験方法 | 在宅 |
受験料(税込) | 10,000円 |
合格基準 | 70%以上 |
合格率 | 非公開 |
数あるトリマー資格のなかでも取得しやすい資格です。
トリマー開業インストラクター
「トリマー開業インストラクター」は、日本インストラクター技術協会(JIA)が、「トリミングに関する知識」および「トリマーを開業するための知識」を認定する資格です。
売上の管理・運営をはじめ、サービスの展開方法まで開業に必要とされる、さまざまな知識を身につけられます。
資格取得後は、トリマー開業インストラクターとして自宅やカルチャースクールで活躍可能です。(開業時には第一種動物取扱業登録が必要)
受験資格 | なし |
受験料(税込) | 10,000円 |
受験方法 | 在宅 |
合格基準 | 70%以上 |
合格率 | 非公開 |
試験範囲をしっかり学習しておけば、取得しやすい資格です。
JKC公認トリマー
「JKC公認トリマー」は、一般社団法人ジャパンケネルクラブが認定する資格です。
レベル別に「C級」「B級」「A級」「教士」「師範」の5つに分かれています。
トリマー業界で有名なライセンスで、血統書なども発行しています。
まずは、C級ライセンスを取得し毎年行われる試験で上位の級を目指します。
JKC公認トリマー資格取得のための学習の場には、指定機関・研修期間・協力機関の3種類のJKC認定の養成機関があります。
知識やスキルが認められた一人前のトリマーとして働くにはB級以上の資格が必要です。
受験資格 | C級:満18歳以上で公認のトリマー養成機関 を修了または2年以上の会員歴があること B級:C級取得後、引き続き協力機関に在籍し、 定められた過程を修了していること A級:JKCの在籍が2年以上でB級取得の3年後 トリマー養成機関で学びC、B級を取得したケ ースは、引き続き2年養成機関で定められた過程が終 了したこと |
受験料(税込) | 各級:5,400円 |
受験方法 | 指定会場(筆記・実技) |
合格基準 | 各級:筆記および実技でそれぞれ70%以上 |
合格率 | C級:90% B級:95% |
C級は取得しやすいものの、レベルが上がるにつれ、知識・技術ともに高度なものが求められます。
JDA公認トリマー
「JDA公認トリマー」は、全日本愛犬技術者指導協会による公認資格で日本で唯一厚生労働省が認可している資格です。
レベル別に「3級」「2級」「1級」の3種類があり、取得は3級からステップアップしていく形式です。
3級を取得するには、認定校(つくば国際ペット専門学校)で学ぶ必要があり、卒業時までに1級まで取得できます。
技術の他に、「獣医学」などの知識が必要です。
受験資格 | 協会が指定する学校の在校生および卒業者 |
受験料(税込) | 不明 |
受験方法 | 不明 |
合格基準 | 非公開 |
合格率 | 非公開 |
公式サイトなどがないため詳細は不明です。
資格の取得を検討する場合は、つくば国際ペット専門学校に問い合わせてください。
SAE公認トリマー
「SAE公認トリマー」は、SAEは「全日本動物専門教育協会」の略称でこの資格は環境省が認可している試験です。
更新料の納付や義務研修への不参加でライセンスが無効になる団体もありますが、SAE公認トリマーは、更新制度のない、永久ライセンスです。
資格の種類は、「初級」「中級」「上級」「教師」の4種類で、昇級にはそれぞれの段階で指定の学校にて1年間の学科と実技が修了したものとの定めがあります。
受験資格 | 初級:指定学校において1年間の学科 および実技が修了していること 中級:初級合格後、指定学校において 、1年間の学科および実技が修了して いること 上級:中級合格後、指定学校において 、1年間の学科および実技が修了 していること または、中級取得後に当該職種にて1年 以上従事したこと 教師:上級取得後に当該職種にて3年 以上従事し、その職場の所属長より推薦されたこと |
受験料(税込) | 初級:【受験料】¥15,750【登録料】¥21,000 中級:【受験料】¥15,750【登録料】¥21,000 上級:【受験料】¥21,000【登録料】¥31,500 教師:【受験料】¥31,500【登録料】¥52,500 |
受験方法 | 最寄りの加盟校 |
合格基準 | 非公開 |
合格率 | 初級:98.7% 中級:100% 上級:100% |
SAE公認トリマーを取得すると、独立時に必要となる「動物取扱責任者」の登録が可能になります。
初心者向けの資格
数々の資格を紹介してきましたが、その中で初心者向けの資格を挙げると「JKC公認トリマーC級」になります。
JKC公認トリマーは、トリマー資格のなかでも高い知名度を誇り、C級は初歩の資格です。トリマーを目指す方にとって初めて取得することが多い資格です。
まずは、それぞれの犬種に合わせて決められたカット技術を学びます。
殆どの方がJKC公認の専門学校に通って取得しますが、2年間ジャパンケネルクラブの会員になれば独学での受験も可能です。
ペットトリマーのプロを目指せる難しい資格
紹介した資格のなかで、プロのトリマーを目指す方におすすめできる資格は「JKC公認トリマー」「JDA公認トリマー」などがあります。
この2つの資格は、専門学校で所定のカリキュラムを修了し、試験に合格することで取得できます。
実技試験では、実際に本物の犬のトリミングを行います。
そのため、やり直しがきかず、高い技術力が必要になります。
完成度の高いトリミングのためには、実技講習や自主練習などを重ねて、多くの場数を踏むことが大切です。
自分のペットケアにいかそう
自分のペットケアに活かすための資格を目指す方には、「LPLA公認トリマー2級」「JCSA認定マスターライセンス ドッグトリマー」がおすすめです。
この2つの資格は、通信講座で所定のカリキュラムを修了すれば取得できます。
実技課題は、小型犬サイズの人形でカットを行い、その人形を送付し審査を受けます。
試験会場などに向かう必要がなく、すべて自宅での資格取得が可能です。
トリマーになるには
トリマーは「誰でもなれる仕事」なのは事実です。
しかし、「誰にでもできる仕事」ではありません。
ある程度の知識と経験がなければ、トリマーとして働きだしても、うまくいかないことが多いのです。
それでは、トリマーになるにはどうしたらよいのでしょう?
資格は必ず必要というわけではない
トリマーになるためには、資格が必須と思われがちですが、実は資格がなくてもトリマーにはなれます。
実際に資格を持たずに、ペットショップなどで働きながら知識や技術を習得している方もいます。
しかし、トリマーの求人を見てみると、基本的に「1人で1頭仕上げられる方」や「トリマー・ペット関連の専門学校卒業生の方」などの条件があるケースがほとんどです。
トリマーとして就職したいならブラッシング・シャンプー・カット・ブローや耳掃除・爪切りなどの一連の流れを1人でこなすだけのスキルが必要です。
つまり資格は必須ではないものの、就職後の即戦力になるには資格に見合うだけの専門知識や技術の習得が必要だということを覚えておきましょう。
資格を持っていれば就職には有効
専門学校・スクール・通信講座のどれで勉強しても、資格取得にたいおうしているところがほとんどです。
既述のとおり、トリマーに資格は必須ではありませんが、一方で資格を保有していれば、身につけたスキルを証明できます。
就職活動のアピールのためには、資格に挑戦するのは非常に有効です。
トリマーとして働きたい方は、資格取得を目指して頑張りましょう。
トリマーの資格の取得方法と費用
トリマー資格の資格を取得するには、自宅で受講できる通信講座から通学制のスクールまで多種多様な選択肢があり、学歴、年齢を問わずに取得可能です。
ここではスクールや学校に通う場合と通信教育で勉強する場合の2種類に関して説明していきます。
スクールや学校に通う場合
最短でトリマーの技術の向上を図るなら、スクールや学校に通うのが近道です。
講師から直接指導を受けられるので、分からないところをその場で質疑応答ができます。
そのため、効率的に高度な知識や技術が身に付きます。
独学でテキストや動画を見てその場では理解したつもりでいても、実際に手を動かし体で覚え、評価を受けないと上達には時間がかかってしまうでしょう。
卒業までにかかる期間は、1年~2年程度かかります。
スクールや学校に通うメリットは、直接犬を触りながら、扱い方や保定方法を実践できることです。
また、座学では獣医師などから直接授業を受けられます。
なお、スクールに通う場合は一般的に50万円~150万円程度が必要です。
資格によっては短大卒の条件がある資格ありますが、その場合は数百万円かかるケースもあります。
通信教育で勉強
通信講座であれば、初心者でも無理なくトリマーの資格を取得可能です。
自分のペースで取り組めるので、忙しく時間が取れない方におすすめです。
スクールや学校に通う場合より費用が安く、最短2ヶ月で「ペットトリミングアドバイザー」や「トリマー開業インストラクター」の2資格の取得が可能です。
もちろん、現在トリマーとして活躍されている方が、さらにスキルアップを目指し学ぶのにも役立ちます。
カット方法などは、動画を通して講師が丁寧に解説していて、何度も繰り返し見られるので初心者でも安心して学べます。
なお、通信教育で勉強する場合は8万円~30万円程度が必要です。
トリマーの資格取得者の職場
資格を保有するトリマーの主な職場と言えば、ペットショップ、ペットサロン、動物病院などです。
ここからは、トリマーの資格取得者の職場について解説します。
ペットサロン
ペットサロンはペットのための美容室です。
他の職場と比較して流行のスタイルやおしゃれなスタイルを求められるケースが多いので、常に最新の流行スタイルを確認してトリミングの技法のマスターが必要です。
ときには、ペットに関する相談を受ける場合もあるでしょう。
そのために流行のスタイルはもちろん、犬・猫種別ごとのカットの仕方や、ペットの健康管理に関する知識まで幅広く習得する必要があります。
トリマー資格を取得するために得た知識を活用すれば、飼い主のさまざまな要望・相談にも対応可能です。
ペットホテル
ペットホテルは、飼い主が旅行や出張などで不在の際に、ペットを長時間お預かりする施設です。
トリミング以外にも食事の世話やゲージの清掃などを行い、ペットが快適に過ごせるように整えます。
動物たちが安心して過ごせるような衛生的な環境を維持するためには、衛生学や社会学などの知識が不可欠です。
トリマー資格を取得すれば、ペットの健康管理に関する知識を役立てられます。
動物病院
そのほかにトリマーが必要なのが動物病院です。
資格を取得すれば動物病院でトリマーとして働けます。
流行を意識する必要はなく、ペットが生活しやすい衛生的なカットを行います。
犬種による独自の被毛の生え方などを十分に理解し、最適なトリミングを行うことが大切です。
トリミングはペットの健康管理のためにも欠かせません。
独立・開業
経験を積んだ後にはフリーランスで働くほか、ペットサロンやペットホテルの開業も可能です。
ペットサロンやペットホテルの開業を考えている方は、開業する際に必要となる知識を身につけられる資格も取得しておくことをおすすめします。
トリマーの収入
トリマーという職業は、専門的な知識や高度な技術が求められますが、平均年収の面では決して恵まれてはいません。
勤務先の店舗や地域、経験、スキルによって給料は異なりますが、特に下積み期間は他業種と比べても低めの給料設定のことが多いです。
実際の求人情報から計算すると、正社員の平均月収は、18万円~20万円ほどです。
経験を積んで職場の管理職に昇進をした場合や、顧客からの指名に歩合が支払われる契約で多くの指名が得られれば、年収にして300~500万円になる場合もあります。
収入をアップさせる方法
トリマーとして収入を増やすためには、顧客の要望に合わせたカットができることが重要です。
店舗によっては基本給に加えて歩合給が支給される倍があるので、スキルを上げて指名客が増えれば収入がアップします。
歩合給がないケースでも、経験年数や技術によって基本給が変わってくる店舗もあるので、収入を上げたいのであれば、さらに深い知識や技術を身につける必要があります。
また、近年ではSNSもビジネスツールの一つで、トリマーの収入を増やすための重要な手法です。
トリマーとして活躍する日々を発信してファンを一人でも多く獲得しましょう。
トリマーの収入を増やすためには、地道な「集客活動」は欠かせません。
トリマーに向いている人
トリマーに向いている方は、以下のような方です。
- 人や動物とコミュニケーションを取るのが好きな方
- 手先が器用な方
- 集中力や適応力がある方
トリマーは飼い主にヒアリングをして要望通りにカットしていくので、飼い主や動物とコミュニケーションを取れる方が向いています。
また、カットはミリ単位の仕事なので手先が器用な方に向いています。
トリマーにとっては、時間を意識して効率的に作業できる能力は必須です。
そのため、集中力のある方がトリマーに向いているといえるでしょう。
トリマーの将来性
現在、ペットは家族の一員でトリマーの仕事は広く認知されています。そのため雇用環境も安定しています。
また、トリマーは参入障壁が高い職業と言えるので、市場価値が高いです。
さらに、スキルや経験が身に付けば独立が可能です。
独立後は自分でお店を構えたり、顧客を訪問してトリミングしたりします。
近年のペット保険やペットフードの種類の多さを考慮すると、ペットの健康に気を使っている飼い主が増えています。
寿命が延びるとペットを看護するトリマーのニーズはますます高まっていくでしょう。
まとめ
トリマーは動物が好きで、動物に関わる仕事をしたい方にピッタリの仕事です。
ペットの世話をして、飼い主から感謝されたり、喜ばれると仕事に生きがいを感じられるはずです。
トリマーはとても「やりがいがある素敵な仕事」といえます。
トリマーになるのであれば資格の取得をおすすめします。
どの資格を目指すのかは。
お金の面や難易度や受験条件によりますが、自分のライフワークバランスと合わせて考えてみましょう。